41. 抱擁のかけら
《ネタバレ》 嵐のような激しい愛憎劇がさまになる女優ペネロペ。その魅力がたっぷり味わえるのはいいが、あまりの濃さにだんだん疲れてきたりして。でもそこで観ている者をほっとさせるのが、素直で優しいディエゴの存在。この心憎い演出もまたアルモドバルならでは。劇中劇を挟んだ演出も小粋で、これまたペネロペの魅力が全開。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2012-11-18 07:59:49) |
42. アデルの恋の物語
狂気の愛と言えばリアルタイムではまったのはベティ・ブルーだったが、イザベル・アジャーニの美しくも鬼気迫る、そして容赦なく壊れていく女の表現は、そのイッちゃってる感において「これぞ本家」と思わせる迫力があり、さすが。これは男性にとってはホラー映画なのでは。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2012-11-02 11:19:23) |
43. Emma/エマ(1996)
オースティン物は嫌いじゃないけれど、この作品だけは「恋愛も慈善活動も、所詮金持ちの暇つぶし」的な悪意のない(からこそ食えない)鈍感さがぷんぷんしていてどうも苦手。エマの成長物語というより、ハリエットの受難物語だな。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2012-10-24 15:15:48)(笑:1票) |
44. いつか晴れた日に
オースティンと言えばイギリスの田舎貴族の山有り谷有りの婚活物語、こちらも腰を落ち着けてじっくり楽しめる作品。とにかく風景を眺めるだけでもううっとり。ヒュー・グラントはどうにも甘ったるい二枚目顔が鼻につき、知性がドレスを着ているようなエマとお似合いとはとても思えない。が、役のお陰でこの作品での彼は普段より印象が良かった。つい微笑を誘うマーガレットの可憐さにもにっこり。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2012-10-24 12:57:58) |
45. 星を追う子ども
《ネタバレ》 秒速…が大好きなのであの切ない世界観を期待して前知識ゼロで観たのだが、良くも悪くも期待はずれ。ジブリ映画大好きの子ども達と一緒に観たら、「キツネリスキター!」「待ってたハク!」「見な!あれが飛行石だよ!」「ムスカキター!」「アシタカ!と思ったらヤックルまでいるのかよ(笑)」「あ、これまんまラピュタじゃん!」「おっ、いよいよヴァルス!か?」とかなんとかツッコミがうるさいのなんの。自分でもどこかで観たようなシーンばかりで思わず苦笑。途中から諦めてジブリのパロディだと思うことにしたら存外楽しめた。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2012-10-19 15:00:43) |
46. ラストタンゴ・イン・パリ
自他共に認めるオジ専なのだが、もし若い頃に彼らのこういうリアルな醜態を見せられたらやっぱり男は若いに限る、となったかも。かと言って自分がおばさんになった今改めて観ても、映像美に酔いしれる以前に、主人公二人のビジュアルのリアルさが何とも残念で気分が萎えてしまった。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2012-10-19 14:45:04) |
47. ジェイン・オースティン/秘められた恋
アン・ハサウェイもジェイン・オースティンも好きなのだが、こちらは主人公二人が恋に落ちる経過に今ひとつ納得感がなく、往年の少女漫画を読んでいるかのようだった。そもそも姉よりパッとしないはずの妹がこんなにも垢抜けた美女では設定に無理がある。オースティンものの作品らしくイギリス郊外の美しい風景が楽しめたのは良かった。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2012-10-19 14:31:45)(良:1票) |
48. 理由なき反抗
《ネタバレ》 ディーンの代表作と聞いていますが…これ名作なんだろーか?衣装とか学生生活の描写などが何ともレトロで、いわゆるフィフティーズ文化を垣間見られるという点では面白い映画。若造それぞれが幼いからこその悲劇が描かれているのは分かるが、いかんせんプロット浅すぎだしキャラ設定も無茶苦茶。特にジュディの行動は全く共感できるところがなく、最初から最後まで反感しか感じないという、ある意味希有なヒロインであった。無責任に男同士の馬鹿な争いを煽り、あげく彼氏が死んだ夜に別の男に熱をあげるとか意味不明。この作品の中で行動に筋が通っているのはジムだけだったような。登場する学生達は皆見た目はほんとに高校生か!ってぐらい老けてるんですが、中身は凄まじく幼くまさに中二病まっさかりてな感じで、車にしろ銃にしろ、こんなガキンチョに殺傷能力のある玩具を持たせちゃいかんよと思った。 [試写会(字幕)] 5点(2012-10-15 08:55:17) |
49. グロリア(1999)
《ネタバレ》 オリジナル未見。ヒロインのキャラクターが非常に中途半端で、女性としても母親としても共感ゼロ。ラストの母性とってつけた感が最悪。可哀想になあ、そんな親子ごっこ絶対うまくいかないのに…と思えてしまい、感動も何もあったもんじゃない。生意気さが可愛いはずの子役が可愛く思えない点も残念。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2012-10-08 21:47:40) |
50. 舞妓Haaaan!!!
