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アンドレ・タカシさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2127
性別 男性
自己紹介 2022/3/26に以下のような自己紹介文をアップしました。
ロシアのウクライナ侵攻が始まってひと月経過。
映画は観ていますが、侵略戦争のせいでレビューする気になれません。
私の映画レビューと戦争は直接関係しませんが、
楽しく文章を考える気分じゃない、ってことですね。
ロシアが撤退するか、プーチンがいなくなったら再開します。


そして、
侵略戦争が膠着状態に入り、
いつ終わるか識者にも判断できない状況になりました。
まぁ正直、痺れを切らしたので、レビューを再開します。
ウクライナ、頑張れ!

2024年3月17日更新

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981.  白痴(1951) 《ネタバレ》 
原作未読、というかドストエフスキーは読んでいない、というか過去何度もチャレンジして挫折しています。そんな原作知らずの私から見ると、これはまるでSF映画でした。主人公の能力は、相手の目を見るとその人が幸福か不幸かが判ること。ニュータイプみたいだ。不幸な人を見つけると、その人の性別や富貧に関わらず感心を持つ。それは憐れみに近い感情のようだが、女性は愛情と勘違いする。それがいざこざの種になる。まるで一人の超能力者がその能力をひけらかして騒動を起こしているような風情だった。本来は、無垢な精神を持つ者が周囲の俗物から浮いてしまって不幸が起こるという話なのだろうが、先述のように観るほうがしっくりくる。主人公はタイトル通りの人には見えず、超能力者だと思ってしまうと、もううざったい奴以外の何者でもなくてイライラしました。原節子と久我美子はともに美しく、特に原節子は眼差しの迫力が怖いほどでした。
[CS・衛星(邦画)] 4点(2011-01-03 14:47:09)
982.  機動警察パトレイバー2 the Movie 《ネタバレ》 
「戦争を知らない子供たち」という歌があった。その子供たちが国家機能の中枢に収まるほど「戦後」が続いた日本の、危機管理意識と平和ボケとシビリアンコントロールの脆弱を仮想的に描いた作品。自衛隊の治安出動があっさり決まったりするあたりがやや都合良いけれど、永田町周辺で黒いマイクロバスから汚いダミ声でがなっているおっさんたちの話より、これを観る方がずっとためになる。世界標準的に日本の平和ってやっぱりどこか歪んでるんじゃないか、という懸念にそれらしく回答してくれる。9/11以降のハリウッド作品には対テロ戦争ものが多いけど、こちらの方がずっと深くシナリオが練られている。日本はこういう作品を実写でやるといきなり陳腐になるんだけど、アニメなら描き切れる。それが誇らしくもあり残念でもある。押井守っぽい、理屈をこねくり回した台詞にイラっとするところもあるが「パトレイバー」という「容れ物」を借りて存分に作家性を発揮させた創造力に感服。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2011-01-03 14:31:37)
983.  ピースメーカー 《ネタバレ》 
つい最近になって観たのですが、この内容に「ピースメーカー」というタイトルを付けたことには、やや皮肉を込めていたのだろう。ジョージ・クルーニーの強引なやり口には批判的な視線も入っているし、NYに核を持ち込んだボスニア外交官の言い分に対して誰一人として異を唱えないことは、言い分を認めているとも取れる。とは言え、結末までを概観すると米国の軍事力や情報網を背景にした調停や介入が手前勝手なヒロイズムとして鼻に付いて不愉快になる。劇中にNYのあのツインタワーが見えていることが、9/11以前に製作された作品であることを雄弁する。今となってはピースメーカー(調停者)がテロ社会を作ったとも捉えられて、タイトルが痛烈なしっぺ返しとして作品や米国のヒロイズムに跳ね返っていると思いました。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2011-01-03 13:57:12)
984.  遥かなる大地へ 《ネタバレ》 
