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S&Sさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2385
性別 男性
自己紹介 〈死ぬまでに観ておきたいカルト・ムービーたち〉

『What's Up, Tiger Lily?』(1966)
誰にも触れて欲しくない恥ずかしい過去があるものですが、ウディ・アレンにとっては記念すべき初監督作がどうもそうみたいです。実はこの映画、60年代に東宝で撮られた『国際秘密警察』シリーズの『火薬の樽』と『鍵の鍵』2作をつなぎ合わせて勝手に英語で吹き替えたという珍作中の珍作だそうです。予告編だけ観ると実にシュールで面白そうですが、どうも東宝には無断でいじったみたいで、おそらく日本でソフト化されるのは絶対ムリでまさにカルト中のカルトです。アレンの自伝でも、本作については無視はされてないけど人ごとみたいな書き方でほんの1・2行しか触れてないところは意味深です。

『華麗なる悪』(1969)
ジョン・ヒューストン監督作でも駄作のひとつなのですがパメラ・フランクリンに萌えていた中学生のときにTVで観てハマりました。ああ、もう一度観たいなあ・・・。スコットランド民謡調のテーマ・ソングは私のエバー・グリーンです。


   
 

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721.  わらの女 《ネタバレ》 
この映画が撮られた64年は、ジェームズ・ボンドのイメージが定着してしまうことに危機感を持ち始めたショーン・コネリーが非007映画に出演しだしたころで、同年には『マーニー』なんかにも出ています。つまり『ゴールドフィンガー』と同時期のコネリーだったというわけですが、劇中でほとんど笑顔を見せないリヒルで冷徹なキャラを見事に演じ切っています。もっとも彼がこの映画に出演した理由が名優ラルフ・リチャードソンと共演できるからだったそうですが、さすが名優サー・ラルフだけあって怪物的な大富豪で強烈な印象を観る者に残してくれます。ヒロインは原作では虚栄心の強いつまり嫌な女というキャラ付けですが、ジーナ・ロロブリジーダが演じる看護婦はイタリアの田舎娘でコネリーの計画に乗せられるが、(それが愛なのかはともかくとして)非情な大富豪の心を開かせるほどの魅力を待った女性として描かれています。 原作はカトリーヌ・アルヌーの有名な推理小説ですが、この傑作の映像化としてみると本作は大いに問題があると言わざるを得ません。なんせ原作は史上初めて完全犯罪が成立する推理小説として有名ですが、この映画はそれをハッピーエンド、つまり犯人の目論見が外れて完全犯罪に失敗するという結末にしてしまったんですから、何とも況やです。ハリウッドには「犯罪が成功する映画を撮ってはいけない」という不文律があったことは有名ですけど、英国映画界でも同じだったんでしょうね?でも肝心の結末を改変(改悪?)しちゃったら、この原作を映画化する意味がなくなっちゃうんじゃないでしょうかね。
[CS・衛星(吹替)] 5点(2018-06-06 22:37:40)
722.  メジャーリーグ 《ネタバレ》 
嫌なことがあって気分が落ち込んだりした時はぜひ本作をお勧めします、言わずと知れた野球コメディ映画の最高峰です! 初めてこの映画を観たとき、アメリカに次ぐ野球大国なのになんで日本映画界はこういう野球映画が撮れないんだろうかと、腹が立った記憶があります。確かにプロ野球をテーマにした日本映画はほとんどないし、数少ない作品も単なるヒーローものか超駄作ばかりですからねえ。 この映画の凄いところは、クリーブランド・インディアンスという実在のメジャーリーグ球団を使って、オーナーから選手までフィクションの存在にして徹底的に笑いを取りに行っているところでしょう。その選手たちもキャラが立ちまくりで、ウェズリー・スナイプスまでもが今じゃ決してやってくれないコメディ演技を見せてくれるんですから、もう堪りません。特にキャンプにインチキ臭いハイブリッド・ワーゲンで乗り込んでくるところや、アメックスのCMで滑り込んできて「出かけるときは忘れずに」と微笑むところなんか抱腹です。私は長いこと彼がコメディアンだと思ってました(笑)。そしてもちろん、リッキー・ボーンのチャーリー・シーンを忘れてはいけません。