61. ダーク・ウォーター
《ネタバレ》 小説も読んだが、上品かつ丁寧に描いたモダンホラー映画と言えるであろう。製作サイドのこの映画に対する趣旨=雰囲気重視はわかるが、そもそも短編小説の映画化だけに、間延びした感じや、とってつけたような余分な描写が多かったと思う。ジェニファー・コネリーはデビュー時から見ているが、汚れ役を演じたり苦労しながらオスカーを取れたのは涙物の喜ばしい話であり、この映画で主演を射止められてよかったと思う。 [DVD(吹替)] 5点(2006-05-29 10:53:01) |
62. アライバル2
《ネタバレ》 「1」との関連性は?社会の中に異星人が入り込んでるパターンの作品としては、ジョン・カーペンター監督の「ゼイ・リブ」があるが、とても比較にならない。導入はそこそこであったが、その後はプロットも理解しにくくトーンダウンしていった。 [DVD(字幕)] 4点(2006-05-25 01:21:41) |
63. ヴァン・ヘルシングVSスペースドラキュラ<TVM>
《ネタバレ》 なんともすごい映画。3000年にヴァン・ヘルシング(も末裔?)とドラキュラが、遠い宇宙の宇宙船の中で戦う。が、戦うシーンの描写もないにもかかわらず、主人公ヴァン・ヘルシングは戦いに負けたらしく、ヴァンパイヤになってしまうが、同僚にあっという間に退治される。プロットに無理があり、話もつながっていない。ただし、エンディングについては、ウルトラB級な下品なオチで笑える、その部分に2点! [DVD(字幕)] 2点(2006-05-23 23:29:02) |
64. バンカー・パレス・ホテル
《ネタバレ》 古くて新しい独特な感覚を持った作品。アンドロイドたちの滑稽なこと、ホテル全体に漂う雰囲気が良いこと、プールやモグラや列車や様々な大道具・小道具に工夫が凝らされていたこと、等々・・・。確かに、プロット自体に特筆するものはないが、見ても損はしない映画である。 [DVD(字幕)] 6点(2006-05-18 02:16:26) |
65. 真実の行方
ノートンが完全にギアを食ってしまった作品、ノートンの映画である。とても、映画初出演とは思えない。その後も、「アメリカン・ヒストリーX」「ファイトクラブ」と違った個性の役柄を見事に演じていたころが懐かしい。デニーロの次はノートンと思っていたのに、最近、どうしちゃったんだろう? [DVD(字幕)] 8点(2006-05-17 02:02:06) |
66. マシニスト
《ネタバレ》 映画全体の雰囲気、色彩の使い方は良いが、オチがイマイチ。「KILLER」の文字も予告編でわかってしまっていたし。「左・右の選択」はなかなかおもしろかった。それにしても、クリスチャン・ベールはすごい!「アメリカン・サイコ」では、いけすかない俳優と思ったが、この驚異的なダイエット(と言うより、体重操作)は、ロバート・デニーロの上を行く、ダイエット本を書けば飛ぶように売れるのでは?演技もすごかった、最近は半二枚目の若手演技派男優が減っているから(エドワード・ノートンぐらいしか思い浮かばない)、メジャー作品にも出演しだしているし(「リベリオン」はイマイチだったが)、個性派としてぜひオスカーを狙ってほしいものだ。 [DVD(字幕)] 6点(2006-05-17 01:54:14) |
67. ドラキュリアIII 鮮血の十字架
《ネタバレ》 評価が難しい作品。Ⅱを見てないため、連続性はわからなかった。ただし、製作サイドの「こだわり」は非常に強く感じた。近未来のルーマニアが舞台ながら、町並みには妙なリアリティがあり、またドラキュラ城(?、これCG?)も見事。ルトガー・ハウアーは久しぶりに見たが、メイクの影響もあろうが老けた感じを受け、昔の狂気に満ちた迫力はなかった、もう少し登場してほしかったと思う。 [DVD(字幕)] 5点(2006-05-11 02:23:13) |
68. ホワイト・ライズ
《ネタバレ》 身近な仲間で二つの一目惚れが重なる可能性自体が天文学的な確率ではあるが、よく練られた脚本であったと思う。しかし、これがハッピーエンドと言えるのか、を考えるとすっきりしない。少なくとも、ウソをついていた女友達と利用されていた男友達は不幸のどん底であろうし、主人公男性=マシューは、その女友達と関係してしまったわけだから、親友である主人公女性=リサも、一概に幸せな再会とは言えないだろう。しかも、空港で無理やり婚約者を出して、思いっきり三行半をつきつけ、脇役まで不幸のどん底にする、このシーンは本当に余分だ。オリジナルを考えても、すっきりしない展開自体が仏映画らしい不透明感を出し、各登場人物の「はかなさ」「せつなさ」を描写するのが魅力なわけだから、ハッピーエンドに持っていくのはどうかと思った。映画全体は地味ながら良い出来だと感じた。回想シーンの導入どころもなかなかであり、また前半部分の伏線もよく練られていて、「めっけもの」の映画ではあった。 [DVD(字幕)] 6点(2006-05-10 03:44:49) |
