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tottokoさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2058
性別 女性
自己紹介 周りに映画好きな人があまりいない環境で、先日はメリル・ストリープって誰?と聞かれてしまったりなのでこのサイトはとても楽しいです。
映画の中身を深く読み解いている方のレビューには感嘆しています。ワタシのは単なる感想です。稚拙な文にはどうかご容赦を。  

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941.  トゥルー・グリット 《ネタバレ》 
コーエン兄弟にしてはアクの少ない”普通の”西部劇を作ったものですなあ。やたら委員長的な女子をヒロインに据えているせいか、はじけっぷりは今ひとつ。お尋ね者を探しに訪れた小屋での緊迫感あふれる一幕はさすがです。あそこが一番印象深い。 個人的にヒロインがあまりタイプではなかったけど、J・ブリッジスとM・デイモンの見事な化けっぷりが楽しかった。マットはまたも新たなキャラクターを自分のものにしてて上手いですねえ。ブリッジスもマットと競って二段階くらい引き上げてもらってるような感じ。 もう少し話に乗れたらなあ。結局女の子は足引っ張ってるじゃん?そりゃそうだろう。力の無いティーンの女子が西部で何ができるというのか。あなた、無法者のおっさんを追うなんて無茶は保安官に任せて、残された母と弟妹の世話に戻るべきなのでは?店主の厚意で馬のお金も手にできて、大変ありがたいことですよこれは。・・などと思ってしまったのでこれは映画鑑賞の姿勢としては、やや失敗だったのでした。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2017-02-18 00:29:41)
942.  インフォーマント! 《ネタバレ》 
マット・デイモンの怪演のすんごいこと。彼のパブリックイメージから、マット=好青年との思い込みで観始めるとえらいことになる。M・デイモンの起用は観る者に目くらましをかける効果があっただろうな。すっかり騙された・・マークにもソダーバーグにも。 何しろこの男はおそらく良心の無いタイプの人格障害と思われる。周囲の人間はことごとく傷を負う。人を傷つけているのに良心が痛まないから、表情は平板で謝罪の言葉を並べながらけろりとしている。 この、”ああ言えばこう言う”輩に翻弄されるFBIのブライアン捜査官が私は気の毒で仕方なかった。FBIに同情することなんてほとんど無いのだが。いかにマークが怪物か。あまつさえ、出所後はまたどこぞの企業のCEOに納まってるとは空恐ろしい。 犯罪話なのに音楽はコミカルで全編軽いタッチで描かれる。マークが棲むのがそもそも清廉でもない巨大企業だからか。この男の素性と事件の全体像をちょっとずつ小出しにしてゆくソダーバーグ十八番の展開が見事に効いている。 ラストに明かされる、一番(?)大きい真実ときたら。あいつヅラだったのか。あーあ。こんなことにまで騙されるとは。ワタシもブライアンと一緒に引きこもりたくなっちゃった。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2017-02-15 18:12:18)(良:1票)
943.  ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮 《ネタバレ》 
