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コメント数 885
性別 女性

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41.  TIME/タイム 《ネタバレ》 
「TIME IS MONEY」で映画を1本作ってしまった、タイムSFとして目新しいのは確か。 監督アンドリュー・ニコルの傑作「ガタカ」のように美意識で貫かれており、人もモノもみな美しく、それだけに脆弱ではある世界。(夜の海で泳ぐシーンがあの映画を思わせます) 後半迷走してる気はしなくもないけど、ユニークな設定だけでも評価したいです。(蛍光ペンで腕に数字書きたくなる) 茶髪のウィッグをつけたアマンダ・セイフライドが新鮮、「トロン:レガシー」のオリヴィア・ワイルドは見た目25才のママ、彼女があと一歩で間に合わなかった時は悲しかった。 タイムキーパーのキリアン・マーフィは意外とおマヌケ。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2013-04-05 07:00:00)(良:1票)
42.  星の旅人たち 《ネタバレ》 
もう一つの「サン・ジャックへの道」といってもよいのでは。 「監督」エミリオ・エステべスが父親マーティン・シーンに贈った、サンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼の旅。 父親が自分たちを養うために、二流映画にも出演していたのを知っているエステべスからのプレゼントは、シーンにとって何よりもうれしいものであったはず。 飄々としてコミカルな「サン・ジャック」よりシリアスな作風、それもそのはずシーン演じる眼科医トムは急死した息子ダニエル(エステべス)の遺灰を背負い、息子のかわりに聖地を目指す。 800キロの行程を共にする3人の仲間の存在が、時に彼を元気づけ時に苛立たせもするが、息子を失った彼は経験したことのない旅の実感と新たな家族を得たようなもの。 遺灰が要所要所に撒かれバックパックから減るごとに、トムの重い心を軽くしていくかのよう。 サンティアゴを越え、スペイン最西端の波高い海に最後の灰を撒く彼はふっきれた表情。 遠かった息子を身近に感じ、その心と共に歩んだトムはもう一人ではないのだろう。 トムとダニエルの父子の情と同時に、シーンとエステべスのそれも感じとれる静かな佳品。
[DVD(字幕)] 8点(2013-04-04 07:00:04)(良:1票)
43.  インディ・ジョーンズ/最後の聖戦 《ネタバレ》 
「レイダース」の2年後の1938年。 1作目の雰囲気に戻そうとしており、サラーやマーカス(デンホルム・エリオット)もカムバック。 新味をだそうと「モスキート・コースト」でハリソンの息子だったリバー・フェニックスが少年時代に扮し、見栄えがします。 長年の確執のあるパパ・ヘンリーのショーン・コネリーとは、12才しか違わぬコミカルな意地っぱり父子。 ヒロイン・エルザは役柄も女優さん(アリソン・ドゥーディ)も得意じゃなくて。 ナチスも再登場し、嬉々としてナチスたたきするスピル先生は「趣味でしょ~」としか。 蛇、虫の次はネズミの山でしたが、気持ちワルイというよりカワイソーになっちゃって。(エンタメムービーのために大量に動物を投入する人間は勝手なモンです) 飛行船やら戦車やら盛りだくさんで楽しいけれど、何となく古く感じてしまった3作目。 インディとパパの父子愛も少々ホコリっぽかったよう。 でも鎖帷子を着た十字軍の生き残りのオジイサンは700年待ってた感じが出てました。 19年後にまさかの続編が作られるまでは、ルーカス&スピルバーグの華々しいシリーズは、コレで幕を下ろしたと思ったのでした。
[映画館(字幕)] 7点(2013-04-03 07:00:01)