69. チャイルド・プレイ/チャッキーの種
《ネタバレ》 ハチャメチャでエログロなコメディですね~、チャッキーも昔はすごい恐かったんですが、この映画じゃ偏屈で頑固な親父キャラになっちゃってます。シャイニングのパロディで「なんてセリフ言えばいいんだ?」ってチャッキーが言うシーンは笑えました。R指定なのは、スプラッターだからじゃなくて、エロい・グロいだからなのでしょうか?しかし、このオバカ度は結構楽しめました。 [DVD(字幕)] 6点(2006-05-10 01:10:19) |
70. ダークネス(2002)
《ネタバレ》 キャスティングが良い。また各キャラの個性を出す演出も良い。登場人物を7人(家族4人+祖父、娘の彼氏、家の設計者)に絞り込んだことが効果があったと思う。家と子供というソフトホラーの王道二つを題材に親父が狂う「シャイニング」風の味付けは違和感もなく見れたが、話の落とし方にはもう一工夫ほしかった。 [DVD(字幕)] 6点(2006-05-07 02:21:30) |
71. セルラー
《ネタバレ》 スピード感、緊張感ともにあり、見ごたえあり。導入部分もほとんどなく、90分があっという間であった。ポルシェ乗って警察行けばいいじゃないか?証拠ビデオを手に入れたら警察に行けばいいじゃないか?等々突込みどころは満載ながら、緊張を切らすことなく、常に各キャラに動きがあり、見事な作りである。映画の中では、日も暮れてないし、おそらくは4~5時間の事件を扱った設定であろう、最近の映画ではめずらしい。ベイジンガーも迫真の演技、母は強い。また、携帯が途中で壊れて(セルラーという題名だけに、)どうなるのかと思ったが、最後まで「主役はセルホン」であったのは工夫されていた。良作である。 [DVD(字幕)] 7点(2006-05-06 03:07:17) |
72. ブレインストーム
《ネタバレ》 この時代の映画(というより古い映画)特有のまったり感、スローペースを味わった。最近の映画は、余分な部分をそぎ落としコンパクト&インパクト重点で目が離せない作りが主流なだけに妙に懐かしい(多分、リメイクしたら90分で納まる内容だろう)。いわゆる臨死体験を見たいというのが一つのテーマであるが、ほとんど「2001年宇宙の旅」のラストと同様で意味なし、映像を楽しめと言われてもさすがに今見ると精度に乏しい。それより、研究所の工場が狂ってしまい自己破壊する描写は、近代SFギャグっぽくコミカルに見えてしまい、その部分の方が見ごたえがあった。出演者は、それぞれ特有のキャラを持ち、マッチしていたと思う。 [DVD(字幕)] 5点(2006-05-05 01:11:46) |
73. ウォー・ゲーム(1983)
《ネタバレ》 いかにもこの時代の映画と感じた。贅肉を極力切り落とし余分な部分のないスリムでシャープな現代の映画に慣れている人は、展開がダラダラしたイメージに思えるかもしれないが、これはこれでまた魅力がある。ラストシーンの「○×ゲーム」は洒落っ気があり、核戦争の緊張感と合間見合って独特の描写であった。見て損はない。 [DVD(字幕)] 6点(2006-05-04 01:40:37) |
74. THX-1138
《ネタバレ》 今見ても悪くないです、むしろ斬新。監獄のシーンなんてのは圧巻です。地面も壁も天井も隔たりがない真っ白な世界。「CUBE」のヴィンチェンゾ・ナタリ監督の作品である「NOTHIG」は、ほとんどこの映画のパクリに思えます。シニカル・コミカルな面もあり(マヌケで弱いロボット警官や理想主義で外に出たがる仲間やホログラムから出てきてクルマをぶつける黒人や予算オーバーで捜索を打ち切るシーン等々・・・)、主人公のキャラがちょっと弱かった(デュバルなのに・・・)とは思いますが、派手なルーカスではないものの、されどルーカスという作品でした。 [DVD(字幕)] 6点(2006-05-03 01:34:48) |
75. ギャンブル・プレイ