デンマークでは知らぬ人がいないという1700年初頭の王室スキャンダルだそうで。啓蒙思想が世に広がりつつある貴族専横時代の終わりの世相を知れて興味深く観ました。映像も美しいし、精神疾患ぽいクリスチャン7世を演じたミケル・ボー・フォルスゴーはかのアマデウスでのトム・ハルスを彷彿とするような熱演でした。 けれど、お話がそもそも王妃の語りという体をとっているので、侍医ヨハン・ストルーエンセとの泥沼不倫がなにやら少女漫画のような純愛仕立てになっちゃってます。この医者役がマッツ・ミケルセンで、信念強そうな顔立ちなのでまさに”正義の改革者”そのもの。 しかしですね、ここら辺が史実を扱ううえで難しいところでして、文献によるとストルーエンセはかなりの野心家で奸智を巡らす人物のようにも記されており、王妃にしても英国からの帰国を拒否されるとは相当の顰蹙を買っていたと思われるわけです。どこぞの国の王のように、やみくもに政敵の首を刎ねたわけでもないのに断頭台に送られるとは、やっぱり当時かなり嫌われていたクセの強いやな奴だったんじゃないのかなー。で、そういう描き方の方が映画としては面白くなったんじゃないかなと思うわけです。ベタベタなラブストーリーなんかより。個人の感想でした。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2017-02-12 18:13:05)
944.  この世界の片隅に(2016) 《ネタバレ》 
淡い色彩、素朴な人物画、正確に緻密に描き込まれた戦前の広島の街並。大変美しいアニメである。柔らかく耳に響く広島弁も心地良かった。 最も美しいのは、すずや周囲の普通の人たち。朝には出勤し、かまどで炊飯し、洗濯をして畑の世話をする。生活のための仕事を当然のようにせっせとこなす普通の営みが、戦時下においてはとても輝かしく尊く感じられる。 細やかにユーモアを交えて描かれる人間関係。スパイを疑われるすず、このご時世であるから緊迫の北條家かと思いきや「憲兵さんは何もわかってないのよ」と皆でネタにして大笑い。つられて笑った。生活感のリアリティは気温まで伝えてくる。冬には手がかじかみ、夏はうだるような暑さ。「今日も暑いわねえ」20年の8月、あの日も暑かった。 この美しい人たちを破壊した戦争という「暴力」を憎まない人間がいるとは思えない。エンドロールが流れる中、席を立てずにただ鎮魂を祈っていたのは私一人では決してないだろう。声高に叫ばないが、強く強く心に反戦を訴える力のある映画だ。  私は声優という職業はプロの領域だと思っているので、役者であってもあまり歓迎しないのだが、本作のヒロインの声を担ったのんはすずに魂を吹き込む見事な演技をした。ぴったりだった。
[映画館(邦画)] 9点(2017-02-09 00:51:55)(良:1票)
945.  潜在殺意 《ネタバレ》 
サスペンスはこういうことが起こるわよね、と皆が合意しそうな脚本、すなわち2時間サスペンス。特に粗が目立つわけではなく、話が破綻してるわけでもない。ただおもしろくない。ご都合主義はとても感じるが。都合よく殺害計画が進み、都合よく女がばかで、警察も無能。人種問題をわざわざちょこっと入れて、問題意識高いでしょ的な脚本家のドヤ顔が目に浮かぶ。 豪邸内の逃げる、追う、女の逆襲、ともうお約束な画のオンパレード。ラストでの女二人で、実はもう一回分どんでん返しがあるのよ、とつまらない小手先のやり口には怒りすら覚える。伏線も何も無いのでは反則というものだ。
[CS・衛星(字幕)] 2点(2017-02-08 00:14:59)
946.  ハンナ・アーレント 《ネタバレ》 
アイヒマンを”解り易く”糾弾しなかったことで世間から袋叩きにされるハンナ。60年当時であれば、ナチの禍々しい爪あとはまだ記憶に新しい頃だろう。ナチの幹部など吊るし上げて当然の風潮の中、ユダヤ人でありながら冷静にアイヒマン個人を観察し、悪というものの構造をひも解いた彼女の知性に驚嘆する。 ハンナが、世間がヒステリックに決め付けたような「冷酷な人間」ではないこともきちんと描かれた。病に倒れた夫を献身的に看病し、友人を失ったことには傷つく。読者からの抗議の手紙にも「傷つけたことを詫びる」ために返事を書く誠実さもある。 バルバラ・スコヴァの熱演もあって、ハンナ・アーレントという哲学者の生き様と当時の世相がとてもよく伝わった。 今の時代のブログ炎上どころの騒ぎではなかっただろう。しかし彼女はそんじょそこらの男たちが束になって悪口を言ってきても、ひるまずりりしく、勇者のごとく一人立つのだった。 信念を曲げないこと、発言する勇気と結果を引き受ける責任感。 こんな人がいたのだと、教えてもらった圧巻の120分であった。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2017-02-05 00:54:04)(良:3票)
