61. 2001年宇宙の旅
映像の迫力には圧倒されるが、ストーリーが難解すぎる。 まるで、ピカソの絵。 初見では、「進化」「神秘の力」「人間を超えた存在」「壮大で荘厳な世界」というようなイメージは感じた。 でもそれは、点として認識するだけで、線として理論的に整理することができなかった。 解説やキューブリック自身の言葉を知り、そのあと観直して、ようやくそのイメージは一つの線になって有機的につながった。 映画というより、音楽や絵画に近いようなアート。 ストーリーが理解できないと気持ち悪い向きには、こういう芸術的、感覚的作品はきつい。 ただ、場面場面の映像は、インパクトがあるので心に残る。 1968年にこの映画を作ったというのは驚異的。 でも、自分が求めている映画ではなかった。 何度か観直すことが前提で作られたような作品は、性に合わない。 [DVD(字幕)] 4点(2012-12-19 20:05:42) |
62. ぼんち
知人のイチオシだったので見ようと思っていたが、古い映画だったのでずっと長い間あと回しに。 今更ながらようやく見てみたものの、まったく合わなかった。 船場のぼんちの一代記で、古き日本の風情、趣のようなものは感じるけれど、自分にはこれといって刺さるところがない。 そんな物語の内容よりも、豪華女優陣の知らなかった若き日の姿のほうが印象に残る。 若尾文子はこんなにキュートだったのか。中村玉緒、越路吹雪、京マチ子、草笛光子、山田五十鈴も若い。 特に、山田五十鈴のイメージが別人のように違っていて驚いた。 キャスティングが演出の7割を占めるという市川昆監督の言葉通り、キャスティングの妙は感じた。 原作の山崎豊子は市川監督のぼんち像にずいぶん不満だったそうだが、山崎豊子のぼんち像で見てみたかった。 [DVD(邦画)] 3点(2020-06-09 23:34:26) |
63. 男性の好きなスポーツ
《ネタバレ》 ぬるいラブコメ。コメディの面でも笑えないし、ラブストーリーの面でもアビーに魅力がない。 アビーに惹かれていく気持ちにまったく共感できないので、ラブコメの世界に入りこめない。 [DVD(字幕)] 3点(2020-05-01 22:44:52) |
64. 南から来た用心棒
《ネタバレ》 主人公の用心棒は、イカサマ師だし報酬が足りないとなると女と一夜を共のすることを条件にするゲス野郎。それが冷酷非道の悪党を相手に最後は男気を見せて仕事を果たすわけだけど、あまり魅力を感じない。相手役とのロマンスにも入り込めないし、話もありきたり。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2015-09-15 01:10:04) |
65. 昨日・今日・明日
《ネタバレ》 三話からなるオムニバス。『ひまわり』と同じソフィア・ローレン&マルチェロ・マストロヤンニの名コンビが、三組のカップルを演じ分ける。 一話目は、収監を免れるために子供を産み続ける夫婦。精力的に求め続ける女に、ヘロヘロの夫の姿が哀れ。母は強し。貧しい家庭にも雑然とした街中にも活力がみなぎっている。 二話目は、社長夫人とパーティで知り合った男。車をぶつけまくっても一言も謝りもしない高慢な女。いかにも下町といった情緒が滲み出たコメディ。途中から運転を任せた男が、花売りの子供を避けて車をぶつけて故障させると、子供を轢けばよかったと男を罵る。こんな嫌な女はいない。ソフィア・ローレンは気の強い自己中女をやらせれば本当によく似合う。まるで地でやってるみたい。 三話目は、コールガールと客の関係。隣に住む神学生が女に惹かれ、それを心配する祖母が女に食って掛かって大ゲンカ。女は気性は荒いが、老婆の孫を思う涙にはホロッとなって、神学生を元の軌道に戻すことに協力するという人情味も。そのとばっちりでお預けを喰らう客の男がコミカルに描かれる。 どれも男女の機微にニヤリとさせる類で、落語にもできそうな話ではあるけれど、笑いのツボが違ってあまり楽しめず。イタリアの太陽と称えられたソフィア・ローレンも、以前から妖怪人間ベラにかぶって見えて好みじゃない。『ひまわり』のときは良かったけれど。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2015-07-05 02:06:41) |
66. 処女の泉
