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にじばぶさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 3271
性別 男性
自己紹介 監督別鑑賞作品数

成瀨巳喜男 69
溝口健二 34
川島雄三 41
小津安二郎 37
石井輝男 24
豊田四郎 19
石井岳龍 18
矢崎仁司 12
西川美和 8
山下敦弘 15
今泉力哉 21
フェデリコ・フェリーニ 24
ミケランジェロ・アントニオーニ 14
ピエル・パオロ・パゾリーニ 16
ルキノ・ヴィスコンティ 17
ジャン=リュック・ゴダール 36
フランソワ・トリュフォー 24
ルイ・マル 17
ジャン・ルノワール 15
ジャック・ベッケル 13
ジャン=ピエール・メルヴィル 11
ロベール・ブレッソン 12
イングマール・ベルイマン 27
アルフレッド・ヒッチコック 53
ジム・ジャームッシュ 15
ホウ・シャオシェン 19
ウォン・カーウァイ 14
ジャ・ジャンクー 9

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41.  TOKYO EYES 《ネタバレ》 
この時代の東京って、こんな若者だらけだった・・・というのはウソ。 ただ、「偽造テレカ」は懐かしい。 時代を象徴している。  吉川ひなのが、おそらく最も輝いていた頃。 そんな彼女が出演しているだけでも価値がある。 あのミニスカートは素晴らしい。 それに手を出さない武田真治も、かっこいい(?)、いや、ダメだ。  なんか東京都心をフワフワと歩いている感じの気分になった。 まったくもって、時間的感覚がない。 せかせかと東京で働くサラリーマンと全くもって異質な世界。 だが、そんなサラリーマンも、同じ東京で生活している。 同じ東京という場所で、こんな人間達が居ても、おかしくはないかもしれない。  吉川ひなのの演技はダメダメだが、そのダメさ加減が、彼女を何倍にも魅力的に映しているところが面白いし、とても良い。
[ビデオ(邦画)] 7点(2013-01-16 13:52:42)
42.  カリートの道 《ネタバレ》 
この映画から学んだこと。  ●出世する為には、仲間を裏切ればよい。 ●最期まで味方でいてくれる人間は、自分を愛してくれている女性のみ。 ●冒頭で結末を見せてはいけない。  以上。  
[DVD(字幕)] 7点(2012-11-24 00:18:03)
43.  ANA+OTTO/アナとオットー 《ネタバレ》 
情熱の国スペインで偶然出会った男女が、やがて成長し、氷の国フィンランドで運命の再会を交わす・・・  いわゆるラブストーリーにありがちな“偶然の出会い”を多用した陳腐な内容かと思いきや、それがちょっと違った。 苦味に似た、哀しい余韻を心に残す。  人生とは偶然の出会いの連続である。 そしてそれが、男女間の恋愛問題に絡んでくると、心の底を揺さぶられるような感動、もしくは切なさが体を襲う。  この物語は、そんな人生の感動や哀しさ、やりきれなさを、暗めのトーンながら鮮やかに描いてみせた逸品である。
[ビデオ(字幕)] 7点(2012-06-07 17:51:01)
44.  ミミ
オープニングロールのシンプルさ加減と、その間に流れ続ける不気味な効果音。 冒頭からして、緊張感が高まる。  「いったい何をされるのか?」 「いったい何をしでかすのか?」 「その何かは、どこまで過激に描かれるのか?」  などなど。 勿論これは、多少前知識あっての緊張感だけど、この緊張感が52分間続くのが凄い。 勿論、尺が短いせいもあるだろうが、これだけの高い緊張感を、最初から最後まで感じ取れたのは、音楽の使い方その他、その演出手腕の高さからだろう。  あと特筆すべきは、黄色を多用した色使いの映像センス。 それとなく黄色を、いたるところに配した映像センスと構図の良さは抜群だ。  さて肝心の、ミミが何かをされる問題のシーン。 ここくらいまでが、現代においては表現の限界ラインか。 その限界ギリギリをついている。 最後まで見終えた後、この問題のシーンまで巻き戻し、もう一度観てしまった(これ内緒!)。  ミミにスカートを履かせているあざとさは、監督の仕業なのかギャスパー・ノエの仕業なのか、いずれにしてもニクイ演出をしている。
