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イニシャルKさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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コメント数 1489
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81.  ゴジラ対ヘドラ
主題歌が一度聴いたら絶対に忘れられないほどインパクトがあり、内容もゴジラ映画にしては過激で面白かった。でもあの子役(確か「どですかでん」で乞食の少年をやってた子だよね。)の演技が鼻について困ったので点数は半分にしておく。
[ビデオ(邦画)] 5点(2019-02-02 00:33:18)
82.  白昼の死角 《ネタバレ》 
角川春樹が「悪魔が来りて笛を吹く」に続いて自社作品以外でプロデュースを手掛けた犯罪映画。戦後を舞台に手形詐欺を繰り返す男の生きざまを描いた大作であるが、多少の雑さはあるものの、詐欺の手口の爽快感に加え、出演している俳優陣も豪華で、中でもやはり主人公・鶴岡七郎を演じる夏八木勲の存在感、あまり主演作を見たことなく、どちらかといえば脇役の印象のほうが強いのだが、鶴岡の冷徹な悪人という部分をうまく出していて主役として見事なはまり役。事件を追う検事役の天知茂もそれ以上の存在感があり、緊張感のあるこの二人の対決もみどころの一つとなっていて、2時間40分近い長尺(村川透監督の映画でここまで長いのは珍しい。)ながら最後まで飽きずに見ることができた。最初のニセ会社を使った詐欺の部分における藤岡琢也演じるニセ社長が鶴岡に演技指導を受けるシーン(この藤岡琢也や西田敏行の使い方がさりげなく良い。)や、原作者の高木彬光がカメオ出演したそのニセ会社の社員を募るオーディションのシーンは思わず笑ってしまう。カメオ出演といえば初期の角川映画では角川春樹がほぼ必ずカメオ出演しているのが常だが、本作では鶴岡に金をだまし取られた専務(佐藤慶)の会社の社長役で、出番やセリフもいつもよりも多い気がする。冒頭は隅田(岸田森)の焼身自殺というショッキングなシーンだが、それに対してラストは鶴岡が替え玉を使って焼身自殺を装って国外逃亡というのが見事にリンクしていてそういうところも良かった。(ちゃんと伏線となるセリフも劇中にあり。)ただ、鶴岡の詐欺をひとつひとつもう少しじっくりと見たかったという思いもあって、そういう意味では映画よりも連ドラ向けの物語なのかなと思った。渡瀬恒彦の連ドラ版も機会があればいつか見てみたい。とはいえ、今まで見た村川監督の映画の中ではいちばん面白かったことは確か。ダウンタウンブギウギバンドの主題歌も映画によく合っていたと思う。
[DVD(邦画)] 7点(2018-12-17 23:30:42)
83.  オリエント急行殺人事件(1974)
アガサ・クリスティのポワロシリーズの中でもとくに有名な一篇を映画化したシドニー・ルメット監督によるオールスター大作。最近も日本で三谷幸喜脚本によるスペシャルドラマが放送されていたが、それをきっかけに再見。雪で立ち往生した列車が舞台ということもあってか、何やら舞台劇を見ているような進行で、あまり派手さはない映画だが、あまり退屈せずにそこそこ楽しめた。しかし、アルバート・フィニー演じるポワロにあまり魅力がなく、なんかただの胡散臭いおっさんにしか見えないし、脚本的にもせっかくドラマとして盛り上がりそうな話なのに、筋を追うのに精いっぱいでドラマ性が薄く、登場人物たちにもさして感情移入できなかったのが残念だった。ただ、容疑者たちがみんな怪しく、誰が犯人かと思わせておいてのあの真相は意外性があり、うまいと思う。(でも、脚本というより原作の力が大きいような気もする。)日本語吹き替え版で見たのだが、吹き替えで出演している納谷六朗や大塚周夫が最近亡くなってしまったのが惜しい。ルメット監督と言えば「十二人の怒れる男」が思い浮かぶが、本作も「12」という数字がキーワードになっているのはたぶん偶然だろうけど、「十二人の怒れる男」を見た後になって本作を見ると、それだけではないのではとつい勘ぐってしまう。(2015年2月11日更新)
[DVD(吹替)] 6点(2018-11-29 22:32:04)(良:1票)
84.  トラック野郎 度胸一番星 《ネタバレ》 