邦題からは、もう少し「開拓」という言葉の意義を実感させるようなストーリーを想像していたんだけど、馬の駆けっこの一発勝負でした。それで望むものが手に入るのなら、なぜボストンあたりで殴り合っていたのか理解に苦しむ展開です。「土地」を得ることを遺言にした父の想いに応える大河的な物語を装いながら、中身はメロドラマ。それは別に悪くないんだけど、原題も含めてタイトルには合ってませんな。遠く外側へ向かって広がるというより、心の内側に向かって収束して行くような話でした。あの人が最後に生き返るのはミエミエだったけど、死んだまま終わるよりは良かったかな。2大俳優が若かりし頃に、がむしゃらに頑張っていたことは伝わって来ました。
[CS・衛星(字幕)] 3点(2011-01-03 12:49:20)(良:1票)
985.  生きものの記録 《ネタバレ》 
本作の前年の第五福竜丸の被爆以降、国内では反核キャンペーンが盛り上がったらしい。映画で最も協力した作品は「ゴジラ」だけど、本作もその気運に連なる作品なのでしょう。原水爆の恐怖に怯える男を、三船が老け役で演じる。その老け演技がなかなか見事です。一族の無事を願ってブラジルへ移住しようとする男と家族の対立がメインストーリー。第五福竜丸の被爆も米国科学者の計算値を越える範囲に死の灰が降ったことが原因だったので、この男の主張をバカバカしいと軽く一蹴できない世相が当時にはあったはず。そんな漠然とした不安を衝くシナリオは、鑑賞者には刺さっただろうと想像する。この男はブラジルへの移住を計画する前には青森あたりに核シェルターも建造していて、テーマや設定を見廻すと、これは黒澤作品唯一のSF映画と言えるのではないかと思います。黒澤らしい力強い映像と割り切れない終わり方の組み合わせは新鮮でもある。前年に「ゴジラ」で水爆への恐怖を語った志村喬が同じような役目を担っていました。ちなみに、なぜブラジルへ行けば死の灰の恐怖から解放されるのかは説明されていません。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2011-01-02 21:49:43)
986.  トニー滝谷
市川準が映画のコードを総動員して村上春樹作品の映像化を試みた、というような印象を持ちました。そして、かなり成功していると思います。原作は未読だけど、小説の中の文章をそのままシナリオに転用していると思える部分が多々あった。彼の文章を映像にすると、結果として限りなく詩的なエッセイに接近するようです。ストーリーらしきものが無く、シチュエーションの断片が積み上がる。それぞれのシチュエーションに登場人物がどのように感じたかは語られるが、「なぜ」そのように感じたかは語られない。ただ、そこからは哀しみや孤独だけが立ち昇ってくる。事象の表層から、特定の感情だけをすくい取り、まるで人は何かを失くすために生きているように見せる。それを繊細と感じる人もいれば、意味不明と憤る人もいるだろう。私は村上文学のテーマは「喪失感の描き分け」と思っていますが、本作からはそのエッセンスが十分に伝わってきました。通常の文法で映画を作るとこの味わいは得られない。本作が面白いかどうかは別にしても、私は拍手したいです。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2011-01-02 15:27:05)
987.  エクトプラズム 怨霊の棲む家 《ネタバレ》 
何に驚くかって、ちゃんと検分せずに家を買うことだ。買った後に開かないドアがあったなんて考えられない。それとも、俺がドアが少ない家にしか住んだことがないってことか?
[CS・衛星(字幕)] 5点(2011-01-02 14:29:53)
988.  インフォーマント! 《ネタバレ》 
これは例えば、自分が乗っている船に穴を開けても自分だけは助かると根拠なく信じている男のお話。その人物像がかなり面白かったです。最後は「狼が出たぞー」の少年よろしく、誰にも信じてもらえない虚言癖人間って扱いになってしまいましたが、もっと奥が深い人ですよ。彼はお気楽ということでもなく、頭が悪い訳でもない。むしろ周到に物事を進められる優秀な人物です。何が欠落しているのか。それは「自覚」ですね。徹底的に自覚が足りない。誰もが大きな勘違いをしていることに気付いて冷汗をかくような場面を経験したことがあると思うが、彼は勘違いに気付くのが極端に遅い。そして気付いても、持ち前の頭の良さで自分に都合の良い理屈を捻出して勘違いではないと思い込む。その存在自体がギャグであることを、コメディチックなBGMが上手く表現しています。犯罪を犯しながら自分は大丈夫と信じている男を、マット・デイモンがマット・デイモンらしくない風体で好演しています。でも、これを字幕版で一回観ただけで理解するのは相当難しいと思う。自分は2回観てやっと細かい部分の流れが分かり、味わいが増しました。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2011-01-02 14:05:27)(良:1票)
