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かっぱ堰さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1244
性別 男性
自己紹介 【名前】「くるきまき」(Kurkimäki)を10年近く使いましたが変な名前だったので捨てました。
【文章】感想文を書いています。できる限り作り手の意図をくみ取ろうとしています。また、わざわざ見るからにはなるべく面白がろうとしています。
【点数】基本的に個人的な好き嫌いで付けています。
5点が標準点で、悪くないが特にいいとも思わない、または可も不可もあって相殺しているもの、素人目にも出来がよくないがいいところのある映画の最高点、嫌悪する映画の最高点と、感情問題としては0だが外見的に角が立たないよう標準点にしたものです。6点以上は好意的、4点以下は否定的です。
また0点は、特に事情があって採点放棄したもの、あるいは憎しみや怒りなどで効用が0以下になっているものです。

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841.  緯度0大作戦 《ネタバレ》 
東宝特撮の延長で見たわけだが、日米合作のためか違和感が大きい。なぜか悪玉側に日本人女がいて外人男に媚びまくった上に捨てられて醜態をさらすのが見苦しいが、そもそも生き物を職人技で切り貼りしてバケモノを作るというのが悪趣味で、アメリカ人の好みに合わせるとこういう下劣な映画ができるのかと呆れる。またキャスティングの意図はわからないが中高年同士の三角関係など見たくもないのであって、比較的若手の女医にしても変に露出部分が多い割に顔が可愛くないので存在意義が感じられない。  加えてラストが全く不可解で、当時はこういうものが洒落ていると思ったのかも知れないが、どう考えても合理的解釈が不可能なものを作られてしまうとさすがに困るわけである。並行世界という考え方もあるようだが、同じ顔で同年配の人物がたまたま揃ったことは説明できていない。こんなことなら単なる夢オチの方がまだましである。 そのほか特撮面では船舶関係(潜水艦含む)の出来がなかなかいいとかいうことはあるが、ライオンさんとコンドルさんの様子を見れば昭和特撮だからといって不問に付す限界を超えているので全体的には相殺される。また出演者に関しては、黒部進氏ほどの人を正体不明の外国人役で使うなと言いたい。  ここまでさんざん書いておいて少し褒めることはないかと考えたが、上に少し書いた以外にないので困る。日本側ヒロイン役である中山麻理という人のことも書くべきだったろうが書かないで終わってしまった。ちなみに劇中で世界的科学者が誘拐されたときに、米ソが互いに相手方の陰謀だと中傷していた発言の中で「中共の侵略的計画」という言葉が出ていたのは、中ソ対立以降で西側との関係がまだ改善されていなかった時期の感覚を反映したものと思えば少し興味深い。 追記:ほかの皆さんのレビューを見て思い出したが、海底火山の爆発がうまくできていたというのは同感だった。こういうのはもう円熟の技法である。
[DVD(邦画)] 3点(2016-05-14 20:08:37)
842.  ゲゾラ・ガニメ・カメーバ 決戦!南海の大怪獣 《ネタバレ》 
ゴジラ系列に属しない正統派の昭和怪獣特撮である。地味だが真面目に見ればそれなりの味わいがある。 題名の怪獣3匹が同時に大暴れするわけではなく、最初にイカ、次にカニを人間が退治して、最後にカニ(二代目)とカメをまとめて現地在住のコウモリが撃退したので計4匹が出ていたことになる。最後が火山ネタというのは日本特撮伝統の安易なクライマックスだが、南洋の火山島には噴火が付き物だといえなくはない。 出ていた怪獣は全て現地の生物が巨大化しただけのものらしく、これを普通の人間が銃や爆発物などで攻撃していたのは新鮮な印象だった。これなら旧日本軍が組織的に当たれば対抗できた感じである。最初の攻撃のとき、現地住民が旧日本軍の武器を持って来て日本人に渡していたのは、こういう場合は日本人が率先して戦うはず、と思い込んでいたようで可笑しかったが、その後は現地住民もその気になって一緒に戦っていたようである。 なお現地住民によればイカ怪獣は人の心がわかるとのことで、実際に島から逃げようとした者を目がけて襲ったような場面もある。これはその後の逃げられない恐怖感を予想させなくもなかったが、実際はそういう展開でもなかったのは残念だった。また元凶になった宇宙生物の設定は、個人的に嫌いな映画「吸××ゴ××××」(名前を書きたくない)を思わせるので好きになれない。  ところでキャストに関して、特撮ファンとしては現地住民役の小林夕岐子さんが見どころなのかも知れないが、実際はただいるだけのようであまり活躍していない。しかしこの人が突然現れて「わたし、結婚します」と宣言したところは驚愕の展開だった。また今回ヒロイン役の高橋厚子さんは特撮関係ではあまり見ない人で、明らかに美形とはいえないが昭和的に可愛らしいので和む。この人の“乙女の涙”が悪人の心を動かすのは感動的だったといえなくもない。 ほかにも東宝特撮おなじみのキャストが多いので安心する。もう佐原健二氏の悪人役も定着してきた感がある。
