81. シモーヌ
《ネタバレ》 思いつきだけで、掘り下げずに作ってしまった感が強い作品でした。シモーヌが「感謝の言葉を言わなかった」所で、「コンピューターの暴走か?」と思わせておきながら、あんな事が何故起こったかの決着もないまま、うやむやなハッピーエンドへ・・・ どうにも座りが悪いエンディングでした。影像がスッキリサッパリしていて、見易いところは一見スタイリッシュだけど、決して長く心には残らないでしょう。アル・パチーノノ、「フェイク」でよれよれを演じた時は新鮮でしたが、最近は実はよれよれが地なんじゃないかと思ってしまう様な・・・いや、きっと演技が上手いからそう見えるんだな。うん! 5点(2004-08-13 14:11:32)(笑:1票) |
82. S.W.A.T.
コリン・ファレルって、独特の匂いのある色気がいい役者なので、こういう役は似合わない。単純なヒーローって柄じゃないんだよなぁ~ ストーリーも、いきなり敵ボスがテールランプで捕まるとか、目新しさはあったけど、なんというか、浅い。唯一良かったのか、ミシェル・ロドリゲスの肝っ玉かあちゃんかな。 5点(2004-08-07 11:00:10) |
83. 10ミニッツ・オールダー イデアの森
「水の寓話」なにかを心に残してくれる、豊かな作品。「時代×4」ウザい。「老優の一瞬」画が綺麗だな~・・・以上「10分後」サスペンスの導入部って感じで、ありきたり。「ジャン=リュック・ナンシーとの対話」欠伸欠伸首!「啓示されしもの」発想が面白い。こんな作品こそ、短編の醍醐味。「星に魅せられて」壮大な物語の、素敵な一角を切り取った様な暖かさ。それと対照的な画面の冷たさがイイ!「時間の闇の中で」すごいのかすごくないのか、哲学的なのか何も考えていないのか、影像美なのか手抜きなのか、凡庸な私にはサッパリ判らない一遍。・・・・・・・・色々あるけど、トータルとして見ると、5点以上はつけられない。やっぱり私はフツーの映画が好き! 5点(2004-08-07 10:54:44) |
84. ミスティック・リバー
映画化を知る前に、原作を読んでいました。素晴らしい作品で、とても印象深かった。映画はとても忠実ですね。原作の世界を壊さずに、きちんと筋を追っている。でも言い換えれば、映画にした意味は何? この程度の映像なら、私にだって想像出来る。「映画ならでは」という所がひとつもなく、オチを知っている人間には退屈な映画でした。ジミーをショーン・ペンが演じると聞いた時は、「合わない!」と思いましたが、思ったよりずっと良かったです。さすが演技派! シレストもデイブもハマり役。アナベス演じたローラ・リニーはミスキャスト。私にとっては意味の無い映画でした。 5点(2004-08-03 19:29:15)(良:1票) |
85. ライフ・オブ・デビッド・ゲイル
この映画の監督や作者が死刑廃止論者なのかどうか判らないが、『命をオモチャにしている』というような、安っぽい印象が拭えなかった。発案はとても面白いのだけれど、高尚な雰囲気にしてしまったのが イマイチ感の原因なのかもしれない。余命がいくばくもなく、自暴自棄になっている様子とか、妻子に逃げられて、トチ狂っている様子があって、もっと切実な、焦燥感みたいなものが描かれていれば、深い作品になったのではなかろうか。設定が、なんとなく『羊たちの沈黙』『デットマン・ウォーキング』『ユージュアル・サスペクツ』辺りの良い所を寄せ集めて来ました風なのも、安っぽさに一役買っている。 5点(2004-07-31 10:52:57) |
86. トロイ(2004)
