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かっぱ堰さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1244
性別 男性
自己紹介 【名前】「くるきまき」(Kurkimäki)を10年近く使いましたが変な名前だったので捨てました。
【文章】感想文を書いています。できる限り作り手の意図をくみ取ろうとしています。また、わざわざ見るからにはなるべく面白がろうとしています。
【点数】基本的に個人的な好き嫌いで付けています。
5点が標準点で、悪くないが特にいいとも思わない、または可も不可もあって相殺しているもの、素人目にも出来がよくないがいいところのある映画の最高点、嫌悪する映画の最高点と、感情問題としては0だが外見的に角が立たないよう標準点にしたものです。6点以上は好意的、4点以下は否定的です。
また0点は、特に事情があって採点放棄したもの、あるいは憎しみや怒りなどで効用が0以下になっているものです。

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1061.  蝉の女 愛に溺れて 《ネタバレ》 
「ラブ&エロス シネマ・コレクション」というシリーズの一つである(R15+)。 内容についていちいち不満を述べたてるのも面倒臭いのだが、原作の場所と違っているため雰囲気がまるで出ていないとか2人の関係設定にかなり無理があるとか背景音楽がチープでやかましいとか劇団などという内輪ネタは見たくないとかそれまでずっとマグロだったのが突然AV女優のような動きをするのは変だとか登場人物がさかんに「仕方ない」と言っている割には何が仕方ないのか全くわからないとかいったようなことで正直なところ不満だらけである。特に、主演女優の経歴からしてエッチ描写が執拗なのはまあ納得するにしても、同僚のAV進出のエピソードなどはストーリー的にほとんど蛇足であり、要はこういうのを見せるための映画なのかと不快感まで覚える。このシリーズの性格というものはあるにせよ、この原作を扱う上でこれがよかったとは個人的には思えない。 加えて不満なのは最後の15分間が完全に不要に思われたことで、これでは余韻も何もあったものではない。原作の短編を1時間半に拡張するに当たって何らかの趣向を付加すること自体は否定しないが、こういうベタに泣かせる話にしなければ満足しないだろうと思われているとすれば観客もよほど馬鹿にされたものである。あるいは、そもそも映画というのは原作を低俗化しなければ成り立たないものだと考えなければならないのか。こんな映画を撮られたことは、撮影地の某県某市にとっても未来永劫の不名誉だろうと思われる。  以上、あまりに落胆したため酷評してしまったが、これは原作を先に読んだ場合の反応であり、映画単独で見た場合にどう思うかは不明である。  なお、ヒロイン役(七海なな)はさすがに見るに値する女優だと思うが、それとは別に、自分がこれを見た真の動機は「いやです」の人(演・住吉真理子)である。この女優は「ヘルタースケルター」(2012)で妹役をやった人であり、同作への出演後はまた減量したと聞いていたが、これを見るとまだそれほど印象が変わっていない。多少やせたとしてもこういう感じの人なのだと思われる。
[DVD(邦画)] 1点(2014-10-25 19:57:44)
1062.  農家の嫁 三十五歳、スカートの風 《ネタバレ》 
