861. 荒鷲の要塞
アリステア・マクリーン原作の映画化にしては、「ナバロンの要塞」、とともに良くできた方だと思います。イーストウッドの軍服姿を見ると、どうしても「戦略大作戦」を思い出してしまうけど、こちらの方はあんなおちゃらけは控えめですね(といっても、マカロニ・ウェスタンばりの飄々としたシーンはあるのですが(微笑))。ラストにちょっとしたどんでん返しがあって楽しめます。イーストウッドはアメリカ軍の制服よりドイツ軍の方が似合うね。 8点(2003-07-27 07:35:00) |
862. 大脱走
《ネタバレ》 オールスターキャストで戦争の背景を見事に描いた作品だと思います。原作を読むとイギリス兵とアメリカ兵は実際には別々の場所に隔離されていて、映画のようにジェームズ・ガーナーとドナルド・プレザンスが交流するようなことはなかったらしいですね。でも映画を観ると、実際にはなかったことでもああやって描かれていた方が人間味があって好かったと思います。自由ポーランド軍の兵士としてイギリス空軍とともに戦ったチャールズ・ブロンソンが、スラブ系の顔でその存在感を示していますね。閉所恐怖症を克服して空襲警報のさなかに脱出するシーンは手に汗握る緊張感でドキドキします。有名になったスティーブ・マックイーンのオートバイでの脱出シーンは、これもハラハラドキドキですが、たとえジャンプシーンがスタントマンによる吹き替えだとしても、マックイーンのアクションとして楽しめます。実際スタントマンは、自分はマックイーンの一部だと言っていますしね。アッテンボロー演じる”ビッグX”と同僚を逃がすために、駅の停車場でデビット・マッカラムが命を懸けてゲシュタポの注意を惹いたシーンも虚しさの残る印象的なシーンですが、その直後に、バスの検問で、自分が収容所内で部下に教育していたトリックに引っかかってつかまってしまう皮肉も虚しかったですね。実際に脱走に成功したのはほんの一握りで、実際に50名以上の虐殺もあったようですから、そういう虚しさを描ききっている、見事な反戦メッセージも読みとれます。ラストシーンで独房に入れられるマックイーンと更迭される収容所長とが会話するシーンが印象的ですね。 8点(2003-07-08 09:37:29)(良:1票) |
863. ターミネーター3
《ネタバレ》 特撮が凄かったですね。大型クレーン車でのカーチェイスシーンは迫力満点でした。主役のT-Xのねえちゃんがとてもお気に入りです。アゴを退き気味にして顔を回すしぐさと目の表情が好かったです。なんとなく「ジュラシックパーク」の恐竜や「エイリアン2」の女王を守るエイリアンを連想してしまいました(笑)。でも、突っ込みどころはいろいろありますね。たとえば、主人公のひとり、獣医の女性。最初に見たとき絶対に30歳過ぎてるなと思ったのに、ジョン・コナーの同級生だったとか!(笑) あの顔は老けすぎてそうは見えませんでした。また、ジョン・コナーは母親に訓練されただろうから、多少は格闘の心得があるだろうけれど、この獣医、いきなり最初からT-Xに投げ飛ばされても大怪我しないし、その後もシュワちゃんに投げ飛ばされてもピンピンしてるし、その辺は違和感がありましたね。全体として、次の「4」ですっきり解決してくれることを願います。あれじゃあ何か消化不良のままですよ。シリーズ全体として「2」がいちばん出来が好いと感じるのも珍しいです。 7点(2003-07-08 07:37:17) |
864. ハウス/HOUSE(1977)
良くも悪くも大林宣彦ワールドということでしょうか。大場久美子が可愛かったですね。化け猫の話が好きです。 7点(2003-07-08 07:28:19) |
865. アポロ11を追いかけて
ダメおやじの主人公と、外に出られない病気の奥さん、キャッチボールができない少年が自分の人生を飛躍させる話ですね。父親と息子が途中で知り合ったヒッチハイクのネイティブアメリカンの青年を連れて行く件がいいですね。引っ込み思案の少年にアドバイスするシーンが大好きです。「些細なことは気にするな。世の中の大半は些細なことだ」というような内容です。好いことばですね。 8点(2003-07-08 07:26:41) |