プレー・オフの“ワイルド・シング”にのって登場するシーンは何度観ても鳥肌立ちまくり、きっと永遠に語り継がれてゆくことでしょう。彼は実際にも野球が上手いらしく、投球フォームがさまになっています。 そしてつくづく感じるのは、実際にエキストラで球場を埋めて撮影されたプレー・オフ戦の迫力です。もちろんボランティア参加みたいにして集めたんでしょうけど、みんなノリノリだしほんとに楽しそう。 日本にも75年の広島初優勝や85年の阪神優勝のようないいネタがあるんだから、映画化しようという発想は邦画界にはないんでしょうかね、まあないでしょう。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2018-06-02 23:43:43)(良:1票)
723.  893愚連隊 《ネタバレ》 
なんでも、この映画は東映が初めて製作した現代ものヤクザ映画なんだそうです。つまり、『仁義なき戦い』の偉大なるルーツというわけですね。撮影はモノクロで、この後東映のお家芸になる隠しカメラを使ったゲリラ撮影を交えたオール・ロケ、音楽はジャズっぽいサントラで東映京都撮影所では確かに撮ったことのない類の映画だったわけです。主演の松方弘樹だってまだ新人同然、荒木一郎や近藤正臣など中島貞夫がチョイスしてきたキャストが、キャラに見事にはまっています。任侠ものとは一線を画したピカレスク・ロマンなわけですが、主人公たち愚連隊がやってることは感情移入できないエグい悪事に過ぎず、それを明るいサバサバしたタッチで見せてくれるので、なんかヘンなテイストでもあります。ヤクザと愚連隊の違いは親分・子分の関係ではなく売り上げ(?)は平等に分配、「愚連隊は民主主義やで!」というセリフはまさに迷言です。そんな連中に古いタイプの天知茂が加わってから彼らの運命が狂いだすのですが、そこはなかなかバランスの取れた脚本かと思います。参謀役の荒木一郎がまた上手くって、後年のあまりセリフがない演技しか知らなかったけど、この人喋らせたら凄いんです。もっとも愚連隊内の会話は、きつい関西弁に隠語だらけで半分ぐらいしか理解できませんでしたけど。 考えてみると、同じ松方弘樹が主演の『恐喝こそ我が人生』と主人公と仲間のキャラ設定がそっくりなんですよね。『恐喝こそ我が人生』は舞台を東京に変えた本作の後日談なのかもしれません。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2018-06-01 01:48:53)
724.  女王陛下の007 《ネタバレ》 
自分でも意外なことに、今回生まれて初めて『女王陛下の007』を観たことに気が付きました。公開当時はジェームズ・ボンドがショーン・コネリーじゃないということに強烈な違和感があったのですが、観てみるとこれは子供が観ても理解できない、大人になって観て初めて真価が判る種類の映画です。まさか007シリーズでホロリとさせられるとは、想定外でした。正直、本作は今まで自分が観た007シリーズの中でもトップクラスの出来で、近年になって世間の評価が高まってきたというのは納得です。 まずサントラが抜群にイイ。サッチモが歌う「愛はすべてを越えて」はもちろん知っていて好きな曲ですが、本作の主題歌だったとは迂闊にも知りませんでした。このアレンジが全編に流れるだけでエモくなります、あの騒々しい“ジェームズ・ボンドのテーマ”がオープニング以外では上映2時間を過ぎてからほんのちょっとだけ流されるにとどまっているのも、ナイスです。イオン・プロが関わっていないジョン・ヒューストンの『カジノロワイヤル』を除けば、本作のサントラはシリーズ中で最高なんじゃないでしょうか。アクションも抑制気味なのも良かったです。アルプス山中が舞台なだけあってスキーに始まってカーリング(現在行われている競技とは細部がだいぶ違ってました)そしてラスト・チェイスはボブスレーと、まるで冬季五輪とタイアップしてたみたいです。今回の悪役ブロフェルドもシリーズ恒例の“何がしたいのか良く判らん症候群”が重症です。「ウィルスばらまくぞ」と国連を脅迫した見返りが自分の恩赦と引退後の爵位の保証って、えらいみみっちい、金正恩の方がはるかに器がでかい(笑)。それにしても、ブロフェルド、スキー上手すぎでしょ(笑)。 そしてついにジェームズ・ボンドが結婚、それも欧州でNO.2の犯罪組織のボスの娘!結婚式でベソをかいているマネーペニーおばちゃんが、抱きしめてあげたいほどいじらしい。そしてご存知悲劇の幕切れとなるわけですが、ボンドよ、なんでブロフェルドの死体確認をしなかった?テレサの死にはお前の責任が多々あるぞ! でもやっぱ本作のボンドはジョージ・レーゼンビーで正解だったのかもしれません、ショーン・コネリーやロジャー・ムーアだとだいぶテイストの違う映画になってしまったでしょうね、悪い意味で。