はぁ~ものすげーお金かかってて凄いね。でも何だかな~ という映画。アキレスのキャラクター作りが完全に失敗している様に思う。彼の信念が何処にあるのかよく判らなくて、いきあたりばったりの人物に見えてしまうし、オネエチャンと恋に落ちるくだりも蛇足としか思えない。パリスの甘ちゃんぶりはあれでOKだと思うし、ヘクトルは格好良かった~! エリック・バナって、顔が横に広くてへんな顔というイメージだったけど、まぁなんてイイ男。でも主役のアキレスになんの魅力もないせいで、作品の質がガタオチしている。映像と小道具と脇役が素晴らしかっただけに、もうちょっとどうにかなんたんじゃないかと思う、悔しい映画。 6点(2004-07-28 20:39:43) |
87. ひみつの花園
この、「邦画コメディ」ならではのまったりとした脱力感がいいですね。西田尚美は嫌いな女優さんでしたが(何だかあつかましいイメージがあって)、この咲子のキャラは良かったです。 7点(2004-07-28 20:33:00) |
88. ドメスティック・フィアー
さくさくした映画。考え込む暇もなくストーリーがどんどん進んで行くので、集中して見ることがる。でも見終わった後、何の感想も浮かんでこない。筋書きだけ。キャラクターが全てステレオタイプで、まぁわかりやすくて良いけど、面白味に欠ける(スティーブ・ブシェミは存在そのものが強烈な匂いを発散しているので◎!)。まさに得も損もなし。 5点(2004-07-20 09:56:36)(良:1票) |
89. ニューヨークの恋人(2001)
《ネタバレ》 すごく設定は面白いけど、この設定、上手くまとめるのむずかしいだろうな~、と思いながら見ていました。結末は意外だった! メグ、それで幸せなのかい? だって社長になれるのよぉ~~~~ でもまぁ映画、しかもラブコメ、しかもメグライアン。コンサバな終わり方もいたしかたなし。きちんとお金がかかっている衣装が素敵だった。二百年前の衣装は勿論、シンプルでいながら洗練されている、キャリアウーマンモードのメグのファッションが素敵。気になるのは、「エレベーターがあちこちで故障」というエピソードが、スチュワートを怪我させる以外にあまり役だっていなかった事。何だか全てが平均点ちょい上の優等生映画でした。 7点(2004-07-19 19:36:47) |
90. 乱
うわぁ~~何かもう凄い・・・という感想しか思いつきません。でもそれじゃあ小学生以下なので、もう少し考えてみます、ハイ。 画面のどのシーンを切り取っても完璧な絵になっている。ワダエミの衣装は、最初は違和感があったけれど、戦国日本に似た異世界とでもいうよう雰囲気を漂わせつつ、キャラクター個々の個性を反映していて、観終わる頃には完全に虜になっていました。仲代達也の大袈裟で型通りの演技も、この非現実の世界に馴染んでいた。しかしこれが映画として面白いかというと・・・・ウゥウウウウウン!! あんま面白くないかも!!! ごめんなさい、中だるみしました。ピーターが・・・鬱陶しい。彼のシーンがせめて半分だったら、もうすこし記憶に残る映画になったかもしれない。彼の鬱陶しい喋りと髪の毛と動きばかりが気になって仕方なかった。 7点(2004-07-13 21:47:49) |
91. 8人の女たち
ただ歌って踊って騒いでいるだけでも、超セ・レ・ブな女優さんたちがやるとエンターテイメントになるのね。羨ましい事です。コレは映画の内容にお金を払っているのではなく、名だたる女優たちのキャリアに献金している感じですな。 ダニエル・ダリュー。一体何歳なんでしょう。1917年生まれですか!?。2002年の映画だから・・・85歳!? 『うたかたの戀』のシャルル・ボワイエも、『赤と黒』のジェラール・フィリップも、彼女の大ファンだった谷崎潤一郎もとうの昔に死んだのに、歌って踊っている・・・ 美人薄命ってウソよね~ そういえばうちのおじいちゃん(故人)も大ファンだったなぁ~「官能的白痴美」とか言って。 ちなみに本作のダニエル・ダリューは、「官能」と「美」が廃れて「痴」だけが残っている感じだ。 しかし、末娘役のリュディヴィーヌ・サニエなんか、それほど美人女優って感じじゃない、どちらかと言えばファニーフェイスだけど、すごく可愛く見える。 ダニエル・ダリューも、ヴィヴィアン・リーと並ぶ世界一の美女と言われたカトリーヌ・ドヌーブも、トリュフォーの愛人ファニー・アルダンも、綺麗っていうより恐い。確かに魅力的だけど、私が男だったらリュディヴィーヌ・サニエ嬢の方を選ぶわ・・・ やっぱなんだかんだ言って、女は若さよのぅ・・・(泣) 6点(2004-07-05 20:06:15) |