[DVD(邦画)] 5点(2016-05-14 20:08:34)
843.  劇場版 幼獣マメシバ 望郷篇 《ネタバレ》 
TVもこれ以外の劇場版も見ていないので基本的知識が全くないが、非常に変なものを見てしまったという印象だった。 まずは主人公の人物像にはかなり抵抗感がある。こんなのが主人公で大丈夫かと思うわけだが、話を聞いていると語彙が豊富で表現も的確であり、どうも頭の回転は速い人物らしい。遠慮がない代わりに他人の言うことも率直に受け止める裏表のなさは好印象である。 また今回の舞台は隔絶された離島ということになっており、主人公が来るのも出るのも路線バスだったのは変ではないか(撮影は三浦半島)と思うが、背景音楽を局限して環境音を多用した静穏な空間が表現されており、現世を離れた奇妙でファンタジックな劇中世界ができていた。  ところで物語としては何が言いたいのかよくわからない。主人公が訪ねた男は引きこもりから一応脱却したようだったが、その後も無理をせずにこの村とともに生きることにしたらしく、これは「やれることだけ、やります」の実践例ということか。 しかしその村自体が選挙の結果、今後とも引きこもりを続ける(やがて滅ぶ)ことを選択したのはまことに非常識である。最後に変な歌手を招いて局所的に盛り上がっていたのも高齢者施設の慰問のようにしか見えない。「日本沈没」の「何もせんほうがええ」と同じとすれば一つの見識とも取れるが、本来は個々人の問題である「引きこもり」を、無理に地域社会レベルまでスケールアップしようとして変なことになった印象もある。まあシリーズ全体の事情がわかっているわけでもないので、とりあえず変な映画だったということで終わりにしておく。  なお、救済の女神のようにして出る謎の美女(と美少女の中間くらい)は劇中唯一の潤いに見えたが、この人が巫女の格好をして神酒を持っていたのは結局意味不明だった。ちなみにこの女優は当時19歳くらいなので、いきなり結婚などというのは早すぎる、とお父さんじみたことを言いたくなる。
[DVD(邦画)] 5点(2016-05-09 21:05:13)
844.  劇場版 仮面ティーチャー 《ネタバレ》 
マンガ・TVとも見ていないのでよくわからないが、どうも仮面ライダーのパロディのようなものらしい。ただの人が仮面を被るだけなので外見的には貧弱だが、ヒーローものらしくアクションには力が入っていたようである。また学校内の暴力ということで深刻な内容なのかと身構えて見たわけだが、実際はコメディ要素がかなり含まれていたようで、仏頂面の男どもが失笑ギャグを演じる場面があったりもする。他の映画などでは普通に美少女なり美女なりをやっている竹富聖花さんが、美少女のままコメディエンヌに挑戦しているのも微笑ましい。 今回は劇場版ということで主人公の原点が明らかになるのと、その正体が周囲(特にヒロイン)に知られてしまうという変身ヒーロー最大の盛り上がり部分をまとめた形になっているようだった。  出演者のうち上記の竹富聖花さんはレギュラーだったようだが、今回ゲスト出演の北山詩織という人は他の映画でも見たことがあり、相変わらず長身で細身で顔が小さく泣き顔が可愛らしい。また後の「暗殺教室」でヒロイン役になった山本舞香という人も本来はレギュラーだろうが、ほとんど顔が見えなかったのは編集段階で落ちたということか。ほかにも本編で使わずに終わった箇所が多かったようで、竹富聖花さんの「焼きそば教室」の件などは本編になく、またエンドクレジットに役名付きで出ていながら所在不明の人がいたりするのも残念だった。 そのほか男の登場人物には基本的に関心がないわけだが、ジャニーズ系以外でいえば「ひぐらしのなく頃に」(2007)で主人公(バカ)役だった前田公輝が逞しい感じでなかなか頼もしく見えた。ほか遠藤憲一氏も相変わらずの大活躍でお疲れ様である。  なお本来のテーマと思われる教育の問題についても意外に真面目なことを言っていたようだが、主人公の身体的な強さということが前提条件になる以上、これが現実の教育論としてそのまま通用することはないだろう。ただし熱血先生の学園ドラマとしては特に異論はなく、終盤の展開などはベタだが少し感動的だった。
[DVD(邦画)] 5点(2016-05-09 21:05:10)
845.  あさひるばん 《ネタバレ》 
「釣りバカ日誌」の原作者が監督したとのことで、ハマちゃん役の役者が渓流釣りに行く場面があったりする。また監督が宮崎県出身のため同県内が舞台になっており、県当局の全面的支援があったとのことだがそれほど露骨なPRもなく(細かく見るといろいろ出ていたようだが)、なかなか感じのいいところに見えた。娘の結婚相手が獣医だったのも畜産県らしくていい。 内容としては普通にほのぼの人情コメディになっている。いきなり脱獄はやりすぎだとかヒロインの娘の態度が不可解だとかヒロインの病状がどうなのか結局わからないというような問題もあったが個人的にはまあ許容範囲で、基本的に安心して見られる娯楽映画である。  ただしドラマとしては非常に割り切れない話になっており、これはやはり少し上の年代向けかも知れない。 “名を捨てて実を取る”というが、この映画の場合はどちらが名でどちらが実かわからない。表向きは3人組がパパ扱いでも実の父親はほかにおり、またこの父親が指輪の送り主という事実は動かせないが、現実にみんなと喜びを分かち合うことができるのは3人組の方である。また勝ち負けの問題でいえば、部活も恋も社会的地位でもはるか昔に負けが確定していて永遠に挽回できないが、しかし考えてみれば3人組はマドンナの娘やその結婚相手にまで名前が知れ渡っていたりして、関係者の間での存在感は絶大らしい。気持ちの問題としては最終的な勝者ともいえるが、ただ常に3人組が一からげの扱いなのが情けなくもある。 これは見ていて切なくなるが、しがない一般民としてはどうせこの3人組に感情移入するしかないわけで、とにかく何らかの意味で“実を取る”ため「もう一回戦」に挑んでいくしかないということか。それを死ぬまで続けるとなると厳しいものもあるが、まあこの監督が70過ぎて監督デビューというのも参考にしながら、ここはひとつ貴重なご意見として承っておきたい。  ちなみに登場人物の年齢設定にはかなり無理がある。関係者が揃って48歳とはとても思えず(劇中でも言い訳していたが)、またマドンナの娘も30近い年齢になるはずだがどう見ても20代前半である。まあこのあたりは笑って済ませるところだろうが、30年前のマドンナ役だけは劇中年齢とほぼ同年なので見ていて安心する。
[DVD(邦画)] 7点(2016-05-09 21:05:07)
846.  告白(2010) 《ネタバレ》 
映像・音響が刺激的で中身も痛快な高級エンターテインメントである。 何より主人公の元教員が一貫した姿勢を堅持していて安定感がある。心の葛藤が外に見える場面もあったが、これは主人公の行動が間違っていることを示唆していたわけではなく、本来この主人公がどこにでもいる普通の人間であって、決して特殊な性向の持ち主ではないことを示しただけと思われる。 またラストの一言には安堵した。直前の台詞がご立派すぎたのでそういう幕引きなのかと落胆しかけたが、ここまで来ておいて正しい教育映画のように終わるのでは到底納得できるものではない。これはいわば刑吏の温情のような形で一応まともな説明をしてみせてから、ただし自分は復讐者の立場であるから実はそのような観点はなく、あくまで非情なだけである、と突き放したと解される。  ところで、いわゆる綺麗事というのはそれ自体が間違いともいえないが現実妥当性の面で難があり、また一方では耳触りがよく反論されにくい、あるいは自己陶酔しやすいといった発言者に都合のよい性質を含むのが厄介である。劇中で最強の綺麗事は主人公の夫の教育論だろうが、そのほか“他人を疑うのはよくない”だとか、また劇中の少女が信じたがっていた“誰の命も重い”も含めて、この映画では綺麗事全般があっさり否定されて終わったようである。 しかし現実には綺麗事に含まれるもの全てを叩き潰していいわけでもなく、例えば少女の“私の命も重いと言ってほしい”という心情まで踏みつけにすることはできない。綺麗事を粉砕してしまった後に、改めて従うべき行動規範が残されるかどうかは別の問題であり、その点主人公は思慮深い人物なので自制していたと思われるが、それでも最後の爆発が事実であれば適正な復讐の範囲を逸脱していた恐れがある。 別に主人公が個人でここまでしなくとも、公権力が適切な刑罰とともに遺族感情の慰撫(公権力が復讐を代行したと感じさせる)をまともに行えればいいはずだが、綺麗事にまみれた社会では今さら何を期待しても仕方ないという諦めもある。まあ世の中などその程度のものであって、何かを期待することの方が間違っているのだろうが。  なお余談として、生徒役のうち別映画で見たことのある近藤真彩と三吉彩花と山谷花純は発見できたが、能年玲奈は最後までわからなかった(探す気がないわけだが)。
[DVD(邦画)] 9点(2016-05-01 10:58:08)
847.  おんなのこきらい 《ネタバレ》 
自分(男)としては“かわいい”は“好き”を含むものと最初から自覚しているので、見た目だけでかわいいと言い切ることは基本的になく(外見的には可愛いが、というように限定して言うことはある)、また本心からかわいいと思ってもむやみに本人に言ったりはしない。それなりに抑制しながら生きているわけである。 この点で雑貨店の男の行動には若干問題があったかも知れないが、この男自体はそれほど悪い奴には思えない。救援要請があったのに行かないのも義侠心に欠けるわけで、レスキュー隊としてどこまでやるかの問題だろう。主人公が心安らかに寝られるようにするには部屋の掃除が必要と思ったかも知れないが、しかしその後は明らかに道を踏み外しており、この辺は良心派なりの狡さがあったかも知れない。 ただこの男の行動も決して単純なスケベ心ではなく、本心から主人公がかわいいと思ったからこそだろうから、そのことだけはわかってやってもらいたい。逆にいえば“かわいいは罪”ともいえるが、全般的に人間は感情問題を断ちきれない面倒くさい生き物ということでもあるから、この辺は人の原罪のようなものということで。 自分としてはこの通りの経験があるともいえないが、とりあえずごめんなさいと謝っておきたくなる映画だった。  