1001. ナッシング・トゥ・ルーズ
《ネタバレ》 勘違いからスタートするロードムービー。よくある展開に、いまいち退屈を感じてしまう前半。ですが、ニック(ティム・ロビンス)とテレンス(マーティン・ローレンス)のコンビが結構良くて、ついついこれからの展開を期待してしまう期待感がありますね。 テレンス宅に立ち寄って、ドラマ色が強くなったとき、がぜん物語が面白くなってきます。これはテレンスに対する思い入れが強くなるためでしょう。お約束なくらいずるいストーリー。強盗してきたテレンスが、実は真面目で、優しくて、頑張り屋で、家族思いで、でも努力が報われない状況って出来過ぎでしょう。でもこんな出来過ぎな背景が好きっちゃあ好きなんですよね。不採用の束をニックが見つけちゃうシーンなんてたまらないです。 そしてニックにもテレンスにも用意されている理想的すぎるハッピーエンド。本作はエンドロール後の『ガソリンスタンドの兄ちゃんへ』まで、シナリオが完璧で、見終わった後は清々しいことこの上ないです。コメディ色が絶妙なバランスでストーリーに溶け込んでいるのも、本作の雰囲気にとてもよく合っていると思います。 予定調和で『あるある』な作品ですけど、こんな『あるある』なら大歓迎です。 [DVD(字幕)] 7点(2014-07-08 16:52:35) |
1002. バグズ・ライフ
《ネタバレ》 ファンタジーとしてわりきってしまえば、大変に夢のある作品です。個人的にはより昆虫の現実を描写したであろう『アンツ』のほうがストーリーは面白いです。ですが、子供目線に立ったとき、その色使いやキャラデザインは、こちらのほうが楽しんでもらえそうですね。中でもドット姫とブルーベリーズのかわいさは際立っています。ドット姫が懸命に走る姿、小さな羽根で飛び回る姿の愛らしさは、昆虫のレベルを超えています。それにアリ以外の虫がたくさん出てくるのも良いのかもしれませんね。 本作では虫が集まる世界を都会に見立てたシーンがあります。なかでもバスがあったり、たくさんの虫が車に見立てられている世界を作ってしまうディズニーはさすがです。これぞ想像力の限界を超える理想的なファンタジーの世界だと思います。 そしてその一方で、やたらとリアルな現実をぶつけるのもさすがディズニー。特に昆虫にとって脅威になるであろう『雨』の描写はすばらしい。そこにわかりやすく爆音の効果音をつけちゃうセンスに感動します。 リアルとファンタジーの極端なアンバランスを平気でミックスさせておきながら、これだけ説得力のある作品ができちゃうもんなんですね。その上で、ちゃんとエンターテイメントとしての役割も担っている、上質のCGアニメだと思います。だけどやっぱり子供向けですね。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2014-07-06 17:14:27) |
1003. シューティング・フィッシュ
《ネタバレ》 DVDで鑑賞です。画質があまりよくありません。映像にこだわる方はその時点で受け入れられないかもしれないです。 言っちゃなんですが、ストーリーはいたって普通です。ただし、ネタが多い上に、一つ一つが吟味されているかのような丁寧な作りなので、どのエピソードも楽しめるのが本作の最大の長所です。 更に、主演の三人が、なかなかに魅力のあるキャラクターに仕上がっているのが良いですね。ディランとジェズは、平気で不特定多数の人を騙すくせに、お金に困っている人にはやたら親切というお人好し加減が絶妙です。 ただし、二人がやっていることは結局のところ犯罪なんです。手放しで賛同しきれない部分はあります。ですから、パソコンを盗んだ奴への復讐、及び嫌な幼馴染みを騙しちゃうラストはまだ素直に喜べるんですが、それ以外は少々ひっかかるものがありますね。 特に、騙された人たちが復讐に来て、その後車で爆発しちゃうのはさすがにやりすぎ。コメディとは言え、騙された人たちが善人とは思えないとは言え、被害者であることには変わりないですからね。不可抗力とは言え爆弾で吹き飛ばして終わりってのはどうも・・。 [DVD(字幕)] 7点(2014-07-03 17:03:11) |