989.  嵐を呼ぶ男(1957)
ドラムを叩きながらマイクで歌い出す有名なシーンを初めて映画として観ました。荒っぽいけどナイーブな主人公。裕次郎映画は別に初めてじゃないけど、本作にはフレッシュな存在感を覚えました。後に彼が病気で入院したとき、マスコミが異常なほどにこぞって頑張れエールを贈っていました。自分は「太陽にほえろ!」でほとんど座ったままのボス役から入った人だったので、その騒動の意味が良く分からなかったんだけど、本作を観て少し理解できた気がします。なんというか、放っておけない人だったんですね。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2011-01-02 13:28:47)
990.  クレヨンしんちゃん 電撃!ブタのヒヅメ大作戦 《ネタバレ》 
映画でしか「クレヨンしんちゃん」を知らない私には、ぶりぶりざえもんを語る資格は無いのかもしれないが、これはぶりぶりざえもんのための映画でした。自分勝手で利己主義ですぐに日和って信用できない。そんな最低に近い奴が、改心して人助けをして消えて行く様に感動する。生みの親のしんのすけが、彼を更生させるために用意したお話がとても良かった。それだけで、観た価値があった気がする、というのは言い過ぎか…。以下余談。先日、仕事でお付き合いのある女性と食事したときに聞いた話。中学生の息子をデキちゃった婚と笑う40代の素敵な方でした。曰く「亭主とは長く見知った間柄で、全く良いところが無くてむしろ嫌な奴だったけど、何かの折に優しくされたことがあり、その時だけ魅力的に見えてデキちゃった」らしい。普段が低空飛行だと、平均的な行いが高得点になる。見知らぬご亭主のその顔が、ぶりぶりざえもんにオーバーラップしました。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2011-01-01 17:41:50)(良:1票)
991.  おっぱいバレー 《ネタバレ》 
「渚のシンドバッド」で始まり「微笑がえし」で終わる映画。ピンクレディーとキャンディーズ。どちらも好きでした。作品の気分を盛り上げる選曲も楽しかったです。原作があるらしいけど、30年以上時計を巻き戻さないとこんな生徒や先生は見当たらないでしょう。欲望がらみの動機付けは否定しません。いや、どちらかというと積極的に肯定したいくらい。その欲望を追いかける必死さが新しい視点をもたらすことって多いと思うから。自分には「おっぱい」のようなニンジンを吊ってくれる人がいなかったことが残念だ。その「おっぱい」だけに終始するのかと思ったら、終盤で「教師も悩みながら成長する」というメッセージが見えたことで、少しはマトモな映画になりました。そして、綾瀬はるかさん。立派なものをお持ちのはずなのに、明らかに控えめにしか写さないように配慮しています。タイトルがタイトルだから、露骨すぎることを避けたのか? はっきり言うが、馬鹿じゃねえの。さらに、あの流れで行けば、試合には負けたけど「これはご褒美よ」っていうのが当然だろう。エンディングの別バージョンとか撮ってないの?
[CS・衛星(邦画)] 5点(2011-01-01 16:42:58)(良:1票)
992.  蜘蛛巣城 《ネタバレ》 
このところ、黒澤映画に出始めた頃の三船敏郎を何作か見ていたけど、現代劇より時代劇の方が世界観の中にしっくりと納まる。基本的に、武士という空気を纏っている人だったことが良く分かる。実は奥方が物の怪かと思っていたんだけど、後半は出てこなくなり、いつの間にかノイローゼになっていて残念でした。その欲深い奥方にそそのかされるところが面白かったくらいで、自分にとって他には特に観るところなし。真面目で忠勤に励んでいた武士が権勢欲に囚われ道を踏み外すような描かれ方だけど、戦国の世には普通にあることで特別とは思わない。いわゆる芝居がかったというか、歌舞伎の舞台でも観ているかのような間の取り方とか葛藤の見せ方にはちょっと辟易しました。
[CS・衛星(邦画)] 4点(2011-01-01 15:33:56)(良:1票)
993.  沈まぬ太陽 《ネタバレ》 