92. 隠し砦の三悪人
昔見た時は、時間を忘れて「面白い!」と思ったのに、再観したら・・・長かったぁ~ ストーリーは秀逸だけど、この尺の長さに耐えうる多様さはないよ。むしろこういうのはスパスパッとテンポ良く行って欲しい・・・と思って、ふと気付いた。私の頭が、ハリウッド仕様のアップテンポ仕様になってしまっているのかもしれない。長い間とか、身体の動きとか、表情の動きを、じっくり捉えてじっくり観る能力が、私の方に欠落してしまっているのかもしれない。もうちょっと歳をとったら、もう一度見たい一作です。雪姫のキャラは好きだなぁ~ 7点(2004-07-04 10:10:43) |
93. クイルズ
全てが過剰。やりすぎ、騒ぎすぎ。でもそれがイイんです!! 淫乱な処女でケイト・ウィンスレットって、もうその設定自体が妄想の世界ですよね。ジェフリー・ラッシュの、ただの変なおっさんなのか、本物の天才なのか、オーラがあるのか無いのか判らない扱いにくさもさすが名優、唸らされました。それにホアキン。君が清廉潔白な神父で終わるなんて事は無いと期待していたよ。素晴らしい! ホアキンらしいオチだっ!! 全編通じてビアズリーの絵の様。ヘンにおりこうぶらずにやるべき所まで突き進むこの姿勢。あっぱれです。 9点(2004-06-27 23:29:17) |
94. ラスト サムライ
これはハリウッドの娯楽映画なのだな、と思った。武士道とか、サムライとか、どうだっていいのよ。ファンタジーと一緒。日本人以外がこれを見る感覚は、「ラスト・オブ・モヒカン」とか「ブレイブ・ハート」を我々が見るのと一緒。藤本ひとみの小説を読むのと一緒。大地真央の洋もの芝居を見るのと一緒。をわおゴージャス、神秘的、ちょっと変? まいっか、映画だし。 どうせそうなんだから、思いっきりブチ壊してくれた方がまだきっと楽しかった。どうせなら全員全部英語にして、敵を思いっきり無能でオバカに描いて、もっと日本人の閉鎖的なイメージをバシバシ出して、それでも村人と打ち解けちゃうナイスガイ、ネイサン@トムクルーズみたいなストーリーにすれば、もうちょっと米国でヒットしたのではなかろうか。変にコムズカシく描いているから、外国人にはいまひとつ理解しづらいだろうし、日本人から見ると、頑張っているけどそれでもやっぱりちょっとヘン。とても宙ぶらりんで、中途半端な映画。渡邉真田両氏の熱演が空回り。個人的に小雪さんは綺麗で良かったです。日本女性的美しさをアピールしていた彼女が一番エライかも。 4点(2004-06-27 10:55:33) |
95. 白雪姫
1937年って、昭和12年ですよ~ 盧溝橋事件の年ですよ~ ジャック・ニコルソンやロバート・レッドフォードがおぎゃあと産まれた年ですよ~ その頃に、これだけのクオリティの長編アニメーションを作って、きらびやかなプレミアを催し、観る者をうっとりさせたアメリカっていう国は、世界のリーダーを自称するだけの事はある、すごい能力を持っているなぁと、ひたすら感心してしまった。今見ても、古めかしさは確かにあるけれど、それを超えた美しさと夢がギュっと詰まっていて、あの動物たちの動きのリアルさとか、ただただ見ほれてしまう。白雪姫という名作を「コミカル」にして、子供たちの想像力を奪ってしまった罪は大きいけれど、それだけの影響力を持ったビックな作品であったという証拠でもある。ひたすら凄い。 9点(2004-06-21 08:44:31) |
96. 壬生義士伝