[DVD(字幕)] 8点(2018-05-29 22:56:45)(良:1票)
725.  ハノーバー・ストリート/哀愁の街かど 《ネタバレ》 
前半は不倫ロマンス、後半は特殊部隊戦争アクション、まさに驚異のハイブリッド・ムーヴィーで、こんな映画はピーター・ハイアムズじゃなきゃ撮れません(笑)。脚本がまた突飛なほどのご都合主義、とくに後半は唖然・呆然の連打でここまでくるとなんか愉しくなっちゃいます。寝取られ夫と間男が同じ爆撃機に乗り合わせて二人だけ生き残るってのは、まあ目をつぶりましょう。でも三歩歩いただけで捻挫しちゃう、捻挫してるくせにけっこう走ったりする、そして極めつけはどう見たって二発は背中に機関銃弾が命中してるのに死なずに帰還できちゃう、もう“不死身の男 クリストファー・プラマー”と呼ぶしかないでしょう(笑)。こんな理想的な夫としか言いようがないプラマーの妻レスリー・アン・ダウンがハリソン・フォードごときと出会ったとたんに不倫に走っちゃう、こんな女に誰が感情移入できるでしょうか。せめて病院の廊下で二人が出くわすラストシーンは『第三の男』みたいになにも言葉を交わさずにすれ違うだけ、というような余韻が残るような脚本にしていたら少しはピーター・ハイアムズを観直したかもしれません。ジョン・バリーの音楽が『ある日どこかで』を思い出させてくれたので、プラス一点です。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2018-05-26 23:35:15)
726.  シンプルメン 《ネタバレ》 
これぞまさしくNYインディース、って感じでしょうか。全然毛色が違いますけど、同時代に活動を始めたタランティーノと較べてみたくなるんですよ。ハル・ハートリーは映像に凝る趣味は持ち合わせていないみたいですが、登場キャラたちのうだうだした会話を見せられているようでも、セリフ自体は良く磨きこまれています。ジョン・バークがケイトを口説くシークエンスを観てください、彼の無駄がない研ぎ澄まされた口説き文句は、まるで一編の詩の朗読を聞かされているような感じがしました。なんの脈絡もなくマドンナを批評する無駄話が始まって、こんなところもタランティーノ風なのかな。いわばハル・ハートリーは思いっきり上品なタランティーノと呼べるかもしれません。また登場人物たちがキャラ自体は真面目な設定なのに、それぞれがどこかオフ・ビートな一面を見せるところが面白いんです。まあそれを言えば、あの有名なダンス・シーンも思いっきりオフ・ビートだったですね。この独特の空気感は、ちょっとはまります。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2018-05-23 23:16:43)
727.  クリスティーン 《ネタバレ》 
たしかにスティーブン・キングのファンに言わせると、原作はキング作品の中でも名作中の名作なんだそうですが、残念ながらわたくしはキングの小説は読んだことがないので何とも言えません。この作品ではカーペンターはプロデューサーでもないし脚本書いてもいないので、原作の改悪については責任なしとしか言えませんね。でも中盤まではカーペンターにしては珍しい青春映画のタッチで、この辺りは原作の香りが残っていたんでしょうか。クリスティーンに魅了されてからのアーニーの変貌ぶりはあまりにも唐突感が強いのですが、ここら辺からカーペンターお得意の雑な展開なのであまり気にしないように。でもカーペンター映画としては過剰な逸脱もなくてよくまとまった普通の作品だと感じました。 “火の車”に追いかけられて“火だるま”にされて死んでゆくなんて、一種のギャグなのかもしれないが、悲惨な人生の比喩として受け止めるとなかなか奥が深いところがあります(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2018-05-19 23:29:27)
728.  ハクソー・リッジ 《ネタバレ》 