シリーズ第5作。相変わらず無茶苦茶なストーリーながらも、原発建設によって故郷の村を追われたジョーズ(千葉真一)があらくれ者になって仲間(ジョーズ軍団)を引き連れて帰ってくるシーンは今になって見ると考えさせられるものがあるし、桃さん(菅原文太)の故郷もダムに沈んでいることを思うとこのシリーズはただ無茶苦茶でバカな笑いだけでなくこういうシリアスな部分にも毎回ではないが触れるところにも魅力があるのだと思う。今回もいつものごとく分教場の教師であるマドンナ(この設定にどうしても「二十四の瞳」を思い浮べずにはいられない。) 水名子(片平なぎさ)に惚れ、振られてしまう桃さんだが、それは桃さんの勘違いで水名子も桃さんに魅かれていて、桃さんが水名子にプロポーズされるというのが新鮮で、5作目にしてようやく恋が実って本当に良かったねと思っていると水名子が豪雨の中、土石流に飲み込まれて命を落とすというまさかの結末があまりにも悲しくて切なくてつらい。これは失恋ではなく完全に悲恋だ。「先生、なんで死んじゃったんだよ。」という教え子たちの悲痛な言葉も胸を打つ。桃さんが今回、逮捕されてしまったジョナサン(愛川欽也)の代わりに魚をクライマックスで運ぶことになるのだが、その助手席に水名子が子供たちと学芸会のために準備した狸の焼き物を乗せているのは、一見何の意味もないように思えるのだが、桃さんがまだ水名子への思いを断ち切れていないというのが分かってまた切ない。今回ばかりは本当に桃さんに結婚してほしかった。それでも、ジョーズらトラック仲間の協力を得ながら警察の追跡をかわしつつ、ジョナサンのためにトラックを猛スピードで走らせる桃さんはやっぱりカッコよく、この悲恋もすぐに乗り越えられるだろうと思えてくる。「爆走一番星」の太宰治(「生まれてすいません」)に続いて室生犀星の「故郷は遠くにありて思うもの」という言葉が出てくるが、非常に美しい言葉だ。
[DVD(邦画)] 7点(2018-11-04 22:14:11)
85.  トラック野郎 一番星北へ帰る 《ネタバレ》 
シリーズ第8作。いつもは冒頭に主題歌「一番星ブルース」が流れるんだけど今回は流れない、桃さん(菅原文太)がマドンナに惚れた時に星が出ない、と定番をあえて崩していて少し違和感があるものの、それでもなかなか面白かった。今回のマドンナは大谷直子で、このシリーズのマドンナ役としては既にベテランの域なのだが、演じる役も子持ちの未亡人という設定で、このあたりも異色な感じがする(ますます寅さん化してる?)のだが、作品としては桃さんとこの親子の交流を軸にストーリーが展開し、ツボもキッチリと抑えられていて良い。とくに桃さんがマドンナの息子が大事にしていた亡き父の手作りの飛行機のおもちゃをトラックではねて壊してしまい、お詫びにと不器用にも手作り飛行機を作りはじめるところはやっぱり桃さんの優しさを感じずにはいられないし、最初は飛行機を壊されたことで桃さんを嫌っていた子供が桃さんと打ち解けるきっかけもちゃんと描かれているのが〇。その他、シリーズをずっと見ていると2作目で警官時代のジョナサン(愛川欽也)に恨みを持つトラック野郎を演じていた田中邦衛がジョナサンと旧知で桃さんを銭形警部のごとく追い回す鬼警官という前回と真逆の役を演じているのが面白いし、その鬼警官のキャラクターもクライマックスで桃さんが自分の妻の命を救うためにトラックを走らせていると分かっても追跡をやめないところは職務に私情を挟まないストイックさがあるのはなかなか良かった。(その執拗さはめっちゃバカバカしくて笑えるけど。)桃さんの故郷がダムに沈んだことは3作目でも触れられていたが、今回はサブタイトルどおり、そのダムに沈んだ故郷を桃さんがマドンナ親子と訪れるシーンがあるのも、シリーズのつながりを感じられる。そこで桃さんが語る故郷の話や、故郷が無くなったあとの自分のその後の人生はちょっとしんみりとしてしまうが、桃さんの過去が初めて詳細に語られたことで、シリーズとしての厚みも増したのだと思う。(その意味では本作はシリーズ中でも重要な作品だと思う。)その桃さんの話を聞いたマドンナが子供を一人で育てる決心をし、桃さんのもとから去るという振られ方も泣かせてくれていて良かった。(今回、恋敵がいないのでどうなるのかと思ってた。)今回のライバルは黒沢年男演じるアメリカ帰りのコンボイ野郎・九十九だが、もちろんこのライバルとの対決も見どころ。「九十九と書いてつくもだ。」というセリフに「女王蜂」の神山繁をつい思い出してしまった。
[DVD(邦画)] 8点(2018-10-20 17:59:41)
86.  トラック野郎 突撃一番星 《ネタバレ》 