「ラブ&エロス シネマ・コレクション」というシリーズの一つである(R15+)。  題名の印象が強いので見たが、「農家の嫁」という割には舅も姑もおらず、また子がいないという条件まで揃ったことでこういうおバカ紀行が可能になっているわけで、その辺はストーリーの都合優先の設定になっている。  主人公の動機に関しては、自分のことを考えてみれば確かにこの歳になって“なかったこと”の埋め合わせくらいはしている(今どき切ない青春映画を見て泣く、など)が、それが“あったかもしれない”などという妄想まではさすがに持っていない。しかしまあ年齢性別が違うということもあるので、やれるうちに存分にやればいいのではないか、と他人事ながら微笑ましく見られなくもない。  またストーリー展開について、主人公が本当に東京まで行ってしまったのは少し驚いたが、その過程で男どもが出て来ては消えていき、それぞれが主人公を前に押す方向に作用するので多段式ロケットのような印象がある。ほかスクールの友人も、当初の裏工作に協力したうえ最後のソフトランディングまで準備していたので、有人宇宙飛行よろしく地上スタッフの支援があって初めて実現できたことのように見えている。最後のオチも気が利いていて、けっこう爽快感のある終幕になっていた。  そういうことで、個人的には特に共感できる映画というわけでもないがなかなかの佳作とは思われる。主演女優はこれまで好きでもなかったが、これで好感度が若干上がった。ちなみに登場人物の広島弁がきついため何を言っているかわからないところがあるが、それはまあ許容範囲である。
[DVD(邦画)] 5点(2014-10-25 19:57:39)
1063.  がんばっぺ フラガール! ~フクシマに生きる。彼女たちのいま~ 《ネタバレ》 
先日、いわき市の人々とたまたまお会いする機会があったので書いておく。書いて何かの役に立つわけでもないが。  まず題名の印象からすると終始ダンシングチームに密着取材かと思うわけだが、実際には2011年春~秋の浜通りに生きる人々のドキュメント、といった印象が強くなっている。中で圧巻だったのは双葉町民の一時帰宅に同行して現地に行く場面であり、これは地元民の解説も付いて非常に臨場感のある映像になっている。ウシはいるわダチョウはいるわで大変だが、自宅周辺から発電所の一部が直接見えているのはさすがに慄然とした。 ただしそういったことで誰かを声高に非難するようなものではなく、また悲劇性ばかりを強調するわけでもなく、映像に出ている人々がみな穏やかに自然体で前向きなのが清々しい。ドキュメンタリーにしても意図的にそのように作ってはいるのだろうが、それでわざとらしいと思えることもなく、特に中心人物として登場するサブリーダーが おっとりした感じで気の優しい人に見えるのは心和むものがあった。   また全体構成としては、最初が全国公演で始まって、最後は2011.10.1の部分オープン時のステージショーの時点で終わっているが、これは当然ながら「フラガール」(2006)を意識していたと思われ、映画で描かれていた出発点をここでまた再現したようで、見ている側としても感無量といったところだった。このステージショーの場面を見ていると、ここまでこぎつけた関係者の尽力はもちろん、お客の方もまだ半年でよくこれだけ集まったものだと感心するが、大変な時だから歌舞音曲は停止などといわずにお客自身が楽しむことで、ダンシングチームの人々や会社にも元気になってもらうのが本当の支援ということを納得させられる。 現在でもダンサーはほとんどが地元出身者とのことで、最初から今まで地元貢献ということで一貫しているらしい。こういう困難な時期であればこそ、初心に帰って地元と共存共栄しようとする事業者がいてくれることは地元にとって何よりの財産であり、このことで個人的には いわき市というところが何とも羨ましく思われた。
[DVD(邦画)] 8点(2014-10-01 23:57:34)
1064.  フラガール 《ネタバレ》 