44.  インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説
「インディ・ジョーンズ」っていうと、コレが浮かぶ人が多いんじゃないかな? 他の3作とは雰囲気の異なる「魔宮」は、学究的でもなく、地理的な移動も少ない(上海→インドのみ)けど一番好きです。 コレがなかったらどれも似たような感じになって、こんな人気シリーズじゃなかったのでは? 歌手ウィリー・スコット(ケイト・キャプショー)がコール・ポーターの「エニシング・ゴーズ」を上海語で歌う、ミュージカル風のオープニングからして華やか♪ インディの助手?ショート・ラウンド(キー・ホイ・クァン)がちっこいのに小生意気でこれまたカワイイったらなく、ハリソン・フォードは「カサブランカ」風の白いタキシードに始まり後半ワイルドに上半身をさらす、このトリオの魅力が充実。(インディがウィリーといいムードになっても、「レイダース」の前の年(1935年)の設定なのでOKというのがなかなかズルイ) 2作目の勢いとゆーか八方破れなエネルギーにも満ちていて、理屈より感覚の自分好み。 クライマックスはミニチュアも使用したトロッコ、つづいてのつり橋とノッて作ったように見えながら、スピルバーグはあまり好きじゃなさそうですが。 芸術的なマット・ペインティング(背景画)が活躍する作品でもあり、子供っぽいかもしれないけど冒険心にあふれ、レイダース・マーチも一番お似合い♪
[映画館(字幕)] 9点(2013-04-02 07:00:02)(良:1票)
45.  レイダース/失われたアーク《聖櫃》
昔のパルプマガジンの連続活劇の雰囲気をだしつつ、スピルバーグの思惑は「ジェームズ・ボンド映画を作りたい」。 全翼飛行機などハイライトの作り方は007によく似ていますし、サラー役のジョン・リス=デイヴィスはこの後「007/リビング・デイライツ」にも出演。 ハリソン・フォードにとってはハン・ソロにつづくヒーロー、80年代前半は彼の黄金期。 インディがハットをかぶっていることで、スタントも目立ちにくいのですよね。 なよなよと女っぽくない酒豪のマリオン(カレン・アレン)は、ヒロイン単独で見れば一番魅力的かも、プレゼントされて身につけるドレスが2着とも白なのがシンプルな美しさ。 冒頭のガイド、若きアルフレッド・モリーナは、20数年後のドック・オクを予言するかのように「多触手」のモノしょってたりする。 考古学の謎解きも入れキチッとした作りで、そのぶん地味ではあるかもしれませんが、整合感はシリーズ随一と思われ。 ソフトでは他の3作品と統一感をもたせるべく、タイトルに「INDIANA JONES AND…」が付けられています。
[映画館(字幕)] 8点(2013-04-01 07:00:05)
46.  パピヨン(1973) 《ネタバレ》 
独房のシーンのコントラストのきいた映像は、絵画的な芸術性でもってパピヨン(スティーブ・マックィーン)の生への執念を見せ、ドガ(ダスティン・ホフマン)との長きにわたる友情もよい。 パピヨンが金庫破りではあっても、殺人犯は冤罪であるという複雑な立場も一筋縄ではいかない人間味。 が、一番心に残るのはハンセン病の首領との関わり。 最初は彼の姿をはっきりとは見せず、徐々に観客に慣らしていく。 慣れてしまえばどうということはない。 自分が病から逃れられないのを知っていて、カンパの缶をパピヨンに渡す彼には「せめてお前だけでも自由に」との思いがあったろう。 その気持ちを缶と一緒に受けとったパピヨンは彼の腕をしっかりと握り締める。 首領は他人が感染しないのはわかっていても、積極的には自分に触れたがらないのを知っているだろうから驚いたはず。 そしてパピヨンの体温とともに、久々に病をわすれて人間らしい気分を味わえたはず。 彼がパピヨンに思いやりを示したからこそ得られた、この触れあいの瞬間はとても尊いと思う。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2013-03-10 07:00:09)(良:3票)