1004. トイ・ストーリー2
《ネタバレ》 前作の良さを引き継ぎながら、本作ならではの面白さが追加された上質のエンターテイメント作品。楽しさ、面白さの中に、やはり胸を打つシーンが用意されているのも前作同様。言わずもがなそれはジェシーの回想シーンです。前作ではバズが自分がおもちゃだと気づいちゃうシーンで切なくなったものですが、よもやあの気持ちを上回るエピソードを用意してくるとは思いませんでした。まじで切ないです。 人間にとっても不老不死ってのは永遠のテーマであるような気がします。それがおもちゃにとっての博物館。ですが今作ではその博物館へ行くことが本当に究極の幸せの形なのかという問題提起を、ストーリーの中に自然に浮上させている点が素晴らしいと思います。そしてその選択に葛藤するウッディは、まさに不老不死を夢見る人間を鏡写しにした姿かもしれません。死とは誰にとっても恐ろしいものなんでしょう。かと言って『いつか来る死にびくびくしながら人生を台無しにしちゃっていいの?』っていう問いかけが劇中バズから投げかけられます。その問いかけに対するひとつの答えをウッディは悩みながらも答えます。でもそれが、このポップで暖かいアニメだからすんなり心に入ってくるのが 嬉しいです。 そういえば前作ではほとんど活躍の場がなかったポテトヘッド、スリンキー、レックス、ハムがメインのストーリーに進出してくれたのはかなり盛り上がりました。特にスリンキーはお気に入りです。レックスは邪魔しすぎ。全員で、せーので自動ドアを開けるシーンが最高に好きです。 ラストのNG集の遊び心には感動すら覚えます。いや、本当に凄いです。このディズニーの『サービス』にかける情熱は右にでるものはいないんじゃないかとすら思います。その根底にあるのは、ただただ見る人に楽しんで欲しいという真心なんでしょうか。心が洗われるようです。 [ブルーレイ(吹替)] 7点(2014-06-30 17:30:32)(良:1票) |
1005. トイ・ストーリー
《ネタバレ》 『面白い』や『かわいい』だけでなく、感動があるのがディズニーですね。CGの技術に頼りきっていないストーリーの面白さが素晴らしいと思います。 特に今作は、あくまで子供向け子供目線で作られているのでしょうが、台詞の一つ一つを吟味すると、大人目線でも楽しめる妙があります。例えば、現在の職場、『飽きっぽいアンディ』。もっと良い職場があるのではと、再就職先に選んだシド。ところがこの再就職先はとんでもないブラック企業。結局アンディの良さを再認識することになるっていうのは、現実世界でも日常的にありそうです。まあ本作ではウッディ達は再就職したくてしたわけじゃないんですけど。 また、子供には良い教訓映画になりそうです。『物にも命があると思って大切にしましょう。』『一度失った信頼は簡単には取り戻せない。』子供達に、理屈ではなく感覚で学んで欲しいことを感じてもらえそうですね。 私は個人的に、バズがCMを見るシーンでアイデンティティーについて考えさせられました。ってゆーか、バズは一瞬落ち込みましたが、じゃあ私達人間のアイデンティティーっていったい?そう考えると人間もおもちゃも大差ないのかもしれないです。 それにしてもこのアニメとしての安定した面白さはいったい何なんでしょう。オープニングのプレゼント偵察をラストにもう一回もってくるところなんか、お約束中のお約束ですが、こんな演出がたまらなく楽しいです。 ウッディが前半ちょっと嫌な奴だったり、自分をスペースレンジャーだと信じきっているはずのバズがおもちゃのふりをしたり、まあ正直マイナスな部分もあるっちゃああるんですけど、それでもさすがディズニー、そしてピクサーのアニメは夢があって楽しいですね。 [ブルーレイ(吹替)] 7点(2014-06-30 01:13:45)(良:1票) |
