641. 噂のモーガン夫妻
筋立てはまったくありきたり、ヒュー・グラントの演技はさらにやる気なし、サラ・ジェシカ・パーカーは常に冷静沈着に見えてしまって、この種のドタバタ・コメディには合っていない。したがって、見所がないのです。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2013-05-10 02:30:11) |
642. Go!(2001・矢崎充彦監督作品)
《ネタバレ》 えらく自主製作っぽい、もっといえばちょっと貧乏くさい出だしから一転、女性との出会いが一段落つく頃からは、ドラマがぐいぐいと動き出す。一番良かったのは、主人公が最後までださくて格好悪いのを貫き通している点。しかしその描写は作為的ではなく、不要な部分はばっさりと切り落とし、自然に見る側をのめり込ませる力を持っている。格好良い台詞も目を見張る得意技もないけど、原付で長崎まで走ってしまう体力と根性だけは持っている。その主人公の特性を、描写の上でも大事に育てているのがよく分かる。あと、さりげなくキャストも豪華ですね。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2013-05-08 04:10:37) |
643. パブリック・エネミーズ
結局、この監督は、ジョン・デリンジャーという人物を、どういうものだと理解し、解釈したのだろうか?その作業が何もなされていないので、単に銃撃シーンと脱獄シーンが撮りたかっただけの作品にしか見えません。そりゃ、デップもベールも、どう演技していいのか見当もつかないってもんでしょ。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2013-05-06 02:13:58) |
644. 化粧師
再見すると、脚本とかカメラとかも意外に細部まで配慮していることが分かりますね。説明台詞をできるだけ排除しようと頑張った痕跡は窺えますが、やはり何か所か出てきているのは惜しい。キーとなる主人公の仕事場が、いかにもちょっと変わった仕事師が籠もっていい仕事をしそうな雰囲気に作られていて、そのポイントを押さえているのが、全体を支えています。 [DVD(邦画)] 6点(2013-05-04 01:34:09) |
645. ジョゼと虎と魚たち(2003)
《ネタバレ》 人物描写がかなり演出側の趣味に走っている感じで、もうちょっとで自己満足作品に陥りそうなのが、ぎりぎり踏みとどまっているという不思議な作品。何かいろいろからんで来そうな老婆を中盤であっさり消し去る手際と、感傷を排したラストのぴたりとした着地の感触が良い。 [DVD(邦画)] 6点(2013-05-03 21:14:41) |
646. 助太刀屋助六
コメディチックにしようとしているのに、ネタもキャラクターも弱すぎて、真田広之の全力の演技が空回りしまくっている。全体がえらく中途半端なのです。 [CS・衛星(邦画)] 3点(2013-05-02 21:26:03) |
647. 奈緒子
《ネタバレ》 説明台詞ばかりの脚本や、監督が演技指導をつけた形跡のない役者の言動など、言い出したらどこにでも何かが言えてしまうのだが、とりあえず、駅伝そのものに対して、心理描写もなければテクニックや作戦も描写されない、表層的で観念的な作成しかしていないのは、協力をいただいた陸上部の方々に失礼だとは思わなかったのだろうか。あ、それと、導入部分の回想シーンって、結局何の役にも立ってなくないか? [CS・衛星(邦画)] 1点(2013-05-01 01:17:21) |
648. 山桜
台詞は説明台詞ばかり、登場人物の人格造型は実に浅く、見所がどこにあるのか分かりませんでした。それと、終始「ただ明るくするだけ」の照明の雑さが気になりました。 [CS・衛星(邦画)] 3点(2013-04-28 04:41:11)(良:1票) |
649. 最高の人生の見つけ方(2007)
肝心の2人の「それに至るまでの背景」にまったく配慮されていないので、死期を前にした脱走という設定に説得力が全然ない。というより、設定のための設定になってしまっている。したがって、ニコルソンとフリーマンをいくら掛け合わせても、「ただ喋っているだけ」であって、とても演技のぶつかり合いにはなっていない。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2013-04-15 01:00:09) |
650. チーム・バチスタの栄光
《ネタバレ》 原作の冴えない男性主人公を見栄えの良い女性に変えるって、この作品の15年も前に東野圭吾がそのネタで短編小説を1本書いてまで馬鹿にした手法だっていうのに、まだ堂々とそんなことをしてしまっている鈍感さに驚き。まあ、竹内結子は、そんな大損な役回りを押しつけられても、何とか雰囲気を壊さない程度にコメディ風味を入れて、頑張ってましたけどね。あと、この作品世界では、チーム・バチスタがいかに最強であるかを構築しておかないと、そこに切り込んでいく主人公たちのスリリングさが出てこないのに、その表現が劇中特集番組の説明部分だけって、前提が成立しないでしょ。それと、テレビドラマなみに安っぽい美術と照明も気になりました。ただし、執刀の場面で、見る側に専門用語が分かるかとか、人が動いた方が絵面が良いんじゃないかとか、余計なことを考えず、淡々とそのプロセスを追っていたのは、当然のこととはいえ、評価したい。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2013-04-12 02:11:48) |