947.  ボーグマン 《ネタバレ》 
じわーと粘着質な気色悪い作品。観終わってももやっと不快感が残るジャンルものは大抵そうだが、これも”ボーグマン”なる連中が何物で最終的に何を企んでいるのかははっきりさせずじまい。冒頭に宇宙人を臭わせる一文が入ったけど、あれ要らなくない? 人の夢を操作できるとか、超人間ぽい技もあるけど庭師夫婦殺害のくだりはやたらと手間がかかってアナログ。あのペースでは地球侵略などは時間がいくらあったとしても難しい。 死体がベッドにうつぶせで並べられ、バケツセメントで頭部を固められて湖底に沈められる場面をはじめ”えげつない”シーンが多い。少女が石盤で重症人を撲殺、とか。 乗っ取られる家の主婦が美人でなく、ごく一般人な容姿なのも妙にリアルでえげつな感アップ。この奥さん、悪夢を見たからといってとび起きてすぐ隣の夫を攻撃するって・・、無くないですか?二回もあったんだけど。自分の夢だし自分にビビるとこではと思うんだが。 さらにアイツらなんで森に帰るんだろ。せっかく豪邸を乗っ取ったのに。 と、いろいろと気が合わなかったんだけども、このねとーっとした雰囲気はそれなりにオリジナルのジャンルを確立してはいると思いました。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2017-02-03 00:06:32)
948.  大空港 《ネタバレ》 
近年のパニックものと比べると随分違いが目に付きました。 肝心の、”爆弾魔が乗っている!”と明らかになるクライマックスたるべき機内の緊迫感がいまいちです。ここが「うわあーっ」と盛り上がらないので、観てるこっちは拍子抜けです。 その分(?)、人物らの背景描写がワタシの観てきたパニックムービーの中ではダントツに丹念でありました。事故メインというより、人間ドラマに軸足を置いているようで、むしろ新鮮に感じたりします。 爆弾犯人夫婦の物哀しさや、詐欺ばあちゃんのコミカルさが差し色以上の効果を上げています。あ、機内でネガティブな言ばかりをわめいていた乗客をぶん殴った牧師さんにも笑わしてもらいました。 あとJ・ビセットは不朽の美人女優ぶりでしたねえ。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2017-01-29 15:45:18)
949.  旅するジーンズと19歳の旅立ち 《ネタバレ》 
今回やたらとカルメンの話ばかり力を入れて作ったのは何故かしら。この娘だけ前回と少しキャラの色づけが違ってる。一方他の三人はだいぶ手を抜かれた印象だ。二人はボーイフレンドネタでごちゃごちゃ、一人はまたも母親の死を引きずってどうのこうの。どれも練りが浅い。 カルメンの話も特に秀でているわけではないけど、彼女には随分とラッキーが訪れる。舞台劇にてスタッフからキャストへ大抜擢、相手役の男の子に惚れられる特典つき。仲良し4人組とは別の女子との関係も盛り込まれ、またこの子が昔の少女マンガに出てくる典型的な底意地の悪いキャラクターでして。こういうのと絡むことができて、やっぱりカルメン今回いい目みてると思う。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2017-01-27 00:25:24)
950.  セントラル・ステーション 《ネタバレ》 