[ビデオ(字幕)] 7点(2012-02-23 19:13:55)
45.  顔(1999) 《ネタバレ》 
殺人を犯した人間が逃走する様を、実にリアルに描いている。 人間、何がなくても何とか生きていけるもんだなぁ、と別なところで感心してしまった。  行く先々で色んな人と出会い、別れ、ひどい目に遭い、ちょっとした幸せも感じた。  そして何より、劣等感の塊だった一人の女性が、逃亡生活の中でちょっとずつ自我を発掘し、今までの人生で抱えていた劣等感を克服して、活き活きとしていく様が実に興味深い。   社会から隔絶していた人間が、反社会的な行動に出た時、初めて社会と本当の意味で接することができた。 何たる皮肉、何たる人生の数奇さよ。  人間、どこまで堕ちたとしても、とりあえずは生きているべきだということ、それを本作から学ぶことができた。 実に有意義な2時間だった。
[DVD(邦画)] 7点(2011-10-20 02:34:31)
46.  秋菊の物語 《ネタバレ》 
人それぞれには意地とプライドというものがある。 それに強いこだわり持つ人にとっては、曖昧な結論など受容できるはずもない。  夫にケガを負わされた妻は、最初は夫のために抗議活動をしていたとはいえ、いつの間にか自分自身のこだわりとしての活動にエスカレートしていった。  本作は、役人の権力に対して人民がどれだけ対抗し得るか、それを一つのテーマにしている。 民主主義ではなく社会主義としての中国内において、どれだけ人民ひとりひとりの権利が尊重されるのか。 そして、それは尊重されるべきものであるとして、監督のチャン・イーモウは、観る者に訴えたかったに違いない。  人間というものは一度感情的になってしまうと、敵も味方もなく言動を起こしてしまいがちであり、本来仲間である村長や村人たちを巻き込んでいってしまう。 そんな暴走ぶりと、終盤の難産騒ぎで村長がこの妻の為に職務を全うするという下りが、見事に平行して描かれており、実に人情味のある豊かで緻密な作品に仕上がっている。  組織や集団における仲間意識の重要性。 だが、それはちょっとしたことから亀裂が生じ、行き違いが生じてしまう。 そんな人間の絆の重要性と脆さ、そして逆に結束力の強さをも提示してみせた本作は、チャン・イーモウの実力と魅力が存分に発揮されている作品だった。
[ビデオ(字幕)] 7点(2011-08-06 13:01:54)
47.  紅夢
中国製作映画としては、チェン・カイコーの『さらば、わが愛/覇王別姫』に匹敵する濃度を持った作品。  チャン・イーモウは、この頃、素晴らしい作品を撮った。 現在に関しては、敢えて語らず。 抜群の才能が、出世的野心と金によって摘まれることの損失の大きさ、本作を観てこれを感じずにはいられない。  主演のコン・リーは、完璧なまでの大陸美人。 チャイナ服をとっかえひっかえ着こなす。  そして、巨大なのに閉塞感たっぷりの大邸宅。 妾4人とは羨ましくもあるが、現代日本の感覚からすると、むしろ寂しい印象の方が勝るかも。 とにかく、あのお城の様な邸宅は冷たい感じがする。 大体、気味の悪い小屋が屋上にある時点で頂けない。  だが、中国ならではの文化、もちろん中国の中でも特殊な世界での文化だろうが、我々日本人からしたら、カルチャーショックの何物でもない。 同じアジア圏の私から見てもショックを受けたくらいなので、欧米人が本作を観たらどんな感想を持つんだろうか。
[ビデオ(字幕)] 7点(2011-06-05 01:52:59)