考えるに、現役映画監督の中で戦争映画を撮るのがいちばん上手いのは、メル・ギブソンなのかもしれません。リアリティーやストーリーテリングの巧みさではスピルバーグやイーストウッドの方が勝っていますが、臨場感と巧妙な脚色と観る者を引きずり込まずにはいられないヒロイズムに関しては、文句なしで当代一でしょう。とは言え、これだけバッタバッタと日本兵が殺される(アメリカ兵も負けず劣らずの大損害ですが)シーンが連続すると、さすがに気分が悪くなってしまいます。そして凝り性のギブソンのことですから、人体損壊シーンが多いことにも辟易させられます。個人的には『プライベート・ライアン』の“ブラッディ・オマハ”の方がはるかにショックを受けましたけど、スピルバーグの方が見せ方については巧みだったんでしょうね。監督がこの人だからと警戒した宗教色は、さほど気になりませんでした。同じ部隊のアメリカ人からも異常視されるぐらいですから、このデズモンド・ドスという人の信条は日本人の私らには理解できるはずもありません。でも「この人は狂信者ではなく、普通の若者だったんだよ」ということを前面に押し出したかったギブソンの演出意図は、それなりに成功したんじゃないでしょうか。しかし銃は握らなかったといっても戦争そのものは否定せずに、自ら志願して戦場に赴くんですから、やはりこの宗教観を理解するのは難しいです。『ヨーク軍曹』を撮ったハワード・ホークスが生きていたら、この映画を観てどういう感想を持ったか想像してみると面白いです。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2018-05-16 23:48:17)
729.  クライム・オブ・パッション 《ネタバレ》 
80年代のケン・ラッセルのフィルモグラフィは奇作・珍作ぞろいなんですが、その中でも本作はかなり酷いというかしんどいというのが結論です。昼は有能な服飾デザイナー、夜は“チャイナ・ブルー”と名乗る安ホテルで営業に励む娼婦、これを演じるのがキャスリン・ターナーというのは、いかにもなキャスティングではあります。でも彼女は娼婦にしてはエロくもないし予想外な貧乳で、これにはがっかり。こういうプロットのお話しはまあ良くあるわけですけど、その客や彼女を取り巻く男たちが訳の分からない連中ばかりで、とくに完全に逝っちゃってるアンソニー・パーキンスが強烈です。『サイコ』以降のパーキンスが演じるのはたいていキチ〇イというのが定説ですが、期待にたがわない変態牧師でした。考えてみると、ケン・ラッセルとアンソニー・パーキンスの組み合わせはちょっとヤバかったです、まさに「混ぜるな、危険」という感じです。このお話しはケンちゃん版『アイズ・ワイド・シャット』だという解釈もできなくもないですが、このお下品さにはキューブリックも裸足で逃げ出すでしょう(笑)。ケン・ラッセル映画の題材は、D.H.ロレンスの小説や音楽家の伝記などつまり古典的な時代設定が多いんですが、彼独特のサイケなストリートテリングはリアルタイムな時代設定の物語では粗が目立ちすぎるんですよね。これは失敗作としか言いようがないですね。
[CS・衛星(字幕)] 3点(2018-05-13 22:49:47)
730.  フェノミナ 《ネタバレ》 
ダリオ・アルジェントお得意のいわゆる“美少女虐待サディスティック・ホラー”なんですけど、この手の作品群の中でも彼の趣味が際立っている一品であります。彼の美少女虐待趣味はまあ判らなくもないけど、もう一つの性癖である“昆虫愛”がこれだけ濃厚なのにはこの人の変態性が強く感じられます。ストーリーはもう「ジェニファー・コネリーの昆虫すごいぜ!」とでも申しましょうか、ハエやらのどアップ・カットが何度も出てくるし、「なんなん、これなんの映画なん?」と突っ込みたくなるぐらいで、アルジェントは香川照之と対談したらきっと気が合うだろうな(笑)。またジェニファー・コネリーの可憐なことと言ったら、アルジェント・ホラーのヒロインでは間違いなくNo.1でしょう。しかしまあ、いくらプロの女優だとはいっても14歳の少女を人骨や蛆が浮いたドロドロのプールに(作り物だってことは判ってますけど)投げ込みますかねえ。ジェニファーもこのころはデビューしたて、イタリアにまで出張って来て(同年に『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』にも出てる)オーディションまで受けて、彼女も必死だったんでしょうね。でも大丈夫、キャリアの初期にこういう過酷な現場を経験しておけば多少のことでは動じない根性が付いただろうし、これがオスカー受賞する演技派に育つ糧になったんだよ(ホントかよ)。でもジェニファー・コネリーがアルジェント作品に出演することは、もう二度とないでしょう(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2018-05-11 21:32:21)