1006. ハロウィン4/ブギーマン復活
《ネタバレ》 このシリーズは回を追う毎に面白くなっていきます。1作目より2作目。2作目より4作目のほうが面白いです。あくまで個人的には、ですけど。 4作目ともなるとスプラッタ描写にも力が入りはじめて、なかなかの臨場感と迫力があります。これくらいのレベルになると、十分満足できます。ショットガンを撃たずに、突き刺しちゃうあたりが流石です。よくわかっていらっしゃる。 また、本作ではマイケルの仕事の手際の良さが際立ちます。開始10分もしないうちに救急車を惨劇の舞台に。このスピード感が良いですね。そして畳み掛けるように、ガソリンスタンド、発電所、警察本部と次々に血祭りにあげていくのがたまらないです。これこそホラー映画でしょう。 単純にホラー映画を楽しみたい方には十分満足できる内容だと思います。 ラストも素晴らしい。1作目のオープニングと視点がほぼ同じというところが感慨深い。 大変シリーズ色が強い作品ですから、連続で見たほうが良いかもしれないですね。 [DVD(字幕)] 7点(2014-06-22 02:33:19) |
1007. クロスゲージ
《ネタバレ》 手堅く、きれいにまとめた良作サスペンスアクション。正直欠点らしい欠点は見当たらないし、退屈することもないんですが、賞賛すべき点もあまり見当たらないという無難な作品です。 冒頭のビルからの脱出に始まり、検問の突破、街中からの脱出など、絶体絶命のピンチをきわどいバランスでくぐる抜ける様は面白いと思います。更には主人公のダンと、巻き込まれちゃったコンスタンティーニ医師とのやりとりも、ストーリーを間延びさせない程度のアクセントになっていて良かったです。 匠の技が随所に光る技あり的な作品だと思うんですが、なぜにこんなに盛り上がりに欠けるんでしょう。不思議です。言うなれば、1作品としての、そつの無い完成度の高さが、この作品から緊張感や不安感を奪ってしまったのかもしれませんね。 [DVD(字幕)] 7点(2014-06-20 16:17:48) |
1008. シリアル・ラヴァー
《ネタバレ》 思わぬ拾いもの。シュールでブラックなコメディ作品。本来最も苦手とするこのジャンルなのに、これは面白かったです。 このタイプの作品にしては、ストーリーが破綻しすぎていないところは評価に値します。妹とその他大勢の友人が押しかけるところからはほとんどカオス状態になっちゃうにも関わらず、姉の意思と目的がはっきりしているので大変見やすくなっております。つまり、シュールな作風に見せかけて、きちんと一本筋の通ったストーリーコメディであることが、自分の好みと合っているみたいです。 それに、登場人物が一癖も二癖もある変な人達のようでいて、それなりに常識は持ち合わせているのも良かったのかもしれません。こんなはちゃめちゃな内容にも関わらず、イライラすることが無かったのは、この作品には常識と良識がきちんと存在していたからだと思います。 笑いのセンスもなかなか良かった気がします。必死なお姉さんだけでもそれなりに笑えるのですが、強盗二人組みが出てきてからは笑いのレベルが上がります。ジュークボックスのくだりなんか爆笑です。 ラストに妹に電話するオチまで完璧。短い時間でテンポ良くまとめたのも良い。 安上がりで楽しめる、ちょっと高尚なドリフ映画ってことで、オススメできる作品ですね。 [DVD(字幕)] 7点(2014-06-14 12:08:58) |
1009. 仮面の男(1998/ランドール・ウォレス監督)