48.  ピョンヤン・ダイアリー 1994-1997
オーストラリア人が北朝鮮を旅した際に、手持ちカメラでもって、北朝鮮の実態を映像におさめようと、旅先の日々を綴ったドキュメンタリー映画。  日本のニュース映像で垣間見る北朝鮮の映像は、非常に限定、いや、人為的に偏った映像であり、それが日本人の北朝鮮という国に対する偏見を生んでいる。  アメリカ傘下の日本では、北朝鮮の実態そのままをニュースで報じることは現実的には不可能である。 そんな中で、オーストラリア人が北朝鮮を旅して、監視付きながらも北朝鮮の映像を中立的立場で撮って見せた本作はとても価値があり、有意義なものであると私は感じた。同じ人間である以上、日本人も北朝鮮も平和を願っているという点では共通である。  勿論、できれば戦争は避けたいと北朝鮮人も思っている。 だが、アメリカが世界を牛耳る世の中で、アメリカにおんぶにだっこである日本が、北朝鮮を正しく理解できるはずもない。 それはアメリカに影響を受けた報道規制の中でしか、我々日本人は北朝鮮の思想や実際の姿をニュースで見ることしかできないからだ。  北朝鮮は小国ながら、社会主義国としての立場を貫こうと奮闘している。 こういった北朝鮮の真っ直ぐな姿勢を、もっと日本人は客観的に評価すべではないか?  もちろん、北朝鮮の全てを肯定しろという意味ではない(飢餓問題など)。 報道規制されたマスコミの情報だけで、北朝鮮を悪い国だと決め付けている日本人、アメリカにぶら下がり安穏としてアイディンティティを持ち得ない日本人は、北朝鮮のこういった真っ直ぐな姿勢にもっと興味を持ち、理解する努力すべきなのではないかと思う。  アメリカに抑圧され、操作された日本報道文化の中で、どうしたら我々日本人が、同じアジアの国で自国のアイデンティティを貫いている北朝鮮を理解できるのか。 中立的な本作を観ていると、そういった疑問や不満がわいてくる。  念のために書いておくが、本作は決して北朝鮮寄りに創られたドキュメンタリー映画ではない。 オーストラリア人が、極めて中立的な立場で創り上げたドキュメンタリー映画である。  極めて客観的で中立的な本作を観るにつき、アメリカ式資本主義に対立する、社会主義国に関する日本人の理解の低さ、そしてマスコミ報道を丸ごと無意識に信じ込んでいる日本人の愚かさを感じずにはいられない。
[DVD(字幕)] 7点(2011-05-31 03:21:42)
49.  42丁目のワーニャ
舞台劇の練習中をそのまま撮影して映画化したという、何とも不思議な味わいのする作品。  会話が中心だが、この会話がまた面白い。 理屈っぽいけど、分かりやすく、そして興味ひかれる会話の数々。 特にドクターとワーニャの語りは面白かった。  名匠ルイ・マル監督の遺作であるが、遺作として申し分ない出来ではないだろうか。  様々なジャンルの映画に常に挑戦し続けてきたルイ・マル。 その最後を結ぶ作品が、これまた斬新な設定内容で、最後まで守りに入らないルイ・マルの、映画作家としてのチャレンジマインドに敬服する思いである。
[ビデオ(字幕)] 7点(2011-04-22 19:39:31)
50.  ダメージ
ルイ・マル監督の幅の広さを、また更に強く感じた。 この監督は、ほんと巧い監督だ。 どんなジャンルの映画だって撮ってしまう。  『ダメージ』という作品名に偽りはなく、もの凄いダメージを被る登場人物たち。 その中にあって、ジュリエット・ビノシュだけは普通の生活に落ち着く。 過去にダメージを負っているだけに、他の者より耐性というか、生き延びる術を会得していたのだろうか。  息子の婚約者をいくら死ぬほど好きになったからって、あかんよ!と言いたいところだが、あんなアパートを用意された日には、仕方がない! 人を不幸のどん底に落とし込む魔女と出会ったのが運のつきだ。  限りなく不可抗力的にダメージを負うかもしれない、この人生。 私も覚悟して生きよう。  あー、怖くて仕方ない!!
