61. ゼロ・グラビティ
《ネタバレ》 まず冒頭の地球の海の描写で2点くらい持っていってる。相変わらず水の色彩だけでなくテクスチャーまで表現することにかけて天才的。無重力に浮かぶサンドラブロックの涙もね(世界で最も美しい顔1位なのに演技も上手い泣)。音響やカメラワークも妥協がない。事実上、登場人物が2人しかいないし(2人とも魅力的)、時間も90分しかないのに、この濃密度はちょっと考えられない。むしろ映画はこれくらいシンプルでいいのかもしれない。自分的には宇宙映画ナンバーワンかな。 [インターネット(字幕)] 9点(2019-05-08 13:20:17) |
62. 東京暮色
《ネタバレ》 小津作品の中では珍しく非日常を描いている。同監督の唯一の弱点が、日常を描くことによる映像のエネルギーの小ささだと考えていたので、却って良かった。この時代からメンヘラっていたんだな、有馬稲子さんはパーフェクトな表現だった思う。しかも本人が市川崑の子を中絶してるのもリアリティに拍車をかけていた。東京物語や麦秋を観てから観たのが良かった。 しかし昭和の日本人男性は女性を下に見ているというか、キモ過ぎる。今はまだマシになったとはいえ、完全な男女平等が早く訪れるといいなー。 [インターネット(字幕)] 8点(2019-05-05 14:28:30) |
63. 海街diary
《ネタバレ》 普通に良かった。でも時間が経つと主に長澤まさみさんがエロかったことが主な記憶。大竹しのぶさんの演技は上手いのかもしれないけど、演技演技しててあんまりかなあ。全体を通して肩肘張らずに観られるのは良い。酷評コメントもありますが、この映画はこんな感じで良いんじゃないのと個人的には思います。 [映画館(邦画)] 7点(2019-04-19 14:47:44) |
64. 晩春
《ネタバレ》 これ70年前の映画なのか、、、結婚に対する当時の日本人の価値観が見られて良い。今は少しこの価値観も変わっているかな。再婚ー悪みたいな価値観は流石に古すぎるし。でもそれ以外の根本の部分は変わってない気もする。最後の笠智衆さんの好演でプラス1か2点。婚姻という極めてプライベートな事柄にデリカシー無く触れる日本のオッサンたちは全員観るべき(私もオッサンですが)。 [インターネット(邦画)] 8点(2019-04-19 14:06:36) |
65. パリのランデブー
《ネタバレ》 1話目はゴダールの「男の子の名前はみんなパトリックっていうの」みたいで好きだった。2話目は高評価されてる方もいますが自分にとっては退屈でした。3話目も散々煽っておいて結局何も展開なし。展開ではなくレトリックを楽しむ映画なのかもしれませんが、性描写ゼロというのも逆に気持ち悪かったです。 [インターネット(字幕)] 5点(2019-03-31 12:45:12) |
66. HANA-BI
《ネタバレ》 全体のエネルギーが抑え目の割には飽きずに観ていられる。途中入るちょっとした笑いどころが目覚ましになっている。もう少しアップダウンがあれば良かったのか、どこが悪いという訳ではないんだけど、もう一度観たいとは思えなかった。 [インターネット(邦画)] 6点(2019-03-25 13:31:02) |
67. 菊次郎の夏
《ネタバレ》 最後の悪ふざけは長すぎる笑。義太夫とらっきょは良い味出してた。前半のたけしの酷い振る舞いは後半への傾斜をつけるための上り坂と納得。他の指摘にもあるように、音楽で化けてる作品だとは思う。虫の声がする中、夏の畦道を歩いているシーンだけでグッとくるのは、自分が子供の頃の夏休みに同じシーンがあったからだろう。 [インターネット(邦画)] 8点(2019-03-19 20:33:39) |
68. 闇金ウシジマくん ザ・ファイナル