前半部はコメディ要素が空転している感じもあるが、何カ所か本当に笑えるところもある(菅原大吉氏の「グギってなった今」という台詞が個人的に可笑しい)。全体としては、わりと平凡で結末も見えている成功物語を演出と演技で盛り上げている感じだが、それでも要所の感涙ポイントには素直に泣かされ、またラストのステージショーは、劇場の大画面で見ていれば大感動だったかも知れないと思わせるものがある。 また物語の背景としては、国のエネルギー政策の転換のほか個人の職業観や人生観の変化といったことも出ているが、中で個人的に気になったのは、妹と先生を背後からサポートしたことだけで兄が満足し、自分は斜陽産業とともに消えていくかのような描き方になっていたことである。女は強いということ自体はいつの時代も同じと思うが、それより男がいつまでも既成秩序に縛られる一方、いち早く抜け出してみせるのは女性だという意味であれば、昭和41年というより21世紀向けの映画という気もする。  ところで幼少時からその存在を知っている自分にとって、“常磐ハワイ”は大衆的な娯楽の場としての低俗なイメージが強かったわけだが、この映画を見たことでその印象が一新された気がする。 劇中で出ていたように、親が危篤でも「バカみたいに笑って」ステージに立つという態度は、この種の仕事としては少し極端な気もするが(客の保安に関わらないため)、しかし逆にいえばそれが作り笑いの真の価値ということだろうし、また当然のことではあるが(今さらこんなことを書くのも失礼だが)プロがプライドを持って仕事をする場なのだということを、自分としてはここで改めて見せつけられた気がした。同時にそれが、炭鉱の単なる代替職場を超えた価値をこの場所に生み出したことの表現にもなっている。 さらにいえば、温泉レジャー施設といったものを地域にしっかり根付かせて現在に至る基礎を築いたという、いわば偉業を顕彰する映画にもなっている。別にこれだけで地域経済を支えてきたわけではないにしても、地元の雇用維持に貢献しようという志は出発点から持っていたものであり、また特に今になってみれば、どんなときにも笑顔を提供する元気の素をここに育ててきた意味もあったのではないか。そういったことをこの時点で全国に紹介しておいた点で、この映画もまた有意義なものだったという気がしている。
[DVD(邦画)] 8点(2014-10-01 23:57:28)
1065.  ヒトコワ -ほんとに怖いのは人間- <OV> 《ネタバレ》 
5話オムニバスである。  【知ってはいけない友達の秘密】 有名な都市伝説から始めておいて違う結末を用意しているが、ありがちな話という印象しかない。本来はマミ役の女優が好きで見たわけだが今回はそれほどでもなく(あまりくだけすぎない方が個人的好み)、かえってエイコ役(我妻三輪子)の表情がいい。  【送り○チガイ】 最初からほとんどネタバレである上に、終わり方も本当にこんなのでいいのかという感じ。サチ役(岡本杏理)は、制服姿が似合うかどうかは別として人そのものは好印象。  【親の顔がみたい】 ちゃんとオチが付いているのはいいが、人によっては途中で結末がわかったと言い出すかも知れない。主人公は委員長タイプで、友人にもおばさんっぽいと言われていたが、個人的にももう少しかわいく見せてもらいたかったと思う。  【自分の名前を検索してみたら】 劇中の動画投稿者は見るに堪えないが、しかし井上麻子役の女優(早織)に惚れてしまうのは同感である。この人が本当にいい顔を見せているので感動する。  【あの世からの電話】 最も時間が長く、中身も少し充実している。片桐・加藤の2人の男の対比がなかなかいい感じを出しており、またユキオの母は言葉が微妙に地方人らしく聞こえ、表情も普通っぽいのがかなり真に迫っていた。オチも付いているが、最後の汗はマンガとしても面白くないのでやめてもらいたかった。   以上、全体として凡作(以下)揃いで単調な印象がある。題名のとおり超常現象によらないホラーを目指している(一部を除く)ようだが、そういうアイデア自体は以前からあるので目新しくはなく、また各話の内容もTVシリーズなどで確立したパターンを流用しているだけではないかという印象があってあまり感心しない。特に気になるのはオチらしいオチのない話があることで、別に実話怪談を装う必要はないのだから、ちゃんとお話として締めてもらうのが基本ではないのかと思う。 しかしそういった不満とは別に、スターダストプロモーション所属の多彩な女優を見るという意義はあったと思われる。このあとも続編として2と3が出ているようで、これも同様の趣旨だろうと想像するが見る予定はない。
