61. ライフ・イズ・コメディ ! ピーター・セラーズの愛し方
ゴシップはワイドショーで十分だ。映画でわざわざ見せられてもつまらない。 ジェフリー・ラッシュはセラーズとは似ても似付かぬ顔立ち。 しかし、話し出すと瞬間セラーズ本人を見ているのかと錯覚してしまう。 すごい俳優さんです。 劇中、自分が無いから役になりきれる?見たいなことをいうが、ご本人は本当にそういって悩んでいたのだろうか。じゃあ、そのように考えている主体は何者なんだ?。 自分から逃れられないのに自分を追い詰めようとすると指の間から零れ落ちてしまう。 そういうものではないのだろうか。 それ以外は普通にいい映画だったと思う。セラーズ出演映画の場面の再現なども忠実でそこら辺は好感が持てる。 [DVD(字幕)] 5点(2006-03-14 13:08:57) |
62. タイム・アフター・タイム
タイムマシンと切り裂きジャックとH.G・ウェルズの恋。落語の三題噺のようなアイデアを聞いただけでもう面白そうと思わせる。切り裂きジャックの「俺は現代では小物だ」の台詞が好き。これをいわせたいがために切り裂きジャックとタイムマシンを組み合わせたんじゃないだろうか。ウェルズが現代に来てホームズの名を知るというのもなかなか粋なくすぐりだと思った。今回改めて鑑賞して、マシンの計器のレイアウトがデロリアンのに似ているのに気づいた。BTTF3でスティンバージェンが出演したときはぜんぜん変わってなくてうれしかった。 [地上波(吹替)] 6点(2006-03-14 10:04:04) |
63. デューン/砂の惑星(1984)
このような大掛かりな規模でこんな映画が作られたことは映画の奇跡だと思う。 プラン9をスターウォーズ並みの規模で製作したようなものだろう。 とにかくビジュアルがすごい。ワープ能力を持つあの変な生き物が最高。 このお方がお話しになるときは執拗に口がアップになるので気持ち悪くなる。 あの口は反則だ。 それにみんななんか変な薬をやっていて、不健康そうな顔をしている。 画面は暗く、捕虜のいじめ方がドヘンタイ。これ劇場の大画面で見たときは本当に気分が悪くなった。あはは良くもこんなの作れたなぁ。普通はこんなの企画の段階でつぶれると思うのだが。バルンガオヤジも強烈なキャラクターで感動した。 映画が終わったときにはもうヘトヘトになって、こんなに疲れたのは初めてでした。 でも、もうやだ思いながら、たまに無性に見たくなる変な魅力がある。まさにドラッグムービー。 [映画館(字幕)] 6点(2006-03-14 09:33:46) |
64. キングコング2
《ネタバレ》 キングコングに彼女ができます。彼女をやさしく抱き寄せ寄り添うコング。カットは山の風景に切り替わり、切ない声が…。60年代メロドラマをコングがやってくれます。これはコングファンならずとも怒るでしょう。いっそのことベッドシーンもサービスすれば別の意味で評価されたかもしれません。 巨大人工心臓でコングを復活させるというアイデアはアニメ月光仮面のマンモスコングのアイデアと同じなので懐かしいと思いました。だからなにということですが、私としてはかろうじてそこで興味を持続することができたのでした。 イベント貸し出しの着ぐるみみたいなキングコングにこっちが切なくなりました。 [映画館(字幕)] 4点(2006-03-12 09:24:56) |
65. パンプキンヘッド
《ネタバレ》 冒頭の乾いた映像がかっこよくて印象に残っています。復讐のために止めるのも聞かず、パンプキンヘッドを復活させてしまうところが切ない。ちょっとペットセメタリーに似た要素もあって、結構面白かったと思います。スタン・ウインストンですからクリーチャーにも力が入っていてそこも見所です。 [ビデオ(字幕)] 5点(2006-03-12 03:29:55) |
66. マングラー2
《ネタバレ》 マングラーが面白かったのとランス・ヘンリクセンが出ているのとで借りてみたのですがぜんぜん違うものになっていて驚きました。 コンピューターに学生を管理させるというのはいいのですが、そのコンピューターが普通のパソコンにしか見えません。いくらライトアップしても黒く塗ってもだめです。それに洗濯機のローラーまでコンピューターで制御するのはいくらなんでもやりすぎでしょう。映画より字幕が面白かったです。マングられたってどういう意味なのでしょう。グリーンでしてねは意味が解るまで小一時間悩みました。無理やりすぎると思いました。 [DVD(字幕)] 3点(2006-03-12 03:04:52) |
67. ビートルジュース
