81. ジュマンジ/ネクスト・レベル
《ネタバレ》 出演俳優を、全員前作と同じ顔触れで揃えることができたのですね。これって当たり前のようでいて、でも実務レベルでは結構難しくてそして叶うと地味に嬉しいポイントですよね。 懐かしの名優が二人も登場で、うれしいやらしんみりするやら。 キャラのシャッフルは前回より多めで、これは続編の宿命。あいかわらず小器用に多人格を演じるドウェイン・ジョンソンらを観てるのは楽しいです。前作からの客が見たいものをきちんと提供してくれて、まずまずのクオリティに達していると思います。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2024-02-21 23:42:00) |
82. ドリームランド
《ネタバレ》 もし‶ボニー&クライド”のボニーが一人生き残ったら、というお話。時代も設定もまんまだもん。 脚本に惚れ込んだというマーゴット・ロビーは大熱演だけど、なんか雰囲気美人みたいな映画。小手先ばかり弄してきて心にグッと刺さらない。 演出が鼻につくんですよ。時折サイズの違うアート的な画を挟んできたり、町のイベントでじいさんが独演で繰り出すリズム音がBGMへと移ったり。モーテルのシャワー室でのシーンは画を男の横顔とシャワーカーテンで二分割。この固定カメラで会話すること数分。会話の内容も大したことないし、つまりこの画を撮りたかっただけだね。お洒落だと思ったのかな。 ナレーションが青年の義妹だというのもしっくりこない。事件当時はまだ7歳くらいじゃないですか。こんな小さい子が事件について語るほどあらましを把握していたとは考えづらいし、そもそも義兄に対してそんなに思い入れがあったっけ?あっさりした兄妹仲に見えたけどな。 名作にインスパイアされても感動の二番煎じとはいかないもんですね。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2024-02-19 23:31:49) |
83. ジェイコブス・ラダー(1990)
《ネタバレ》 ネタバレ! ちょっと前の作品になるんですね。やっぱりある種の映画は封切り当時に観ておく方が吉だなあと思いました。後発作品がもっと洗練されていくので、そっちを先に観てから先発作に触れると「なあんだ」と不当な評価をされがち。 本作も高評価ゆえ期待度が高すぎて「えっ なあんだ」となってしまった。全体の99%が夢でした、とは今では反則にも感じる・・。わたしは真面目に考えながら鑑賞してたんですよ、どこの部分が現実でどこが妄想なのか。あまりに読みを覆してゆくので、これ納得のいくラストになるのかしらと不安になったくらい。 今際の際に脳内にあった軍への不信とか末息子への想いとか、ちょっといいなと思ってた郵便局の娘とかがミックスされたジェイコブス氏の夢を見せられただけかあ。 オチでずっこけはしたけど、つまんなくはなかったですけどね。カルキン君はすごく愛らしいし。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2024-02-17 23:28:17) |
84. ファミリービジネス
レビュワーの皆さんの言ってる総合評価のまんまな感想です。即ちコメディとしてもドラマとしても出来が良くない。もっさりしていて笑わせどころも緊迫するとこもキレが悪いので、話がダラついたまま盛り上がらず終わってしまった。 名監督と名優たちを取り揃えてこの出来とは、責任は一体どこにあるのでしょうか。マシュー・ブロデリックは置いておくとしてもコネリーもホフマンも芝居としては良い仕事をしているので手抜きとは思えないし。下手な脚本を監督に押し付けた映画会社が悪いのか? [CS・衛星(字幕)] 4点(2024-02-14 23:12:10) |
85. 水を抱く女
《ネタバレ》 画の質感がかっちりしているし、ヒロインはキャリアウーマンだし、現実的な男女間のあれこれを描くんだろうなと思いながら観てたら。なんとも不可思議で幻想的な筋運びになるとは意外も意外。 すごく突飛な想像力でこしらえた話かと思いきや、下敷きはヨーロッパではメジャーな「水の妖精ウンディーネ」の物語だったのですね。なるほど、そうと分かると「現代社会に精霊がいたなら」なお話としてキレイにまとまっていると感じました。 水の世界に属するヒロインが、陸の上では土とコンクリートの都市計画の歴史を研究し生活の糧を得ているというのも逆説的で面白い。 わが国なら例えば「雪女」とか「鶴の恩返し」等、誰もが知る昔話を21世紀の東京で焼き直してみるとどんな風になるかなとちょっと想像したりしました。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2024-02-12 23:10:56)(良:1票) |
86. カラオケ行こ!
