81. 顔(1999)
《ネタバレ》 生き方が、人生に対峙する姿勢が、「顔」を創るという例を示した映画かな。創られた「顔」が、今度はその人の人生を規定する。「吉村正子」は引きこもっていた自分の小さな殻(島)から、自転車でも、泳いででも抜け出すことはできなかった・・・。ま、とにかく役者藤山直美の絶妙な演技、女優大楠道代の洒脱な仕草に酔いしれることができました。ただ、贅沢なキャストたちの演技のデパートの中で、豊悦はあんなんでいいのだろうかと心配してしまいました。 8点(2004-09-26 23:04:41) |
82. スパイダーマン2
《ネタバレ》 メリー・ジェーンは婚約者にピーターのことをどうでもいい人と言ってしまった。そう言い放った瞬間、メリー・ジェーンは心の透き間が広がるような胸の苦しみを感じ、無意識のうちに何かを確認したい衝動にかられた。そして、婚約者に仰向けになってもらいキスをする。あのときと同じ逆さになって・・・違う。雨の日の逆さキスが自分を満たした安心感が得られない。自分がキスをすべき愛する人はこの人じゃない。 と言うことなら、そう確信したんですから、やはりもっと早くに結婚式をキャンセルすべきじゃないかな。敵を作ってしまったね。 で、結論ですが、アメコミがこんなにおもしろい映画になるなんて、感動しました。1よりもさらに楽しめたと言うか、のめりこめました。これはこうなるとわかっていながら、笑ったり、じーんときたり、「寅さん」を見る安心感に通ずるものがあります。3も楽しみです。年甲斐もなくタトゥーで遊んでしまいました。 8点(2004-08-11 23:26:55) |
83. ラスト サムライ
「葉隠」に、『恋ひ死なむ後の煙にそれと知れ終にもらさぬ中の思ひは』という歌が理想的な恋のあり方として紹介されています。「葉隠」の著者(口述者)が言うところの「武士道」に通ずるものらしいのですが、だとしたらあの「キス」は彼の言う「武士道」を否定することになってしまいます。ただし、「武士道とは死ぬことことと見つけたり」は彼の有名なことばですが、彼自身主君(もちろんミカドではありません)に殉死することもなく命の危険のないところで、剃髪し隠遁生活を送った・・・う・う・う・・・よくわかりません。 映画そのものは退屈せず見ることができました。なおてぃーさんがおっしゃっていましたが、まさに「日本を舞台にした西部劇」と割り切ってみればすべて笑って済ませます。 6点(2004-08-08 23:15:55) |
84. 大地のうた
何年前だったのか忘れるほど昔に見た映画ですが、そのときの感動は忘れません。モノクロームの映画ですが、そのとき、カラーフィルムでは表現できない「色」を確かに感じていました。生と死の永遠の繰り返しは、モンスーンアジアに生きる人にとって、雨季と乾季の繰り返しの生活から必然的に生まれる発想なんでしょうか。いまの日本の若者たちに是非みてもらいたい映画です。 10点(2004-07-04 08:01:58) |
85. さらば、わが愛/覇王別姫
脚本、演出、美術、音効、衣装、メイク、役者の力量、そしてカメラ技術などなど。これらが影響し合って圧倒的な力を持ってスクリーンから迫ってくる。わたしは客席に座ったまま、ただただその力に翻弄される快感に酔いしれるのみだ。わたしはこれ以上の快感に出会いたくて今まで映画を見てきたが、まだ出会ってはいない。 10点(2004-07-04 06:29:37) |
86. オリーブの林をぬけて
そうだ、ポットとグラスはそこに置いてタヘレを追いかけるんだ。君の人生で最後のチャンスなんだから。なにがなんでも今返事を聞かなくては。ホセインは丘を駆け下りる。オリーブの林を抜けてひたすらタヘルを追いかける。つんのめって転びそうになっても乾いた赤土の小道を走り続ける。やがてタヘレに追いついて、息を切らせながらホセインは聞く。「ねえタヘレ、ハア、ハァ、どうしても君の返事が、ハア、ハァ、欲しいんだ。」「・・・」「タヘレ、ハア、ハァ、お願いだ。」「・・・お茶を飲んだら?わたしものどが渇いたわ。」「!、とってくるよ!」