シリーズ第7作。マンネリ化を避けるためか第三のトラック野郎としてせんだみつお演じる三番星が新レギュラーとして登場したり、桃さん(菅原文太)の今回のライバル(川谷拓三)がトラック運転手でなかったり、桃さんがマドンナ(原田美枝子)の上司(樹木希林)に惚れられたり、ジョナサン(愛川欽也)がストリッパーに恋をしたりといろいろもりだくさんな今回。途中から少しダレ気味ではあるものの、相変わらず桃さんはバカだけど熱くて男気があり、それを補う魅力がじゅうぶん。丸一日捜しても見つからなかったイルカをライバルと一緒に探しにいき、発見するのもそうだが、台風で遭難し重傷を負ったマドンナの恋人であるライバルを自分のトラックに乗せて病院へ向かうクライマックスにはたとえ相手が惚れた女の恋人であろうともなんとか彼を助けたいという桃さんの当たり前の優しさを感じられる。病院のたらい回し問題がコミカルさを交えて描かれているが、現実はもちろんこんなものじゃないよなという気になってしまった。以前にも桃さんとジョナサンにこけにされる役柄で出演していた金子信雄が山守を思わせる医者役で再び出演しているが、桃さんとのやりとりが広能と山守のそれを思わせていて思わず笑ってしまった。でも、そんな中でも騒ぐ医者に対して桃さんが放つ患者はもっと苦しんでいるんだみたいな言葉はちょっと重みも感じることができたのが良かった。やはりここぞというときにびしっと決めてくれる桃さんは良いなあ。そのほか、三番星が社長になったと父親(辰巳柳太郎)にウソの手紙を送り、それを信じた父親が会社にやってくるというエピソードの結末もなかなか良かった。今回はシリーズの中でもあまり評判のよくない回みたいなんだけど、確かに散漫な部分や、もう少し掘り下げても良かったと思う部分もあって物足りなさがないといえばうそになるが、それでもいわれているほど面白くないという感じはしなかった。最後にもう少し書かせてもらうと、ライバルを演じる川谷拓三は「望郷一番星」のチョイ役からかなりの出世。樹木希林はつい四日ほど前にも「あん」で見たばかりだったので登場したときにあまりの若さに驚いた。(すぐに慣れたけど。)晩年の味のある演技も良いが、やっぱりこういうコミカルな樹木希林も好きだなぁ。
[DVD(邦画)] 7点(2018-10-13 23:17:18)
87.  告訴せず 《ネタバレ》 
堀川弘通監督が「黒い画集 あるサラリーマンの証言」に続いて松本清張の小説を映画化したサスペンス。主演が青島幸男なのだが、実際に政治家でもあった彼が義兄(渡辺文雄)のわけありの選挙資金を持ち逃げするうだつの上がらない男を演じている時点でなにかブラックなギャグにしか思えないなどサスペンスというよりは風刺喜劇という印象のほうが強いのだが、主人公が常になにかに怯えているという心理描写も見事であるし、小豆相場で儲けた主人公が後半酷い目に遭うのも同じ監督のせいか「黒い画集 あるサラリーマンの証言」と共通するものがあり、見る前は面白くないかもなあと思っていたのだが、けっこう面白かった。でも、「黒い画集 あるサラリーマンの証言」と比べてしまうとやはり物足りない感じがして傑作とまではいかないかな。(作られた時代が違うせいもあるだろうけど。)ヒロインを演じる江波杏子が色っぽく、思わず見とれてしまった。「黒い画集 あるサラリーマンの証言」で刑事役を演じていた西村晃や「砂の器」の加藤嘉、大臣を演じる小沢栄太郎といった脇の面々の演技もやはり安心して見ていられる。改名前の樹木希林が主人公の妻を演じているが、この頃から独特の存在感を発揮していて、やっぱり樹木希林はあまり変わっていないなと思う。小沢栄太郎の部屋の窓の中央に見える国会議事堂がとても印象的で、ラスト、それがアップになって終わるという余韻の残し方がうまい。
[DVD(邦画)] 6点(2018-10-03 19:41:00)
88.  男はつらいよ 寅次郎と殿様
ゲストはアラカンこと嵐寛寿郎。それを意識したような冒頭の夢シーンが笑える。
[地上波(邦画)] 5点(2018-09-06 17:45:08)
89.  砂の器 《ネタバレ》 
加藤剛と橋本忍の訃報を聞き、久しぶりに見たくなって20年くらい前にテレビで見て以来の再見。その時も強烈に残った映画だったので、ちょっと久しぶりに見るのが不安な面もあったのだが、なんといっても橋本忍と山田洋次監督による脚本が巧みで冒頭からすぐに引き込まれる。前半の事件を追う刑事たちを描いた部分ももちろん面白いのだが、やはりこの脚本のすごいところは犯人である和賀英良(加藤剛)の悲しい過去を克明に描くことで、単なる推理ものに終わらない深い深い人間ドラマとしても一流の映画になっていて、これが本作を名作たらしめるゆえんだろう。後半の刑事たちの捜査会議と和賀のコンサートを交互に描き、そこに和賀(=本浦秀夫)とその父である本浦千代吉(加藤嘉)の放浪の旅の回想シーンを入れてくる演出はまさしく映画的で、その放浪シーンもセリフを使わず、「宿命」の美しい旋律と四季をすべて織り交ぜた日本の美しい風景の中に描いていることで野村芳太郎監督をはじめとしたスタッフが映画の力を信じていることが分かるし、やはり見ている側としてもここに映画の素晴らしさというものを感じずにはいられない。