《ネタバレ》 面白かった!普通ではまず接点のない中学男子とヤクザの兄ちゃんが関わることで発生する事象の数々を、まあ上手に笑いに変換してます。強面のチンピラが腰低く中学生にビールを勧めてくる、ベタだけどその画ヅラに笑えます。口のあるキティちゃんはツボにはまっちゃった。 視点は中三の聡実なので15歳のリアルとともに物語は進行。ジュヴナイルな瑞々しさが本作の魅力の一つに感じます。彼が中学生活で心を注いできた合唱部の仲間や担当教諭らもキャラ立っています。めんどくさい後輩に、掛け持ちで所属する映画部という大事な場所。客観的に見られるようになってきた愛すべき両親。まだまだ狭い中学生の世界に突如ぐいぐい押し入ってくる別世界の大人。困惑する聡実を演じた斎藤くんは当て書きかのように違和感なしです。 「気の良い兄貴」的な懐っこい若頭狂児役の綾野剛は、(関西弁の難しさに足を引っ張られてる感があるけれど)魅力的な造形に仕上がってます。スタイルが良いのでちゃんとスクリーン映えしますし。でもでも、なぜに狂児がカラオケ大会最下位なのよ?序盤の「紅」だってわりかし上手じゃないですか?この場面はもっと音外してくるものと思ってましたのでやや拍子抜け。演出的にどうなんだろうとは思いました。 カタギの中学生には優しくても、ヤクザですからいつマジでおっかない側面を出してくるのかと内心冷や冷やしながら観てたのだけど、最後までハートフルな空気感でした。「カラオケ大会が終わったらLINEも通じなくなった」と聡実の台詞。ヤクザの自分がいつまでも未来ある15歳に関わっていては良くないと狂児が身を引いたのでしょうね。実にハートフルです。 [映画館(邦画)] 7点(2024-02-05 15:39:51) |
87. コリーナ、コリーナ
《ネタバレ》 よもやハッピーエンドになるとは予想しなかった。時代設定が1950年代でしょ?あの二人が一緒になるにはもっと苛烈な妨害が生じそうなものだけど、その辺はソフトに済ませて甘めな作りです。 ウーピーの器の大きさがハマっているし、子役が可愛くて上手いのと小悪人顔のレイ・リオッタが意外にもマイホームパパを好演しているのとで、甘さも許容できる「ちょっといい話」にまとまっています。 ウーピーの当て馬的に登場する白人の女たちが冒頭から何とも強烈なアクの強さで、なかなか残像が消えません。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2024-02-02 17:21:55) |
88. EMMA エマ(2020)
《ネタバレ》 96年のグウィネス版エマを観たときは、なんでこんなやな女がヒロインなのかと18世紀英国文学に相容れないものを感じました。そして最新のアニャ・テイラー・ジョイ版を観ましたら、やっぱりエマは高慢どころかゴーマンな女でした。 当時の堅固な身分制度社会というのはこんなんなのかあと勉強にはなるけれど。あのピクニックなんか地獄じゃん。行きたくねえ。 でも今作のアニャ・エマはグウィネスよりももっと現代の解釈に寄せている感がありました。「思いやりの無さ」を叱られて、半べそで反省して階級が下の者に謝罪しに行くエマは、おそらく原作よりずっと今の世に受け入れられる造形になっているのではなかろうか。 200年経って自作のヒロイン(それも貴族階級の)がプロポーズされて鼻血を出す描き方をされるなんて、オースティンも思ってもみなかっただろうなあ。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2024-01-30 23:41:16) |
89. グランパ・ウォーズ おじいちゃんと僕の宣戦布告
21世紀の‶ホーム・アローン”。子どもが知恵を絞って大人に挑むコンセプトが同じでも、本作は相手が泥棒じゃなく自分のじいちゃんなので三十数年前のよりだいぶ手加減してます。ホーム・アローンは今でしたらコンプラに引っかかりそうなネタも多いもんね。時代の流れですね。 デ・ニーロもウォーケンもすっかり好々爺になっちゃってるし、若い頃は危険な魅力いっぱいだったユマ・サーマンもお母さん役をやるんだなあとしみじみしました。安心して眺めてられるユルユルなホーム・コメディです。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2024-01-29 13:48:08) |