字幕がなんか今ひとつなじめない。もう少しどうにかならなかったのだろうか。胃と手と言われても困惑するしかない。いちいち幽霊に寒い名前が付いているのも邪魔。それに蝿男のパロディシーンの字幕も蝿男を知らないのではないかと思える訳が付いていてがっかり。 かといって西川のりおの吹き替えはもっとだめ。ネイティブの私でさえ何を言っているのか解らない時がある。このときは吹き替えになれていなかったということもあるのかもしれないが基本的に通りの悪い声で、さらに台詞を呑んでしまうので聞きづらい。 新聞にサンドワームの記事があったりと細かいところの遊びは楽しいんだけれど、なんか乗り切れない。 [DVD(字幕)] 6点(2006-03-12 00:28:01) |
68. 蝿男の逆襲
《ネタバレ》 昔に見ているはずなのだが、まったく記憶にない。思い出すために再見。 見て解った。記憶にないのではなくて記憶から消したのであると。 ビンセント・プライスが撃たれたあたりで思い出した。 カラーではなくモノクロで、道具立てもなんとなくそれらしく、ホラーの雰囲気を出そうとしたのかと思ったら、 昔はやった産業スパイとかが絡んできて普通のサスペンスになってしまっていて支離滅裂。なんですかこれは。 前作は蝿の発見が間に合わず、どうやって元の姿に戻るつもりだったのかがつまびらかでなかったのが幸いしていたが、こんなに簡単に元に戻られてはずっこけるしかない。 とはいえ『蝿男の恐怖』の続編と思えば腹もたつが、普通のB級ホラーとして見れば 前作より良くなっている部分もありけっこう楽しめる作品である。 まず被り物の蝿の顔の造形が向上している。その代わり頭が大きくなりすぎて可愛げさえ出てしまっており、それがなんともいえぬおかしみを醸し出している。 蝿も前作より男前になっている。男前がHelp meって言うたびにもうなんとも言えません。蝿のくせに髪型きめすぎ。 [DVD(字幕)] 5点(2006-03-11 19:40:22) |
69. マザー・テレサ(2003)
《ネタバレ》 マザーテレサ「この水は一本いくら?」ボーイ「3ドルです」それを聞いた後、意を決したようにマザーテレサ「本日からこの協会は存在しません」この場面でこの人は偉い人だなと思いました。 オリビア・ハッセーは一世一代の演技をされていたと思います。ガンジーに匹敵する人物を題材にしながらこの監督はタコです。こんな映画にオリビアの演技が蕩尽されてしまったことが残念でなりません。 インドの美しい風景が撮りたかったのは解りますが、なぜこの映画でそれをする必要があるのでしょうか。そういう視点にアジアに対する抜きがたい蔑視を感じずにはいられません。そうでないならば、何がしかの配慮でこうなったのか?どちらにせよ観光映画ではないはずです。なぜかマザーテレサの行動のモチベーションがいまひとつ伝わってこない。キリストの受難になぞらえた構成も、人間を馬鹿にしているのかと怒りすら覚える。人の不幸は別に彼女に贖罪の機会を与えるためにあるのではない。点数はすべてオリビア・ハッセーに差し上げたものです。 [DVD(字幕)] 5点(2006-03-11 06:46:23)(良:1票) |
70. アメリカン・ナイトメア(2000)
映画監督が話している映像はあまり見ることができないので、興味を持って借りてみた。インチキ臭い学者らしい人たちの時代背景や社会状況と絡めたもっともらしい説明。そして、ランディスやサビーニがまじめにインタビューに答えている。しかし、目の奥が笑っている。きっと撮影の合間に、みんなで大笑いしいたのではないだろうか。なんかそんな気がする。ホラー映画に対する一種のイメージアップ作戦なのかも知れない。ひょっとしたらエイプリルフール?。しかし、ロメロだけは真剣にまじめに答えていたように見えた。そこにハリウッドとそりが合わなかった理由が見えるような気がする。 [ビデオ(字幕)] 4点(2006-03-10 19:41:58) |
71. 四次元への招待<TVM>
これは懐かしいのがあった。順番は忘れましたが、階段の墓の絵がだんだんと変化して行くのが怖くて怖くて…。お前やー!ってパターンの怪談です。スピルバーグのはビデオで再見するまで忘れておりました。まあその程度のでき。もう一つ、これも絵が重要な鍵になる話しで、安宿での隣の女との会話の場面なんかイタリア映画のような雰囲気があって一番映画的でした。これのラストが一番驚いた。そのときの恐ろしさはトラウマになっています。これはテレビ放映したときには『真夏の夜の夢』?見たいな題名だったと思うのですが。ロディ・マクドウォールの吹き替えが山田康雄さんだったと記憶しています。これがまた冷酷で憎たらしい若者を好演しておられました。テレビムービーだったと思いますが、クオリティは高いです。 [地上波(吹替)] 5点(2006-03-09 19:04:21) |