ホセインは今来た道を小躍りしながら戻っていく。・・・ いや、違いますね。ポットは空のはずだし、ホセインが戻ってくると確かタヘレは先に進んでいましたから。でも、ハッピーエンドですよね。デイ・アフター・トゥモローを映画館で見た翌日、偶然テレビで見たんですが、ほっとする映画でした。最後のホセインが追いかけるシーンは、二人に純白の衣装を着せて見やすくはしているのですが、なにせテレビの小さな画面では白い点が動いているだけでやや物足りませんでした。未見の人はぜひ映画館でご覧下さい。デイ・アフター・トゥモローとは違う意味で。 7点(2004-07-03 09:38:30)(笑:1票) |
87. デイ・アフター・トゥモロー
年に何度か、映画館の大スクリーンでCG映像を見て、「うあお~っ!」とか「す、すっごいっ!」とか、思い切り言いたくなるのですが、今年はこの映画で満足です。CGスタッフはできあがりのフィルムを確認して目を潤ませて握手し合ったはずです。お疲れさまでした。ここまでは10点。ですから、ストーリーにはこだわらずCGで見せる映画として割り切って作ってくれれば良かったのに、残念! だいたい父さんは息子を助けるって、自分の予想ではどんどん嵐はひどくなるのに、どうやって助けようとしたの? 父さんの予想が外れたからよかったものの、予想が当たってますます嵐がひどくなって図書館に着いたら、君たちの分の食料でとんでもない迷惑をかけるところだったでしょう。中途半端なオオカミのエピソードを入れなければこんなこと言いたくなかったのに、残念! 7点(2004-07-02 23:27:27) |
88. アバウト・ア・ボーイ
マーカスのような子は苦手で、不快だったはずなのに、最後のストップモーションの笑顔の時は明らかに好きになっていた。わたしもウイルだったらああなったんだろうか・・・でもいやだ。わたしもうまくやられてしまった。イギリス映画のような雰囲気やセリフ回しも良かった。そしてマーカス君もママもとてもいい演技でした・・・でもいやだ。 6点(2004-06-28 23:15:17) |
89. イギリスから来た男
《ネタバレ》 まさに編集の妙。映画でなくては表現できない世界を楽しませていただきました。受話器を持った愛する娘の回想シーンをしっかり焼き付けておかないと、夜の海岸でなぜやつを撃ち殺さなかったのかすとんと落ちずに悶々としてしまいます。でもわたしなら、倉庫で悪党に耳元でささやかれた、娘を侮辱する忌まわしい言葉(のはず)を聞かされた怒りのエネルギーはクールダウンせず、海岸で引き金を引いてしまうと思います。受話器を持って愛するものを必死に止めようとする娘の思い出は、独占したいですしね。 7点(2004-06-27 23:03:45) |
90. オーシャンズ11
《ネタバレ》 ベネディクトが冷徹な設定なら、宝石か爆薬か見抜けるはず。そして警察にも息がかかったのが何人かいるはずで、特別機動隊S.W.A.Tのド派手な車は、カジノの前に着いた時点で怪しまれているでしょう。そしてなにより、噴水前ののんきな顔見せ。プロならさっさとずらからなくてはリアリティがない。ついでに、ハリウッド映画によくある中国人(東洋人)蔑視の映画でした。でも、そこそこおもしろかったので5点献上! 5点(2004-06-25 23:50:01) |
91. 39 刑法第三十九条
「あにやんさん」の疑問に同じ。でもわたしはそれが致命的に思われるので評価は低くなります。(「山の郵便配達」も、やはりストーリーの大前提がわたしには許せないものでした。) また、監督の役作りにも難があり、リアリティに著しく欠けるところが散見され、「模倣犯」よりも低い評価となりました。 3点(2004-06-13 23:34:53) |
92. 毎日が夏休み
つまりはおとぎ話ということで自分に言い聞かせ、納得しました。それにしても少女のもったりしたナレーションは、演技と見せない素人臭さの域を逸脱して、素人そのままとはいかがなものか。ま、だんだんかわいらしさが伝わってきたものの、それは監督の意図とは思えない(廊下のスキップは良)。スカパーで見たのですが、画質がレンタルビデオ並みだったのが残念! 4点(2004-06-10 22:53:32) |