企業トップの不正や政界との癒着を告発するような正義を描いた作品とは思わなかったです。一人のサラリーマンの生き方、その矜持とはどういうものかがテーマだと思います。恩地の海外勤務が延長された時、彼には辞める選択肢もあったはず。何故、辞めなかったのか? 負けた気がするからです。誰に? 楽な道を歩もうとするもう一人の自分に。人は基本的に弱い生き物で、すぐに楽な道に流れて行こうとします。そんな誘惑と戦う意思の総体が「矜持」です。自負・プライド・意地・自信・信念・虚栄、などで構成される。それは個をかたち作ると同時に縛るものでもある。自らの矜持と心中するような恩地の生き方は、お世辞にも上手とは言えません。一方の行天も彼なりの「矜持」は持ち合わせているが、順風を受けている時には現れず「欲」によって封じられる。この二人を較べたとき、人間の強さという概念が浮かびます。私は一概にどちらの生き方が良いとは言えません。いつか、それぞれが人生を振り返ったとき、その胸に去来するものでしか人生は測れない。私事ですが、過去に不本意な異動を命ぜられたことのある者として、本作は重い作品であると同時に興味深い作品でした。本作に描かれる矜持は、徹底して楽に生きないための戒めです。私は恩地ほど意固地じゃないけれど、職を辞さないのであれば、不本意と自らの矜持に折り合いを付ける必要が生じます。それは葛藤であり、生き方の軌道修正を余儀なくされる。生き方とは環境と矜持の接点から導かれるのだと思います。個人的に「沈まぬ太陽」とは矜持を抱き続ける姿勢と解釈します。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2011-01-01 15:19:17)
994.  Love Letter(1995) 《ネタバレ》 
岩井俊二がマンガ家だったら、あだち充になっていたと思います。少女マンガ的なストーリーを破綻する直前で食い止め、情感に落すところなんてソックリです。死者への想いを縦軸に進む本作は「タッチ」に似ています。あちらはスポーツの動感で抹香臭さを払拭したが、こちらは雪景色の世界観で払拭しています。ストーリーやキャラの配置は違っても、同じ起源を持つ作品と感じます。タイトルの「Love Letter」は、時間を隔てて♂樹と知り合った二人の女性の文通であり、愛を告白するラブレターではありません。しかし、婚約者を亡くした女性は過去の彼を知ることで自分に向けられていた親愛を再確認し、同級生だった女性は過去の彼を綴ることで、彼の想いと自分の淡い恋心にも気付きます。ストレートな愛が文面には無くとも「愛情が伝わる」という意味で、それは確かに「Love Letter」でした。手紙という小道具を器用に使い、文面から始まる世界をここまで彩る手腕は岩井俊二の真骨頂でしょう。大したものだと思います。製作年度の1995年あたりを境に、手紙は急速にメールに取って代わられることになる。製作タイミングも絶妙でした。今となっては、手紙自体への郷愁を覚えます。
[ビデオ(邦画)] 8点(2011-01-01 14:33:53)(良:5票)
995.  ノルウェイの森 《ネタバレ》 
20年以上前の一大ベストセラーの映画化で、これはやはり原作との比較になってしまう。私は出版当初に読みました。その後、住所が3回変わったけれど赤と緑のハードカバーはずっと本棚に鎮座したまま開かれたことが無い。大きな感銘を受けた作品でしたが、再読する気にならない作品でもありました。毛嫌いしている訳ではなく、ファーストインプレッションを大切にしたかったのだと思う。そんな訳で、細部を忘れて観賞した者としては、「ノルウェイの森」ってこんな作品だった、という意見です。元々がディテールより雰囲気が残る作品で、その空気感は伝わって来ました。あくまで私の「ノルウェイ」像との比較ですが、映画化は失敗していないと思います。抜け落ちているエピソードや台詞を補完しても、この映画が劇的に変わるとは思わないし、説明が多くなることは逆に機能する危険の方が大きい気がします。そのうえで、私の原作との印象のブレをいくつかあげるとすると、直子が死んだ後のワタナベの復活がちょっと早かったこと。原作の終盤は、ワタナベも自殺するような恐れを振り切るようにページを繰っていた記憶があります。レイコさんとのセックスはワタナベにとっても大きな救いになったと思ったのだが、それが感じられなかったこと。あとは直子のキャスティングですね。透明感と儚さを併せ持った不思議な存在が直子でしたが、本作では骨格的に存在感が有り過ぎました。ともあれ、村上春樹の小説のエッセンスは「喪失感の描き分け」と解釈していますが、そこには及第点を付けたいと思います。余談ですが、21世紀に入った頃、友人が「日本の男をダメにしたのは村上春樹だ」と言ってました。頷いてしまう人も多いのでは…。
[映画館(邦画)] 7点(2010-12-31 23:48:47)(良:1票)
996.  山形スクリーム
超弩級に暑苦しく、超弩級に笑えません。竹中直人の笑いって、こんなにくだらなかったか?