[ビデオ(字幕)] 7点(2011-03-23 23:36:41)
51.  運動靴と赤い金魚 《ネタバレ》 
イランの市井の人々の暮らしぶりと、人間同士の交流の温かさが心に沁みる逸品。  少年の表情と涙にやられた。 そして、その少年の涙に私と同じくやられ、規則を曲げて特別にマラソンのタイムトライアルをしてあげる教師。 この下りも暖かみがあって秀逸なるシーンだ。  兄妹同士の数々の、心の通じたやりとりも印象的だった。 妹の靴をなくしてしまったことで、必死にそれを取り戻そうとする兄。 ただ靴を取り戻す、たったこれだけのことが兄にとっては一大事であり、その為に死力を尽くす。  そして最後のマラソン大会のシーン。 3着商品が靴であった為、過って1着になってしまったことを少しも喜ぼうとしない兄。 そんな失敗を、妹に申し訳なくて話せない兄。 こんな兄と妹との心の交流が、申し分なく素晴らしく描かれている。  まさにイランが生んだ類い稀なる傑作と呼べる内容で、スキが見当たらない。  イランの町風景の映し方、人々の心温まるエピソードの数々、そしてこのラストの締め方、全てが高いレベルにある人間ドラマだった。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2011-03-07 00:12:25)
52.  怖がる人々 《ネタバレ》 
基本的にオムニバス映画が好きなので、十分楽しめた。 どれもそれなりに面白かったが、個人的に一番楽しめたのは「乗越駅の刑罰」。 萩原流行が演じた駅員の、理屈と暴力の波状攻撃に、観ている私も圧倒された。 異常なほどの頭の回転の速さで、金持ち客を徐々に追い込んでいく様がとっても面白い。  黒木瞳の「火焔つづじ」もなかなか魅力的だった。 あんな色っぽい女性と偶然鉢合わせ、しかも旅館に泊まることになったら・・・と考えると、ワクワクもするが、結局、下心がバレて妙な罪悪感に囚われる。 なんだか、見に覚えがある(かも)しれない話のような気がして、どうも居心地が悪かった(苦笑)。  エレベーターが故障してとまり、密室の中で繰り広げられるサスペンスという、使い古された設定ながら、真田広之の「箱の中」も楽しかったなぁ。 狭いエレベーターの中で、少し頭がいってる感じの、あんな女性と二人きりになったら、間違いなく発狂しそう。 だけど、カバンの中身が子供のバラバラ死体というのは、やりすぎかな。
[ビデオ(邦画)] 7点(2010-10-25 23:39:13)
53.  どんてん生活
山下敦弘監督デビュー作にして、山本浩司のデビュー作である本作は、まさしく低予算映画の雰囲気漂う作品ではあるが、そこがうまい具合に良い方向へ向いている。  うだつのあがらない二人の男の生活を描くには、こうした低予算じみたつくりが非常にマッチする。  冒頭のさびれたパチンコ屋でのシーン。 まずこれからして良い。 服装センスの最悪な男二人。 すっきりしない曇り空。 ふきすさぶ風音。 パチンコで暇つぶしという、その日暮らしを象徴ような状況設定が見事にはまっている。  汚いアパートに住み、裏ビデオのダビング下請けという危険なバイトで生計を立てている。 そこに上がり込む、これまた覇気のないプータローの若者。 確かこの映画が作られた2000年前後は、こうした若者がこういう生活をしていて、それなりに楽しく、なんとか生活できた時代だった。 その時はバブル後の不況から脱出できないどん底の不景気とか言われていたけど、今なんかもっと経済状況は悪化しているわけで、2010年になった今となっては、この映画の主人公二人のような生活さえ難しいかもしれない。 とかく規制も増えて、当然、裏ビデオ稼業なんて摘発される確率も断然上がっているだろうし、更にはフリーターの仕事自体も減ってきている。 だから、この映画の二人は、落ちこぼれの若者だとしても、楽しくやっていけたのだ。  そう思うと、現代はますます厳しい環境になってきている。 ぶらぶらと好きなことやって、適当にバイトして、暇つぶしにパチンコやって、疲れたら寝て、みたいな生活すらも現在は難しいご時世だ。  今から10年前の作品だが、こうしてみると「あの頃は良かったなぁ、なんだかんだ自由だったなぁ」みたいな懐かしさがこみ上げてくる。  この先、不況が更に悪化していけば、この作品を未来の若者が観た時、羨ましく感じるかもしれない。 そういう意味で、この映画は、その時代を鋭く切り取った作品として、今後ますます輝きを増すかもしれない可能性に満ちている。  安っぽさが漂う作品ではあるが、有名な役者が出ていてお金がかかっているだけの派手な日本映画に、決して劣らない力をもった作品である。