93. マーキュリー・ライジング
先に掲示板で酷評の数々を見て、さあ、ブルースウィルスはどんなつまらない映画にでたのかなと、妙な好奇心で見たのですが、以外や以外!おもしろいじゃないですか!個人的にはアルマゲドンより数段おもしろかったんですが、一応7点としておきます。減点分はあえて書きません。 7点(2004-06-07 23:09:30) |
94. マーサの幸せレシピ
《ネタバレ》 マーサは、シェフとして、独身の一人の女として、生きていくためには他者との関係に一定の間隔を置かなければならなかった。それでどうにかやってこれたのに、母親を亡くした姪との関係には戸惑ってしまう。彼女(リナ)も戸惑いは同じだ。そんなぎくしゃくした二人の気持ちを和らげるのはイタリア男、マリオ。イタリアの空の下での結婚披露パーティでマーサはとびきりの笑顔を見せる。この映画、マーサが幸せを見つける過程を丁寧に描いたものなら、マーサにとって、まさに幸せになるための「レシピ」ですから、とやくか言われがちな邦題ですが、これでいいのでは、と思いました。 8点(2004-05-30 23:39:33) |
95. バイオハザード(2001)
《ネタバレ》 確かにホラー好きには不満の残るできでしょうが、ホラー嫌いの私には楽しめた作品です。ただ、わたしはゾンビやキョンシーの出る映画はお子さま向けという先入観があるので、ゾンビには辟易しました。そして前半で、黒人がみんな死んで白人だけが残るなんて事にならないよな、というやな予感が脳裏をかすめたんですが、それが当たってしまって、残念! 6点(2004-05-24 23:12:42) |
96. シャンプー台のむこうに
《ネタバレ》 ママとモデルがコンテストのためにあんなに準備をしていながら、その直前に駆け落ちをした理由が理解できないから、仲直りの過程もどうとらえていいのか迷いながら流されて見てしまった。足や頭にタトゥーを入れる経緯やコンテスト直前の別れなど、10年前の方がドラマになったのでは。レイチェル・リー・クックは確かにかわいかった。 4点(2004-05-18 20:58:06) |
97. 9デイズ
豪華なB級アクションコメディと言うと怒られるかな。アンソニー・ホプキンスやクリス・ロックの演技をそのまま受け入れたわたしにとっては結構きわどくおもしろかったけど、中途半端な演技と受け取った人には耐えられないかも。映像については、トリプルXよりもプラハをしっとりと美しく撮っていたと思います。最後に、「9デイズ」なら9日間のカウントダウンではらはらさせてもらいたかった。みなさんおっしゃるように邦題に難あり。でもB級アクションコメディと割り切ればこの邦題も許せます。 6点(2004-05-07 23:35:10) |
98. 泥の河
風景のすばらしさ(絵はがき的な美しさではなく)、親子の情愛、作品全体に漂うノスタルジアの趣。どれをとってもわたしには、中国映画「山の郵便配達」より数段上だと思いました。ま、勝手な比較ですが。私の中ではほぼ満点なのですが、主役少年の皮下脂肪に減点1。 9点(2004-05-07 19:09:43) |
99. ザ・プロフェッショナル
《ネタバレ》 男同志の友情は不変なのに、フランとの愛はそんなにあっさり捨てられるのかな。あの終わり方はフランをも利用したことになるので納得できない。せめてそのための伏線が欲しかった。もちろん使いに行かせる前に。後半は雑な展開になっているんじゃないかな。 5点(2004-05-06 23:00:52) |
100. プロフェシー
《ネタバレ》 死んだ妻が電話で何を話そうとしたんだろう。夫を事故に遭わせないために必死に電話をしたのだろうか。でも夫は出かけてしまう。37番を救うために。その婦人警官は電話をしたかという問いに、したと答えたが本当だろうか。していないとした方が余韻が残ったように思う。いろいろ難はあるものの、最後まで飽きずに見ることができました。 6点(2004-04-29 23:26:29) |