この映画の熱量の高さにすっかりあてられてしまった。ブラジル社会へのカルチャーショックといってもいい。21世紀、この情報化社会になっても映像で迫る”極端さ””すべての物事の濃さ”には一日本人としてただ圧倒されるのみ。駅にあふれる人人人、万引きしただけで射殺され、駅に子どもが一人寝ていても誰も顧みない。代筆屋が商売になる識字率の低さ、臓器売買の闇。まず舞台となるこの社会が容赦ないのですっかり肝を潰された。なんとゆるくないことか。 ドーラは、皆ひどいオバサンだと言うけれど、たぶんかの国では「普通の」平均的な大人なのだと思う。社会そのものがサバイバルな状況では、山といる孤児一人ひとりにかまっていたらキリが無いのだ。 男の子が良い。私が少年にめっぽう弱いということを差し引いても。ジョズエはサバイバル社会の子らしくめそめそはしないけど、そこは子ども、若い頃のジュリエット・ビノシュに似たキレイな顔を時々ふっと曇らせる。ドーラとけんかし、だけど頼りにもし、彼女がへこんだら逆に励ます。ああ泣ける。 まったく予想もつかなかった終盤の展開は素晴らしかった。奇跡的に見つかった暖かな血のつながりと、ドーラ曰く「飲んだくれ」父親のおぼろげな実像。ああ良いラストだった。もうドーラは他人の手紙を投函せずにしておいたりはしないだろう。
[CS・衛星(字幕)] 10点(2017-01-22 18:18:51)(良:2票)
951.  マダムと泥棒 《ネタバレ》 
古き良き英国のコメディですね。中盤以降、急激にブラックな展開になりますがイギリス人って昔からこういう感性なんだな。 もっとも、私は序盤のお人よしの老婦人が連中を信じきっているシチュエーションコメディの方が好み。大男がオウムを追いかけて屋根まで登る、いや登れない、のすったもんだは喜劇の基本。笑えます。できればあのお婆ちゃんは金の出所を知らないまま手元に残る、という筋が良かったな。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2017-01-21 23:58:18)
952.  NY心霊捜査官
これって現代版「エクソシスト」ですが、悪霊払い映画を観たいなら73年版の「エクソシスト」をおすすめします。断然怖いです。 本作は実話ベースと言いながら、実話ならではの怖さは特にありません。憑依→事件→お祓い、の一連の流れはそのまんまで特にひねりも無いですし。神父が不良中年だということぐらいですかね、目新しいのは。 で、”悪魔憑き”の作品を観るといつも思うんだけど、「言葉」ってすごく大事でして。というかお祓い等は基本英語なんですよね。じゃあ(特にキリスト教圏内の)悪魔って日本語やスワヒリ語や諸々の言語で生きる人間には気付いてもらえないべな、と常々思ってましてね。けれど、この映画ではイラクでそれも古代ペルシャ文字を発見したことで取り憑かれたとか。あの兵士の人たちはすごい教養があったのか?ペルシャ語の文法で発せられる怨念みたいなもの、わたしは絶対キャッチできないぞ。
[CS・衛星(字幕)] 3点(2017-01-18 18:37:21)
953.  ザ・ドア 交差する世界 《ネタバレ》 
まず、ちょっと勘違いしていたのだけど、あのドアはタイムマシンではなくてパラレルワールド的な、隣の世界への扉だったのですね。だから5年前の自分を殺しても、現在の自分には影響が無いのね。いつ消滅するのかと思っちゃった。それでは話が展開しないわけですが。 ”そっくり”だけど”自分のじゃない”擬似家族の気持ち悪さがうまく醸し出されていると思いました。娘は気付いて懐かないし。ああそうなるのか、と変に納得しながら観ていたら、あの扉は他の人にも開かれていてすでに「先輩」がいるという驚きの展開であります。どうしても視野が主人公エリアになってますからこちらも。 生きるため自分を殺すって、どういう心理になるのかな。自殺とも違うし。そこらへんが描かれてなかったのが残念。 摩訶不思議なストーリーをこしらえたものですが、ラストの納まり方は奇跡的にベストな形になりました。子を失った夫婦二人が元の鞘に納まってつくねん、と庭に佇む。別世界で生きる娘の姿を心に抱いて。違うのは流れる時間のみ。 喪失に出会っても、乗り越えるより他に術はないのです。取り戻せないものへの、心の対処を不思議な筆致で描いた作品でありました。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2017-01-17 00:08:02)(良:2票)