866. ローカル・ヒーロー/夢に生きた男
淡々としたストーリー展開ですが、北海の石油開発と環境保護の問題をからめて、なかなか考えさせられる話です。何もないイギリスの田舎町ですが、一度訪れてみたくなるようなところですね。佳作だと思います。 8点(2003-07-08 07:20:42) |
867. ブラック・ナイト(2001)
なかなか面白かったです。悪役の警備隊長は憎らしいくらいが素敵で好いですね。タイムスリップなのか単なる夢だったのかは観る人の判断ひとつというところですが、アメリカからタイムトリップした先が14世紀の中世ヨーロッパだという変なところも、夢だとしたら納得します。あの黒人女性は過去の方が素敵に見えたのは私だけでしょうか?(笑) 7点(2003-06-04 21:24:26) |
868. クン・パオ!燃えよ鉄拳
やっぱり声のアテレコを主人公が全部やってしまうのは違和感がありますね。まあ、昔の映画に細工をしているのだからオリジナルの声を使うわけにはいかないのだろうけど、やっぱり女性の声は女性にして欲しいです(笑)。ところで映画の方ですが、どうでもいいようなシーンにCGを駆使して凝ったことをしているのは笑えました。とくにホルスタインと対決するシーンは笑えます。そしてなによりも、土台になった映画の方がとても気になってしまいました(笑)。あれはどこでレンタルできるんだろう? 6点(2003-06-01 03:02:36) |
869. 二十日鼠と人間(1992)
よそ者の新入りとして、掃除夫の老人の飼い犬の件には無言のまま通すジョージ。余計なことは首を突っ込まないでトラブルを避けてきた彼が、最大のトラブルを自らの手で始末しなければならない皮肉。夢の実現に向けてジョージとレニーは老人と手を組むことになり、この老人の件は二重三重に伏線となっていますね。連続ドラマ「ツイン・ピークス」でもFBI捜査官を誘惑していたシェリリン・フェンが嫌な女を好演してます。果たしてジョージは厄介払いをしたのだろうか? それとも、今後レニーを苦しませないために自ら手を下したのだろうか? どちらにも解釈できますね。 7点(2003-05-31 05:07:19) |
870. ゾルタン★星人
あまりに馬鹿馬鹿しかったのですが、それなりに伏線があって単純に楽しめました。中華のテイクアウトのシーンは腹立たしくも笑ってしまいます。 7点(2003-05-30 18:04:52) |
871. ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔
《ネタバレ》 ちょっと甘いかもしれませんが、シリーズの2作目ものとしては成功した部類に入ると思います。戦闘シーンの迫力や雄大な景色の俯瞰は大画面で観た方がいいですね。原作ものの宿命は、その作品を読んだ人達が持っているイメージを、どうやって映画になじませていくかにあると思うのですが、私の場合はかなりの程度納得しました。もちろんストーリーのディティールを全部描写するのは無理なので、どこをいちばん強く訴えるかという問題だったと思いますが、今回のパートではパーティーが3つに別れてしまったことが効果的に作用したと思います。内面の苦悩や葛藤をメインに打ち出したフロドのパーティー、戦闘シーンをメインに受け持つアラゴルンのパーティー、そして、争いには消極的だったにもかかわらず自分の意志とは無関係に巻き込まれていくメリーのパーティー。それぞれのパートが次の第三部に向けて持ち味をよく出していると思いました。それにしても(←口癖(笑))レゴラスの格好良さが目立ちましたね。馬に乗るシーンは「そんな馬鹿な!」と思いつつ喝采してしまいました(笑)。それから、今回のジョン・リス・デーヴィスはお笑いキャラを一心に引き受けたようでしたね。またエンディング・クレジットで彼の名前がもう一つ別の役で出てきたのに注目してください(微笑)。全体の印象としてスターウォーズ3をふと連想しました。