ところで事前の予想としては、全編にわたって主演女優のカワイイが炸裂しているのかと思ったら実際はそうでもなく、いわばパステルカラーのおんなのこと黒のオンナのイメージが交錯し、最後はプレーンな状態に変わっていく印象があった。序盤の部分はこの女優ならではのカワイイ系女子ができており、わざとらしく無駄に顔を作る演技をやってみせるのが可笑しい。一方で黒のオンナは別にこの人でなくてもいいだろうという気もしたが、終盤になるとまたこの女優の素材感が前面に出た感じになる。 髪の長さはどうでも対応可能な女優だろうと思っていたが、この映画を見た結果として、どうも髪は短めの方が似合うような気がして来た。最後の顔など見ていると、自分としてもこの人はかわいい、と言い切ってしまいたくなる。そういう点で、自分にとっては高品質の森川葵映画になっていた。
[DVD(邦画)] 7点(2016-04-29 08:34:17)
848.  チョコリエッタ 《ネタバレ》 
自慢にならないがフェリーニという人の映画は見たことがない。 159分もある映画だが、何が言いたいのかがわからない。原作の方はまだしも何を問題にしているかが明瞭だが、この映画は変に小難しいのと、必要性が疑わしい不純物を含んでいるため素直に肯定できなくなっている。この世界はクソだとのことだがクソに交われば臭くなるのであって、クソを持ち出した時点でこの映画もクソの臭いを付けていることを自覚してもらいたい。  しかし一方で、主人公の存在がこの映画の価値を高めているのは間違いない。159分もある映画だが、この人を見ていれば何とか耐えられる。髪の毛を取り払ったことで細く長い首筋が引き立ち、またいわば顔が素っ裸にされたような感じになって、素材のよさをそのまま生かした奇妙で愛すべき少女像が表現されている(友達になりたいとは思わないが)。自分にとってはとにかく強烈な森川葵映画だったが、この女優本人は当然として、主人公の人物像をこのように作ったスタッフにも敬意を表すべきなのだろう。 また細かいことでは、主人公が左手で書いた文字が見事な出来で感心した。エンディング曲は誰が歌っているのかと思ったら主演女優が気の抜けた感じで歌っているのだった。  以上、全体としてあまりいい点はつけられないが、とりあえず主演女優、及びその母親役(の女子高生姿)に点を入れておく。自分としてはこの母親役の女優も結構好きだったりする(16歳、と本人が言ったところで笑ってしまった)。
[DVD(邦画)] 5点(2016-04-29 08:34:12)
849.  劇場版 零~ゼロ~ 《ネタバレ》 
ゲームが「原案」、小説版が「原作」であり、この映画は小説の方をもとにしている。原作小説の内容はゲームとかなり違っているようだが、これについては原作者が「あとがき」でちゃんと言い訳している(誰も読まないだろうが)。  映画化に当たっては小説の内容を若干簡略化し、結果として超自然的要素が減少してサスペンス風味が目立つ形になっている。それにしても、あまり長くない映画の割に謎解き部分が込み入りすぎに感じる。全体としては恐らく“呪いをといて、大人になる”というような感じのことが重要なのだろうから(正直よくわからないが)、そこに集中してほかはシンプルにしてもよかったのではないか(個人的には男の登場人物は不要)。 しかし個別の映像表現とか背景音楽の合わせ方は好印象で、問題の美少女が教室内に現れた場面や、聖堂での降臨場面は特に見どころだったかと思う。また映画のために作ったという劇中歌も非常に印象深く、最初の独唱と最後の合唱で曲の印象が違って聞こえるのもいいが、最後の歌がメリーさんの祈りに重なって、その後の巣立ちの場面につながっていくのは少し感動的だった。 この映画を見たのは基本的に男が多かったのだろうが、監督としては普段ホラーを見ないような女の子にも見てもらえるようにしたかったとのことで、ホラーながらもほとんど怖くはなく男目線のエロチックな場面もほぼ皆無であるから、ぜひ女子の皆さんにも見ていただければと思う。  ところで、男子の立場としてはどうしても美少女が多数出演という点を評価してしまうわけだが、文字通りの美少女なのは主演の人くらいで、ほかは単純な美少女という言葉で括れない個性的な面々が揃っている。ミチ役の独特の存在感は当然として、キャスト配列順では下の方にいるカスミ役が意外に目立っていたのも個人的には嬉しい。地味な服装で引き立てられた形の劇中少女の表情には目を引かれるものがあった。 ほかにメリーさんのすっぴん顔(すっぴんに見えるメイク?)は、暗闇の中に美少女の顔が浮かぶ場面と同じくらい衝撃的だった。美形女優といえども美少女にはかなわないという意味?かも知れないが、この女優本人はメリーさんの扮装を喜々としてやっていたとのことで他人事ながら喜ばしい。ほか美保純という人が意外な役柄で、あらかじめ知っていても本人には見えなかった。
[DVD(邦画)] 7点(2016-04-29 08:34:08)
850.  人狼ゲーム ビーストサイド 《ネタバレ》 