954.  リボルバー(2005)
ガイ・リッチー 大好きだけど、これはダメじゃないかな。何を考えすぎたのか彼は。意味不明映画は数あれど、評価されてるのは仕掛けの上手いD・リンチとかクローネンバーグとかアート度数の高いヤツでして、あなたとは住むジャンルが違いすぎる。 特にJ・ステイサムの訳わかんない独り台詞の長いのには泣かされた。自分探しの真っ最中ということ? この当時のヨメと離婚したのちの「シャーロック・ホームズ」とかは実にストレートなエンターテイメントに仕上がっているので、やはりこの頃の彼は若干神経症を患っていたのではと思われる。 相変わらず卑屈演技やらせたら超一流のレイ・リオッタに免じての点数です。
[CS・衛星(字幕)] 3点(2016-12-28 19:08:40)
955.  旅するジーンズと16歳の夏 《ネタバレ》 
女の子が16才時に通過する4パターンのお話。十代のそのただ中で観たらどうなのかな、とは思うけどイイ年になって観賞しても訴えてくるほどの力のあるエピソードではない。ノスタルジーを普遍的に描写した”スタンド・バイ・ミー”とは違う。 各16の夏の要約 「彼氏ができて自分の殻を破ることができたわ」 「知り合った女の子が病気で死んじゃった」 「離婚した父親が再婚するの」 「猛アタックした彼とうまくいったけど、なんか違うの」 うーん どれもこれもああそうなの、としか。 話が人に語って聞かせるほどの深みが無いうえ、”魔法の”と称されるジーンズの役割が今ひとつ。4人を結びつけるツールとしても別に不要じゃないかね? 映像にしてもTVレベルで特徴も無いし、点は辛め。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2016-12-26 00:01:31)
956.  フッテージ 《ネタバレ》 
ホラーにビビらない年齢になったけれども、そんなワタクシでも冒頭のフィルムの描き出す様相は大いにぞっとするものがありました。なんでしょうね、あのざらついた素人撮影な映像の怖さは。直に「悪意」を伝えてくるから気分悪いのでしょうか。この手の悪意撮影フィルムが他に何本も出てくるんだけども、独特の手ブレとかほとんど編集なんかしてないよ的な”ガチな感じ”が大変胸糞悪い。 ですから、せっかくひたひたとE・ホークが精神的に追い詰められる展開なのに”わっ”と驚かし演出で子供らのユーレイが出てくるのにはがっかりしました。青白ーい顔で表情暗い「いかにも」な平凡幽霊のせいで、ありがちホラーに下がってしまった。あんなにはっきりと歴代の”あっち側”チルドレンを出したいのなら、せめて最後の犯人明かしの場面で良いのではないでしょうか。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2016-12-22 00:48:17)(良:1票)
957.  殺し屋チャーリーと6人の悪党
人物ごとに描く時間をずらして、時系列を行ったり来たりするタイプのやつです。(正確にはなんという名称なのかなすいません)話が進むにつれて関係性が分かってきて、ああなるほどとなるアレ。今作の脚本も破綻無く、すべての案件を回収して締めていて上手いです。この手のプロットはすでにたくさん世に出ているので、またこれかと思うか面白いと思うかは人それぞれ。私は楽しめました。 かなり容赦なく人が死ぬけど、そこはコメディなので暗くも痛くもならない。一因としてはなんと言っても殺し屋をS・ペッグが演ったのが大きいです。非情なキャラクターなのに、彼独特のすっとぼけた面相と、培ったコメディアン演技の賜物で”ライトなたくさん死ぬ映画”となっています。 それと、オーストラリアのロケーションが内容に反して大変明るく綺麗なので、これまた人を食った印象を残します。なんでそんなに観られてないんだろ。おすすめですよ。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2016-12-18 17:52:32)