731.  荒野のストレンジャー 《ネタバレ》 
摩訶不思議なウェスタンといえば、もうこれしかないでしょう。まあどう考えてもイーストウッド演じる“ストレンジャー”はこの世の存在ではないわけですが、いきなり女を手籠めにしたりする生臭い奴なので“こいつは何者”感が濃厚になり、ここがこの脚本の上手いところです。広大な湖のほとりにまるで住宅展示場みたいなこぢんまりとした町(というか集落)があるというのも、普通のウェスタンではあまり見かけたことがない景色でした。一見善良そうな住民たちが私欲のために保安官殺しを黙認するという展開は、ジョン・ウェインが激高しそうなストーリーです。保安官に町の住人が非協力的な『真昼の決闘』が反米的だと激怒した人ですけど、もう製作当時は人生の終わりも近かったので丸くなってたのかな。駆け出し監督のころですからイーストウッドの作品はまだB級色が強かったので、大して注目されていなかったのかもしれません。 こうやって観ると、イーストウッドはハリウッドでもウェスタンを危篤状態となってから撮りだしたようなものなので、いろいろと捻った観点の作品がウェスタンでは多いですね。そこは50年代からどっぷりウェスタンで生きてきたペキンパーの様なこのジャンルへの哀悼は感じられませんが、彼の死後にはイーストウッドがウェスタンに施した心臓マッサージが効いて『許されざる者』という傑作が生まれたんじゃないでしょうか。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2018-05-07 22:26:37)(良:2票)
732.  トロール・ハンター 《ネタバレ》 
はい、観終わっての感想を一言、「絶対に笑ってはいけないトロール・ハンター24時」でした(笑)。こらえきれずに笑ってしまったシーンは数知れず、“自分のしっぽを食べようとして転がるトロール”“「実は俺キリスト教徒なんだ…」なんでこの状況でカミングアウトするの”“トロールを捨て身の攻撃で爆殺するハンス、その時着用していたミシュランのマスコットみたいなバケツを被っているとしか思えない鎧”“ぐるっと円を描いて戻ってくる送電線”etc… だいたいこのお話しは日本に置き換えると「実は巨大化したカッパが実在していて、日本アルプスの山岳地帯でひそかに隔離されているけど、政府はその事実を隠蔽している」という感じでしょう。つまり現地の人にはそれが端からジョークだと判る与太話で、それをいわゆるPOV手法のパロディとして、徹底的にシリアスに映画にまとめたというわけです。冒頭とラストのテロップなんてこの手の映画の忠実なパロディで、ここで「あっ、これはおふざけ映画なんだ」と気づかねばなりません。でも笑いのネタを随所に散りばめながらも、この監督は正攻法の撮り方で押し通すので引っ掛けられてしまうかもしれません。ラストの巨大トロールとハンスのバトルはさすがに悪ノリが過ぎたかとも思いますが、この監督が持つ才気だけは感じ取ることができました。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2018-05-03 21:13:44)
733.  追跡(1962) 《ネタバレ》 
監督ブレイク・エドワース・音楽ヘンリー・マンシーニの黄金コンビでモノクロ撮影の犯罪サスペンスを撮っていたとは意外や意外、だいたいコメディじゃないシリアスな映画をエドワースが撮っていたことにもびっくりです。 銀行員のリー・レミックはある日自宅ガレージで顔を見せない男に脅迫されます。要求は、勤め先から10万ドルをくすねて持ち帰れ、成功したらお前にも2割分け前をくれてやる、もちろん警察にばらしたら妹ともどもあの世行きだ、ということです。ところが彼女は速攻でFBIに電話しちゃうんですが、なぜか部屋に隠れていた犯人に昏倒させられ「やると思ってた、でも二度目は許さん」と捨て台詞を残して犯人は消えてゆきます。 シャープなモノクロ撮影で序盤は雰囲気満点なんですけど、なんか脚本が甘いんですよね。もちろんすぐにFBIが捜査に乗り出して来て姿を見せない犯人とヒロインの攻防になるわけですが、彼女が通報してFBIが動き出していることに犯人が気づいていないというストーリーテリングが、なんかおかしいと思います。