野村監督はどうしてもこれをやりたくて松竹でダメなら他社へ行ってでもやるという意気込みだったというが、その熱意はじゅぶんに感じることができる。出演している俳優陣の演技ももちろん素晴らしいが、中でもやはり、和賀を演じる加藤剛は初めて加藤剛という俳優を見た作品が本作だったこともあり、加藤剛といえば真っ先にこの役が浮かぶのだが、それは久しぶりに見た今でも変わらないし、むしろほかの俳優が演じる和賀英良が想像できないほどにイメージが一体化してしまっている。企画の構想段階から既に決まっていたという千代吉役の加藤嘉(初めて本作を見た時、本当に加藤剛の父親と思ってしまった。)も素晴らしく、加藤剛の和賀もそうだが、彼の千代吉無くしては本作がこれほど胸を打つ映画にはならなかったかも知れない。今西刑事を演じる丹波哲郎も抑えた演技が印象深く、やはり名優だと感じることができる。(捜査会議のシーンはこの人ならではの説得力がある。)そして短い出番ながらも心優しい三木巡査をあたたかく演じる緒形拳。とにかく主要キャストのほぼ全員の代表作と言っていいほど、みんな素晴らしい演技を見せていてその点でも見ていて飽きない。そしてもう一人、映画館の主人を演じる渥美清も忘れることはできない。(渥美清と丹波哲郎のツーショットは貴重だ。)でも、今これほどの映画が果たして作ることができるかと言われればはっきり言って疑問。まさに本作は熱意ある優れた脚本と優れた演出、優れた名優たちの演技、これらが三拍子そろったからこそできる映画で、本作のような映画はもう二度と出来ないだろう。橋本忍さん、加藤剛さん(はじめ本作に関わった亡くなった方々)のご冥福を祈りながら、文句なしの10点を。本当に何度でも繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し見たくなるような映画である。(2018年8月17日更新)
[DVD(邦画)] 10点(2018-08-19 18:53:11)(良:2票)
90.  コント55号とミーコの絶体絶命 《ネタバレ》 
今回は55号のふたりが同じ市役所の同じ課に勤める兄弟という設定で、欽ちゃんが弟、二郎さんが兄なのだが、筋金入りのケチな兄に小言を言われまくっていた弟が係長になった途端に兄に上司風を吹かせて仕返しをする最初の展開がいかにもコント的な感じで、二人も兄弟という設定上か先週見た「ワンツーパンチ 三百六十五歩のマーチ」よりもさらに息の合ったコンビぶりを見せている。ストーリーは胃の痛い兄の自分はガンではないかという勘違いから膨らんでいき、それをきっかけに起こるすったもんだが描かれているが、それがありがちながらも笑えるし、弟がひょんなことから知り合った女性(太地喜和子)が県議の娘で、見初められた弟が彼女と婚約するエピソードはちょっとした風刺もあって良い。(太地喜和子のワガママぶりがなんかカワイイ。)旅行に出かけた兄が旅先で知り合った朱美(倍賞美津子)の旦那(田中邦衛)が寅さんのような風貌で笑えるのだが、この倍賞美津子というキャスティングもおそらく寅さんのパロディーを意識してのことでそれを思うとよけいに笑える。(そういえば田中邦衛、この年に公開された「男はつらいよ」の一本に出てたな。)海に飛び込んだ兄を助けたのが弟が恋をしている女性 秀子(由美かおる)だったというのはちょっと強引に感じるものの、兄を死んだことにして香典を集める後半の展開はなかなかの見もので、ここがいちばん笑えた。全体的に「ワンツーパンチ 三百六十五歩のマーチ」よりもペーソスのある作風だが、ラストは市役所を辞めた二人が屋台のラーメン屋になっている姿が描かれていて、そこで秀子にも振られてしまうのだが、それでも前を向いて生きていこうとする姿に思わず勇気づけられた。ほかの出演者では病院で兄に話しかける患者役に三木のり平が出ているのが嬉しい。薬局の店員を演じている和田アキ子が若いながら今とほとんど印象が変わらない感じなのはすごかった。医者役はあんまり見たことがない人だなと思っていたら俳優が本業ではないなかにし礼だったのもビックリ。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2018-08-02 17:13:54)
91.  トラック野郎 男一匹桃次郎 《ネタバレ》 