[DVD(邦画)] 3点(2014-09-07 09:21:28)
1066.  トリコン!!! リターンズ triple complex RETURNS 《ネタバレ》 
好きな女優が出ているとかいう動機がない限りわざわざ見るものではないと思うが、見ればそれなりに面白い。本編では登場人物の心が揺れている場面で、強い風のために海面も不穏な感じで揺れている映像が印象的だった。こういう天候の時を選んでうまく撮るものだと思う。 また登場人物に関しては、本来は主役のイケメン俳優3人を見るための映画なのだろうが、自分としては当然ながら男に関心はない。三輪ひとみが出ているのは同じ監督の別映画の縁からかも知れないが、せっかく少し色っぽい服装で登場したのだから、もっと色っぽく活躍してもらいたかった。 そのほか個人的趣味としてはゲスト出演の妹役がかわいいので見ていて和む。この女優は女性としては比較的長身で、黙っていればどちらかというと落ち着いてクールに見える人だと思うが、こういうかわいい役をやると本当にかわいいので感心する(ウ○コしてもかわいい)。しかしこの映画の性質上、見たのはほとんど若年女性だったろうから、公開当時この人はほとんど注目されていなかったと思われる。それでは悔しいので、せめて自分がちゃんと見たということをここに書いておく。どうせ誰も読まないだろうが。
[DVD(邦画)] 4点(2014-09-07 09:21:25)
1067.  天使がくれたもの 《ネタバレ》 
原作は著名なケータイ小説とのことで、この映画も対象年代の心理を丁寧になぞる形になっていると想像される。これで女子高生などに絶大な支持を受けているというのもわからなくはないが、そのせいでかなり観客を選ぶ映画にはなっている。 個人的にはとにかく理性とか客観性といったものの欠如した世界が赤裸々に描写された印象があり、部外者としてはかなりの心理的距離感を覚えざるを得ない。何しろ劇中で心から共感したのは「あんたはアホか!」という台詞だけという有様だったが、ただし少し面白いと思ったのは登場人物が妊娠・出産するとGAME OVERになり、以後は苦悩から解放されて安定状態(涅槃?)に達するように見えていたことで、これは対象年代の視野の限界を示しているものと思われる。 見ている側としては、そんなことをしている以外に何か打ち込むことはないのか(スポーツでも音楽でも何でも)、と言いたくもなるが、あえて突き放して見れば興味深くもあり、また中高生向けケータイ小説というものの雰囲気を窺い知ることができて少し勉強になった気もする。点数は主にそういった教材的価値に対して付けておく。  ところで主人公は清楚な感じの外見だが、実際の行動や劇中世界との間にギャップがあってイメージの整合が困難である。そもそも登場人物がヤンキー風大阪弁をしゃべる純愛ストーリーというのは結構ユニークな気がするが、出演者も主人公役の清水由紀(愛知県出身)以外はけっこう地元出身者を揃えていたようで、ここで人物登録されている範囲では鍵本輝が奈良県、ほか徳永えり、宮下雄也、滝裕可里、飛鳥凛、原西孝幸が大阪府内の出身だったようである。若手の中ではやはり徳永えりの存在感があった。 以上、この映画にこれほど真面目なコメントを付ける自分をほめてあげたくなるが、これが対象年代にとってのリアルということなら、一応ちゃんと見てやらなければと感じさせるものもなくはない。
[DVD(邦画)] 2点(2014-09-07 09:21:21)
1068.  おにいちゃんのハナビ 《ネタバレ》 