原作の良いエッセンスを捨てて筋書きを忠実にした結果、吉村の美学が説明しきれず駄作になっているような気がする。わたしなら、大野と吉村の息子二人のシーンなんかばっさりカットして、もっと吉村に焦点を当てるのになぁ。あぁ~ 原作は良かったのになぁ。中井貴一の演技はとても良かったです。佐藤浩市も良かったんだけど、某ドラマの芹沢鴨と演技がかぶっちゃって・・・ スンマせん。 3点(2004-06-19 18:02:32) |
97. タイタス
すごくぞくぞくして、ビ~~~ンと痺れる感じ。監督の感性に圧倒される。二時間四十分、どっぷり世界に浸らせてもらいました。面白かった! 素晴らしい、毒のある美術品を見ている様。脚本というのは時代に合わせて変化させてもいい物だと私は思っているので、現代と混じり合う演出に抵抗はなかった。どちらかというと、現代でも古代でもない、不思議な異世界の物語という印象。 ただ、主演が・・・。ジェシカ・ラングはじめ、ムーア人演じた黒人さん、息子たち、皇帝はハマり役だったけど、アンソニー・ホプキンスがどうしても馴染めなかった。確かに演技力あるし、狂気を演じると超一流なのはわかるけれど、威厳とカリスマが無い。農家の小父さんにしか見えない。ショーン・コネリーあたりが演じると良かったのでは? 血が通った悲劇、という印象の映画。スクリーンで見れなかった事が悔やまれる。 8点(2004-06-14 18:12:38) |
98. ジャイアント・ピーチ
クレイアニメかと思ったら、いきなりものすごいメイクの叔母さんが出て来たので、びっくりしました。いじめられる両親がいない子供というありきたりな設定を、ここまでシュールに描いてしまう世界観には感心しましたが、この映画のターゲットが一体何歳なのか、かなりナゾ。息子(5歳)は、面白くなさげな様子でした(ジャック・スケリントンの登場シーンだけは喜んでた!)。大人向けという程の内容でもないし。う~~ん。全編通じて色々なモノが気色悪かったというのが一番の感想。ミミズもキモいし、魚の頭もキモいし、熟れた桃の感触もキモいし、蜘蛛の目つきもキモいし、謎の老人ピート@ミスターコバヤシも微妙にキモかった(てゆーか笑えた)。映画玄人好みってかんじ。 6点(2004-06-13 11:52:36) |
99. メイド・イン・マンハッタン
代々政治家一族なんてさぁ~ 絶対口うるさい姑がいて、「どこの馬の骨・・・」云々と一生言われ続けるわけだ。絶対元旦那は金せびりに来るでしょ。またゴシップよ~。しかもあの男はJloの外見に惚れただけなわけでしょ。そうするとJloが老けてババァになったら、絶対浮気するね。何たって金と権力があるんだから、女なんてよりどりみどりよ~。・・・・・この映画を見て、こんな感想しか抱けない自分の乾燥ぶりが悲しい。中学生の頃、「プリティー・ウーマン」を見た時は、もっと素直にうっとりしたのに。ハァ・・・・ 小泉さんもホテルのメイドさんと再婚したりしたら支持率上がるかもねぇ~ 5点(2004-06-07 13:23:23)(笑:1票) |
100. ウェルカム!ヘヴン
とっても面白い映画になれる要素がたくさんあるのに、どこか重大な部分が抜け落ちて失敗している作品。それはボクサーの魂が持つ意味がけっきょくうやむやに終わったせいかもしれないし、人間になる云々の所が説明不足で、無理矢理纏めた感が拭えないせいかもしれないし・・・う~ん、判らない。判らないけど何かが足りない。キャスティング最高! ファニー・アルダンとガエル・ガルシア・ベルナルの組み合わせって、相当ありえないのにすごく自然で笑えた。ペネロペも可愛かった。彼女のが演じたキャラクターではコレが一番好き。そしてハビエル・バルデム!! 美味しすぎです。絵の見せ方も、お軽い映画なのにヨーロッパらしい濃淡があって飽きなかったし、登場人物が皆でコスプレしているみたいな衣装も楽しかった。う~ん、つくづく惜しい。 7点(2004-06-07 10:56:53) |