シリーズ第6作。「トラック野郎」シリーズはベテランもマドンナに起用されることが多い「男はつらいよ」シリーズに対してマドンナ役には当時の若手女優が起用されるのが常だが、今回のマドンナ役は前年にテレビドラマでデビューしたばかりで、これが映画デビュー作の夏目雅子というのがずいぶん思い切っている感じがする。しかし、出来としてはそろそろ息切れが始まったのか、今まで見た4本(5作目まだ見てない。)と比べると、面白いことは面白いんだが、普通の喜劇映画になってしまってる印象でちょっと物足りないし、夏目雅子は役名も雅子でいかにも売り出し中の新人という感じで初々しいのだが、先に「瀬戸内少年野球団」や「魚影の群れ」を見てるせいか、本作での演技はセリフが棒読みで硬く、かなりぎこちなく思えてしまうのは仕方がないか。鈴木則文監督が脚本を担当していた「緋牡丹博徒」シリーズでコメディリリーフの熊虎をレギュラーで演じていた若山富三郎がライバルのトラック野郎(通称子連れ狼というのがこのシリーズらしいなあ。)を演じているのはなにか感慨深いが、あまり生かし切れていないのが残念。フグを食べて毒にあたった桃さんが毒を抜くために首だけ出して地面に埋まってるところは「北陸代理戦争」のパロディっぽく感じてしまったのだが、以前に見た「座頭市」のテレビシリーズでも同じようなシーンがあったので、実際にある迷信かなにかなんだろうなあ。いつものようにチョイ役は印象に残る人が多く、中でも堺正章や左とん平が出ているのはマドンナが夏目雅子ということもあってこれに西田敏行と岸部シローがいれば「西遊記」じゃないかと昔たまに再放送を見ていたことを懐かしく思い出した。それにしても夏目雅子、出演している映画を見るたびにもし、病気で若くして亡くならずに今でも元気ならどんな女優になっていただろうと思うし、「男はつらいよ」シリーズのマドンナ役で見たかった女優のひとりでもあるのだが、ひょっとしたらそれも実現していたかも知れないと思う。寅さんでの夏目雅子、本当に本当に見たかった。
[DVD(邦画)] 6点(2018-07-28 23:39:30)(良:1票)
92.  トラック野郎 天下御免 《ネタバレ》 
シリーズ第4作。二人マドンナ(由美かおる、松原智恵子)が登場したり、主題歌(良い歌だよなあ。)がかかるオープニングのタイトルバックに一番星号のおもちゃで遊ぶ子供が出てきたりして、シリーズがだんだん人気が出てきたのが分かる。始めたころには想定していなかっただろう子供層にも人気が出たようで、それ故にか、これまでの3作に比べると作風はソフトな印象で、桃さん(菅原文太)のスケベさやハチャメチャさも控えめ。ライバルのコリーダ(杉浦直樹)も今一つインパクトに欠けているのだが、話自体は面白く、相変わらず桃さんの優しさや男らしさは同じ男でも見ていて憧れるものがあるし、それだけでなく今回は松下家、ジョナサン(愛川欽也)と家族のエピソードにも焦点があてられていて、旅先で桃さんだけでなくジョナサンも由美かおる扮する巡礼のマドンナに惚れた結果、帰宅後にそれが妻(春川ますみ)にバレてしまい、家族に逃げられたジョナサンが自棄になり、自分のトラックの装飾を破壊するシーンはその前にジョナサンの子供を一人ドライブインの夫婦(京唄子、鳳啓助)に養子に出すくだりがあるのでこのシーンはよけいに切なさが印象に残る。その家族が桃さんの嘘によってジョナサンのところに帰ってくる展開はベタなんだけど、養子に出した子供も戻ってくることになって、「やっぱりうちは全員揃わないと松下家って感じがしない。」というセリフにはなにか妙に感動してしまった。そのほか、手違いで渡ってしまったラブレターから自分が桃さんに惚れられていると勘違いした松原智恵子扮する元女性トラッカーが真実を知ったときの切なさもよく伝わってきて印象に残る。(やっぱ自分だったら由美かおるよりも松原智恵子だな。って何を書いてるんだ。)今回、音楽が木下忠司に戻っているが、由美かおるがゲストのためか、見ていて映像的にそれを思わせる部分がないにも関わらず、つい音楽がそれっぽく聞こえるような気がして「水戸黄門」を思い浮かべてしまった。(まだこのころ「水戸黄門」にお銀は出てなかったっぽいのに。)あと出演者で気になったのは倉敷のドライブインのシーンで鶴光と一緒に出ているアフロの鶴瓶の異様な若さにビックリ。(当時20代)マドンナ(由美かおる)の恋人役で誠直也(アカレンジャー)が出ているが、オープニングのクレジットには誠直也と並んで宮内洋(アオレンジャー)の名前も出ていて共演を一瞬期待してしまったのだが、宮内洋の出番はカットされてしまったのか、登場することはなかったのは少し残念。松原智恵子の出産シーンに産婆役で出ている浦辺粂子。同時期に公開された「男はつらいよ 寅次郎純情詩集」にも出演している。そういえばあの映画もダブルマドンナだった。やっぱりこのシリーズ、寅さんをかなり意識してるんだなぁ。