90. トゥー・ウィークス・ノーティス
ちょっとこっぱずかしいほどにベタなラブコメだけど、役者がハマるとまあまあ出来の良い作品になるという見本。 サンドラもヒュー・グラントもセルフキャラを盛り気味ですが。 冒頭に出てくる幼い頃の写真までこの役のイメージに合ってるとはこれ如何に。二人とも実家のアルバムをひっくり返して持ってきたのかな。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2024-01-26 23:12:40) |
91. スペースボール
この頃のアメリカン・コメディって、一時も気を抜かずにずーっと馬鹿やってるんだよね。一場面一場面がもれなくツッコミ待ちなの。よくこんなに思いつくなあ。体力あるなあ。 賢い(ズルい)ことに元ネタありきのパロディなので笑いの賞味期限がわりかし長い。今でもちょいちょい笑える。ヘルメットのバランスが間違ってるとどうしてあんなに可笑しいんだろうね? [CS・衛星(字幕)] 6点(2024-01-23 23:57:05) |
92. オペレーション・ミンスミート ナチを欺いた死体
《ネタバレ》 この題材をこんなにつまんなくさせたのは脚本のせいだと思う。以前テレビの情報バラエティで概要を再現ドラマにしたのを見たけれど、そちらの方がよほどドキドキしましたよ。 無駄に長い、というのはよく聞く表現だけど本作は本当にいらない描写に時間を割いているように感じる。冒頭のモンタギュー少佐の家のお別れ会はバッサリ切って良い。女性秘書とのロマンス話も全く不要。作戦そのものをきっちり追って描いてほしい。 死体が発見されてからのいきさつは描写が不親切かつ整理されていなくて、初見で何がどうなっているか分かる人はそう多くないと思う。 電話に張り付くコリン・ファースとマシュー・マクファディンの姿ばかり見せられる。スペイン警察および軍部とドイツ諜報部の動きこそがこの物語の肝なのにな。誰が何してるのかわからないので、英国諜報部の皆さんが固唾をのんで何の連絡を待っているのか私は全然ピンと来なかったです。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2024-01-20 23:16:05) |
93. クーデター
《ネタバレ》 危機からの脱出ものの分野において出色の臨場感。大変恐ろしい思いをしました。早い展開と緊張を煽るキレキレのカメラワーク。隠れてる隙間から敵の様子を窺う画ヅラっておっかないですねえ。 主人公らをごく普通の一般企業の家庭人にした設定が共感を呼びます。O・ウィルソンは風貌からして一般人(に近い)ですし、一度自分で起業した会社が失敗して勤め人になったというバックグラウンドからしてエールを送りたくなります。 暴徒の狙いが外国人であることを察し、やがて最大標的が己の所属する企業であると知る。しかも顔バレ。これは恐い。逃げるにしても幼い娘二人と妻を抱えての移動、しかも娘ちゃん水着だし。主人公に突然降りかかる理不尽な暴力。彼、気配りの人なんですよ。縁もない途上国で暮らすことになった家族を励ますべくホテルでも陽気に振る舞い、初対面の協力者(ケニー・ロジャース好き)のつまんない冗談にも付き合う。ガンバレお父さん、と泣けます。 まるで悪鬼のようなアジア人暴徒の描写とかピアース・ブロスナンのかっこ良すぎな最期とか、まあ米国製の娯楽映画だなーという感じはあるけれど、政情不安の国に起こり得る混沌ぶりはドキュメンタリーレベルにも感じるリアルさでした。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2024-01-17 16:31:27) |
94. フォードvsフェラーリ