《ネタバレ》 ディカプリオの演じ分けが見事です。ルイ14世とフィリップがちゃんと別人に見えます。ルイ14世の冷たい目、フィリップの頼りなさげで泳ぎがちなまなざし、二人分のギャラをもらってもいいんじゃないかっていうくらい良かったです。 『三銃士』+ダルタニアンの作品は大好きです。残念ながら原作を読んだことはないのですが、今まで見た映画はどれも面白かったと記憶にあります。タレント揃いの勇者たちが再び力を合わせるっていうストーリーがとにかく好きなんです。 本作も例にもれず、いったんは現役を退いた三銃士の面々が、それぞれの理由で再び力を合わせようとするのがたまりません。幽閉されている王の双子の弟を救出して、新たな王にしようというストーリーが、わかりやすく気分を盛り上げてくれます。フィリップがわかりやすすぎるほど善人なのも良かったと思います。 そして、「仮面の男はあなただった。」の一言で、本作の真の主人公が実は誰だったのかがわかるラストは本当に良かった。 本作は、ラウルとクリスティーヌが悲惨すぎる上に、ふたりの無念を置いてけぼりにしちゃったような感があるのがマイナス。アトスが王を殺しちゃうような内容だったらまだ溜飲を下げることもできます。ラウルとクリスティーヌが王の暴君ぶりを印象づけるためだけの使い捨てのような描き方だったのが本当に残念です。一見ハッピーエンドのような終わり方ですけど、実は全然ハッピーじゃない人達がいるんですよね。 それと、超個人的な意見ですが、クリスティーヌに王をとりこにするほどの魅力を感じなかったのもまずかったです。 [DVD(字幕)] 7点(2014-06-13 14:47:32) |
1010. ボスニア戦線
《ネタバレ》 戦場に行ったことがないので、この作品がどれほどリアルなのかはわかりませんが、少なくとも私にはかなりリアルな戦場に映りました。 ドキュメンタリータッチではありますが、断片的な映像の中に確実にストーリーが存在する不思議な作品。過剰な演出を極力抑えながらも、映像だけで限りない情報をものすごく雄弁に語りかけてきます。映像の力というものを肌で感じることができる貴重な作品かもしれないです。 銃撃や地雷、迫撃砲で、日々無力で無関係な人々が死んでいく一方で、そこに住む人々は食事を作り仕事をし学校に行っているという現実があります。そこにいる人々にとっては日常なのでしょうが、戦争を知らない自分にとっては日常と非日常が混在する混沌とした世界に戸惑います。 そこで働く戦場カメラマン、報道陣は戦地に来るまでは戦争と無縁の人々。そのような人達が、戦地において自分たちの価値観や理性、モラルの狭間で揺れ動いている様子が感じ取れてしまうのも、本作の大きなポイントかもしれません。 そしてこの作品を見ると、もしかすると政治的な力が働いて私たちが目にすることができないだけで、実際の戦場の現実を映し出した資料というのは世の中に膨大な数眠っているのではと想像してしまう次第です。 きっと一般の人々に知られてしまうと極一握りの人達が困ってしまうような不都合な真実っていうのは数限りなくあって、そんな世の中だからこそ、この映画に出てくる人達のような存在は必要なのかもしれませんね。 [DVD(字幕)] 7点(2014-06-09 05:39:17) |
1011. デビル(1997)
《ネタバレ》 父親がいきなり撃ち殺されるオープニング。激しい撃ち合いから始まる序盤。まるで内戦中のような、街に漂う緊張感。タイトル『デビル』の名にふさわしい、血で血を争う凄惨な物語となっていくのでしょうか。いやいや、ブラピ演じるフランシスが亡命・潜伏してからは映画の雰囲気が一転。フランシス(亡命先ではローリー)をとりまく人間ドラマが始まります。 まったりとした展開。スローライフのようにゆっくり過ぎていく時間。ローリーやトム・オミーラ(ハリソン・フォード)がどういう人物なのか、丁寧に私たちに印象づけてくれます。さすがにまったりしすぎて退屈で冗長に感じる部分はあります。ただローリーとトムの二人は、共に善人であり、事情が違えばきっとお互いに友人や親子のような関係になりえただろうことが痛いほど伝わってきます。 この前半の抑え気味で地味で、でもなんだか大切にしたくなるような人間ドラマがあったからこそ、後半の展開、そしてラストに切なくやりきれない気持ちが生まれるのでしょう。 