[DVD(邦画)] 7点(2018-06-02 23:05:17)
93.  トラック野郎 望郷一番星 《ネタバレ》 
シリーズ第3作。かなり久しぶりに(約3年ぶり)このシリーズ見たけど、やっぱり面白かったし、相変わらず惚れっぽくてバカで単純な、そして熱い桃さん(菅原文太)がとにかく魅力的で、やっぱり毎回思うけど見ていて惚れる。今回は3作目ということもあってか、桃さんの故郷の話が語られたりしてこのあたりから本格的に長期シリーズ化を意識しているみたい。その桃さんが過去のトラウマから馬が嫌いになった話も語られているが、それは北海道へ向かうカーフェリーの中で出会った今回のマドンナ(島田陽子)が牧場の経営者と知るやあっさり克服し、逆に馬について調べはじめるのはいかにも桃さんらしくて笑える。薬殺されそうな生まれたばかりの病気の仔馬に一晩中寄り添って治してしまうのはよく考えたら無茶苦茶なんだけど、桃さんの優しさを感じずにはいられないし、惚れたマドンナが自分ではなく獣医の男と結婚することが分かっても「おめでとうございます。」と潔く引き下がるのも、まさしく男らしくカッコいい。このシリーズは「男はつらいよ」シリーズを意識している部分も多くあるのだが、見ていて寅さんにゲスト出演する菅原文太というのを見たかったとつい思えてしまう。それだけでなく、トラック野郎たちの友情というか、きずなというか、そういったものもちゃんと描かれているのもこのシリーズのいいところで、今回、ライバルとして登場する北海道のトラック野郎であるカムチャッカ(梅宮辰夫)が、桃さんと市場まで桃さんとトラックで競走したり、誤解から二人が殴り合いの対決をするなどを経て、最後には仲間になるのも前回のボルサリーノ2(田中邦衛)のときもそうだったが、単なる勧善懲悪ではなく、お互いを認め合うことの大切さをきっちりと描いていて良い。(冒頭の広島で警官(室田日出男、川谷拓三)に問い詰められるトラック仲間(分かるかな?分かんねえだろうなあ。)を無線を使って助けるのもなんかいい。)だまされて金を持ち逃げされたジョナサン(愛川欽也)がトラックを売ると言い出すのもジョナサンの男気を感じる。今回、桃さんがクライマックスのトラック激走で同乗するのは40トンの魚。途中の山道で細いつり橋を大型トラックで渡るシーンは本当にアクション映画の一場面のようでハラハラすることができ、これまで見た激走シーンの中でももっとも見ものだ。都はるみが本人役で出演しているが、その前に都はるみファンのトラック野郎・宮城県(吉川団十郎)が事故死するシーンが描かれていたためか、登場シーンにとくに違和感は感じなかった。その宮城県の事故のシーンはイブ・モンタン主演の「恐怖の報酬」のラストを思い起こさせるもので、きっと鈴木則文監督は映画が大好きなのだろうと思わずにはいられない。
[DVD(邦画)] 8点(2018-05-28 19:50:29)(良:1票)
94.  仁義の墓場 《ネタバレ》 
実在したヤクザである石川力夫の壮絶な生き様を描いた深作欣二監督の映画。とにかくこの主人公 石川力夫(仮名ではなく実名で登場するというのがすごい。)がとんでもない男で、終始何を考えているのか分からない凶暴さを前面にむき出しにしていて、薬や女に手を出す、親分(ハナ肇)やいつも気にかけてくれている兄弟分(梅宮辰夫)にまで牙を向くというまさに仁義なきヤクザという感じでその異様さがめちゃくちゃ際立っている。それを演じるのがそういうのとは程遠いイメージの渡哲也(深作監督の実録ものということもあって先入観からつい主演は菅原文太と思い込んでしまっていたのだけど。)というギャップが面白いし、他社出身の俳優が主演だとイマイチ持ち味が生かせない監督も多くいる中、見事に全編通して「仁義なき戦い」のような熱気にあふれたこの時期の深作監督らしい映画になっていて、力夫には感情移入や同情といったものが全くできず、むしろ嫌悪感さえあるのについ見続けてしまう。渡哲也は最初は梅宮辰夫と一緒にいるシーンとか違和感を感じていたのだが、見ているうちに気にならなくなったし、イメージを覆すほどの怪演を見せていて、存在感も圧倒的。病み上がりで力夫を演じていたらしいのだが、その影響と撮影の疲れからか、とくに後半の力夫が麻薬におぼれてからは、役としての演技ではなく、渡哲也自身が体調不良なのではと思えてきて、役柄と役者の区別がつきづらくなってしまったが、それが却ってリアリティを感じさせるものになっている。力夫がうつろの表情で妻(多岐川裕美)の遺骨を食べるシーンが目に焼き付くのだが、とくにこのシーンの撮影時などは相当体調が悪かったのではと思えてしまう。中毒性の強い映画で、深作監督の映画の中でもカルト映画と呼ばれているのもわかる映画だが、中毒性だけでなく、渡哲也のそういう状況下での演技にもカルト映画と呼ばれる要因があるのではないかと思う。