47.  大脱走 《ネタバレ》 
個性的なキャラクターたち、前半の楽しそうな脱出大作戦、脱出後の明暗もさることながら、独房王ヒルツ(スティーブ・マックィーンは、10年後の「パピヨン」よりまだ首がほっそりとして若々しい感じ)のオートバイ疾走シーンが爽快。 とうとう観念して、倒れたバイクのオイルタンクを馬でもたたくようにポンポンと軽くたたくのが印象的で、「おたがい精一杯がんばったから、もういいよな。おつかれさん」って感じだろうか。(その気持ちわかるよ) 軽快なマーチ曲は「史上最大の作戦」「戦場にかける橋」とならんで有名♪
[CS・衛星(字幕)] 8点(2013-03-09 07:00:01)
48.  月の輝く夜に 《ネタバレ》 
シェールの代表作。 芝居がかったセリフが多いのが舞台劇のようで、その面白さはウディ・アレンとはまたちがうイタリアン・テイスト。 確執のある兄弟とそれぞれに関わりを持つロレッタの変身後も濃厚に美しいけれど、飾っていない変身前の方が顔立ちのよさが見えやすい感じ。(地がいいということですが) マザコンのジョニー(ダニー・アイエロ、瀕死の母を看取りにいくシシリアン)と愛のない婚約をしながらロニー(ニコラス・ケイジ、まだ髪フサフサのパン職人)といい仲になってしまう彼女、さいご危機一髪なところをスコーンと小気味よく決まってくれるのが、逆転ホームランの爽快さ。 ローズ(オリンピア・デュカキス)がダンナの浮気にバシッと言えるのも、自分が魅力的な誘惑を退けたからこその力強さで、大団円にわけわからずに××してるおジイさんがオカシイ。 イタリアン・ファミリーの一騒動には、ニューヨークを照らす満月の魔力も関係していそうです。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2013-03-08 07:00:07)(良:1票)
49.  恋する人魚たち
シェールを知ったのは、同じミュージシャンのグレッグ・オールマンと結婚してた頃です。(その頃からイメージ変わんないのはすごいなぁ) 彼女の個性的な美貌はチェロキーの血が流れてるからか。 女優としても個性的で、これはその個性がいかんなく発揮された引越魔ママ、人魚の仮装が似合っていてチャーミングでした。 ウィノナ・ライダーにとっては「シザーハンズ」と同じ年の作品、こちらの方が本来の彼女らしく内向的な妄想女子ぶりを発揮し、まだ子役のクリスティーナ・リッチは可愛い水泳少女、彼女らを包みこむボブ・ホスキンスの温かさも素敵。 お部屋を海の中に変えてしまう幻燈がワンダーなセンス。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2013-03-07 07:00:03)
50.  ハムレット(1990)
ゼフィレッリの「ハムレット」。 68年版の「ロミ&ジュリ」を撮った監督には「ハムレット」も、との思いがあったのかもしれません。 長いセリフをこなすメル・ギブソンのハムレットは「憂鬱な王子」そのもの、かなり陰気ではあり見ていると気が滅入ってきそう。 質素な衣装のオフィーリア、ヘレナ・ボナム=カーターはもともと病んでるような感がなくもない目つきなので、狂気に陥った時とのギャップが少なく感じます。 髪に花をさし野の花を配るかわりに、藁束を手に配って歩くのが女占い師のよう。 俳優で一番魅力的なのは王妃ガートルードのグレン・クローズ。 「危険な関係」のメルトゥイユのような悪女が本領かと思いますが、この不貞の王妃もはまっていて、後半の「私のハムレット、私にはもうお前だけ」な溺愛ぶりはいじらしいまでに母の愛情を見せます。 大臣ポローニアスのイアン・ホルムは息子レアティーズへの教訓も駆け足で。 舞台となる蒼ざめたエルシノア城は有機的な曲線を持つ城内が素晴らしく、北欧デンマークの冷たい空気をも伝えてきます。