《ネタバレ》 ニール・ジョーダンらしくないですね。ニック・ノルティの声は渋い、雰囲気のある名優ですね。レイフ・ファインズがチョイ役で出てたのには驚きました、この監督とは「ことの終わり」で組んでるから友情出演ですかね。ニック・ノルティと刑事は、確かに「ルパンⅢ世と銭形警部」みたいな関係でおもしろかったですが、全体的にダラダラした感があり、また強奪計画がいったいなんだったのかを考えると純粋な泥棒物でもなく、ラストのカジノでのギャンブルにもイマイチ迫力なく、すべてにおいて中途半端な感じを受けました。音楽のセンスはなかなかでしたが・・・。 [DVD(字幕)] 4点(2006-05-02 01:23:17) |
76. ステップフォード・ワイフ(2004)
《ネタバレ》 シニカルでコミカルでエキセントリックで、ある意味でグロでフェチであり、結構楽しめました。ウォーケンは、本当に良い味出してますね、「ステップフォード・ワイフ」のセールス・ビデオに出ているシーンなんて最高におもしろいです。ラストシーンで、ウォーケンの頭を金属で殴りつけるキッドマンもキッドマンですが、まさか頭が吹っ飛ぶとは!随分と年をとってきてしまいましたが、ウォーケンは健在でした。 [DVD(字幕)] 7点(2006-04-30 02:38:53) |
77. ヴィデオドローム
《ネタバレ》 やっと見れました、この作品。実にクローネンバーグでした。伝統的ハリウッド映画と真っ向からの対立軸「暗い、湿っぽい、歪んでいる、バッドエンド」に真骨頂たるあのグロテスクさ。この時代の映像だからこその魅力もありますが、この作品と「裸のランチ」は、今の映像技術でリメイクしたらおもしろいと思います。ジェームス・ウッズも良い味出してました。その後も「デッドゾーン」のクリストファー・ウォーケンからジェレミー・アイアンズの2作品等に最新作「ヒストリー・オブ・バイオレンス」のヴィゴ・モーテンセンまで、この監督が起用する主演男優は「一癖」ある役者陣でこだわりを感じます。点数は甘めですが、クロネンバーグ・フリークだからしょうがないということで・・・。 [DVD(字幕)] 8点(2006-04-28 02:28:36) |
78. 奥さまは魔女(2005)
《ネタバレ》 可もなく不可もなく、何も考えず楽しむ映画としてはよろしいんじゃないでしょうか?脇を固める役者も豪華で、「いかにもハリウッド」的な大袈裟かつ単純な作り。ダンナ役のウィル・フェレル、顔は濃いけど良い役者ですね! [DVD(字幕)] 5点(2006-04-28 00:14:39) |
79. エコーズ
《ネタバレ》 とりつかれた男(=『未知との遭遇』)と霊を感じる坊や(=『シックスセンス』)を描いたこの映画は、確かに新鮮味はないが、ベーコンを初めとした役者陣の演技がしっかりしており、突然の音や映像で脅かされることもなく安定して見れる上質・上品なホラーに仕上がっていた。しかし、ケビン演じる父親が能力に目覚める過程は一工夫ほしかった気がする。いい加減そうなお姉さんの催眠術がきっかけってのはちょっと無理がある。あとは、最後の死体の見つけ方。やったらとDIG=掘っていたのはなかなか徹底してておもしろかったが、なぜ地下室か?壁の裏か?という点にもう少し謎解き的要素があれば良かった。ラストに解放された少女の霊が、笑顔でコートを着て街中を去っていくシーンが象徴するように、ゆっくりと考えながら見れるホラーでした。 [DVD(字幕)] 5点(2006-04-26 01:22:51) |
80. スイミング・プール
《ネタバレ》 妄想か現実か意見が別れてますが、出版社のラストシーンで(本物の)ジュリーとのすれ違い方を見ると、妄想(といううよりは、新作本「スイミングプール」のネタ)が描写された映像だったと思います。しかし、①どこまでが本当か?(少なくとも、フランスには言ったんでしょう。)⇒ジュリー登場後がフィクションとすれば、男と出会ったカフェがキーポイントでは?作家=ジュリーであれば、男を本当に殺しているかも知れません。プールで寝そべるジュリーを男が見下ろす(謎の?)シーンがありましたが、主人公=ジュリーとの関係をサジェストしているのでは・・・。②何がきっかけで作風を変えたのか?(以前から不満はあった様子でしたが、フランスできっかけがあったんじゃないでしょうか?)⇒(本物の)ジュリーの母親の書いた小説を別荘で見つけたのではないでしょうか?最後に「(新作は)あなたは気に入らない」と出版の男に断言してましたし・・・。と、いろいろ考えてもしょうがなく、雰囲気を楽しむ映画なのでしょう。フランス映画らしいエスプリを効かせながら、幻想的かつ大胆に仕上がった良作だと思います。しかし、出てくる男たちは、全員がグロで汚かったのが印象的でした。主人公が男をどう見ているのか、を示しているのではないでしょうか。 [DVD(字幕)] 7点(2006-04-25 02:31:16) |