[DVD(邦画)] 7点(2018-05-19 19:36:25)
95.  昭和おんな博徒 《ネタバレ》 
加藤泰監督最後の東映作品となる任侠映画。主演は江波杏子というのが東映任侠映画では珍しいのだが、本作の企画意図としては時期的に藤純子引退後に新しい任侠映画のスター女優をというのがあったのだろう。どうかなあと思っていたのだが、江波杏子は大映で任侠映画のシリーズを持っていたらしく、そのせいか特に違和感はなく、良かったと思う。主人公・お藤が雨の中、標的を仕留める冒頭からいかにも加藤監督らしい演出で格調高く、ここだけでも印象に残るものとなっている。(この冒頭の雨とタイトルロールの汽車を見ると加藤泰の映画だなあとすごく感じられる。)物語としては夫(松方弘樹)を殺されたお藤の復讐劇で、夫 新二郎が殺されるまでのエピソードを前半に回想形式で描き、後半の復讐劇につなげるという二部構成になっているが、脚本としては前半部分が丁寧に描かれているのに対して後半部分がちょっと急ぎすぎに感じるのは尺の都合上仕方がないとはいえ、なにか物足りない感じがしたのが少し残念だったのだが、前半の松方弘樹も後半の天知茂もお藤と関わっていくドラマがみごたえあるものになっていてあまり退屈はしなかったのでもう30分ほど長ければもっと良かったかもとも思った。ところで、DVD特典映像の予告編を見ると「新シリーズ」とうたっていて、最初はシリーズ化を計画してたのがうかがえるのだが、2作目は作られることはなく、東映ヤクザ映画は翌年から任侠映画に代わって実録路線へ。そして加藤監督は次回作から松竹を中心に映画を手掛けるようになる。やっぱこの時期(70年代初頭)の東映の任侠映画を見るとそういう移り変わりの時期だったことを思わずにはいられない。
[DVD(邦画)] 7点(2018-05-01 17:40:52)(良:1票)
96.  惑星大戦争 《ネタバレ》 
興味本位で見てみたが、予想をはるかに上回るつまらなさで、90分が異様に長く感じられるすごく退屈な映画だった。テーマ音楽のダサさもさることながら脱力感ありすぎのだるい展開は見ていて疲れる。出演者の演技も緊迫感がまるでなく、池部良や大滝秀治にいたっては演技は安心して見られるのだが出てること自体に違和感を感じずにはおれないし、宮内洋は風見志郎にしか見えないし、沖雅也は「太陽にほえろ!」のスコッチ刑事の殉職シーン良かったなあと思いながら見てたらこれではえらいあっさりと死んでしまってほとんどみどころらしきシーンなかった。いかにもやっつけ仕事丸出しの適当な脚本に福田純監督の演出にもゴジラ映画以上の適当さを感じる。本当にこんなんで「スター・ウォーズ」に対抗しようと思ったのかと思うと悲しすぎるほどの超駄作。ここまで見たことを後悔するような映画を見たのは本当に久しぶりだ。本来なら痛恨の0点といきたいところだがチョイ役で出ていた平田昭彦に免じて辛うじて1点。
[DVD(邦画)] 1点(2018-01-08 17:09:38)
97.  昭和残侠伝 破れ傘 《ネタバレ》 
シリーズ最後の作品で、本作公開の翌月には「仁義なき戦い」が公開されたとのことで、東映任侠映画としても最後の作品になるのかな。そういうこともあってか、いつもの風花コンビを演じる高倉健と池部良に加え、前作にも出演していた鶴田浩二が再び出演しているほか、安藤昇や北島三郎まで出演していてとにかく豪華な俳優陣が目を引く。それ以外には特別なことはなくいつも通りなのが安心して見ていられるし、前作のように助太刀が入らず、終始風花コンビ二人だけの殴り込みのシーンもこのシリーズらしいものになっていて良かったと思う。しかし、内容としてはいつもよりたくさん登場人物が死んでいる感があってなにかこのシリーズとしてはちょっと殺伐としすぎた印象が残り、なにか違うと感じてしまったのがちょっと残念に思う。前作と同じ佐伯清監督が手掛けているが、本作でも主役コンビなどメインの役柄を演じる俳優たちのよさはじゅうぶんに出ているかわり、脇役陣がそれほどでもない。これが前作では不満だったのだが、二本目ともなると既に慣れてしまい、マキノ雅弘監督や山下耕作監督が手掛けた回との違いの一つとして楽しめるようになっているのが自分でも不思議。ただ、ヒロインとなる重吉の妻役はこの時期東映で高倉健との共演が多かったという星由里子が演じていて、悪くはないのだが、若大将シリーズの澄子など東宝映画での印象が強いせいかイマイチしっくりこない。
