81. デスペラード
う~ん....。かのジョニー・デップがこの映画のパート2に出て「こんなにやめたくないと思った撮影は初めてだ。云々」などと某雑誌で言っていたので、こりゃ見にゃなるまいと借りてきたのはよかったのですが、意外に笑うに笑えぬ代物でした。アントニオ・バンデラスとサルマ・ハエックは文句無しに良いですけどね。タランティーノがこれに出ているのもなんだかとても納得できる感じでした(自己満足つながり?)。決してラテンものは嫌いじゃないんだけどなあ。「エバースマイルニュージャージー」なんて最高に好きだし........。(やっぱりちょっとウェット好みかな) 6点(2003-12-28 01:19:37) |
82. キル・ビル Vol.1(日本版)
二人目を出産して間も無いユマ・サ-マンが何故このような血みどろ映画に出演したのか、(彼女に愛想を尽かされたと言われている)イーサン・ホークファンの私は、感慨深い気持ちで見てしまった。一筋縄でいかない女を妻にするには、それなりの根性と懐の深さが必要って事ね、きっと。誰かを殺さなければすまないほど強い愛情の存在を、彼女は表現したかったのかも。「やくざなんかになっちゃいけません!」って、男の子のお尻をペンペンしていたものね。さすがは母。思ったほど手飛び足飛び首飛びは気持ち悪く無かった。しかしながら選曲はベタすぎ。そして特筆すべきは栗山千明の眼力。 6点(2003-12-04 22:37:22) |
83. リーグ・オブ・レジェンド/時空を超えた戦い
「海底2万マイル」や「ジキルとハイド」が大好きな吾が息子に懇願されて行ったものの、ムムム.....? 皆さんが言うようにもう少し必然性があれば面白かったのにな、と。いかにも2ができそうなラストもちょっとやりすぎかな。(原作の読みが足りなかったのか)ネモ船長がインド出身と知った息子は大ショックを受けていた。だって1年前くらいに見たテレビ版ではマイケル・ヶインが演じていたんだもの。そりゃ驚くわ。 6点(2003-12-02 15:59:04) |
84. ノッティングヒルの恋人
ジュリア・ロバーツは、ちょっとした表情はいいけれど、演技はあまり上手くないのではないかな? ヒューの家がマスコミにばれてキレている時も、撮影の合間に「あの人は過去の人よ」と嘘をついている時も、可愛げのかけらも無かったもんなぁ.......。あ、でもこれって、裏を返せば嘘(芝居)が上手ってこと? ン~わからなくなってきた。ノッティングヒルの本屋が、なぜあれほど彼女を恋い焦がれたのか、私には解せない。結局問題は、実生活では頭がきれて毒舌家のヒュー・グラントが、あんな女性に本気で肩入れしないだろう、とつい思ってしまうところなのかも。同じ人の良い役なら「いつか晴れた日に」の方がハマリ役。それと、やっぱりスパイクはGOOD。良識ある大人の友人たちの中で、ひとりだけふわふわしているあのアンバランスさが最高! 6点(2003-11-26 13:50:33) |
85. いつか晴れた日に
学生時代、とある名言集にあった「貞淑とは情熱の怠惰である」という言葉に、どちらかといううと分別臭いタイプだった自分は、胸を捕まれるような衝撃をうけたものでした。でも、この映画を見て、それがすべてではないと安堵。愛する人の本当の気持ちを知って、エマ・トンプソンが抑えきれずに泣きじゃくるシーンは、もうこれだけでも見る価値あり! というくらい素晴らしい。人の心を揺さぶるような演技ができる人ってすごい。こういうのを見ると、役者が芸術家だということを思い出します。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2003-11-25 10:36:19)(良:2票) |
86. 恋のためらい/フランキー&ジョニー
なにもかも経験して、わかりすぎるほどわかっていて、でもやっぱり愛する人にこういう風にできる人は素敵だ。そんなジョニーのキャラクターに、パシーノは見事にはまっていたと思う。ためらうミシェル・ファイファーを下からすくいあげるようにキスするシーンは本当に素敵!(泳いでいるような手が好きなだあ)花屋さんたらいいところでシャッター開けるのね。この映画がいいと感じるなんて、私も大人になったってことなのかな。 8点(2003-11-08 20:03:59)(良:1票) |
87. 過去のない男
全てを失った後、一から始める人生。部屋にミュージックボックスを持ち込んで、自分で畑を耕して、愛する人とキスをして.....。人間って、捨てたもんじゃないな、と素直に泣けました。カウリスマキ作品の事はずっと気になっていたのに、ようやくこれが初めて。噂の選曲センスに案の定ノックアウト。お見事でした。 8点(2003-11-06 18:44:07) |