タイトルと人物設定及びストーリーに若干のずれは感じますが、映画としては個人的に好きなタイプです。相容れぬ立場でありながら、お互いの存在を尊重しあい、思いやりあえるような人間関係は心にぐっとくるものがあります。そういった意味では、なかなかに良い映画だったんじゃないでしょーか。僕は好きですよ、こーゆーの。 ローリーはかわいそうだったけど、人生の最後にトムやその家族と出会えて嬉しかったんじゃないかな。最後は幸せそうにも見えました。ってのは言いすぎですかね? [ブルーレイ(字幕)] 7点(2014-05-22 12:43:42) |
1012. 素晴らしき日
《ネタバレ》 軽快なリズム。スピード感のある展開。 なかなか楽しい作品です。 ラブストーリーだけでなく、お互いの仕事のドラマがきちんとストーリーとして見ごたえのあるものになっているのが大変良かったです。二人が仕事に対して真剣な分、肩入れする気持ちが生まれますし、コメディパートの面白さも際立ちます。 時間に追われる身でありながら、どうしても言わなければ気がすまない口げんかは特に面白い。普通だったら、口論は、もっと険悪になったり、間があったりするものです。ところが二人の場合、何せ時間が限られているもんだから、お互い必要最低限なことだけを言って終わりっていうのが小気味良いです。 で、本作で唯一気に入らなかったのは子供、特にサミー(男の子)のほうですね。コメディだから目くじらたてるもんじゃないってのは重々承知しています。ですがたった一日でこんだけトラブル起こすってのはさすがにあんまり。どんなにやんちゃな子供だって、やばいことしちゃったら、それからしばらくは大人しくしているもんです。ですがサミーにはそれがまったくない。完全にトラブルを起こすアイテムとして配置されているのがあからさま。だから見ていてついイライラしてしまいます。 でも子供たちの面倒を二人で協力しながら見ていくっていうストーリーはとても面白いですね。 [DVD(字幕)] 7点(2014-05-19 02:02:49) |
1013. フィフス・エレメント
こーゆー娯楽SFは大好きです!夢があります。わくわくします。奥行きのある未来都市、そこを飛び回る車、世界観が最高にエキサイティングでたまらないです。 すべてがフィクションの映像でありながら、その中で生活感を感じさせる演出が素晴らしい。コーベン・ダラス(ブルース・ウィリス)のアパートなんかはその最たるもの。 ストーリーそのものは特筆すべきものはありませんが、普通に楽しめるレベルでしょう。大切なのは、そのストーリーと映像、人物がきれいにマッチすることで生み出される、この想像上の世界を経験できることだと思います。今もあるものと、未来にしかないものを絶妙なバランスで融合させている面白さがこの作品にはあると思います。 終盤に向けてなんとなく世界を小さく感じてしまったのは残念ですが、それでも映画の可能性を感じさせてくれる作品でした。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2014-05-15 14:24:55) |
1014. RONIN
《ネタバレ》 狭い路地を走り抜けるカーアクションは興奮の大迫力で、今まで見たことのあるカーチェイスの中で一番ハラハラしました!音楽をかなり抑えて臨場感を際立たせたことが、よりいっそうの緊張感を生み出している気がします。 で、肝心のストーリーにつきましては、わかりづらくはありません。ですが、シーマスが運転手を殺してディアドラと共にサムとヴィンセントを裏切る流れだけが意味わかりません。もともとシーマスとディアドラが雇っている人達であり、利害は一致しているわけで、あのメンバーがケースを取り戻したら報酬を払って終わりで良いじゃないですか。それともシーマスはサムの正体に気づいていたのでしょうか。だとしたらそこは観ている私たちにも『シーマスはサムの正体に気づいているよー』って教えてくれないとだめです。 