《ネタバレ》 八嶋智人さんの演技は流石という感じ。安藤政信さんはハンサム過ぎて役にハマってない。竹本役の子役の演技が棒読み過ぎたこと、要所要所の感動的な効果音がcheesyなことは減点ポイント。竹本を追い込んでしまうウシジマの葛藤は良く表現されていた。 [インターネット(邦画)] 6点(2019-03-18 05:43:55) |
69. 闇金ウシジマくん Part3
《ネタバレ》 藤森さんがとても役にハマっていて良かった。高橋メアリージュンさんの無意味に叫ぶ演技が減ってて良かった。他の配役もハマってて、適度にエロシーンもあって、シリーズで一番良かったかな。 [インターネット(邦画)] 7点(2019-03-18 05:39:46) |
70. 闇金ウシジマくん Part2
《ネタバレ》 高橋メアリージュンさんの演技が、マジで何言ってるか聞き取れなかった。叫べばいいってもんじゃないでしょ。あと暴力で劣る女性が体も使わずにヤクザやってるっていうのはリアリティが無さすぎる。何で滑川にしなかったんだろ。菅田将暉さんと中尾明慶さんは良かった。特に中尾さんの弱そうな感じが、愛沢のヘタレっぷりにマッチしていた。 [インターネット(邦画)] 6点(2019-03-18 05:35:07) |
71. 闇金ウシジマくん
《ネタバレ》 お父さんがイケメンゴレンジャイよりカッコ良いのはちょっとダメかな。山田孝之さんは演技は素晴らしいが、背が低くて弱そう。もうちょっと体鍛えても良かったのでは。続編で出てくる綾野剛さんが居ないのは痛いかな。 [インターネット(邦画)] 6点(2019-03-18 05:31:02) |
72. 大人の見る絵本 生れてはみたけれど
《ネタバレ》 「大人は分かってくれない」のような不条理を感じさせる終わり方ではなく、子供たちが現実にポジティブに向き合っていくのが良かった。泣く演技はひどい。チャップリンのようなサイレントとは分けて考えなければならない。音声台詞がないだけで、基本骨子はトーキー映画のそれ。ゆえに、サイレントならではの見せ方はなく、90分が長く感じた。このときから日本人が持つ普遍的な感覚を表現出来ているのは感心する。 [インターネット(邦画)] 8点(2019-03-15 15:24:53) |
73. 大いなる遺産(1998)
《ネタバレ》 すげー面白かった。ちょっとフォレストガンプみたいだなと思いながら観てました。水飲み場でキスするシーンは印象的ですね。 グウィネスパルトロウの乳が見えそうで見えないのは怒りで震える。他の作品で散々セックスシーン出てくるのに、有名な女優さんを起用したことで却って表現されるべきものがされなくなっている。パリに行くくだりは必要なかったというか、表現が唐突だった(パリでエステラに会うのかと期待した)。ラストシーンを深く描かないのは良い。イーサンホークは格好過ぎて人生って不公平だなと思った。しかしガタカといい彼はピュアな役が似合いますね。 [インターネット(字幕)] 8点(2019-03-15 15:21:46)(良:1票) |
74. 麦秋(1951)
《ネタバレ》 東京物語に続いて2作品目の小津映画鑑賞。少しずつ小津安二郎の良さが分かってきた気がします。彼は日本人が持つ普遍的な感覚を表象しようとしているのではないか。例えば「女がエチケットを悪用してますます図々しくなってきていることは確かだね」「今まで男が図々し過ぎたのよ」みたいなやり取りがあるが、似たような会話は現代でもよくある。恐らくこの映画の随所に散りばめられた(当時生まれていなかった僕ですら感じる)ノスタルジーは、外国人には理解出来ないものだろう。 ミクロで見ると、杉村春子さんが恐ろしいくらい上手かった。淡島千景さんは現代でいうとギャルみたいな顔立ちですね、かわいかった。視点低めのカメラワークも、エネルギー抑え目の映像も、ちょっと好きになってきました。結婚したくなりました。あと時折出てくるご飯の描写で日本食が恋しくなった。展開は遅いので時間はもう少し短くてよいかな(当時と時間のスピード感が違うから仕方ないだろうが)。 [インターネット(邦画)] 8点(2019-03-11 14:50:43) |
