601. 裸足の伯爵夫人
何と言っても伯爵夫人のエヴァ・ガードナーがすばらしい。大柄で彫りの深いエキゾチックな容姿は美しく、この映画ではトップダンサー、ハリウッド女優、そして伯爵夫人と観衆を引きつける。物怖じせず威厳に満ちた振る舞いは、周囲の男性陣、ロッサノ・ブラッツィにしてもハンフリー・ボガートにしてもかすんでしまうほど。回想形式で語られる物語もすばらしく、映画と現実の世界を錯綜させ情熱を感じる。 [DVD(字幕)] 8点(2013-07-31 08:06:47) |
602. 風立ちぬ(1976)
不治の病結核に学徒動員、友和百恵云々をさておき、戦時中を色濃く映し出したラブストーリーだ。調べてみると原作の小説とはどうも時代設定が違うようだが、戦争を知らない我々にとってはなかなかの感動のストーリーなのだが、映画はどうだろうか。アイドル山口百恵が女優の道を進み始めたとしてもいまいち物足りない。他の方も指摘されているとおり、結核患者にはどうしても見えないのが難。 [DVD(邦画)] 5点(2013-07-30 06:43:45) |
603. ゴーストバスターズ(1984)
前半はコメディの要素が強くとてもおもしろい。ビル・マーレイのとぼけた感じも良いし、これがホラー?という感じだったが、ゴーザとかいう破壊の神が出現してからは馬鹿げたくだらない映画になってしまったみたいだ。 [地上波(吹替)] 4点(2013-07-29 18:59:44) |
604. リトル・チルドレン
屈折した性意識などかなり見応えがあり力作だと思うが、終盤のラリーの変身やブラッドのスケポーには安易というか疑問に感じた。だが素っ裸でセックスする主人公二人はもちろんのこと、元警官の異常なまでの執着ぶりや、性犯罪経験者ロニー、外見まともなリチャードの変態など、出演陣の熱演はすごい。ケイト・ウィンスレットの主演女優賞逃しは残念だが、ジャッキー・アール・ヘイリーは十分助演男優賞に値するほど際だっていると思うのだが・・・。 [DVD(字幕)] 7点(2013-07-28 02:13:26) |
605. めまい(1958)
スローな展開で途中までは眠かったが、教会を駆け上るシーンから急展開。後半は巧みな心理サスペンスとなり、よくできた映画だと感心した。今まで見たヒッチコック映画とは異なり、映像と音楽(効果音)で勝負。幾何学的な模様は今はやりのコンピュータ・グラフィックのようで斬新。 [DVD(字幕)] 6点(2013-07-26 22:10:35)(良:1票) |
606. 悪魔が来りて笛を吹く(1979)
横溝正史といえば、古くからの因習やおどろおどろしい人間関係を扱ったものが圧倒的に多いが、なかでもこの映画のどろどろした要素は際だっている。ただ原作に比べ省略された部分や説明不足に思えるシーンがあってややわかりにくい。西田敏行の金田一や夏八木勲の等々力警部には最初違和感があったが、見直してみるとまずまず。斉藤とも子の美禰子がかわいい。 [映画館(邦画)] 6点(2013-07-26 09:23:03) |
607. 爆心 長崎の空
いかにも原爆映画というようなタイトルだが物語の舞台は現在の長崎、戦争シーンは一切ないし、原爆自体も焼け跡の写真のみ。中心になっているのは被爆2世3世で、母を亡くした女性と娘を亡くした母親、命の重さや親子の絆など、原爆を背景に静かに語られるのも良い。 [映画館(邦画)] 6点(2013-07-25 05:45:42) |
608. チキンとプラム ~あるバイオリン弾き、最後の夢~
ヴァイオリンの美しい音色に誘われ鑑賞。コミカルでファンタジックで切ないロマンスもある。最初バラバラだったストーリーが、後半になって繋がっていく過程が良い。 [DVD(字幕)] 6点(2013-07-24 06:25:46) |
609. インポッシブル
2004年に起きたスマトラ島沖大地震で大津波に遭遇した家族の物語だが、我が国でも近年東日本大震災が起こっただけに深刻さは一入。映画は実在の家族の体験談をもとに、リアルさを徹底的に追求したもの。特に津波がおそってくるシーンや母と長男が流されるシーンは息をのむ。ハリウッドに負けないスケールとナオミ・ワッツの演技は見もの。 [映画館(字幕)] 6点(2013-07-23 10:46:29) |
610. テキサスの五人の仲間
《ネタバレ》 ポーカーのゲームが終わっても結婚式の続きがあった。それが終わってもなお・・・。ポール・ニューマンのスティングを思い出させる鮮やかさだった。(こちらの映画が古いのだが) さすがポーカー、だますゲームには違いないのだが、天井知らずの掛け金無制限ルールでは、一番金を持っている者が勝つ決まっているのだが、銀行家が一枚加わったことにより一変してしまう。脚本がすばらしく、おもしろさ抜群。 [DVD(字幕)] 9点(2013-07-23 05:55:45) |