スパイ&サスペンス映画だからって、なんでもかんでも裏切れば良いってもんじゃないと思いますよ。裏切りは今作の場合グレゴールだけで良かった気がします。 ラストの攻守交替が入れ替わりまくるのはもの凄く面白かったです。そこが気に入らなかった方もいらっしゃるようですが、個人的には大好きでした。スケーターを見殺しにしてあれだけしぶとかったグレゴールをあっさり射殺して、だと思ったらリタイヤしたとばかり思っていたあいつの再登場に、これはやられたと思いました。なかなか興奮するラストでしたね。 最後に二つだけ。弾を取り出すシーンが痛すぎ。あれだけ町を破壊し、車を破壊し、一般人を巻き添えにしまくっているのに、足がつかなすぎ。です。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2014-05-14 13:18:08) |
1015. ピクチャー・パーフェクト/彼女が彼に決めた理由(わけ)
《ネタバレ》 ラブコメのお手本のような作品で、楽しいですね! 私にとってラブコメは、『テンポが良い。』『キャラに応援したくなる魅力がある。』『まじめなストーリーの中に、笑いがちりばめてある。』の3つを押さえてくれることが大事です。本作は軽快なテンポで、憎めない主人公ケイト(ジェニファー・アニストン)が応援したくなっちゃうキャラなのが良い感じです。そして、母親とのやりとり、ニック(ジェイ・モーア)とのやりとり、女性上司とのやりとりの中には、つい頬が緩んでしまうような微笑ましい光景がちょいちょい出てきます。 とゆーわけで、ラブコメとしては合格点だと思います。 ただ、下ネタがちょっと受け付けない内容だったのがマイナス。それから、サム(ケヴィン・ベーコン)がニックの恋敵としては、後半物足りなかったのがちょっと残念。『ただ人のものを欲しがるだけのサム』が、本当にケイトを好きになるストーリーであれば、ケイトがニックを選ぶラストがもうちょっと輝いて見えたかもしれません。 それから、『シンデレラの時計』や、序盤の『ひとめぼれしているニック』など、上手い演出があるのですが、さりげなさすぎてわかりにくくなっちゃっているのが難点。この辺りに注意して見ると、本作はより面白さが増すと思います。軽そうに見えて、じつはもの凄く丁寧で計算された脚本と演出だと思います。 女性向きだとは思いますが、男性でも十分楽しめる良作です。 [DVD(字幕)] 7点(2014-05-10 10:46:48) |
1016. スウィート シンフォニー
《ネタバレ》 ヤウヘイ・エディ・レスリーの3人が、同じ女の子カレンを好きになり、誰が最初にカレンを見つけるかというゲームを始めるところから物語がスタートします。 実際にはカレンはほとんど登場せず、カレンを探すうちに、3人がそれぞれ違う女の子達と知り合っていくというのが本筋になります。また、3人がそれぞれ絡むシーンが極端に少ないので、3話のオムニバス形式のラブストーリーを同時進行で鑑賞していくような趣になっています。 したがいまして、大変見やすく、わかりやすく、面白いのですが、その一方で3つのカップルに接点がない分やや盛り上がりに欠ける気もしました。接点をラストにしか作らないのであれば、最初からオムニバス形式でも良かったのではないかとさえ思っちゃいます。 ちなみに、ひとつひとつのラブストーリーは特徴がはっきりしている上に、どれも結末が気になっちゃう運びになっているので、見ていてなかなか楽しいです。 個人的に面白かったストーリーはバス。でも好きな女優さんは家出少女兼泥棒少女を演じるテレサ・リー。彼女はダウンタウン・シャドーでフェニックス役を演じていた女の子です。で、好きなシチュエーションは婦人警官ですね。 それぞれ見所があるので、本当は6,5点くらいなんですが、おまけして7点です。 [DVD(字幕)] 7点(2014-05-08 10:29:25) |