75. ALWAYS 三丁目の夕日‘64
《ネタバレ》 自分はアメリカに住んでいるのですが、「銀座フルーツパーラーにデートに誘う」みたいな日本人ならではの日常にすらグッときてしまいました。泣くところが多く嗚咽嗚咽でした。須賀健太さんの涙の演技は上手だとは思いましたが、声と息遣いのせいかあまり刺さりませんでした。彼のせいではなく取って付けたようなセリフに問題があるのかもしれません。前作と比べてクオリティが大きく落ちたとは思いませんが、最後の夕日のシーンは登場人物からそのままカメラを向けてほしかったです。 [インターネット(邦画)] 8点(2019-03-10 13:47:25) |
76. シンドラーのリスト
《ネタバレ》 最後のシーンが蛇足という意見もありますが、自分にとってはとても良かったです。ただ少し長すぎるかな、2回に分けて観ないと。他のレビュアー様も仰っている通り、シンドラーが清廉潔白な聖人として描かれていないところが逆に良いと思います。 [インターネット(字幕)] 7点(2019-03-07 13:51:32) |
77. あこがれ (1958)
《ネタバレ》 大学時代に観たときはとても共感して当時は10点だったけど、社会人になってから見返したらそれほどだった。それでもトリュフォーの中で好きな作品の一つだけど。 好きな女の子に嫌がらせをしてしまう経験は多くの男子があるのではないだろうか。共感出来なかったのはそれを男子達で共有しているところ。自分だったら、きっと他の男子も「敵」になってしまうかな。そして「俺はそんな気無いし」的な表向きは態度を取るだろう。もう一点は、いくらあこがれててもあそこまで大胆な嫌がらせをするかなと。日本人の男の子ならやらないんじゃないか。フランス的な女性蔑視が少し見えて首をかしげた。 とはいえ、国も文化も違うのにここまで感じさせてくれるのはすごい。自分の子供時代を観ているようで、何というかニューシネマパラダイスにあるトトが昔の自分の映像を振り返るシーンのような懐かしさと切なさを感じた。 [インターネット(字幕)] 8点(2019-03-07 13:29:19) |
78. 中国女
《ネタバレ》 政治を絡めるならもう少し工夫してストーリーに絡めてほしい。作品としてはかなり厳しい出来。政治的な観点でも2019年に観るとほぼ良いところが見当たらない。 毛沢東政権と、五月危機を含めた世界情勢を勉強する入口にはなったかな。本作のように、ほとんどの活動家が文化大革命を理解せずにファッション的にデモを起こしていたというのはウケる。頭の悪い人たちはいつの時代も扇動に使われるのね。特に合理性もないノリだけの活動だけど、フリーセックスが進んだのだけは良かったんじゃないかな。逆説的に頭の悪い活動家に対する批判的な作品としては成立しているので3点。 [インターネット(字幕)] 3点(2019-03-05 14:24:24) |
79. トゥモロー・ワールド
《ネタバレ》 未来系SFの中では普通に面白かった。少なくてもブレードランナーよりは面白かった。ただ、結局何を伝えたい映画だったのかと言われると。。子供を持つことのユニバーサルな尊さ? しかしBrits Englishは本当に聞き取りずらいわ。あとChildren of men→トゥモロー・ワールドっていくら何でも邦題ひどすぎません? [インターネット(字幕)] 7点(2019-03-04 15:38:31)(笑:1票) |
80. 風の谷のナウシカ
《ネタバレ》 普通に完成度が高い映画だとは思うんだけど、キネマ旬報のオールタイムベストに選ばれる程の作品とは思わない。基本的にはもののけ姫とセットの作品なので、片方を持ち上げて片方をdisってる人は全く作り手の意図を理解してないと思う。登場人物のキャラも立ってるし差す音楽も良いんだけどね。 [地上波(邦画)] 8点(2019-03-03 16:13:23) |