苦悩するルーク・スカイウォーカー、エンドアで戦うハン・ソロのチームや巻き込まれるイウォーク達。別々の場所でそれぞれを描きながら最後にまとめていく感じですね。この手の手法は失敗すると訳の分からないことになりますが、まずます成功した部類ではないでしょうか? でも第1作を観て、登場人物の名前と顔を一致させておく必要はあるかな。ところで、ストーリーに引き込まれ、戦闘シーンの描写に圧倒されるのですが、映画館のイスに3時間は身体が保ちませんでした(苦笑)。大画面で観たいけれどお尻を鍛えないとダメですね(笑)。最後に、皆さんの中にはガンダルフが美味しいところを持って行ったという御意見もありますが、私の場合はサム・ワイズマンが好印象です。ラスト近くでおとぎ話を語るようなナレーションをダブらせて、バラバラになったパーティーのそれぞれを描写するシーンにはグッと来るものがあります。ホントに、こういう物語は子供の時にはわからないものです。<031214一部修正> 9点(2003-05-30 18:02:00) |
872. さくや妖怪伝
あまり期待しないで、前知識もテレビのCMとスポーツ新聞の"巨大松坂慶子"くらいしか入れていないで観たので、思ったよりは楽しめました。たしかに”油すまし”や"唐傘"が踊るシーンは、昔、子供の頃に観た「妖怪大戦争」などの雰囲気を出していますね。化け猫はどう見ても熊にしか見えなかったのは残念ですが(笑)。中盤での鎧武者との戦い辺りになるとシリアスなのかなと思わせつつ、けっこうおちゃらけ路線がいっぱいでしたね。あの落雷シーンがどこかで伏線になるだろうなとは思っていたけれど、最後にああいうことになったんですね。全体として状況をつかむのが今ひとつで、ストーリーも終盤で中だるみしてしまうし、「あの演出で、嶋田久作は生きていたのか!(笑)」などという疑問もありますが、まあ155センチの女の子が頑張ったということで多めに観ますか(笑)。 6点(2003-05-14 03:59:09) |
873. ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア
2002年のヨーロッパ中央部での洪水被害によって、"ガストンくん"が脱走した事件がありましたね。この映画をその前に観ていて、「"彼"もやっぱり海を観たかったのかな?」なんてことを思っていました。最初は巻き込まれ型のコメディかと思っていたのですが、後半はシリアスな感じでしたね。どうも個人的にタバコの煙が嫌いなので、こういう映画での描写にはマイナス感情を持ってしまいます。往々にしてヨーロッパ映画では喫煙シーンが多いですね。この映画もドイツ映画ですからその例に倣って"モクモク"でした(苦笑)。 6点(2003-05-14 03:49:05) |
874. フェアリーテイル(1997)
いいなあ、可愛すぎです。従姉妹のエリザベス・アールちゃん(微笑)。当時10歳だったそうですが、最初の汽車の中で復員傷痍軍人と”あやとり”をするシーンから引き込まれてしまいました。ちょっと勝ち気の女の子を好演していたと思います。その後21世紀になってから映画作品にはまだ出ていないようですが、今後に期待したいなあ。何の前提知識も入れないで見たのですが、ピーター・オトゥールが作家のコナン・ドイル役だったり、ハーヴェイ・カイテルが世紀の魔術師フーディニー役だったりで、重要な役どころをしっかり固めていましたね。とくに後者は60歳近い年齢なのに、かなり体を張った演技をしていたし、ロンドンに少女達を招いてからの重要な役割を果たしていたとも思います。実際のフーディニーは変人で人間嫌いだったと聞いたことがあるけれど、映画のようにあんなにいい人だったんだろうか? ところで、この手の映画を観るときには必ずといっていいほど「実際にいたのかどうか?」の真偽が問題になりますが、「三十四丁目の奇蹟」(1947米)などと同様に、いることを前提に観た方が楽しくありませんか?(微笑) 紙で切り抜いた妖精の絵を写真に撮ったということがすべてを語っているかどうかは、今となってはわかりませんよね。映画の中で、冒頭で登場した軍人が森の中で癒されているときの表情を観ると、実際に妖精がいるいないに関係なく、その人の気持ちの持ちようではないかとも思います。あの映画で描かれたような素晴らしい自然の風景の中で生活していれば、心が洗われそうな気もしますね。それにしても最後に”パパ”が登場するだろうなとは思っていたけれど、あの人だったとはねえ(笑)。ノンクレジットだそうですけど、あるデータベースではしっかり名前がありましたね。いつもああやって美味しいところ持って行っちゃうんだからなぁ(笑)。 8点(2003-05-13 00:55:55) |