先日、新潟市内の料理屋に行ったところ、たまたま店に小千谷市出身の人がいてこの映画の話題が出て、お互いに映画を見ましょうという話になった(出身者でも見たことがなかったらしい)。自分は真面目な人なのでシーズンが終わらないうちにちゃんと見たが、遠方のためその店にまた行く機会は当分ありそうにない。   それで内容としては最初から結末が見えており、あとはどうやって泣かすかの手法の問題だろうから、泣かせられるものなら泣かせてみろという気分で見たところ逆に打ちのめされてしまった感がある。冒頭で妹の頭を見せられてしまった後では、この病人らしくない明るく元気で世話焼きで強引な妹の言動に笑わされると同時に泣けて来て、感動のラストのはるか以前から半泣き状態になる。ひねくれた兄もこの妹には逆らえないらしいのが情けなく、同時にこの妹を愛しく思う気持ちが見ている側でも高揚させられてしまう。 そうすると、その後の明らかに泣かそうとする場面は当然として、使い捨てカイロが暖かいというだけでも、またクリスマスケーキを買う母子を見ただけでも泣けて来る。花火大会の場面では、一つひとつの花火にこれまでのエピソードで出た人々の思いが込められており、互いに大事に思い合う人々がいることもわかってまた泣かされる。最後には、題名の花火が上がったと思うともう一つ題名の花火が上がったりもして、これはもう泣かすことに関して徹底された映画だと思える。また奉納花火という性質も十分に生かされていた。   ところでキャストについて、妹役の女優は実は外見的には好みでないのだが、この映画を見ると演技で納得させるには顔の造作など関係ないと実感する。また花火グループの会長さんは、ストーリー的には妹亡き後の空白を埋める立場になるのだろうが、この人(演・早織)が何気にいい顔をしていて好きだ。ほかにも劇中では母親役を含め、女性に救われるところの多い映画だった。
[DVD(邦画)] 7点(2014-08-23 08:54:47)(良:1票)
1069.  虹色ほたる ~永遠の夏休み~ 《ネタバレ》 
背景描写は丁寧で美しいが、人物の作画にはどうしても違和感が残る。いろいろと考えはあるのだろうが、正面から見た顔と俯いた顔、横顔の印象が全く違うのはさすがに困ったことであり、また登場人物のイメージを壊すような表現は問題と思われる。 またストーリー面では、終盤で少女が「一生懸命光るから」と言ったので何が起こるか期待していたのに、実際はどこがどう光っていたのかわからず、主人公の青年がたまたま目をつけただけのように見えていたのは落胆する。見栄え優先の大がかりな奇跡など起こさなくとも、ささやかな奇跡でいいからヒロインが“光ること”の方に重点を置いてもらいたかった。どうもこのラストが軽薄で安易に思えるが、これが原作に由来するのだとすれば残念なことである。加えて個人的には1977年の山村を見てノスタルジーに浸る気にもならないので、全体として絶賛したいというほどの映画にはなっていなかったというのが実感だった。  ただし、中盤で主人公の少年が神社裏に呼び出された場面では、浴衣姿の芳澤さんがあまりにきれいで愛らしいため、年甲斐もなく少年の心情に同調してしまうところがあった。また終盤で少年が「ホタルはさ...光るんだよね!」と少女に語りかけた場面では、それまではっきりしていなかった純愛ストーリーとしての性格がここで一気に表面化したように見えて感動的だった。ここまでに少女への思いをつのらせていった過程を、自分としてもこの少年と共有できていた気がする。 ...とはいえ、前記の通りこの感動が最後までつながっていかないのは困ったことだが、とにかくそういった点で思春期的な(まだ小学生だが)切なさも感じられたことから、どちらかといえば好きな映画として位置づけなければ済まない気にはなる。いろいろ不満はありながらも、ラストがハッピーエンドだったのはやはり嬉しいことで、現実問題として見れば主人公も友人も、小学生の頃に恋心を抱いた相手と大人になってからちゃんと結ばれたというだけで奇跡のように思われる。
[DVD(邦画)] 6点(2014-08-23 08:54:43)
1070.  ももドラ m o m o + d r a 《ネタバレ》 