前作を見たので基本設定は完全に受入れ済であり、この世界がこうなっている理由については全く疑問を持たずに見た。どうせ二番煎じだろうという予感があったので、物語的によほど面白いものを見せてもらわなければ済まないところだったが、結果としては視点の変更や若干の強化策にもかかわらず、基本的には前回の単純な延長のように見えた。 ただし前作における場の空気のようなものは継承されており、また若い役者の熱演が目を引くのも同じで、これが全体的な充実感をもたらしているのは間違いない。無意味に人が死んでいくだけの映画ではなく、人の生命の重量感を観客にぶつける映画になっている。前作に引き続いて見ていると、自分の生命をむき出しにして対峙する登場人物が愛しく思えるようになって来た。 ラストでは、原作とは全く別の方向性をもって外部世界に歩み出す主人公が映されていたが、自分としてはここで「犯人殺る」というよりも、「目指せロケンローラー」というメッセージを最後に主人公が得たのだと考えたい。それはかつての盟友の怨念ではなく、宗像美海の生命そのものを主人公が背負ったという意味になるのではないか。  ところでキャストに関して、個人的には宗像美海役が、ほわんとして自然体ながらやるときはやる、という感じを出していたのが非常にいい。緊迫感のある中でも「なんでかな?」といったような何気ない物言いが笑いを誘う。また「南極料理人」(2009)のわがまま娘だった小野花梨さんが、役者としては最年少ながらきっちり存在感を出していたのはよかった。この人だけ設定年齢より役者の実年齢が下である。ちなみに最年長は小曽根正則役の俳優であって、全体として9歳も年齢幅があるが全員が高校3年生をやっている。
[DVD(邦画)] 8点(2016-04-29 08:34:05)
851.  渇き。(2014) 《ネタバレ》 
オープニングがマンガじみたハードボイルド調で、昔の刑事ドラマのような大都会に沈む夕陽の映像も出ていたが、その大都会が新宿副都心などではなく、さいたま新都心というのは微妙な滑稽さを出していたかも知れない(現地感がないので想像)。本編では相手構わず喧嘩を売りながら暴走する主人公が痛快で、劇中世界が異常なだけでなく本人からしてかなり非道な輩に見える。しかし鑑賞者の倫理基準の隙間をくぐるような展開のため、善悪がどうとか言わずにとりあえず面白がって見ているか、という気にはなる。妻夫木聡のぶっ飛び方が非常にいい。 しかし最後は雪山の場面でクールダウンさせられてしまい、また観客の感情移入先を元担任の方に振り替えたような形で終わるため、結局は一般人の常識的な世界に回帰したような印象もあった。考えてみれば劇中人物の全員が異常だったのではなく、元担任のほかに高校の同級生(橋本愛)など、意外にまともな面を見せる人間もいたのだが、それが異常な劇中世界に見えたのは、主人公の目で歪められた世界がそのまま映像化されていたせいかも知れない。こういう異常な人間につき合っていると自分も変になってしまうということだ。 現実世界でも未成年者がヤクとかウリとかいうものに関わる機会は多くなっているのだろうが、だからといってそれが当たり前でも普通でもないわけである。やはり善良な市民としては、煽情的な報道や下劣な映画などに惑わされることなく、一般常識をしっかり持って平和な社会を維持するよう努めなければならない。そういうメッセージをこの映画が発していたかどうか不明だが、自分としては勝手にそのように受け取った。非常に陳腐な感想だが。  ところで主人公の娘は本当に死んだということでよかったのか。劇中では2つの時間系列が並行していたこともあり、どこに出るのか出ないのかわからないバケモノのような印象を生んでいた。死んでも殺してもしつこくまた出て来そうで、貞子とか「富江」のように扱えばホラーシリーズ化するのではないか(富江のイメージに近い)。この人物だけはそもそも人間扱いする気にならなかった。
[DVD(邦画)] 5点(2016-04-29 08:34:01)
852.  リスナー 《ネタバレ》 
公式サイトによると「東京芸術大学大学院映像研究科映画専攻のプロデュース領域主導の企画」とのことで、監督は同専攻の監督領域の学生が担当している(みな若い)。題名は横浜にあるFM局(架空)の放送を聞く人々という意味で、これを条件にした各20分程度の短編5本+プロローグからなるオムニバスになっている。  【プロローグ】「曽根由希江のハート&ハート」という架空のラジオ番組にアニメーションをつけたもの。ラジオに関わる世界の広がりや、リスナーの脳内に生成されるイメージを映像化した感じで、これが「みるラジオ」というコンセプトに最も近い。かつ最も普通に面白い。ただ中間部にも出るので、何でこれが「プロローグ」なのかわからない。 【Unlucky】最も感動的。ラジオの音声が何気に状況を説明している。ボーカルの人物は「農作業しながら…」というのを自嘲気味に言っていたが、ここで初めて人の世界の広がりが実感できたということではないか。彼らはこれからその中へ還っていくのだろう。 【電波に生きる】最も頭が飛んでいる。話としてわからなくはないがあっちの方へ行きすぎで、これでは半分以上人間でなくなっている。思い込みの激しい女子も頭の中がどうなっているのか不明。人は絶対わかりあえないという意味か(監督コメントでは違うことを書いているが)。 【残されたモノ】最もストレートに見える。