[DVD(字幕)] 7点(2013-03-06 07:00:03)
51.  ロミオとジュリエット(1954)
カステラーニの「ロミ&ジュリ」。 68年版はオリビア・ハッセーの美しさを舞踏会では赤い衣装で目立たせていましたが、この映画では赤い群れの中で白い衣装のジュリエットを際立たせており、原典の「カラスの群れの中に白い鳩が舞い降りたようだ」に近いイメージ。 68年版ではぼかされていたロミオの思い人ロザラインもキャラクターとして登場し、キャピュレット家の霊廟に眠るヒロインのもとを婚約者パリスが訪れる場面もあるなど、原典を重んじた作り。 金髪のジュリエットが新鮮で、イタリア・ロケとパインウッド・スタジオのセットによるヴェローナの街は68年版以上に壮観、一番の見どころかもしれません。 ジュリエットの父キャピュレットがいつも太った俳優さんなのは、おもしろい伝統。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2013-03-05 07:00:24)
52.  アパッチ(1990)
軟派なヘリ映画★ 今でも使用されている米軍ヘリAH-64を投入し、「ブルーサンダー」より「トップガン」に近い感じ。 ニコラス・ケイジとショーン・ヤングの恋もからめてますが、「追いつめられて」後のゴシップでもう下り坂のヤングは、この映画での脱ぎっぷりもフツーでなく。 彼女は「ブレードランナー」ではその美貌で貢献してくれましたが、子供の頃から妖精と呼ばれて育ったことは、彼女にとってはマイナスだったのではと思います。 戦闘シーンより「JFK」で有名になる前のトミー・リー・ジョーンズ教官がよかったかな。
[映画館(字幕)] 5点(2013-03-04 07:00:05)
53.  ブルーサンダー
硬派のヘリ映画☆ ロイ・シャイダー主演で信頼感はバツグン、彼が操るブルーサンダーは「アパッチ」と違って映画用のへリなので、機能の中でも「ウィスパー(囁き)モード」という架空の消音機能があるのがユニーク、優雅に飛んでみせます。 ストーリーも後発の「アパッチ」よりちゃんとしており、マルコム・マクダウェルが「時計じかけのオレンジ」に比べたらしごく正統的な悪役、金髪に染めたヘアをツンツンにして黒い革を着た大佐は当時のスティングっぽい。 現在は「猿の惑星:創世記(ジェネシス)」のようにヘリ自体がCGで処理されることも多いですが、そういうもののない当時の技術は、ここぞという見せ場で下から上昇して姿を現すブルーサンダーを、望遠の圧縮効果で実際より大きく威圧的に見せる演出がエフェクティブで、次のシーンと比較するとその光学効果がわかります。
[映画館(字幕)] 7点(2013-03-03 07:00:03)
54.  鳩の翼
ヘレナ・ボナム=カーターが再びイタリアへ。 アイヴォリーの「金色の嘘」とよく似ていると思ったら、原作がおなじヘンリー・ジェイムズ。 美しいタイトルとは裏腹のドロドロとした財産絡みの奸計や、アメリカ人の娘といった要素が似ています。 こちらの方がロンドンとともにイタリア・ヴェネチアを舞台としている詩的な世界ではあるので印象はよく、ゴンドラで寄り添う3人も絵画的な美しさ、カーニヴァル(仮面舞踏会)も生かされて、水の都ヴェニスはロマンティックな情緒をたたえ、愛と死の舞台として映画で使われることも多い場所。 ライナス・ローチは優しげで少し優柔不断でもあるマートンにあっていそうですが、ミリー(アリソン・エリオット)は儚げな天使というより彼女の方が小悪魔的なルックスにみえ、ヘレナの暗い眼差しは叔母(シャーロット・ランプリング)から自由を得るため悪女に転じるケイトにあっていても、異国で他の女性と行動を共にするマートンの心身をつなぎとめる女には、彼女の小さな体は少しマイナスのような気がしました。 でも彼女にとってきっと私の代表作と思っているだいじな作品だと思います。 ミリーの「ハメをはずしたいの」の意味を感じとりつつ応じなかったマートンには、悔いもあるのでしょうか。 「鳩の翼があったなら 飛び立っていただろう 永遠の安らぎへ」