875. ヴァン・ダム IN コヨーテ
「用心棒」、「荒野の用心棒」のパクリですね。最初にやられた主人公が最後に悪い奴らをやっつけるという。期待していなかったのでそこそこ楽しめました。 6点(2003-05-06 07:32:18) |
876. ウインドトーカーズ
《ネタバレ》 予告編の期待を見事に裏切ってくれた感じですね。やはりどうしても太平洋戦争を描いた外国映画は、一歩退いて観てしまうのは仕方ないですね。てっきりガダルカナル辺りかなと思っていたら、なんとサイパンだったんですね。舞台が。もうその条件設定だけで、かなりマイナスです。それに、どの戦場を見ても、あまりにも乾燥した印象しか受け取れないのは、太平洋上の島を舞台にしたとは思えなくてマイナスです。それから、主人公のナバホインディアンが、いつもヘラヘラ笑っているように見えたし、演技が下手だったので、なんか絵空事のように感じました。ニコラス・ケイジが最期にああなるだろうなという予想はついていたし、日本軍の兵士に個性も何もないし(あ、これに関しては、米兵から見た日本兵はすべて同じという証言はいろいろな文献でありましたね)、島とはいえ、そこに描かれる日本人社会の文化は、おかしな風俗のオンパレードだったし(これは監督の文化的背景が出ているのかな?)、日本軍のバンザイ突撃の描写はないし、民間人が捕虜になるのを恐れてのバンザイクリフでの投身自殺の描写もないし、きれい事で済まそうという意図が見え見えだと感じました。上っ面だけに過ぎる描写には、感慨も反戦意識も生まれません。それにしても(←口癖(笑))最近のアメリカ製戦争映画には、敵を射的のように撃ち殺すシーンが多すぎる気がします。いくらアメリカが勝った戦争を描いているとはいえ、簡単にやられすぎですね。 5点(2003-05-06 07:27:46) |
877. ライジング・サン(1993)
日本社会を描いた作品と思わないで観れば、そこそこ楽しめるのではないでしょうか。しかし、ショーン・コネリーは「ハイランダー」といい、本作といい、日本女性とよく結婚してますね(笑)。 6点(2003-05-01 20:38:57) |
878. ハリー・ポッターと秘密の部屋
やっぱりこのシリーズは私には相性が悪いです。ビデオで借りて観たのですが、展開が退屈で20分以上は早送りしてしまいました。何がいけないのか考えると、主人公の表情が無いのが大きいと思います。原作を読んでいないのですが、映画は作品自体が評価されるものだと原則的には思うので、主人公がいちばん魅力がないと感じさせては失敗だと思います。ストーリーとしても学校の中だけで完結してしまうのが物足りない印象を与えます。 5点(2003-05-01 20:31:54) |
879. M★A★S★H/マッシュ
朝鮮戦争物というのも珍しいのですが、「キャッチ22」同様の斜に構えた反戦的切り口は素晴らしいですね。"自殺の歌"って、メロディラインがとても綺麗で、思わず"suicide is painless"って口ずさみたくなってしまいます(苦笑)。反戦を描こうとすると、「プラトーン」や「プライベートライアン」のようにリアル描写にこだわっていくか、本作のように徹底的にちゃかしていくかの方法しか無いんでしょうね。 8点(2003-05-01 20:26:36) |
880. キャッチ22
立派な反戦映画ですね。こういう斜に構えた切り口というのは大好きです。 7点(2003-05-01 20:19:06) |