これだけが東京芸大でなく「韓国国立映画アカデミー」出身の韓国人監督で、ほかキャスト2人が韓国人。大地震という発想は“日本には地震がある(韓国にはない)”という向こうの常識?に基づくものと思われる。全部日本のせいだと言われても困るが。 【RADIO GIRLS】最も意味不明、公式サイトの解説そのままには受け取れない。女子高生の太ももが見どころとのことで映像的には華があるが、出来事の意味付けが非常に弱いので困る。主人公はこの後とりあえず自宅に帰るだろうと思っていいか。 【ブエルボ アルスール】ラストにふさわしいエピソードのようだが最も難解で、これも解説のとおり受け取るのは難しい。とりあえず自分は老プロデューサーの域に達していないとは思った。撮影は氷川丸の船内だったのか。  以上、よくわからないのもあるが全体として好印象だった。やたらに実験的とかいうわけでもなく、ちゃんと一般のお客に見せるためのものに見える。ぜひ今後ともいいものを作っていただきたい。
[DVD(邦画)] 6点(2016-04-22 23:44:30)
853.  琥珀色のキラキラ 《ネタバレ》 
まずは題名が意味不明だが、たまたま主人公にとってはこの色で、この時期の記憶が色づけされて残ったのだということか。また終わり方が唐突なのも困るが、これは映画の内容がハッピーエンドとかどうとかいう小さくまとまった物語ではなく、その後も続く人生の一部を切り出しただけのものと示してみせたのかも知れない。 そういう前提でいえば、いいことばかりでもない人生の中で、いわば珠玉のように輝いている記憶をそのまま映画にしたようなものと思えばいいのだろうか。その割に最後は一言で済ませてしまっており、これは本人としてはそれなりに寂しい結果だったろうと思うが、代わりに自分が少し大人になったということかも知れない。少女の後姿は甲斐甲斐しく健気で、意外に突き抜けたような清々しい終わり方だったのはよかった。 ただし排泄物をなめてみるのが家族愛の証、ということまで主張しているとすると、さすがに自分としてはそのまま受け入れることはできない(子どもならまだしも中年男のものなど想像するのも嫌だ)。どうも観客が嫌悪を催す領域に微妙に踏み込んだ感のある映画だった。狙ってやっていたのだろうが。
[DVD(邦画)] 5点(2016-04-22 23:44:22)
854.  ブタがいた教室 《ネタバレ》 
自分が見た限り、生命の問題を考えるというより教育のあり方に関する問題提起のように感じられる。児童に自分の頭で考えさせるという目的は達していたようだが、一方で担任教員の指導方法に問題があることもしっかり描写されており、必ずしもこれが理想の教育というつもりはないらしい。また年少者にシビアな体験をさせて特定の観念をすり込もうとする洗脳まがいの手法ということでもなく、むしろ徹底的なディベートを経て何らかの結論を導こうとする、いわば民主主義の学習のように思われた。 児童の議論の中で、テーマを考えるための材料は一応出揃っていたようである。担任教員は無責任にウンウンうなずくだけで腹立たしく思われたが、それがこの場に求められる正しい態度だったらしい。後半になると、当面の課題解決に向けて児童の意見が2つに集約された形だったが、その2つに限ってみれば感情問題を優先するものと、あえて理性的対処を主張するものの2派を形成していたようである。説得材料として「卒業」などという観念(笑)を創作する児童もいたりして、子どももそれなりに考えていることを示していたようだった。  ただし民主主義の学習の場として明らかに不適切なのは、最初に飼育を決定したのが実質的に担任教員だったにも関わらず、これを児童が自分らで決めたことのようにすり替えていたことである。後半になるともう児童が自分らの責任と思い込まされて泣きながら議論していたのが痛々しい。 これはわが国にあるムラ社会の全体主義であり、自由意思に基づかない集団の構成員にまとめて責任を負わせるやり方である。こういうことを今でも学校教育の中で平然とやっているとすれば非常に危険であり、いつの日か自分らの決定と思い込まされたまま戦争に駆り出されて死んでいく国民を育成しているようなものである(…ちょっと左派風に表現してみた)。この点では全く納得できない映画だった。  以上、全体としてけっこう真面目に作り込んだ印象はあるが、こういう微妙な映画に正数の点を付けてしまって点数分だけ肯定的と取られるのが嫌なため、ここは採点放棄ということで0点にしておく。 なお余談として、理性派の筆頭である松原菜野花さんの母親役で出ていた大沢逸美という人は久しぶりに見た(むかし少し好きだった)。イメージがかなり違うが、ふとした表情の変化に昔の面影が感じられると言えなくもない。
[DVD(邦画)] 0点(2016-04-22 23:44:19)
855.  アウターマン 《ネタバレ》 