[CS・衛星(字幕)] 7点(2013-03-02 06:59:55)
55.  眺めのいい部屋 《ネタバレ》 
E・M・フォースター×アイヴォリー第1作。 イタリア・フィレンツェを旅するヘレナ・ボナム=カーターはちんまりと可愛いお嬢様ルーシー。 美しい風景・音楽にのせて彼女とジョージとセシルとの三角関係を描き、三部作の中では一番見やすそう。 ここでの「壁越え」は新興ブルジョワのジョージ(ジュリアン・サンズ)との結びつき、言葉少なでも情熱的な彼とフィーリングがあってしまうルーシーだけれど、引き立て役セシルもダニエル・デイ=ルイスが演じているせいか滑稽でも嫌味は少なく、むしろ気の毒な婚約者と映る。 ジョージがメインでもセシルがつまらない人物と思えないのは、彼の存在感もありそう。(今年のアカデミー賞発表後、シネマ好きたちと話しても「やったねデイ=ルイス」の声高し) マギー・スミスは神経質な従妹がはまり、ジュディ・デンチの作家エレノアの本の情報を伝えるメディアとしての使い方がユニーク。 ルーシーの弟フレディのルパート・グレイブスは、次の「モーリス」では重要なスカダーを演じ、現在は「SHERLOCK/シャーロック」のレストレード警部、美少年→美中年の変貌だけど特徴ある前歯は同じで、なつかしい感じ。 初見はキスシーンの美しさが印象的、完全版は無邪気なエロスが拡大。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2013-03-01 06:59:57)
56.  ハムレット(1948) 《ネタバレ》 
ケネス・ブラナーやメル・ギブソンのもそれぞれに良いのだけれど、今のところ「ハムレット」というと自分にはローレンス・オリヴィエ監督・主演のこの作品。 恐ろしくも哀しい復讐劇にモノクロが効いて氷のような冷たさ。 冒頭のエルシノア城、先王の亡霊が現れる間際は断続的にアウト・フォーカスになるのも不安がいやます演出。 膨らんだ袖の衣装が典雅に悲劇のデンマーク王子ハムレットを形作り、そこから放たれるセリフも生きたものとなる。 対してオフィーリア(ジーン・シモンズ)は、やや物足りなく。 狂った彼女が川に落ち歌いながら流される壮絶なシーンはミレーのような画にはなっているけれども、初登場シーンで既に自分のイメージとは違うのを感じてしまい、(ケイト・ウィンスレットやヘレナ・ボナム=カーターより、ソ連時代のロシア版がそれらしい)それでも彼女の三つ編みが、「ゴンザゴ殺し」の劇で王妃を演じる女形の少年に戯れに被せたカツラに似て、ハムレットがそこに彼女の面影を見出す脚色は秀逸と思うのだ。 泣き崩れるオフィーリアに気づかれぬよう、後ろ髪にそっと口づけるハムレットもまた然り。(戯曲では彼らの蜜月はすでに過ぎ去った過去のものとなっているから、オリヴィエは甘美な余韻を付け加えている) ハムレットの登場人物はみな興味深い。 謀殺者クローディアスすら懺悔し、彼に組する大臣ポローニアスとて悪人ともいえず、息子レアティーズに与える忠言を耳で聞くのも興あり、母ガートルードは事実を告げられた後はひたすらハムレット命と偏愛す。(このガートルードは、明らかに毒杯と見抜いて息子の身代わりにそれをあおる) 運命が連鎖的に命を消していき、ただ一人心友ホレイショのみが残される最後は静か、ただ静か。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2013-02-10 07:00:02)
57.  高慢と偏見(1940)