958.  インセプション 《ネタバレ》 
これは大好き。何がいいって、驚愕にして緻密なアイディアと、それを美しく視覚化した映像の素晴らしさ。音楽も良いし、キャスティングが100%はまった、その心地よさ。こうまでハマった!と感激なのは”L.Aコンフィデンシャル”以来。主演クラスからM・ケインやP・ポスルスウェイトに至るまで良い。 「夢」を扱ったものはファンタジーテイストで独り浸りな感性のものが多いように感じて、あまり合わないなあと思っていた。けれど本作はそれこそ夢中になった。理屈についていくのが精一杯で、148分阿呆ヅラで観賞したけれど、もうわくわくでいっぱい。無重力映像の摩訶不思議なこと、予期せぬピンチがいい具合に訪れて話を締める脚本の良さ、役者の好演。 「三階層」「潜在意識の武装化」「キックまでの時間」と初めて触れる概念に圧倒されつつ、仕事に集中するJ・G・レヴィットの手際の良さに見惚れ、T・ハーディの軽い伊達男っぷりにくらくらし、いつになくしくじるディカプリオには突っ込みを入れ、「謙さんがんばって!」と手に汗握って、と大変忙しくそして楽しい。 悩める大富豪の御曹司役のC・マーフィも良かったな。”他者から植え付けられた”偽自意識ではあるけれど、彼の場合これで良かったのだと感じる。一生父親への確執を抱えてうじうじすることにならず、自分の足でちゃんと前に進めそうだもの。依頼者の希望は叶うし、ターゲットも結果良い方向へ向かいそうだし、コブも家に帰れたしで、商売で言うところの「三方ヨシ」みたいでストーリーもすごく好き。私はあのコマは当然倒れると信じて疑ってません。
[DVD(字幕)] 10点(2016-12-16 17:04:49)(良:1票)
959.  フランシス・ハ 《ネタバレ》 
フランシス、27歳。大柄、金髪、大股歩きのアメリカンガール。この、がさつで社交的で一生懸命夢を追う女の子は等身大のアメリカ女子なんだろうな。口コミでヒットする作品というのは、こういう「あるある」な魅力があるものです。生活環境は違えど、画面からあふれ出るリアリティに親近感わきまくり。 もうダンサーとしての可能性を探るにはほぼ期限が切れている年なのにあきらめきれない彼女。見てるこちらは「ああ~それは」とダメ出しの気分。聞かれてもいないのに恋愛観なんか披露しちゃったり、無駄遣い以外の何物でもないパリ旅行に思いつきで行っちゃったり、イタイとこ満載のフランシス。けれどキビシイ現実になんとか折り合いを付けながら、せっせと生きる彼女は”起き上がりこぼし”のようで、だんだん彼女を応援する気分になってくるのです。 必要以上にめげない。友人の助けで元気になれる。「メンタルがレズビアン」ぽいフランシスなので、ありきたりな結婚、家庭持ちみたいな展開は無さそう。私は彼女の幸せを祈る。 アメリカ映画のヒロインが「彼氏を作る」ことへの位置づけが低いってタイプは初めて観た。これがヒットしたというんだから、アメリカって国は裾が広い。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2016-12-13 18:28:46)
960.  スコア 《ネタバレ》 
オチが読めちゃう人が多くてびっくり。ワタシはいつものことながら全然わからなかった。こんな時は自分のぼんくら脳みそに感謝だ。「あーあデ・ニーロ手ぶらじゃん。でもとりあえず逃げなきゃなあ」って思ってました100%。 M・ブランドが脅されてるってネタがさして活きてこなかったり、昼間の公園で発砲できるわけないし、デ・ニーロと女の会話台詞が変に気取ってて嫌だったりしたけど、どうオトすのか読めなかったから終盤の怒涛の展開はなかなか面白かった。映画慣れしてないタイプの人におすすめ。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2016-12-13 00:31:15)
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