651. 余命1ヶ月の花嫁
何だかもう、脚本の言葉選びも役者の演技も各場面の組み立ても、すべてが説明的であり、安っぽく、稚拙。制作側のものすごい限界を感じてしまう。これを実話だと言って広報してしまうのは、モデルに失礼なのではないだろうか。 [CS・衛星(邦画)] 2点(2013-04-11 02:05:02) |
652. 機関車先生(2004)
《ネタバレ》 子供たちや島の人たちのいかにも「純朴でいい人たちでしょ?」と言わんばかりのステレオタイプで凡庸な描き方(それは逆側の「よそ者排斥派」も同じ)も問題なのだが、それ以上に根本的な問題点が2つ。まず、口がきけないという設定でありながら、ではどのようにコミュニケートを行ったのかという点がまったく描かれていない。発声言語がないのであれば、表情、仕草、動作など、程度は別としても表現はしないといけないのでは?子供たちは主人公のどこから何を学んだの?また、教員を主人公としていながら、教壇で、あるいは教室で、何をしたのか、どういうメッセージを発したのかという点が、完全に無視されている。剣道の試合で優勝してめでたしめでたし、全部解決というのであれば、主人公が島に来た意義からして自ら全否定しちゃってるでしょ。なので、最後に「君たちから言葉を学びました」などと文面だけで言われても、何の説得力もなく、空っぽの虚しさが吹き上げてくるだけなのです。 [CS・衛星(邦画)] 2点(2013-04-02 01:54:24) |
653. ホワイトアウト(2000)
《ネタバレ》 背景の省略できるところは省略してどこまでもアクションと対決に徹するなど、頑張っているのは分かるんですよ、頑張っているのは。だけど・・・制作側のセンスの上でのいろんな弱点がもろに足を引っ張ってしまいましたね。まず、セットや映像が綺麗すぎ、明るすぎ。その上で、せっかくダムを舞台にしていながら、ダムの雄大さ、堅固さを示す映像がほとんどない。つまり、その辺の山小屋を舞台にしているのと同じなのです。そしてやっぱり、終盤では変な感傷的表現の大暴発。流れと統一性を破壊しているのに気づかないのかな? [CS・衛星(邦画)] 4点(2013-03-31 23:08:33) |
654. その土曜日、7時58分
《ネタバレ》 多角視点モノはもともと好きなのですが、それ以上に、このキャスティングだと、演技アンサンブルだけで十分楽しめますね。大御所アルバート・フィニーが最初あまり目立たないんだけど、途中から地響きを立てるようにせり上がってくる流れなどは、演出側と演技側の双方の風格を感じさせます。マリサ・トメイは、裏で絶対に何かやってるだろうと思っていたら何もなかったのは拍子抜けだったのですが、脱ぎっぷりのよさには力強く拍手。 [DVD(字幕)] 7点(2013-03-31 02:09:28)(良:1票) |
655. 刑務所の中
結局は主人公のモノローグが全部説明してしまっているわけで、それならば映画として何が表現したかったのか、その目的が不明。主人公自体、特段の意思も欲求も思考も感じられず、キャラクターとしての魅力がない。これは根源の創造性の問題なので、山崎努をもってしてもどうしようもないのです。 [CS・衛星(邦画)] 3点(2013-03-24 02:18:27) |
656. 早熟 ~青い蕾(つぼみ)~
《ネタバレ》 まさか2005年にもなって、こんなベタベタの作品を堂々と発表してしまう根性に驚嘆。これに対抗できるのは、関根恵子のデビュー直後の一連の作品くらいではないか。ただ、ベタなのは嫌いではないのだが、全体的にいろいろと都合良すぎというか、登場人物の人格よりも進行の便宜の方を優先してるっぽい箇所がいくつか目についた。 [DVD(字幕)] 6点(2013-03-20 01:04:42) |
657. 雨音にきみを想う
《ネタバレ》 じわっとした緊迫感の中で進んでいく序中盤は良かったんですよ。光と影が交錯する作品世界の中で、役者陣も、軽率に騒ぎ出さない堅実な演技をしていたのです。が、クライマックスからの持って行き方が、どこにでもあるような感じで安直だったなあ。隣のおっちゃんとか、少女の実の母親とか、何かやってくれそうな魅力的な登場人物も、結局使いこなせませんでした。あと、このまとめ方なら、兄はともかく、ヒロイン自身の病気云々は要らなかったのでは? [DVD(字幕)] 6点(2013-03-19 01:56:43) |
658. バンテージ・ポイント
《ネタバレ》 多角視点モノは好きなので、点数は甘め。全体としては、視点の違いが視点の違いにしかなっておらず、心理的な裏返しの部分にまでは至っていないのだが、それでも90分をノンストップで見せ切る突進力はなかなかのもの。締めの強引さとか、場所的なつじつまの合わなさもご愛敬ですね。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2013-03-11 00:25:30) |
659. 百万長者の初恋
どこかで見たようなシーンを継ぎ接ぎしてそれっぽくまとめただけの作品。契機、展開、変化、結果のすべてが実に安直。 [CS・衛星(字幕)] 2点(2013-03-10 02:30:42) |
660. キス★キス★バン★バン
《ネタバレ》 主人公とババの背景や発想の違いが笑いや哀しみをもたらすはずなのに、その設定が全然生かされていない。つまり、その辺の通りすがりの二人がめぐり会った話としても成立してしまうのです。あと、実はマルティン・マカッチョンが見たくて見たというのもあるのですが、出番少なかった・・・。 [DVD(字幕)] 5点(2013-03-02 01:55:31) |