《ネタバレ》 クドカン&サダヲが苦手な人には拷問のような映画かも。自分にとってはクドカン節にどっぷりはまったサダヲワールドを満喫できて大満足。家族と一緒に「キモイ、キモ過ぎる~!!」と爆笑しながら一緒に突っ走り、後に何も残らないこの爽快感(笑)。ところで、これまで白塗りの舞妓さんの容姿は正直キワモノに思えてしまい、女性として美しいと思ったことがなかったのですが、小出早織の舞妓姿は素晴らしかった!まさにお人形のような可憐さや女性らしいたおやかさが感じられ、柴咲コウより1000倍似合ってました。あそこまでガッツリ白塗りすればみんな一緒かと思いきや、実はむしろものすごく素顔の造形により向き不向きがあるメイクだったとは、目からウロコ。舞妓の魅力に気付かせてくれたというキャスティングの素晴らしさにプラス1点。 [CS・衛星(邦画)] 8点(2012-10-03 18:51:41) |
51. ロルナの祈り
ヒロインのロルナの感情の動きに同性として共感できるところがほとんど無く、「あーあ」で始まり「あーあ・・」で終わってしまった。外国映画を観ていると、社会背景も年齢も立場も全く異なるキャラクターであっても、女性が主人公の話ならどこかしら共感したり人間的な魅力を感じられることが多いので、それこそ祈るような気持ちでストーリーを追っていたが、残念ながら最後まで感情移入しきれずに終わった。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2012-10-03 18:29:56) |
52. プライド(2008)
《ネタバレ》 原作未読ながら、他の一条作品は何作か読んでいるので期待して観たところ、果たして期待以上に楽しめました。情や金のからんだ嫉妬や憎しみ、裏表のある強かなキャラクターなど、女同士のブラックな戦いがこれでもかと描かれているものの、意外にもお子様とも安心して一緒に観られる内容。はっきり言って手放しで好感を持てるキャラが誰一人出てこないんですが、面白かった。「女って、コエェー!!」とかギャーギャーツッコミを入れつつ、家族揃って楽しく観ました。華奢な身体ながら怖い女が似合う満島ひかりの演技力が光ってる! [CS・衛星(邦画)] 7点(2012-09-30 14:46:16) |
53. レイチェルの結婚
《ネタバレ》 キムの痛々しい暴走っぷりも分かるけれど、問題を抱えた兄弟に周囲がかかりきりで、手がかからないいい子だったからこそ放置され、ずっと寂しい思いをしてきたレイチェルの気持ちもよく分かる。そういう積年の恨みがあるからこそ「自分の結婚式ぐらい、私を第一にしてよ!」と思うのは当然だろうと思うと、レイチェルが意地悪姉さんにはとても思えなかった。そしてこの姉妹をそうした不幸な関係に貶めた要因は、どうやら身勝手な実の母親にあるということを、さりげなく示唆している。ひと癖もふた癖もある女達に囲まれて、優しいけれど不器用なお父さんの孤軍奮闘が切ない。とまあテーマは良かったんだけど不必要にダラダラと長いパーティ描写のせいでもう一度観たいと思えないところが残念。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2012-09-26 15:13:58) |
54. リリィ、はちみつ色の秘密