中盤では犯人の中国系の愛人親子が登場して話はぶれるし、けっきょくこの愛人は中途半端にフェードアウトするから余計にイラっとします。知能犯だと思わせるべき犯人像も、途中から画面に登場させてしまい単なる粗暴犯ですということが、バレバレになってしまいます。でもこの犯人のキャラ自体は不気味かつ変態チックで、女装して女トイレに現れるシーンは「うわっ、なぜか樹木希林が出てきた!」とびっくりさせられることは必定です(笑)。 SFジャイアンツが試合中のキャンドル・スティック球場がラスト・シークエンスになり、これを『ダーティハリー』とのかかわりを指摘する向きもありますが、確かにそういう雰囲気は感じられました。そうそう、リー・レミックの妹役が懐かしい『探偵ハート&ハート』のステファニー・パワーズだったことも忘れてはいけません。ほとんどデビュー仕立てのころだったみたいです。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2018-04-29 22:38:11)
734.  カメレオンマン 《ネタバレ》 
これはモキュメンタリー・ジャンルとしては初期の作品だと思いますが、さすがウディ・アレンだけあってこのジャンルでは突出した出来栄えです。スーザン・ソンタグやソウル・ベロ―といった知の最高峰と呼ぶにふさわしい面々が、冴えないユダヤ系の男が周囲の人間に同化(というか変身)してどんな環境にも順応してしまうという奇天烈なお話しに、大真面目な顔でコメントを寄せているのを見るだけで笑えてきます。アレンもまるでピーター・セラーズ持ち芸みたいに、中国人やメキシコ人そして百貫デブからなんと黒人にまで変身して見せるサービスぶり、そういやこの二人は顔つきが何となく似てますね。この謎の習性が、世界中に散らばっているユダヤ民族の歴史のカリカチュアであることは、もう判りやすいぐらいです。また20年代・30年代の記録フィルムとアレンたちの演技のつなぎがもう絶妙で、彼のフィルモグラフィ中では珍しい特殊撮影もアレンはセンス良くこなしちゃうんですねえ。珍しく何のひねりもないハッピーエンドなんですけど、当時のミア・ファローとのラブラブぶりが伝わってきたのは確かでした。
[ビデオ(吹替)] 8点(2018-04-27 22:20:22)
735.  軍旗はためく下に 《ネタバレ》 
監督が深作欣二で脚本が新藤兼人というおよそ東宝作品とは思えない布陣です。かねがね新藤兼人はその能力・思想信条において和製ドルトン・トランボと呼ぶに相応しい存在だと思っていましたが、この映画はトランボの『ジョニーは戦場へ行った』に匹敵する強烈な反軍思想の脚本だと思います。 かつての戦友たちを訪ね歩いて丹波哲郎の死の真相を知ろうとする左幸子の執念は、『ゆきゆきて、神軍』の奥崎謙三を彷彿させてくれます。丹波哲郎の最期についての記憶が訪ねた四人でそれぞれ違うのは(もっとも一人はウソをついていましたが)、推理小説の様な秀逸な語り口です。そのうちの一人である内藤武敏が勤務している高校で、彼が戦時中の記憶を語っているシーンでジェット旅客機が轟音をたてて着陸するカットが挿入されますが、いかにも時代の世相というか深作欣二の思想が感じられました(当時は成田空反対闘争の真っ只中で、過激派は“軍事空港ハンタイ”なんて言っていました)。そういう思想的な臭みも帳消しにするのが、左幸子の熱演です。やはりこの人は天才女優です。丹波哲郎も彼としては非常に抑えた演技で、「天皇…」と言いかけて銃殺される最期は涙を誘います。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2018-04-26 22:41:55)
736.  一万三千人の容疑者 《ネタバレ》 