72. チャイルド・プレイ/チャッキーの種
アホくさっ!。いつの間にこんなアホくさいコメディになっていたのでしょうか?。子供のための可愛いお人形が殺人気の魂を宿し復習の殺戮を繰り返す第一作とはまったく違う映画になってしまっている。家族愛に感動してしまっている私に言い聞かせる、これはきっと騙されている、こんなアホくさい家族愛があってたまるか…。あははは、面白いじゃあないか。電話でそんなふざけた謝り方されても困るよ。あはははは、面白いじゃあないか。これは『チャッキーの花嫁』も見なければ。3までは見ていたのだけれど、なんか花嫁と聞いて違うものになっている予感がして見なかったのだが…。予感はあたっていた様だがこれはこれで面白いじゃあないか。 [DVD(字幕)] 7点(2006-03-09 13:19:55)(良:1票) |
73. 宇宙戦争(1953)
観客が見たいものを見せるといった見世物的なサービス精神にあふれていて楽しめる映画です。メタリックでいて有機的なメカのデザインが秀逸です。懲り過ぎずかといってシンプル過ぎない造形がなんともたまりません。透明なバリアーの表現もカッコいい。火星人のRGBアイも最高です。映画の中で出てくるのは局地戦で世界規模の侵略を感じさせるには少しショボいというのは否めませんが、それより神様がすぐ出てくるのが興ざめです。仕方ないといえば仕方ないのですが。一番気になるのはあんなに爆発の近くにいたらみんなあの後大変なことになると思うのですが。人類存亡の危機のはずなのに、時代が時代だけにどことなくのんびりしていて気張らずに見れるのは美点だと思います。 [地上波(吹替)] 8点(2006-03-08 20:24:51)(良:1票) |
74. 宇宙戦争(2005)
ギャーギャー喚いて文句言うしか能のない馬鹿ガキにうんざりさせられ、殺す必要性があまり感じられないティム・ロビンスを殺し、すごいCGだがスペクタクルが微塵も感じられず、それぞれの場面がいちいち間延びしていて退屈で…本当にスピルバーグの映画なのだろうか?。きっと、同姓同名の別人に違いない、そう信じたい。スピルバーグの選民思想にはもううんざりだ。 [DVD(字幕)] 2点(2006-03-08 19:46:08)(良:2票) |
75. ティム・バートンのコープスブライド
ハマーとかAIPといった懐かしいB級ホラーの雰囲気にあふれていて、それだけでもうたまりません。やっぱり美女には白いドレスです。そして、ドレスのすそひらひらさせなから階段をのぼるのです。 ビクターとビンセントは混同しやすい名前なのです。無理やりではないのです。言い間違えなければならんのです。 ビクターとエミリーとの連弾の場面に分けも泣く涙が出てきました。コープスブライドからエミリーへの変化を予感させる何か物悲しい…うーむ、よくわからない。でもなんかこの場面好きです。 欲を言えば、もうちょっと歌がほしいと感じてしまいました。 「ティム・バートンのコープスブライド」頭にだれだれのと付くと「キートンの…」とか昔のコメディみたい。それを狙ったのか?。ならば、B級ホラーチックに「地下の花嫁」とか「生埋め花嫁 地獄の結婚式」とか…、ごめんなさい言ってみたかっただけです。 [DVD(字幕)] 7点(2006-03-07 09:56:37) |
76. となりのトトロ
光や水の表現が綺麗で、子供のころの田舎の風景を思い出し、しみじみしてしまいます。 農薬の空中散布が行われるようになるまではどこにでも魚が泳いでいて、ちょっと山に入ればカブトやクワガタを見つけることができました。あるときからカブトムシを捕まえることもできなくなり、水路に遊ぶ魚も見かけなくなりました。映画を見ながらなんかそんなことを考えてしまいます。 失われた世界を再現したと言う意味において意味のある作品だと思います。 本家で電話を借りる場面をさりげなく挿入することで、いいことばかりではない村の生活の一端を垣間見せるところもニクイ演出です。 ただ、私にとってはこの作品が宮崎作品がつまらなくなっていく始まりでもありました。まず、「わたしたち風になってる」と言うサツキの台詞に違和感を持ちました。宮崎監督の絵でわからせる演出は並ぶものがなく、どうしてそこでわざわざ台詞で説明するのか?。この後、無駄な説明台詞が多くなったと感じています。 そして、この作品あたりから失速して行くように私には見えます。しかし、興行的にはこの後くらいから飛躍的に好成績になっていったようですので、そう感じるのは私が老いたせいでしょう。 [映画館(邦画)] 7点(2006-03-07 08:53:30)(良:1票) |