《ネタバレ》 ”ル・マン耐久レース”を舞台にした、「お仕事映画」に感じました。組織で仕事することの困難さ・厄介なことエピソードが個人的にはレースより印象的でした。 フォードのような巨大企業だと、上下どちらからの報告もたどり着くまでに何人ものデスクに書類が行き来するわけで。劇中でも「赤いファイル」が組織の硬直っぷりを揶揄するアイテムとして登場しますね。あるあるです。”フォード社のイメージ”を堅持するよう現場に口出しする幹部と闘うキャロル・シェルビー。ああー心労のほどお察しするよ・・。フォード三台で同時ゴールだなんて自己演出があったんですねえ。酷いなあ。ケン・マイルズが優勝を逃すなんて。 心理描写にも時間かけてるしレース場面も臨場感があって良い映画だとは思うけど。でもマット・デイモンとクリスチャン・ベールって逆の配役の方が彼らも演じやすかったのでは、と思っちゃった。ベールは相変わらずの作り込み執念を思わせるマイルズそっくりさんになってはいるけどさ。副社長にうるさく言われてキレ散らかすキャラはベールの方がハマるし、苦虫を噛みしめて速度を落とすマイルズには、忍の一字が似合うデイモンの方がしっくりくるんだけどな。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2024-01-13 17:29:24) |
95. ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル
《ネタバレ》 映像技術の力で大いに楽しませてくれる一本。TVゲームの中に入ったらこうなる、という約束事を生身に反映させることのシュールさとか可笑しさを上手に娯楽化できていると思いました。決まり台詞以外喋らない案内人とか、自分の得意分野が明文化されて浮かび上がるとか。CGが進んだおかげで実に滑らかに鑑賞できて楽しいですねえ。 それに役者も巧い。ジャック・ブラックは完ぺきに女子高生だし筋肉無双のロック様が鳥の羽音とかにいちいちビビる、その姿だけで笑いが取れるというもんです。(比べる必要もないけどドウェイン・ジョンソンにあってヴィン・ディーゼルに無いものはこういうコメディセンスだと思うよね) 皆で力を合わせたことで人間力が上がったひと夏の思い出。ジュヴナイルものの定番テーマもきちんと押さえているのにも感心。 ところでわたしはシンディ・クロフォードと同時代を生きてきましたので久々にその名を聞いてちょっと上がりました。ほんと、あの頃は彼女全米一イケてましたからねえ。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2024-01-09 23:41:53) |
96. ディナーラッシュ
《ネタバレ》 舞台であるイタリアンレストランと、そこにいる人たちがとても魅力的な群像劇。 お店は監督の有する本物だそうで、だからこそのリアリティなのですね。フレンチのように気取らず賑やかで、でも心が落ち着く種類のざわめきで満たされている。粋なバーテンが場を回すミニ・バーの心躍る空気。地下厨房からキビキビと上がってくる一皿一皿がしっかり美味しそうなイタリアン。舞台装置が素敵に整っているうえ、そこに配置された個性的な人間たちの日々のドラマも興味を引きます。 ギャングとの駆け引きが文字通り命がけのオーナー。女にだらしないけれど腕の立つ料理人の跡取りシェフ。ギャンブル依存で首が回らなくなってるサブシェフと、男女のあれこれ。 皆しょってる人生が濃いなあ。アーティストを目指すウェイトレスや、厨房内でちょっぴり格上げになった若手料理人とか脇役の者たちも存在感があって単なるモブではないです。一人ひとりに目配りの効いている脚本だからこそと思う。出時間の少ない料理評論家のおばさん二人のインパクトの強さをごらんあれ。もう忘れ難い。 なんてことない一日を切り取った形であっても観られる作品になったでしょうけど、どっこい終幕に向けて驚きの伏線回収も見せてくれます。ちょっとしたカタルシスも得られて、とても面白かったです。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2023-12-29 14:21:21) |
97. ボーダータウン 報道されない殺人者