冒頭で、当時の東映社長である大川博の前口上が流されます。まあこれは「この映画は義展ちゃん事件を再現していますが、このような悲惨な事件が二度と起こらないことを願って製作いたしました」というような趣旨ですが、さすがに「ヒット作が欲しくて撮りました」とは言えませんよね。こんな興行側の言い訳はどうでも良いんですけど、犯人が逮捕されてから一年余りしかたっていない時点で映画化しちゃうところに、当時の日本映画界がまだ持っていたバイタリティを感じさせてくれます。それに比べて現在の日本映画界のだらしなさは眼を覆うばかり、なんせあのオウム真理教事件ですら正面から取り組んだ作品が未だに製作されていないんですからねえ。 私らの世代には義展ちゃん誘拐事件といえばいまだに誘拐事件の代名詞のように記憶に刷り込まれていますが、こうやって丁寧に事件の推移を見せられると、いろいろなことが改めて見えてきます。これは史実通りなんですけど、身代金受け渡し時の警察の失態・無能ぶりには驚くべきものがあります。そして犯人逮捕まで2年以上もかかったとは知りませんでした。逮捕の突破口になったアリバイ崩しの攻防戦もまるで推理小説みたいな展開で、まさに“事実は小説よりも奇なり”です。 わたしの中で「ベテラン刑事を演じたら日本一」の称号を与えられているだけあって、芦田伸介はハマり役でした。これも多分に幼いころTVで観ていた『七人の刑事』からの刷り込みがあるんでしょうね。でも、のらりくらりとウソをついて刑事たちをはぐらかす犯人役の井川比佐志が予想外の好演で、この人は善人役だけが持ち味だったんじゃなかったんだな、って再認識させられました。また音楽担当があの伊福部昭で、この救いようがない悲惨なお話しにピッタリのサウンドを聞かせてくれます。 尺は短いんですけどあまりに救いのない事件なので、ダウナーな気分にさせられること間違いなしです。やはり恩地日出夫が監督した泉谷しげる主演のTVドラマ版の方が出来は上かなと思います。そういや、このTV版も刑事役は芦田伸介でしたね。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2018-04-26 00:08:28)
737.  野獣の青春 《ネタバレ》 
原作は未読ですが、どうも大藪春彦の『人狩り』をかなり翻案した内容みたいです。大藪春彦の小説は独特の文体にはまって昔よく読んだんですけど、映像化されると凡作・失敗作になった映画が多いという印象が強いですね。この映画はその中でもましな方だという感じですが、鈴木清順が撮っていますから原作はあくまでモチーフと思った方が良いでしょう。 モノクロ映像の殺人現場の室内で、テーブルの花瓶に活けられた花だけが真紅の色彩を放っている、初っ端から清順ワールド全開です。でも清順の持ち味であるアヴァンギャルドな映像はどちらかというと控えめな印象であります。アヴァンギャルドとハードボイルドとは相性が良いと思うので、もっとぶっ飛んでも良かったかもしれません。それでも小林昭二と川地民夫のボス兄弟の変態っぷりをはじめ、登場キャラたちの妙な作りこみ具合は訳が判らなくて面白かったです。そう考えると、主役が宍戸錠というのがミスキャストだった気がしてなりませんでした。この人はどう見たってハードボイルドが似合うタイプじゃないでしょう。 余談ですけど、現金強奪のシークエンスで発煙筒をダイナマイトに見せかけて発煙させますが、これって後に起こる三億円強奪事件と手口が一緒なんですよ。あの犯人ももしかしてこの映画を観ていたのかも…
[CS・衛星(邦画)] 6点(2018-04-21 23:38:49)
738.  ミルドレッド・ピアース 《ネタバレ》 
全盛期を過ぎてからのジョーン・クロフォードしか知らなかった自分が恥ずかしい、彼女が見せてくれた演技はそこまで言わせてしまうほどのすごい演技で、アカデミー主演女優賞90年の歴史でも十指に入ると確信しました。とても40年代の女優とは思えない現代でも通じる知的な演技とでも申しましょうか、意志強固ながらもどうしても隠すことのできない母性に運命が翻弄されてしまう女性像を、見事に演じ切っています。 監督がマイケル・カーチスですから臭いメロドラマかと舐めてかかってはいけません、見事に予想を裏切るストーリーテリングです。ミステリーとしても上質な出来ですが、「誰がベラゴン氏を射殺したのか?」という謎解きについては物語が進行してゆくにつれてどうしても感づいてしまうんですが、そんなことはこの映画の価値を下げることは全然ありません。ミルドレッドを取り巻く三人の男が、また大なり小なりろくでなしなんです。その中でもジャック・カーソンが演じる共同経営者が、ある時は善人ある時は小悪党という絶妙なキャラで、最後までミルドレッドに振り回される男を好演していました。そして忘れてならないのは甘やかされて育てられたおかげですっかり人間性を喪失してしまったような娘ヴィーダ役のアン・ブライスで、彼女にもオスカーを与えて欲しかったとしみじみ思います。 とにもかくにも、ジョーン・クロフォード一世一代の名演を得とご堪能あれ!