[CS・衛星(邦画)] 1点(2010-12-26 23:37:03)
997.  ATOM 《ネタバレ》 
幼少期、「21世紀」とは「科学技術が夢のように進んだ世界」の代名詞だった。そのイメージを植えつけてくれたのが「鉄腕アトム」だったように思う。ただ、この作品は明るいイメージだけではなく、製作者である「親」から嫌われ捨てられるという暗い側面も持っていて、「親に捨てられる=サーカスに売られる」という流れが子供心に暗い図式として記憶された作品でもあった。21世紀になってから製作された本作は、選ばれた市民が住む浮遊都市とスラム化した地上という世界を設定した。科学の理想郷のような未来観に無理を感じたのだろう。浮遊都市から廃品となったロボットを地上へ捨てるのは『銃夢』のパクリだろうか。テンマ博士に捨てられるというオリジナル設定は踏襲しつつも、さほど翳りは感じない。人間になれないアトムの苦悩が、別れていた二つの世界を結びつけることに昇華される口当たりの良いストーリー。自分には特筆するところのない出来映えだったが、原作者が観たらどんな感想を持ったことだろう。内なるペシミスティックな性向と闘いながら希望を描いていたと思える手塚治虫氏には、葛藤が少ないと映ったように思えるのでした。原語版で観たが「アストロ」と呼んでいるのに「アトム」と入る字幕には強い違和感があった。上戸彩の吹替え版で観たかった。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2010-12-26 23:32:03)
998.  バーレスク 《ネタバレ》 
MTV系を観ない自分は動いているクリスティーナ・アギレラをほとんど見たことが無かったんだけど、先日ストーンズの「シャイン・ア・ライト」にゲストで登場する彼女を見て、そのパフォーマンスに惹き付けられた。柔らかくもパワフルな身のこなしと迫力の歌唱力。彼女と絡んだミック・ジャガーも褒めてましたな。いきなり余談でしたが、そのパフォーマンスを主演映画で観たくて劇場へ。なかなか歌うチャンスがやって来ず、ご本人と同様にヤキモキしているところでアクシデント的に始まるライブシーン。踊りが中心のバーレスクの演出に、ナマ声を入れることを提案していた彼女のアイデアがいきなり生きるカタチで、その地声の迫力に劇中の観客と一緒に圧倒される。期待通り。だけど、個人的にいちばん盛り上がったのがこのシーンで、映画として面白かったのも実はここまでだった。その後の歌唱シーンは様々に演出されているものの、彼女が嫌っていたはずの口パクに見えてしまって、最初のシーンのようなライブ的迫力が感じられなかったのが残念。また、彼女が歌うシーンが映画のストーリーにシンクロしていないことも残念。盛り上がりのない筋立ての合間にパフォーマンスが散在している印象かな。まぁ、音楽を聴かせる映画のストーリーなんてこんな程度で充分なのかも知れないが、だったら尚更、彼女の歌のおかげで大団円ってくらいにシンプルに盛り上げてくれた方がもっと楽しめたと思いますね。
[映画館(字幕)] 6点(2010-12-25 12:35:13)(良:2票)
999.  かもめ食堂
これは観賞側の生活のリトマス試験紙映画かな。仮に、幸福で裕福で平和で牧歌的で健康で満腹で愛に満ちた生活をしている人が観たら、高く評価する映画と思えないから。つーか、そんな人はきっと途中で寝ますね。またその逆で、仕事で体力と精神力を削り取られていくような生活をしている人がこれを観たら、すごく高い評価(か、低い評価)をすると思う。憧れる(か、有り得ないと目を背ける)から。 このところ、比較的落ち着いた生活をしている自分には平均点映画。神経質に観察すると成立しないような食堂経営だったけど、精神的にニュートラルな生活に憧れる人には味わい深く映ると思います。私は小林聡美の演技力をかなり見直しました。いや、別に見くびっていた訳じゃないけど。彼女の最後の「いらっしゃい!」はホント、いい顔してました。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2010-12-22 00:08:47)
1000.  96時間 《ネタバレ》 
わずか90分に詰め込まれた破天荒な愛情。ひっさしぶりの快作でした。まず出だしが秀逸です。娘の誕生パーティのシーンだけで主人公と娘・元妻・元妻の現在の夫の関係を見事に描写します。その関係性は後のストーリーに全て活かされ無駄がない。娘を誘拐した実行犯を携帯越しに「必ず見つけ出して殺す」と凄むシーンに痺れ、その後の展開に期待が高まる。「!!! 」 その暴れっぷりは期待以上。そこに正義や倫理や道徳はありません。目指すのは自分の娘だけ。他の誘拐被害者には目もくれず、自分の娘だけ。かつての友人の妻なんて、旦那に口を割らせるために腕を撃ち抜かれる。とばっちりも甚だしい。拷問で情報を吐かせた実行犯は開放せずに電流を流しっぱなし。きっちり公約を守ります。ここまで徹底したキチガイじみた追走の動機は娘への愛情。自分にとって大切なものを守るという一念。その純粋な一念に、娘のいない自分でさえ感情移入し、娘が「来てくれたのね」と言った瞬間に頬に伝うものがありました。そこまで揺らされると、やってることは無茶苦茶でも誰かのためにエゴを貫くことの意義に首肯せざるを得ない。リュック・ベッソン、やれば出来るじゃん。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2010-12-19 20:07:01)
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