88. グラディエーター
私は仕事の手をつい休めて、小学生の息子は「早く寝なさい!」との怒声にもひるむことなく最後まで見てしまったので、やはり面白い映画なのだと思います。くるりと振り返って「我が名はマキシマス.....」と答えるところなんて、男の子にはたまらない恰好良さだったようですね。ホアキン・フェニックス演じるところの「愛する人に愛されたかった哀しくも愚かな暴君」に点数の半分を献上します。あとはセットとラッセル・クロウに半々で。 8点(2003-11-03 19:22:15) |
89. エバースマイル、ニュージャージー
世の中から虫歯を無くすという使命のもと、乾いたパタゴニアの平野をひたすら走っていく主人公に、本気で惚れ込みました。世の中、矛盾は多々あれど、自分が信じ、自分を信じてくれる「何か」がひとつでもあれば、それでも進んでいけるのです。彼にとって彼女は天使で、彼女にとって彼は救いだったのかしら? 絶望のどん底から主人公が「立つ」シーンが大好きです・ ラストの音楽も最高! 9点(2003-10-19 20:08:07) |
90. クレイマー、クレイマー
初めて見たのは高校生の時。父親と一緒に映画館でだった。ジャスティン・ヘンリーが上手いなあ、音楽がいいなあ、という程度の思いで外に出てびっくり! 普段あまり感情を表に出さない、もちろん、私達子供に対して大した愛情表現を示すこともない父が泣いていたのだ。以来、心の奥にずっとそのことが残っていて、自分が母親になってもう1度見た時に解った。私が子供を愛しているように、父も愛していてくれたんだな、と。いろいろな事柄が積み重なって起こる心の揺れやひだ、そして人間の普遍的な問題を細やかに描いた佳作だと思う。 8点(2003-10-04 16:51:27)(良:2票) |
91. エド・ウッド
いわゆる「下手の横好き」みたいな映画を製作する監督は、本当はあまり好きではないのです。見ているうちに辛くなってきて「才能ある人にまかせて、こんなことするのやめたら?」とついつい思ってしまうから......。でも、この監督の映画なら、見てみたいと本気で思いました。何が違うのか考えてみたら、そう、多分、エド・ウッドには美学というか、信念があるのですね。詐欺まがいとも言えるはったりをかましてまで貫き通してしまう意志。もちろん、ティム・バートンとジョニー・デップにも。だから、琴線にビンビン触れました。拍手×3。 8点(2003-09-25 10:16:33) |
92. ボクサー(1997)
何百年にも及ぶアイルランド闘争の苦しみは、日本人である私には到底解り得るものではないけれど、絶望の中でも諦め切れない何かを抱きしめ続ける主人公の気持ちだけは、少し解るような気がした。愛する女性を抱きしめたいのに抱きしめられず、そっと彼女のおでこに手を充てることで気持ちをおし殺すシーンでは、主人公の切ないほどの感情が指の隙間からこぼれ落ちるのが見えるようで、不覚にもおいおいと泣いてしまった。「ギャング オブ ニューヨーク」までの数年間、映画に出演しなかった(できなかった?)ダニエル・ディ・ルイス、まさに渾身の演技だったのでしょう。う~んお見事。 9点(2003-09-16 21:38:38) |
93. パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち
私「ねえ、ジャック・スパロウのキャラクターって、ストーンズのキース・リチャ-ズがモデルなんだって。似てる?」 夫「確かに」 私「お母さんの好きだった台詞はねえ、ブラックパールを追っかけている時に言っていた......」 息子「『北を指さないコンパスでどうやって追い付こうっていうんだ?』『だって俺達は北に向かって行く訳じゃないだろう?』ってところでしょ?」 大当たり~! 観賞後、息子はどんな夢をも指し示してくれる「スパ(ロウ)ナビ」なる架空の発明品を考案しちゃいました。大人も子供もワクワクさせてくれたスパロウ船長に感謝。月夜の海底をひた進む骸骨の行進も幻想的で素敵でした。ディズニーの底力を久々に感じさせてくれた一級の娯楽作品。音楽も最高! この夏、テレビからこのテーマソングを何度聞いたことか。ともあれ、間違いなくデップの代表作のひとつになるでしょう。 8点(2003-09-16 16:06:42) |
94. リトル・ダンサー