この監督のバカ特撮路線の延長上のように見えるが、今回は主人公が男のため「地球防衛少女」「…ガールズ」「…未亡人」のような華がないのは不満である(ヒロイン役と少年役はいる)。 題名は架空のTVシリーズ名だが、実質的にはいわゆるウルトラシリーズを扱った映画であり、主なターゲットは40~50代男子ということになるか。ヲタク度が高く小ネタが満載でいちいちコメントする気にもならないが、「モタモタすんな!」は正にその通りであって爆笑した。また故郷を失った宇宙人に対し、地球に住んではどうかと呼びかけた場面は正直感動的だった(「侵略者を撃て」のほかに「他人の星」を連想)。  ところで「日本バカ映画の巨匠」という割に、今回は変に真面目でどこがバカ映画かわからない。 とりあえず劇中の出来事を観察すると、まず子どもの頃に正義の味方に憧れた人々も、今は当然ながら世間の不正義には失望している。特に原発事故がらみ?のことで政府は不信感を持たれていたようだが、少なくとも防衛当局に対しては、事に当たってその責務を果たすことが強く求められていたようである。 劇中でも現実世界でも古典的な“正義”の観念は滅んでしまって久しいが、だからといって“正義の味方”的な行動様式が失われていいわけはない。人間誰しも守りたい人がいるはずで、その延長上にみんなを助けたいという意識も生じうるわけだが、この映画では特に、自分を信頼してくれる者に報いたいという思いが出発点になっていたようである。 一方で、劇中では「自分たちが住んでいる星への愛」はあって当然、という趣旨の発言もあったが、これを国家レベルで考えれば今でも一定の反発を食うだろう。しかし故郷への思いは震災復興の原動力にもなっていたはずで、一概に悪と決めつけられるものではない。みんなを助けたいという思いを互いに持ち合わなければと、少なくとも劇中の宇宙人は訴えていたように感じられた。 だいたい以上のような認識がストーリーの背景にあったように見えたが、特に新奇なところがあるわけでもなく、むしろ現代にふさわしいヒーローのスタンダードを示したものとも思われた。  なお最後に勝った宇宙人を無責任に称賛していた群衆は、その時々の雰囲気で態度を反転させる有権者一般の姿にも見える。これが皮肉だとすれば、政治家でも政府機関でもなくわれわれが受け止めなければならないものと考える。
[DVD(邦画)] 5点(2016-04-19 00:33:43)
856.  女子ーズ 《ネタバレ》 
こんな映画を見てたまるかとずっと思っていたが、結局見てしまった。 見れば笑えるところは結構あるが、ドラマ的にはほとんど空虚である。大事な時に来ないのは女子だからというより仕事があれば来られないのは当然で、触れ込みと違って女子の3/5程度は普通に真面目だということである。ちなみに本筋と関係ないが、建築デザインを含めた美術館の存在が都市の文化的な創造性を喚起した事例というのが一応報告されているので、設計に関する劇中の結論が絶対正しいともいえない。 またキャストとしては各種の美形女優を揃えた形だが、自分的には誰にも愛着がないので当初の期待感はほとんどなかった。しかし見た後の感想として、この中では何といっても有村架純の可愛さが際立っている。個別エピソードとしても、グリーンが役者魂を見せたところが最もよかった。初めてこの女優に好意的になれて感動した。 そういうことで、こんな映画が好きだといってたまるかという気持ちはあるが、否定しきれないところもあるのでそれなりの点数をつけておく。 なおこの映画で新たに学んだのは「まつエク」という言葉だった。エクステというもの自体に縁がないので、さらにその応用編というのは難しい。
[DVD(邦画)] 6点(2016-04-19 00:33:39)(良:1票)
857.  かぐらめ 《ネタバレ》 
冒頭で「都留市制60周年 協賛映画」と表示されるからにはご当地映画だろうが、そのわりに地元PRの意図はほとんど感じられない。それ自体はいいことだと思うが、あまりに欲がなさすぎのようで、さすがにもう少し都留市というのがどういうところか見えるようにした方がよかったのではと言いたくなる。 ストーリーとしては納得できない部分が非常に多く、また素人ながら神事というものの扱いが本当にこれでいいのかという疑問もあって、素直にいい映画だったとは全くいえないのが残念である。しかし生真面目な印象があることも間違いなく、見る人によって共感できる部分も多いだろうとは想像する。エンディングの雰囲気(テーマ曲)はかなりよかった。 キャスティングとしてもいい役者を揃えたようで、決して見どころのない映画ではないだろう。主演の武田梨奈という人はこれまで知らなかったが(「ワカコ酒」という言葉だけ知っていた)感じのいい女優で、この映画では笑顔があまり見えなかったのは惜しいかも知れない。ちなみにご当地映画としても、もう少し楽しい場面があってよかった気がする(うちの地元の映画で、あまりにシリアスな内容だけのため怒ったことがある)。 なお疑問点として、陽子という人が神楽の後に一人で去ったのはどういう意味だったのか。これで本当に父娘のもとから消えてしまったのならこの人が哀れであり、またこの先にあるべき家族の再生というようなことを見通す上でも不足が生じる気がする。
[DVD(邦画)] 5点(2016-04-12 20:02:10)
858.  死臭 つぐのひ異譚 《ネタバレ》 