611. 今のままでいて
《ネタバレ》 いつのまにか女はいなくなっていた。残された男、切なく流れる音楽、これぞまさしくラブストーリーなのだが、この映画の終わり方は何度も予感させるものがあった。母親との別れもたぶんこうだったのだろう。実の父娘かもしれないという不安や疑問は残ったまま、年の差の離れた恋は進行し、最高潮に達したところで突然終わる。何ともロマンティックな映画であり、男と女、年代の相違かもしれなかった。ナスターシャ・キンスキーの美しさは際だっていて、裸体まで拝めるとは・・・。 [映画館(字幕)] 6点(2013-07-21 06:50:41) |
612. 汚れた顔の天使
私はマフィアやギャング映画が大嫌いだし、まして銃をぶっ放す映画などは・・・。ところがこの映画は違った。どことなく引きつけるものがある。そして大詰めに来て評価がぐんと上がり、忘れることのできない感動のシーンとなる。ほんのちょっと違い(足の速さ)が大きな運命の違いになること、友情とは、真の勇気とはなどいろいろ考えさせてくれる映画だった。 [DVD(字幕)] 8点(2013-07-20 03:55:31) |
613. プラダを着た悪魔
ファッションには疎い私だが、ついつい最後まで見てしまった。もちろんその方面はチンプンカンプン、だがコメディとして大変おもしろく、メリル・ストリープのカリスマ女編集長がまた実にすばらしい。 [地上波(吹替)] 7点(2013-07-19 05:12:09) |
614. もっとしなやかに もっとしたたかに
日活ロマンポルノ華やかなりし頃にあって、ドラマ性の高い映画。もちろんパッと脱いだりそれなりのシーンも数多くあるのだけど、役者陣がしっかりしている。そして何と言っても森下愛子の小悪魔的奔放さが良い。 [映画館(邦画)] 6点(2013-07-18 16:58:44) |
615. 内海の輪
大女優岩下志麻でなければ、ただの不倫ものメロドラマになってしまったかもしれない。彼女の彫りの深い演技により、松本清張独特の男女の愛憎の機微を感じることができる。それでも前半の不倫旅行はやや退屈、両者の共通の知人に出会ったあたりからようやくサスペンスらしくなる。 [映画館(邦画)] 5点(2013-07-17 05:43:42) |
616. 生きものの記録
米ソ冷戦の時代、両国は広島長崎の数十倍から数百倍の威力をもつ原水爆実験を競い合うように行った。それはもはや地球の全都市を破壊してしまうほどのものであり、死の灰とか黒い雨など放射能汚染の恐怖もさかんに論じられていた。だからこういう映画ができても当然なのだが、いかんせんこの映画ではエゴと狂人に焦点が当てられ、社会派映画にはどうもという感じに思える。三船敏郎の老け役には驚くばかりだが・・・。ところで何でブラジルが安全という理由はないだろう。当時はブラジル移民の数が多かったし、単に新天地開拓と結びつけただけではなかろうか。 [DVD(邦画)] 5点(2013-07-16 17:21:01) |
617. 旅の重さ
NHK朝ドラ「北の家族」で人気を得る前年だから、文字通りの新人女優高橋洋子のデビューである。さしづめ十五才 学校Ⅳの女性版というところか。前半はまだ気楽な旅だが、後半は題名のように旅の重さが増す。多くを語らず、主人公が母に託す手紙で綴られるのが良い。 [DVD(邦画)] 6点(2013-07-14 11:34:20) |
618. 青の炎
わかりやすいストーリーで物語りに引き込まれる。少年の完全犯罪と聞いていたけど学園ものとしても良い。いいかげんな美術の授業だけど、これがまた物語の重要な要素にもなっている。二宮は好演、人気アイドルとは知らなかった。 [DVD(邦画)] 7点(2013-07-14 06:43:03) |
619. ガタカ
努力は天分を超えるというメッセージとともに、データに頼り切った文明社会に対する皮肉にも思えた。そもそもイーサン・ホークとジュード・ロウでは外見で一目で違いがわかるのに、遺伝子で判断するなんて・・・。良かったのはラスト、あの医者は早くから違いに気づいていたと思われるのに、主人公をパスさせたこと。 [DVD(字幕)] 7点(2013-07-13 21:54:50) |
620. 追いつめられて…(1959)
ストーリーはたいしたことはないが、何といってもヘイリー・ミルズの熱演が光るし、終盤の緊迫感もまずまず。それにしてもギリーだけでなく、コーチンスキーをかばう人がが多いのはなぜ? [DVD(字幕)] 6点(2013-07-13 18:13:59) |