[DVD(邦画)] 7点(2010-09-24 00:33:56)
54.  初恋(1997) 《ネタバレ》 
ウォン・カーウァイ製作、クリストファー・ドイル撮影、金城武出演という、まさに鉄板の組み合わせで、監督の腕次第では、『恋する惑星』『天使の涙』に匹敵する作品が出来上がる要素は十分だったのだが・・・  俳優出身のエリック・コットが、カーウァイから打診を受けて2年かけて作ったという不要なエピソードがあまりにしつこすぎて、作品全体の雰囲気を台無しにしている。 金城武とリー・ウェイウェイ共演のパート、「夢遊病の少女と精神病の清掃員」の話が素晴らしいできだっただけに余計に残念! 不夜城の香港を舞台にしていて、香港の夜の雰囲気が十分に表現された傑作だった。 リー・ウェイウェイは脚が綺麗で、しかもそのサービスショットも多く、見とれてしまった。 金城武は、相変わらず香港の夜を彷徨う男が良く似合う。  一方、もう一つのパートである「10年前に結婚が嫌で逃げた男と、逃げられた女の再会と復讐」を描いたパートはいまいちの出来。 ドイルの幻想的な映像とこのような現実的すぎる話は合っていない。  ラストは監督が出てきて、この作品を作り終えた感想を涙顔で語って終わるのだが、これがちっともよろしくない。 大体、おっさんの涙なんてラストに観たくない! これじゃあ、「天使の涙」じゃなくて「おっさんの涙」だよ! 
[ビデオ(字幕)] 7点(2010-02-28 19:37:42)
55.  一瞬の夢
定職を持たずスリで生計を立て、女性に対しても奥手で、それでいて言動はツッパッている。 コンプレックスを抱え、人生の目標や明確な生き甲斐を見出せていない迷える若者像(外見は若者っぽくないが)が、本作の主人公ウーである。  器用に生きてきた人間には決して共感はできないだろう。 ウーは、長い目で人生をみることができていない。 それでいて、どこかで刺激を求めているし、カラオケバーで出会った女性には、一応恋心みたいなものを持ちはする。 しかし、そんなフラフラした男に、女性は魅力を感じるはずもなく、それは“一瞬の夢”と終り、失恋することになる。  自分の20代の頃の苦しみを思い出すようで、観ていると辛いが、その分、強烈に感情移入できた。 何かが満ち足りていないからこそ、女性にのめりこむが、満ち足りていないプラプラ人間だから、相手にされず、逃げられる。 それで余計にふさぎこむ・・・  このような負のスパイラル、苦悩の青春の日々に立たされているウーを、本作は淡々と冷淡に客観的にカメラに捉えているが、物語の最後も何も救済は行われず、突き放した形で、本作は幕を閉じる。 作品としては救いがないが、アメリカ映画のように短絡的なハッピーエンドやバッドエンドにするよりは、数段マシである。 青春の一時期を切り取ったような作品だから、そんな短時間で結論めいたものは出なくて当然で、むしろその方が自然でリアリティがある。  ところで、カラオケバーのシーンで、室内の照明の影響で画面が赤くなる。 本作の監督ジャ・ジャンクーを、“キタノブルー”の北野武が見出したわけだが、このカラオケバーのシーンは、まさに“ジャジャンクーレッド”とでも命名したい様な映像で、北野武とジャ・ジャンクーという二人の監督の接点を見た気がした。
[ビデオ(字幕)] 7点(2010-01-30 22:24:15)
56.  記憶の扉 《ネタバレ》 