[DVD(邦画)] 6点(2017-06-22 22:47:31)
98.  北陸代理戦争 《ネタバレ》 
深作欣二監督による東映実録ヤクザ映画の一本。このジャンルだと広島や九州が舞台というイメージが強いのだけど、本作はタイトルどおり北陸の雪国が舞台になっているのが新鮮。主人公の暴れ振りがとにかくすごく、演じる松方弘樹もノリノリで演じていて、実に楽しそうなのが印象的だった。(当初この役には菅原文太が予定されていたみたいなのだが、キャラ的には松方弘樹の方がハマっているように思う。文太でも見てみたかった気はするけど。)映画がはじまっていきなり冒頭から出てくる主人公が相手を雪に埋めてその周りをジープでぐるぐる旋回するというリンチ方法は雪国が舞台ならではという感じでとてもインパクトがあり衝撃的だ。この最初にやられる西村晃扮する主人公の父親の絶叫する姿などは異様にリアルで、もしかしてマジで埋めちゃってるのかと思ってしまうほど。でも、それ以外はそんなに勢いもなく、「仁義なき戦い」なんかに比べるとかなり平凡で中途半端な印象が残る。(面白い映画であることは確かなのだが。)それにネタとしては当時現在進行中の事件を扱っているあたりもネタ切れというかこの実録路線というジャンルの限界というものを感じされる部分もあり、公開中に主人公のモデルとなった人物が殺されてしまったなんてエピソードを聞くと本作が実録路線最末期の作品で、深作監督にとっても最後のヤクザ映画になったのも分からない話ではない。出演者に目をやっても松方弘樹以外で印象に残る役者が少なく、中でも深作監督の映画の顔とも言える千葉真一がそれほど印象に残らないのはちょっと残念な感じ。その中で主人公の小心者の叔父を演じるハナ肇がシリアスな役柄でありながらコメディ・リリーフとしても存在感を出していたのは良かった。予告では渡瀬恒彦が出ている(撮影中の事故で降板。伊吹吾郎が代役。)が、今年になって松方弘樹も渡瀬恒彦も亡くなってしまったのが惜しい。
[DVD(邦画)] 6点(2017-04-22 23:23:47)
99.  昭和残侠伝 吼えろ唐獅子 《ネタバレ》 
シリーズ第8作。今回は高倉健、池部良の風花コンビに加え、鶴田浩二まで登場している。内容は義理や筋を通すことへの苦悩がよく描かれた典型的な任侠映画らしい任侠映画になっていて面白いし、出来としてはそんなに悪くない。でも、マキノ雅弘監督の担当した回と比べると佐伯清監督(本作で監督作初鑑賞)の本作は脇役の描き方がイマイチに思え、そこが物足りなく感じる(単に慣れの問題かもしれないが。)し、話の発端となる風間重吉(池部良)の弟・文三(松方弘樹)の駆け落ちの相手と、花田秀次郎(高倉健)のかつての恋人の二人のヒロインが登場するが、展開上、駆け落ちのエピソードのほうがウェイトが大きくなり、秀次郎のかつての恋人とのエピソードはなにか中途半端な感じ。文三の駆け落ち相手を演じるのが新人ぽい女優なのに対してこの秀次郎のかつての恋人を演じるのが東映専属ではない日活の松原智恵子(に加えて今回の敵役も日活の葉山良二。)だったので、せっかく他社から出ているのにととくにファンでもないのにもったいなく感じてしまい、無理に主人公にもヒロインを出さなくても駆け落ち相手だけで良かったのではと思う。また鶴田浩二が出たことにより、池部良の存在感がちょっと薄くなった感がある気がして、とくにクライマックスの殴り込みシーンに途中から鶴田浩二が助太刀に現れ、いちばん最後のシーンも高倉健と鶴田浩二の後ろ姿のツーショットというのはこのシリーズとしてはさすがに違和感があったのがちょっと残念だった。
[DVD(邦画)] 6点(2017-01-19 22:28:19)
100.  おしゃれキャット
十数年前からこの映画のビデオが家にあるので一度は見たことあると思っていたが、どうやら見たのは今回が初めてのようだ。ディズニーアニメの中でもそんなに知られていないっぽいが、いかにもディズニーらしいオーソドックスな作風で家族揃って楽しめるというようなアニメである。執事の陰謀により飼われていた屋敷から追い出された猫の親子が、出会った野良猫とともに我が家を目指すというストーリーなのだが、その道中がなんとも微笑ましく見ていて楽しい気分になれる。ジャズで大騒ぎした夜のダッチェスとオマリーの会話はなんか大人っぽい感じで雰囲気がなかなかいい。それに劇中に流れるジャズもなかなかノリのいい曲。日本語吹き替えも安心して見られる出来で、とくに執事のエドガーを演じている川久保潔がとてもいい味をだしている。
[ビデオ(吹替)] 6点(2016-10-23 22:23:41)
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