《ネタバレ》 才能を開花させ、夢を実現するには、リスクと責任がともなってくる。「ビリ-の才能を伸ばしてやるんだ!」と叫び炭坑へと戻っていく父親と、それに応えて自らの道を切り拓いたビリ-。彼は父親だけでなく、多くの人に夢を与える人間になり、これからも輝きつづけるのだろう。ラスト、鼻を真っ赤にして開演を待つ父親の顔に、ただただ感動してしまった。ところで、なぜ舞台袖にいるダンサーが皆男なのか? なぜビリ-は王子ではなくて白鳥なのか? どうしても腑に落ちなくて調べたら、全員男性キャストということでセンセーションを巻き起こした前衛的な「白鳥の湖」だったのですね。青年ビリ-を演じたアダム・クーパーなる人物もすごい人らしいし......。知ってて見たら、もっと良かったな~。 8点(2003-07-07 09:26:10) |
95. ハムレット(2000)
企画倒れです。どなたかの仰るとおり。予告編がものすごく洒落ていたから(しかも、あの、サム・シェパ-ドまでが出演しているし)かなり期待していたのに.....。時代が移り変わっても、変わりえない人間の性を描いた、という視点は評価できるし、イーサン・ホークのニット帽も似合うとは思う。でも、でもね。前衛的なものを創りたいのならば、古典から題材を引っ張ってくるだけではなく、そこから手法をも学ばなくては。ところで、ジュリア・スタイルズはシェークスピアつながり(?)で問題作「O」も出演したりして、かなりクールな注目株。現役ハーバード大生であまり美人じゃないというところがニクイ感じ。 5点(2003-06-26 00:06:33) |
96. ウォーターボーイズ
選曲が◎。学園天国もシルビー・バルタンも、思わずニヤニヤ笑ってしまった。でも、これって年齢に関係あるんだろうな、やっぱり。途中、あららと思うことはあるけれど、ラストのカタルシスっぷりだけでも一見の価値はあり。「あなたに~打ち明けよう~♪」と彼女の眼前で踊る鈴木君は、文句無しにcute! こんな映画で初主演を飾れたツマブキ君は幸せもの。頑張らなきゃ、ね。 7点(2003-06-25 23:36:35) |
97. WASABI
広末涼子がすべて。点数は彼女に献上。こんなにいい女優(演技という意味ではもうひとがんばり)とは思ってもいなかった。国際経験豊かなスタッフを向こうにまわし、ひとり気をはいた小さなジャパニーズガールに拍手。銀行での銃撃シーンで、ジャン・レノにかばわれながら踊るように弾をかいくぐるヒロスエは、文句無しに美しかった。 5点(2003-05-29 11:40:22) |
98. サブウェイ
個人的にベッソン作品のベスト1。エリック・セラの音楽がズンズン響くスピード感溢れるオープニングも、全編を覆い包む独特のセンスも、何かありそうで何てことのない展開も、クリストファー・ランバートとイザベル・アジャーニのダンスシーンも、どれもすべて好き! とはいえ、傑出した才能の持ち主(監督)が、処女作以降、そう簡単に傑作を量産できるものではないということを示した顕著な例といえるかも。C・ランバート(「グレイストーク」までは良かったのに。トホホ)以外は今や皆一流どころになってしまったし、彼ならではの良さをダメにしたのはハリウッドかダイアン・レインか。 9点(2003-05-29 11:31:48) |
99. RETURNER リターナー
映画館で見た時はかなり興奮した....はず。なのに、子どもと一緒にビデオで見たら、ムムム? 「マトリックス」等、最近のCGに慣れっこの彼等には、いま一つの迫力だったよう。画面で見ると、いかに無駄が多いかわかったしね。先日どこかのテレビで「ピンポン」の監督と対談をしていたけれど、「好きこそものの上手なれ」みたいなことを言っていた。え~~~。そりゃいかん! 今からどんどん撮っていく人間が、そんな志しの低いことでどうする~~~! でも、鈴木杏が朝日を見て悔し泣きするシーンには、三重丸献上。彼女の真摯さがこの映画を救っていると思う。あまり太りすぎないようにして、いい女優になってほしい。英語の発音も綺麗だし、また「ヒマラヤ杉に降る雪」みたいな作品に出演しないかな。 6点(2003-05-26 22:19:34) |
100. スタンド・バイ・ミー
公開当時、20才そこそこだった私は、あまりにも青春のまん中過ぎて、この映画が持つ胸を締めつけるような切なさを、まだ感じとることができなかった。あれから17年。息子(8才と10才)と一緒にBSで見てみたら、信じられないくらい涙が溢れてきて、自分でもびっくり。息子たちにはまだ分からなかったようだけれど(1番気に入ったのはゲロのシーンだったし)見終わった後、下の子が「もしお兄ちゃんが死んだら、僕の方がよかったって思う?」と聞いてきたので、母はこれでノックアウト。どうでもいい大人のどうでもいい一言で人生を台無しにする必要はないと思いながらも、当の子どもにとっては、何よりも心に突き刺さる一言になりかねないんだなあ、と痛感。実の親ならなおのこと。ちゃんと育てていかなくてはと思い直させてくれたことに多謝多謝。 8点(2003-05-26 15:23:01)(良:1票) |