この人々が出るものを見たのは2つ目だが、依然としてファンでも何でもないことから、部外者としての冷めた目で見たところを書かせていただく。  ep.1(黄)浅間大神は怒ると爆発するので怖いと思うが、女の子に親切なのはいいことだ。最後がなかなかいい顔。  ep.2(桃)女の子の心情はよくわからないが、とりあえず甘ったれ感が微笑ましい。お姉さんも優しげな人。  ep.3(緑)少し怖くて少し感動した。演者のおかげもあって佳作。  ep.4(紫)途中でほとんどオチが見えた気がしたが、最終的にその推定が間違っていなかったことがわかると改めて嬉しい。  ep.5(赤)最後に大感動編が用意されているかと思ったらラストで気が抜ける。彼氏がユニーク。  以上、ファンでも何でもないといいながら、自発的に見ようとする程度には好意的であるから見て損した感じはせず、特に個人的に気になる人(緑)はこれでまた評価が上がった(そもそもこれを見たのは、DVDケースの写真でこの人が咎めるような目でこちらを見ているのを無視できない気がしたからである)。気分的には少しいい点を付けたくなるが、ファンではないという引け目があるので標準程度にとどめておく。 なおepisode.3で出る中岡俊哉氏の著書は懐かしい。
[DVD(邦画)] 5点(2014-08-23 08:54:35)
1071.  火垂るの墓(1988) 《ネタバレ》 
20年以上前にTVで見た時は、子どもを死なせてまで人を泣かそうとする、卑怯で許せない映画だと感じた。しかし今回見直したところ、ただ淡々と兄妹の境遇を描いているだけに見えたのは意外だった。若い頃と比べて神経が図太くなったからだと思うが、アニメの見方自体が変わったこともあるだろう。しかし同時に、やはり子どもに直接見せるようなものではないとも思った。  ところで普通、こういう悲惨な話に接した場合は、自分の気持ちを整理するためにまず誰を非難すべきか明らかにしようとするものだが、この映画の中では主に次の5つが考えられる。  ①民間人を殺傷する目的で都市攻撃を行ったアメリカ  ②結果的に多数の国民を死亡させるに至る戦争に踏み切った日本政府  ③大人の事情(やっかみなど)から兄妹を疫病神扱いした親戚  ④適切な判断によらずに家出し、結果的に妹と自分を死なせた兄  ⑤その他、兄妹を放置して死なせた周囲の人々(通行人など)  この中で、自分ならまず①を大いに憎むが、通常は①②の区別なく抽象的な「戦争」を非難するのが国民的常識あるいは自明の正義ということらしい。その一方で④を強調する人も多いようだが、劇中でも家へ戻るよう諭す農夫が出ていたことからすれば、特に強調せずともこういう要素が含まれていること自体は明らかである。ほか③や⑤は鑑賞者本人にも返ってきそうな話で、これは自省すべきなのだろう。また直接の責任はないが、最後に出ていた良家の子女は現代人全般に通じる存在かと思う。  それで今回強く思ったのは、別にこの映画自体は何かを主犯に仕立てようとしているわけでもなく、ただありのままを提示しているだけではないかということである。それで何を感じるかは人それぞれというしかないが、“忘れてほしくない”という思いは強く感じられた。それとは別にテーマがあるとすれば、生命が脆く儚く、たやすく失われてしまうことの悲しみ、ということだろうか。劇中では空襲で多数の人間が死亡する一方、兄妹が一時の楽しみのために大量のホタルを死なせてしまう場面もあったが、それも含め、とにかく描かれた内容を真っすぐに受け止めなければならないと思ったのが、今回見直した後の実感だった。 なお映画の評価については、本心ではトトロと同程度なのだが、あまりにも社会的に色が付きすぎていることへの反発があるため、採点放棄の意味で0点とする。
[DVD(邦画)] 0点(2014-08-17 13:50:26)(良:1票)
1072.  となりのトトロ 《ネタバレ》 