1017. 007/トゥモロー・ネバー・ダイ
《ネタバレ》 007を初めて見ました。ここまで娯楽に徹してくれると気分爽快です。オープニングから凄いです。武器取引の現場の破壊→ミサイル奪取→脱出、それを全部一人でやってしまうスーパーマンっぷり、最高ですね! 携帯や車(ボンドカーって言うんですか?)、ウェイ・リンの秘密基地など、子供心をくすぐられるアイテムが充実しているのも嬉しいです。 更には、中国公安局員の肩書きをもつウェイ・リンが、成り行きではありますがスパイ仲間として活躍してくれるのも楽しい展開です。組織ぐるみでバックアップ体制がとれている雰囲気も大好きです。 まあ難を言うならば、死なないこと、ハッピーエンドが約束されているので、着地点がわかっている分そこに到るまでの過程を楽しむだけの映画というところでしょうか。その割に、その過程の中でおそらく一番の見所であるべき、後半のガンアクション押しがやや冗長な感じがして、多少飽きちゃったところが残念でした。 [DVD(字幕)] 7点(2014-05-07 12:40:11) |
1018. アライバル-侵略者-
《ネタバレ》 『ゼイリブ』に似ていますが、こちらのほうがサスペンス色が強く、ハラハラします。あちらはサングラスでの殴りあいばかりが印象に残っています(笑) 手堅く作ったストーリーながら、多岐にわたる暗殺とテンポの良い展開、ほど良いミステリーによって飽きることなく見ていられます。惜しむらくは、その手口が非常に人間臭くて、せっかくの『宇宙人モノ』という設定が存分に活かされていないことでしょうか。その辺りは手堅すぎましたね。 後半になると、地下基地や宇宙人の造形も明らかになるため、視覚効果でも楽しむことができます。が、やはりSF好きの人達がSFを見る意識で本作を鑑賞した場合、さすがにこれだけでは物足りなさを感じてしまうのもやむを得ないかもしれないですね。 ただ本作は非常にバランスの良い作品であり、誰が見ても楽しめるエンターテイメント作品として、まずまずの出来であることは疑いようがないと思います。それなりにサプライズも用意されていますしね。 ということで、あまり色眼鏡をかけずに観てもらえれば、思いの外楽しめるんじゃないでしょーか。個人的にはオススメの1本です。 [DVD(字幕)] 7点(2014-05-05 09:42:40) |
1019. N.Y.少女異常誘拐
『N.Y.少女異常誘拐』というタイトルは、本作において事件の表面的な過程をなぞっているだけでして、大切なテーマは原題の『MERCY』=『慈悲』にあります。 本作はサスペンスの様相を呈していますが、実際のところ隠れたドラマ性の部分がメインになります。ネタバレするほどのミステリーはありませんが、それでも何も知らずに見たほうが良いでしょう。 一言だけ言えるのは、小粒ながら、真面目でかなりよくできた作品だということです。 結構オススメです。時間も短めなので、お暇な方はぜひ! 一般のレンタル店にはまずないと思いますが、ゲ○の宅配レンタルでレンタル可能でございます。 [DVD(字幕)] 7点(2014-05-03 07:25:15) |
1020. グリマーマン
《ネタバレ》 『なぜ君と別れた?』 『コール(セガール)は84年に隊をクビになった。東洋思想に傾倒し、自分の罪を悔いた。』 まじで? 『しばし姿を消し、タイに流れ着き、寺院で修行した。僧侶に救われた。』 まじで? 自分の罪を悔いて、寺院で修行して、僧侶に救われたの?まじ?本気? きっと、自分の罪を悔い、寺院で尊い教えを受け、ありがたい僧侶さまと過ごしたかげがえのない時間が、あらためてセガールに暴力の尊さを気付かせてくれたのですね。 きっと神の啓示を受けているうちに、自分が神だと錯覚してしまったのでしょう。 あるある、そーゆーこと。間違ってないよ、セガール。あんたは神です。世界を救えると思います。 [DVD(字幕)] 7点(2014-05-03 07:10:04) |