[CS・衛星(字幕)] 9点(2018-04-18 22:31:05)(良:1票)
739.  ドラキュラ血のしたたり 《ネタバレ》 
無実の女性を魔女狩りと称して狂信的に殺しまくるピーター・カッシングよりも、悪魔に魂を売ってヴァンパイアになっちゃう伯爵よりも、出演シーンの半分はネグリジェ姿で通す双子ちゃん姉妹の方にどうしても目が釘付けになっちゃいます。このコリンソン姉妹、1970年9月のプレイメイトだったそうですよ、そりゃナイスバディなわけです。そして舞台になっている村、熟女・人妻から若い娘まで美人で巨乳ぞろいとは、一度はここの住人になってみたいものです。 『吸血鬼カーミラ』をモチーフとしたストーリーというのがうたい文句ですけど、途中でミラカーラなるヴァンパイアがちょこっと出てきますが、『カーミラ』の要素はどこにも感じられずこれじゃあ翻案し過ぎでしょ。正直言ってヴァンパイアなんかよりピーター・カッシングの魔女ハンター団の方がよっぽど怖いです。さんざん若くて色気があるというだけで魔女と決めつけて火あぶりにしまくり、本当の敵が判ってからも唯一殺したのはヴァンパイア化した姪だけ、なんだピーター・カッシング、おまえ女しか殺してないじゃんかよ!ラストの対決もヴァンパイア伯爵に反撃されて秒殺ですからねえ… 『ヘルハウス』を撮る直前のジョン・ハフが監督ですが、まあ怪作としか言いようがないですねえ。でもこの双子のコリンソン姉妹は、数いるハマーお色気軍団の中でも屈指の殺傷力を持った逸材だったのは確かです。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2018-04-14 23:49:58)
740.  フランソワの青春 《ネタバレ》 
日本未公開で未ソフト化、観てみれば退屈な映画でしたが、全盛期を迎えようとしているころのジャクリーン・ビセットの美貌を拝める貴重な一編であることは確かです。 監督のロバート・フリーマンは、実はビートルズのジャケット写真を数多く手がけた有名な写真家です。お話自体は『おもいでの夏』や『青い体験』といったいわゆる“ひと夏の初体験”ものといったジャンルに入るかもしれませんが、はっきり言って童貞卒業するようなストーリーじゃありません。なんせ主人公が11歳の少年ですからねえ。この少年役は風貌が少女時代のジョディ・フォスターそっくりで、美少年というよりもなんか中性的な存在感がありました。2か月前に交通事故で両親を亡くして裕福な叔父の家に引き取られたいう設定ですが、なぜかラストのシークエンスまで穴だらけのボロボロなセーター姿で通します。その家に叔父が第二次大戦の戦友の英国人娘を呼び寄せますが、戦友の娘というのは真っ赤な嘘で実は単なる愛人でした。するとそれに感づいた息子が親父を出し抜いてちょっかいを出してきますが、娘はちっとも相手にせず11歳のフランソワ君の方にご執心という展開になります。もちろん我がジャクリーン・ビセットが娘役なんですが、どうしても彼女の美には見惚れてしまいます。やっぱり脱ぎはなしでしたが(それに近いショットはありましたけど)、彼女の豊満な乳を強調した衣装が連発なので良しとしましょう。でも服を着ている方がエロいという女優は、なかなかいるもんじゃありませんよ。少年の方も性の眼覚めという段階でもないみたいでしたが、寝室に忍び込んで彼女の髪を切り取るなんて変態チックな行動をするんです、こっちの方が怖いって(笑)。 まあ結論から言うと何も起こらずに映画は終わってしまったということですが、“写真家が撮る映画は駄作ばかり”というジンクスは今回も破れませんでした。ふと気が付いたんですが、この一人の女を父と息子で獲りあうというプロットは、やはりビセットが出ている『映画に愛をこめて/アメリカの夜』で撮影されていた劇中映画『パメラを紹介します』と同じなんです。トリュフォーは本作から『アメリカの夜』のインスピレーションを得たと、私は確信した次第です。
[CS・衛星(字幕)] 3点(2018-04-10 01:10:02)
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