もう、なんというか「現実は映画より酷なり」とでも言いたくなるような鑑賞後の徒労感。 フアレスに限らず、治安の激悪な舞台の話はいつもその残酷さ、人間性の無さには言葉を失う思いがする。 実話の持つ負のエネルギーが創作を圧倒している為に映画作品としての評価がしづらいのだけど、そうだなジェニロペの演技がやや一本調子なのが気になるのと、裁判に向けて話を集中させるべき脚本力が今一つ弱くて平板な印象を与えてしまうのがマイナス点でしょうか。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2023-12-25 23:07:35) |
98. アイム・ユア・マン 恋人はアンドロイド
《ネタバレ》 人間とアンドロイドに恋愛関係は成り立つか。40年前にも、この問いは少女漫画のテーマとしてありましたね。かなりの力量のある作家による美しくも切ない物語、ずっと心に残っていたのはそれが万民ハッピーエンドのものではなかったからで。 そして21世紀になりドイツ製の物語はどういう展開を見せたかというと、コンピュータとの恋愛関係について是とも非ともはっきりとは結論付けずにまとめてましたねえ。ここらへん、やっぱり言い切るのは難しいのだなあと思いましたね。 主人公は決然とNOを選択するけれど、そうは言ってもやっぱりね・・なラストシーン。見事にあいまいで先送りで、でも人の心ってそもそもそういうものだから。 自分用に作られたプログラムの甘美な危険性。でも強い孤独に悲鳴を上げている心には救済にもなり得るわけで。この塩梅を上手く調節できる時は人類に訪れるのでしょうか。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2023-12-23 23:18:47) |
99. ホーンティング
《ネタバレ》 なんにも怖くないホラー。もっとも怖くないホラー作品はごまんとあるので本作がことさらにレベルが低いというわけではないのですが。 個人的に不満なのは作品のテイストの軸が一貫されていないこと。大仰な屋敷のしつらえといい、不愛想な使用人といいゴシックホラーなのかと思いましたが、建物自体が動いて攻撃してくるポルターガイスト現象はゴシックにおいては反則です。そもそもリーアム・ニーソンをゴシック作品に起用してはいかん。 ではヒロインの妄想系か?スタンフォード大学の実験をモチーフにしているし。彼女の脳内で起こっているやつか、と納得しそうになったところメンバーの男が現実に殺されちゃいますしね。死ぬんかい。 結局リリー・テイラーが一人でこじらせて周囲とドタバタしてるのを見せられてるだけ、というつまんなさ。どうやってもあの屋敷からは逃げられそうだしさ。 ラスト、夜明けに門で佇む生き残ったリーアムとキャサリンのぶぜんとした表情は「この作品が自分のキャリアに刻印されちゃうわけ?」と思っているように見えてちょっと笑った。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2023-12-18 23:19:58) |
100. はじまりのうた
《ネタバレ》 これは、素敵。挿入される楽曲が素敵ですもんアルバムが1ドルだなんて即買いしますねわたしも。 キーラ・ナイトレイも素敵。声に艶があって歌も上手い。べたつかないさっぱり気配り女子を好演です。 脚本もいいなあ。状況が好転していく時のわくわくがよく伝わります。必要以上に落ち込まないし、成功を欲張り過ぎない引きどころの品の良さ。良いなあステキだなあ。 グレタとダンが音楽を二人で分かち合いながら夜の街を歩く場面、「音楽は魔法」の雄弁なこと。音楽へのリスペクトがベースに常にあるので、マーク・ラファロのむさ苦しさも完全に払拭されました。 物語の序盤のうちは、グレタとダン二人でスターダムへと駆け上がるのかなと頭の悪い想像をしてたのだけど、そんな凡庸さを蹴飛ばす爽やかさ。グレタは音楽作りの喜びを一段高いレベルで手にしたし、ダンは家庭の修復に成功。身の丈の幸せに着地させた脚本が心地よい一本です。 [CS・衛星(字幕)] 9点(2023-12-16 23:26:41)(良:2票) |