77. 風の谷のナウシカ
学校をサボって見に行った映画です。劇場から出てきたとたんに自衛隊に勧誘されて困った記憶があります。アニヲタがお役には立たないと思いますと言ったら、「そういう人材が必要なんや。」と言われました。日本の防衛は大丈夫なのでしょうか。 クシャナやクロトワもペジテの民も風の谷の人々もみんな一生懸命生きているだけで、誰も悪くはありません。しかし、それぞれの立場によってそれぞれの葛藤があり、互いに争い傷つけ合うことになってしまう。当時若かった私はそういった部分に感動しました。何かすごいものを見たような気がしました。王蟲や腐海の蟲たちの造形や古めかしい中にも未来を感じさせるメカの造形も熱が出るほどよかったです。これは最高のファンタジーです。今の年齢で見るとまた別の考えもあるのですが第一印象を重視して世間知らずの若いころに戻ったつもりでレビューさせていただきました。 [映画館(邦画)] 10点(2006-03-06 14:23:10) |
78. ルパン三世 カリオストロの城
このころの宮崎作品は車の動きがいい。大塚康生さんが抜けられてからの宮崎作品の車の動きはあまりいいとは言えません。クラリスが運転して逃げるピンクのシトロエン2CVがクラッシュする場面のすばらしさ。またフィアットのあのコミカルでいて理にかなったリアルな動き。こういうのは今のアニメにはありません。それどころか世界的に見ても車をこれほど生き生きとリアルに動かせる技術はないと思います。今のアニメーターの皆さんにはもう少し車のことを知ってほしい。いくらリアルな絵になっても引っ張るだけではつまらないと思います。また、山田康雄さんの声がすばらしかった。クリント・イーストウッドの日本での人気もこの方の功績なしでは考えられないでしょう。無限にきざになれる声とでも申しましょうか、どんなキザな台詞も山田康雄さんにかかれば自然にすんなりと耳に心地よく入ってきます。ルパンの名台詞も山田康雄さんでなければただのキザな台詞で片付けられていたかもしれません。私に書けるのは今はこれが精一杯です。 あ、それから日本警察の車がいすゞフローリアンと言うところがまた泣かせるチョイスです。 [映画館(邦画)] 10点(2006-03-06 13:54:17)(良:2票) |
79. エクソシスト
これは公開当時のCMが怖かった。白と黒に二値化されたリンダ・ブレアの可愛い笑顔が突然あの顔に変わってビックリさせるというものでした。親が留守の夜に見てしまったので、幼かった私には本当に怖かった。心臓が止まるかと思うほど驚きました。 今見るとたいしたことがないんですけれど。当時はあの特殊メイクはそれまでにないリアルさと恐ろしい造形でインパクトがありました。怖い顔はあまりリアルにしないお約束みたいなモノがあったように思うのですが、この映画あたりからどんどんリアルになっていったのではないでしょうか。 あの断層撮影する検査のシーンは別の意味で怖いです。無機質な検査室に響くガコンガコンという音に胸が苦しくなります。今の機械はもっとスマートで静かになっていますが、これも当時の最新技術で、日本ではまだまだ珍しい時代でした。 ハマーなどのホラー映画しか知らなかった私には衝撃的な映画でした。 [地上波(吹替)] 10点(2006-03-05 22:08:27) |
80. ハッカビーズ
俺はお前でお前は俺みたいな禅問答。基本的にこういうぶったのは好きではない。 言いたいことがあるならもっとはっきり言いなさい。お母さんはそんな風に育てた覚えはありませんよ。などと池乃めだかのような冗談を言いたくなる。 自分探しの旅。男版不思議の国のアリス。そんな感じのお話でありました。人間は象徴的には何度も生まれなおしているとは言えるでしょう。そして彼らは自分を見つけることができたのでしょうか?。この映画では明確にそのことには触れずとりあえずの解決を繰り替えしながら同じような日常が続いてゆくと言ったラストになっています。その辺は誠実だと思いました。こういう方法論を取るなら劇中の台詞がもっと尤もらしくて馬鹿馬鹿しくなければ面白くありません。しかし、残念ながらそこら辺が中途半端でした。できれば物語りももっと錯綜したほうがいい。主演の環境保護活動家のお兄さんの目がスタローンに似ているなあと思ってぐぐってみたら、タリア・シャイアの息子さんなんですね。何で似ているんだろう自分の眼がおかしいのか?。 ナオミ・ワッツのコスチュームは可愛くてよかった。 [DVD(字幕)] 6点(2006-03-05 19:22:51) |