《ネタバレ》 もっと小さい頃からやたら小賢しそうなダコタ・ファニングが私はどうも苦手だったのだが、成長しながらも結局彼女はそんな役どころをきっちりこなしていくらしい。リリィがオーガストに過去を告白するシーンだけは泣けたけれど、それまでずーっと好感持てなくて、正直アンタさえいなければ…!と何度思ったことか・・・。それよりこの映画でなんとも魅力的だったのは、大好きなクイーン・ラティファをはじめ、それぞれにキャラが立ってる黒人三姉妹。ラティファおばさん印のパンケーキ・シロップなんてものが実在していてもおかしくない!それぐらい違和感ないキャスティング(笑) [CS・衛星(字幕)] 7点(2012-09-26 15:11:45)(笑:1票) |
55. ヴィタール
贓物デッサンがキモすごいが、意外と乾いた映画だった。これなら血が苦手な人でも安心して鑑賞できます。浅野忠信は棒俳優というかそこに味がある役者さんだと思うが、今回ははまり役。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2012-09-24 01:21:04) |
56. 17歳のカルテ
病んでますねー。でもひたすら青いだけで、むしろ現実世界よりも淡々としたぬるい展開が続き、いったいどこから本格的にドラマが始まるのかと思っていたら最後までそんな感じだった。というわけで最初から展開が読めてしまいやや退屈。時代背景のせいか、設定の割に個々のキャラ立ちが今ひとつ中途半端でパンチに欠ける。ちなみに女子中学生と一緒に観たが、さして感情移入出来なかった模様。邦画の「クワイエットルームへようこそ」の方が面白かったけど、この作品から着想したんかな? [CS・衛星(字幕)] 6点(2012-09-24 01:14:39) |
57. PARIS パリ
ビノシュはもともと美女なのにイイ感じに程よく劣化しつつ歳食ってく感じが女優として貴重。しかしこの映画をパリっ子が見たら「そうそうこんな感じ」と納得できるほどパリの日常を現しているんでしょうか?なんか現地事情をよく知らないまま憧れてるジャポンのいい年したお花畑女子が妄想したパリ、って感じがしたんですけど、これでいいんですかね?(笑) [CS・衛星(字幕)] 6点(2012-09-24 00:59:42) |
58. マーティ
《ネタバレ》 いやー、婚期逃して親や世間にやいやい言われるとか嫁姑同居問題だとかって古今東西を問わず普遍的にネタにされるのね。50年以上前の作品なのに、むしろの遅咲き婚活流行りの現代のアラサー・アラフォー恋愛事情においてタイムリーと言える内容かも。元祖モテない系のマーティが棚ぼた初デートで思わずがっつき過ぎて引かれるくだりは、妙にリアルで苦笑。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2012-09-24 00:52:41) |
59. バビロン A.D.
《ネタバレ》 ストーリーもキャラクターにも全く魅力が見出せず、何が何やら。アクションシーンも想定外にショボイし、節操の無いコカコーラ・ゼロ・ジェットだとか、あんまりな駄作。ダメ押しにラストもワケワカメ。このヴィン・ディーゼルの残念感といったら、最初は格好良かったのに我が身の落ち目を自虐ネタにするまで堕ちたヴァン・ダムを彷彿とさせ、なんとかここで留まって欲しいと願わずにはいられない。 [CS・衛星(字幕)] 2点(2012-09-24 00:42:35) |
60. レールズ&タイズ
何の予備知識も先入観もなく観たところ、思いがけず号泣。K.ベーコンはどちらかというと苦手だったし、この手の典型的なアメリカの白人子役を可愛いと思ったことも皆無なのだが、この作品では良い意味で予想を裏切られた。フィクションでしかありえないご都合主義な展開とは言え、だからこそ「こんな最期」に憧れてしまう、中年既婚女性の夢が描かれている。 [CS・衛星(字幕)] 9点(2012-06-22 02:13:51) |