前田希美さんが出ているのでとりあえず見た。 最初の方で映画の趣旨説明が出ていたが、読むと人間世界の因果というより場所の問題だと解されるので、以後はずっとそういうつもりで見ていた。 撮影場所は静岡県熱海市(廃校?)と群馬県桐生市(マンション周辺)、及び東京都内だったようだが、このうち都内の撮影場所で、女子中学生が電話を取った場所や女子高生が襲われた場所から4km前後の位置に、現実世界で心霊スポットとして有名なマンションがある。そこは建物の構造が特異なほか、地名に「宮」の字がつくのに意味があるとかいう指摘があったりして、その方面に関心がある人々にはよく知られている。 別に制作側がそんなことを意識していたと思うわけでもないが、しかし個人的にはそういう先入観があるために、女子高生が襲われた場所が神社の前だったというのが何やら意味ありげに見えた。あわせて映像面などから来る劇中世界の雰囲気もあって、悪しき因縁のある街というイメージを十分に受け取ることができた。 一方で、人より場所の問題だとすれば、殺された恨みがあるとか犯人を殺せば恨みが消えるとか考えても仕方がないということになる。要は、その土地にたまたま住んだ人間に致命的なトラブルが生じる恐れがある(生じない場合もある)のであって、劇中では“ゆきえ”さんを含めて全員が被害者だったのかと思えなくもない。 さすがに終盤の展開などはまともに見ると意味不明だが、それでも全体としては意外にいい印象を残す映画だった。  なお登場人物としては、やはり前田希美さん(女子大生役)の色香に気を引かれてしまう。が、ほかに女子高生と女子中学生も見どころ扱いになっていたようで、主役としての存在感が若干削がれてしまった感じもするのが残念だった。
[DVD(邦画)] 5点(2016-04-07 19:55:07)
859.  津軽百年食堂 《ネタバレ》 
収益の一部を震災の義援金に充てたとのことで公益性は認められるが、それは後付けの事情であって、この映画自体に被災地支援の目的はない。 基本的には真面目な映画のようだったので、共感できない登場人物や都合のいい展開に耐えながらもじっと見ていたが、県の観光施策とか東北新幹線の延伸はしっかりアピールする割に、ドラマ的には投げやりな印象で感動も何もない。主役の男女二人の関係は当初から曖昧だが、弘前へ帰ってもさほど深化しないままで時間が経過し、ラストに至って強引にルームシェアという言葉で二人を結び付けて終わってしまう。 この男女二人は弘前でそれぞれ別個にソバと桜のストーリーを担っていたが、この2系列は相互の関係がなく、またそもそも桜は題名とも無関係であって、要は「弘前さくらまつり」への誘客目的で話を作ったように見える。さらにエンドロールを見ていると、「発起人」と称する人名が延々と流れてかなり気分が萎えるが、こういうことをすると観客が悪感情を催すのではと危惧する関係者はいなかったのか。 自分が地方人であるからご当地映画は応援したくなる方だが、あまりに恥ずかしげもなく製作上の目論見を前面に出されるとかえって反感を覚える。高尚な文化など縁のない者が偉そうにいうことでもないが、映画製作というのは一応文化的な活動であって観光PRそのものではないだろう。文化的価値を皆が認めてこそ結果的に観光誘客にも結びつく、という順番で考えなければ本当にいいものなどできるはずもない。この点では「みんな!エスパーだよ!」の方がまだましに思われた。 なおこれを見た後で原作も読んだが、特に不快さも不自然さもなく素直に泣ける箇所もあり、登場人物みんなが好きになれるお話だった。  上記以外の点について、まず「津軽そば」が東京のソバと明らかに違うことまではわかったが、実際どういうものか映像だけではわからない。話を聞けば食ってみたい気もするが、そのためにわざわざ行くかというと自分は行かない。 またトヨさん役の早織という人はこの時点で20代前半で、普通にしていれば色気があって魅力的な女優さんだが、この映画では見事にくたびれた未亡人になっていて感心した。原作では独身だったので個人的にはそっちの方がよかったが。
[DVD(邦画)] 2点(2016-04-03 11:47:37)
860.  大失恋。 《ネタバレ》 
8つの物語が同時進行ということで、一つひとつは軽い話だが、多数詰め込んだことでの充実感は出ている。 結構な豪華キャストのため、個々の役者に注目して見ればそれなりに面白い。序盤でこれが西島秀俊だろうかと思った人物が、その後もほとんど目立たずそのまま終わるのかと思っていたら、最後になってやっと出番が用意されていたのはよかった。また鈴木京香ほどの人が簡単に騙されるはずがないと思っていたら、実はちゃんとそれなりの人物だったのはいかにもという感じである。「嘘でしょう!」のところではまだはっきりしなかったが、「行きましょう」と同行を求めたあたりからはそれらしい雰囲気が出ていたようである。 自分としてはかつて山口智子という人が大好きだったので、久しぶりに顔を見ていて切なくなった。この人のエピソードが最もスタンダードな失恋話になっていたのも切ない。また中谷美紀が当時18歳くらいで、この人にしては変に可愛らしいのも見どころだったかも知れない。
[DVD(邦画)] 5点(2016-04-03 11:47:33)
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