この手のオチものって、あまり好みではないし、しかも実は死んでいた・・・ってのは、オチとして夢オチに匹敵するやめてもらいたいオチの一つなのだが、それでも、それまでが十分面白いから、何とか許せる。  死人ジェラール・ドパルデューと署長ロマン・ポランスキーとの緊迫感あふれるガチンコの遣り取り。 これだけでサスペンス的な雰囲気を十分に堪能できる。  それにしても本作のジェラール・ドパルデューは、曙太郎に見えて仕方なかった。 ジェラール・ドパルデューって、こんな顔だっけ?! しかも体型がやばすぎ! あの体型だと相当に不健康だと思われるので、これ以降のジェラール・ドパルデューの健康状態が気になって仕方なかった。
[ビデオ(字幕)] 7点(2009-12-24 01:15:28)
57.  ニューヨーク デイドリーム
金城武の魅力満載! 一番魅力溢れた頃の金城武を堪能できること間違いなし。  序盤の飲食店における会話がとても良い。 後半はファンタジー色が強くなり、やや苦しい展開に。  だけど、やっぱりこの頃の金城武が出ているというだけで、魅力いっぱいの作品だ。 ニューヨークが舞台ではなく、香港だったら断然良かったかも。  それにしても、あの韓国美女、髪はおそろしく綺麗だし、グラマラスで魅力的だった。
[ビデオ(字幕)] 7点(2009-10-04 23:38:33)
58.  死の棘
ホラーであり、コメディ。 この絶妙な味わい。 いやぁ、楽しかった。  しかし、岸部一徳が演じた夫は凄い。 ここまで妻に食いつかれて、最後まで立っている。 いや、途中何度か倒れかけはしたが、それでも持ちこたえた。 この映画の何が凄いって、この夫でしょう。  この映画は、私のような妻帯者に“浮気”というものの怖さを強烈にうったえてくる。 こんな映画を観た後は、とてもじゃないが、浮気なんてさらさらする気も起ってきません。  それにしても、この当時の精神病院って、怖いのねぇ・・・ 電気ショック療法に、持続睡眠療法?! 風景描写も含め、そんな時代背景を垣間見れるところも、本作の見所の一つだ。
[ビデオ(邦画)] 7点(2009-08-30 22:39:55)
59.  カノン 《ネタバレ》 
“デブババア”と“臭いバアサン”の二人との同居生活が語られる冒頭から、かなり引き込まれた。 流れる様なダークストーリー。 いや、ダーティストーリー。  どんどん落ちぶれ、精神的に崩壊し、閉塞していく様がリアルに、そして流れる様なリズムで語られる。 これは面白い!  と思っていたのも束の間、後半はかなりグロテスクな映像を交えての、陰鬱なモードへと突入する。 ネガティブでしつこいモノローグには閉口した。 そして、首から血がドクドク流れ出たり、脳が飛び出るシーンを繰り返ししつこく流す。 これは観る者を不快にさせるのが目的なんじゃないだろうか。  前半の流れがとてもリズム良く、そして映画的な楽しさに満ちていたのに対し、後半はネガティブ一色、それも表現がしつこくて悪意に満ちていた。 気に入った部分と不快に感じた部分との振れ幅が非常に大きく、評価するのがとても難しい。  ラストはなかなかうまくまとまっていた様な気がする。 理にかなっているというか。
[DVD(字幕)] 7点(2009-08-03 02:31:43)
60.  初恋のきた道
チャン・ツィイーが可憐で美しく映っていることは勿論だが、中国の農村風景がとにかく美しくカメラに収められている。 ほんと、ため息が出るほどの美しさ。 それと、やはりチャン・イーモウ監督は赤系の色の撮り方が徹底的に巧い。 チャン・ツィイーが身に纏っていた服の色も印象的だ。  チャン・ツィイーの恋人役の男優がいい味を出しており、いいスパイスになっていた気がする(笑)。  ただし、チャン・ツィイー自体は非常に美しいが、少々ミスキャストではないだろうか。 農村に住む純朴な少女にしては、表情が女優すぎる。 自然な美しさというより、職人芸的な美しさなのだ。  それとチャン・イーモウ監督の必死さが伝わってこないのもマイナス点。 元々綺麗なチャン・ツィイーを、持ち前の慣れた監督手腕で撮りあげ、器用に作品として仕上げた感があって、どうも物足りないのだ。
[DVD(字幕)] 7点(2009-07-26 03:20:39)
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