《ネタバレ》 映像は美しい。少女も無垢に描かれていて、無慈悲な犯行を際立たせている。ただ、当時なら衝撃的な内容かもしれないが、今みると「え? これだけ?」というのが正直な感想。娘を陵辱されて復讐するということは、よくあるストーリーで今まで何度も見てきたので。 神、信仰といったものに関心が深ければ、また違ったような気がする。泉が湧く童話のようなオチも含めて、信仰心がなければ共感しにくくピンとこない内容。インゲリのことがあまり描かれていないのも気になる。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2015-06-14 01:08:19) |
67. ブリット
《ネタバレ》 本格的なカーチェイスが評判となった作品だが、今のカーチェイスに慣れてしまった目で見ると平凡に感じる。カーチェイス目当てに見たら失望するかも。ただ、当時これを見たらビックリしただろう。S・マックィーンとジャクリーン・ビセットの2ショットは絵になる。ロバート・ヴォーン演じる上院議員にもっと何か裏があるのかと思ったが、何にもなくて拍子抜け。 [CS・衛星(吹替)] 3点(2015-06-01 00:02:24) |
68. キューポラのある街
《ネタバレ》 吉永小百合が若い。 貧乏の中で挫折感を味わいながらも、定時制の高校に進学して働く道を選択する健気な女生徒。 当時高校生のはずだが、今のアイドルにはない大人の落ち着きと品がある。 映画は鋳物の町・川口を舞台に、北朝鮮への帰国事業、労働者の団結など、60年代という時代を感じさせる。 今みてもストーリーに惹かれるものはなく、子役の演技が下手で気がそがれてしまう。 [DVD(邦画)] 3点(2014-04-12 00:46:25) |
69. ティファニーで朝食を
オードリーの代表作の一つなので期待したが、思わぬ凡作で拍子抜け。 ラブコメなのに、主人公ホリーのキャラにまったく魅力を感じないのが致命的。 原作者カポーティは主人公にモンローを熱望していたようだが、オードリーとこの役に強い違和感を覚える。 変な日本人キャラも面白くもなんともなく邪魔なだけ。 「ムーンリバー」だけは耳に残るがストーリーに盛り上がりもなく、名作とされていることが本当に不思議。 [DVD(字幕)] 3点(2013-06-27 00:47:30) |
70. 甘い生活
つまらない上にダラダラと長いので苦痛。眠くなる。 [DVD(字幕)] 2点(2019-07-06 23:41:50) |
71. バルタザールどこへ行く
《ネタバレ》 お気楽なハッピーエンドの感動押し付けハリウッド映画とは対極にあるような映画。 少女マリーもロバも幸薄くて救いのない話。 マリーは目を惹く美少女なのだが、その言動が好きになれない。 悪の象徴のようなジェラールにホイホイ付いていくなど、まったく共感できない。 ストーリーは省略が多くて話が飛ぶ。 行間を読ませる作りなのはわかるが、説明しすぎるのもウザイけれどこれだけ省略されると不親切に感じられる。 芸術ぶったスノッブなところがチラリと見え隠れして好きじゃない。 観念的というか哲学的で宗教的、また、寓意、メタファーも散りばめられているようで、こういうのは苦手。 ド素人みたいな演技だなと呆れていたら、本当に素人を俳優として使っていた。 監督の意図は芝居臭さを嫌ったからだろうが、臭すぎるのも嫌だがここまで棒なのもどうか。 特にロバを皆で殴るシーンは学芸会のようだった。 全編を通してロバが一番自然な良い演技に見えた。 [DVD(字幕)] 2点(2018-12-26 22:10:37) |
72. ジョアンナ
好き嫌いがはっきり分かれそうな映画だが、まったく合わない。 セミ・ミュージカル仕立てという演出もダメだった。 時折り挿入される不条理系のイメージカットや、ポップでオシャレな映像も興味が持てず。 ファッションや音楽、60年代のスウィンギング・ロンドンに関心があるならハマりそう。 雰囲気よりストーリーを求めるタイプには向かないかも。 [DVD(字幕)] 2点(2013-10-23 21:47:59) |
73. 闇のバイブル/聖少女の詩
チンプンカンプン。寺山修司の作品以来だろうか、久々に完全に置き去りにされた。 メタファーに満ちているようで、幻想的で危うげなアングラ臭が漂う。 感じればいい映画だろうなということはわかるのだが、すべて理解したい向きには最も不向きなタイプの作品。 [DVD(字幕)] 1点(2019-02-20 01:11:00) |
74. 死霊の盆踊り
どういうつもりで作ったのかを問い詰めたくなるような映画。 完全に舐め切っている。 デタラメすぎて、ある意味貴重な作品ともいえる。 [インターネット(字幕)] 0点(2012-12-06 17:57:08) |