「プライドと偏見」の頃に入ってきたアメリカ版。 主演の2人はイギリス俳優で、ローレンス・オリヴィエのダーシーは前年の「嵐が丘」よりも適役と思われ、TVドラマのコリン・ファースとはまたちがったコミカルで洗練された演技は貴族的な人物に向いた資質が感じられ、リジー(グリア・ガースン)とのかけあいも悪くない。 衣装は原作より後の時代のボリュームのあるもので、ベネット姉妹は「若草物語」のような衣ずれのたたずまい、実際オースティンの「高慢と偏見」はオルコットの小説に影響を与えているといわれ、特に上の姉2人のキャラクターは似かよっているので、この衣装だとその類似性が見えやすいだろう。 ダーシーの館ペンバリーのシーンがないのはアメリカ映画というのもあるが、リジーがその壮麗さに魅了され、主の人物評価にも影響したようなあたりは気になるところではあったので、視覚的には寂しいがなくてもよいのでは。 ダーシーの財力や邸宅は、魅力というよりも作品をシンデレラ物に見せる弱点でもあり、作者の代表作ではあっても物語としては「分別と多感」の方が上かもしれないのである。 レディ・キャサリンやミス・ビングリーには手心が加えられ、意地悪と見せて実はいい人だったというおさめ方はアメリカ映画的に思え、イギリス映画を見なれていると甘く感じるのはいたしかたない。
[DVD(字幕)] 7点(2013-02-09 07:00:07)
58.  ミクロキッズ3<TVM>
7→6→5と点数が下がってきちゃうのはしかたないかも、でも「ミクロキッズ」「ジャイアント・ベビー」と見たら、全部おつきあいしたいもの。 前2作とちがいテレビ作品で、正直クォリティはグッと落ちてるんだけど、サリンスキー博士ことリック・モラニスが出てくるだけで「ミクロキッズ」らしくなるのはスゴイ存在感☆ 奥さんのダイアンは名前同じでもちがう女優さん、息子アダムは「ジャイアント・ベビー」が大きくなったって設定。 「ミクロキッズ」っていうより「ミクロアダルト」で、博士たち2組の夫婦が縮小光線を浴びてしまい、子供たちのパーティにまぎれこんでのハラハラドキドキ。 巨大ゴキブリなどのVFXもショボイけれど、スタッフは一生懸命作っていそうであまりケナせないのです。
[DVD(字幕)] 5点(2013-02-08 06:59:58)
59.  インナースペース
「ミクロの決死圏」よりこちらを先に見たので、あれより愛着があります。 タックの乗った探査艇がキュートで、それがジャックからリディアの体に移動する手段として○○が使われたり、タックがリディアの体の中で×××に遭遇したりするのが「決死圏」にはないオリジナルな要素。 リディアがタックの浮気に悩んでいて、彼には言えなかったって設定がよかったと思います。 表向きの主役はデニス・クエイドでも、監督ジョー・ダンテが力を入れてるのはマーティン・ショートの方らしく、楽しい映画の中の一抹の哀しさも忘れられないもの。 メグ・ライアンもまだラブコメに行く前で、フレッシュな彩りでした。
[映画館(字幕)] 7点(2013-02-07 07:02:33)
60.  嵐ケ丘(1939) 《ネタバレ》 
ウィリアム・ワイラーの「嵐が丘」。 ヒロインが語る「ジェーン・エア」と違い、「嵐が丘」はメイドの語りになっているため、プライベートな会話は監督や脚本家の創作による部分も多く、映画によって違う会話が聞けるのが特徴。 小説では思い込みが激しくほとんど破滅的な性格の彼らが、荒野(ムーア)のイメージと一体化し強い個性を生んでいますが、それを映像にするのはむずかしそう。 ローレンス・オリヴィエは野生児ヒースクリフにはあまり嵌っていないように思え、キャシー(マール・オべロン)もエドガーとヒースクリフの間で揺れが大きいので、重要な「私はヒースクリフなの」のセリフに説得力がないように感じます。 前半(一世代)しか描かれておらず、キャシーがヒースクリフの腕の中で息絶えるのは彼らにとり幸せな結末かもしれず、まとまりはよいと思うものの決定版という感じでは… エドガー・リントンのデヴィッド・ニーブンがまだ若々しいのが驚き。
[DVD(字幕)] 7点(2013-02-06 07:00:00)(良:1票)
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