20年以上前にTVで見た時は、まずはオープニングの画面に蠢く気色悪い生物が印象に残った。通常の美化された自然描写では出ないこういうものをあえて引っ張り出し、この映画はありのままの自然に向き合っておおらかに受け入れているように感じられる。ただしメイが脇目もふらずに歩いていく前後で気色悪いのが時々表に出て来ることもあり、たまたま遭遇を免れたため気づかないでいた危険の存在を示しているようにも見えている。 また最初に見た頃は、親子向けアニメなど自分の見るものではないと決めつけていたところもあったわけだが、歳とってから改めて見るとこれが結構切ないものがある。お母さんが心配で泣き出すサツキがかわいそうでならない、などと若い頃なら絶対思わなかったろうが、これに追い討ちをかけるように劇中ではメイまでが失踪してしまい、子どもらが日常のすぐ裏にある不安や危険に常に晒されていることも示されている。そうした重層性は、実はトトロやネコバスのいる並行空間にも言えることだが、幸いおばけの世界は子どもの味方だったようである。  一方エンディングでは、秋になってお母さんが無事退院した後の様子が描かれており、幼かったメイが年下の子と遊んでやるようになったりして、少しずつ変化しながら季節がめぐって行くのが表現されている。キャッチコピーの「このへんな…」というのも、成人後のサツキが昔を振り返って語った言葉だろうから、この家族には未来につながるしあわせが約束されていることは疑いない。いくら裏のあるアニメでも、このストーリー自体をバッドエンドとして裏解釈することなどは無理だと思われる。 ただし、例の都市伝説に出る陰惨な事件がこの映画(S33の所沢市と仮定)とほぼ同年代の同地方で起きたこともまた事実である。劇中の時点では事件の被害者もすぐ近くに住んでいて、かつサツキとほとんど同年輩だったはずだが、しかしそういう暗い背景があればこそ、かえってこの映画の明るく楽しい子どもの情景がさらに奇跡のように輝いて見える気もした。子どもにそんなことを教える必要は当然ないが、この世界に現実にある不安や危険を知る大人であればこそ、この映画で描かれた家族のしあわせがどれほど貴重なものか認識できるのも間違いない。これに気づくことで、単なる子ども用アニメを超えた価値を改めてこの映画に感じることができたというのが、今回見直した後の実感だった。
[DVD(邦画)] 8点(2014-08-17 13:50:23)(良:1票)
1073.  潔く柔く きよくやわく 《ネタバレ》 
申し訳ないが正直に書くと、意味はわかるが共感させるものがなく、2時間強の長さが非常に苦痛である。普通に考えて出来の悪い原作が映画化されるはずはないので、これは映画の方の問題だろうと想像する。主演女優は別に嫌いではないが、この映画を見て特に好きになれたわけでもなかった。点数はほとんど柿之内の姉ちゃんへ。
[DVD(邦画)] 1点(2014-08-12 19:25:01)
1074.  大木家のたのしい旅行 新婚地獄篇 《ネタバレ》 
原作者本人が脚本を書いているので基本的には原作通りと思われる。背景にある死生観や人生観については正直よくわからなかったが、少なくともストーリー的には「子はかすがい」というのが重要事項だったように見えており、ハネムーンベビーができるのかと思っていたら最後まで出なかった。代わりに従前のどうでもいいこだわりを捨てて、新しい炊飯器を買い直すことから始めましょう、という形で終わったらしく、これはこれで前向きなお話と受け取れる。ラストの妻の台詞が作為のない感じで好印象だった。   この夫婦に関しては、コメディ調ながら人物像は極めて生々しく表現されている。序盤で徹底的にどうでもいい会話をしているあたりではどっちもどっちという感じだったが、向こうの世界では地が出たということなのか、夫の方が圧倒的に馬鹿に見えている。個人的にはこの馬鹿さ加減が不快要因になって素直に共感できないところもあったが、まあこれは劇中の赤青の区別にも関わるものなのかも知れない。自分は赤にはなれないのだろうと思われる(ヨシコちゃんと同じ側でいいです)。   一方で劇中世界の設定に関しては、地獄というものの性質がどうなっているのか全く理解できない(魂を準備する場所に地獄というネーミングは適切?)が、映像的には異界感がほどよく出ており、また異種族間の交易の危うさといったものが表現されていたのは必然性に欠けるが面白い。これに対する序盤の現実世界でも、半端な場所設定(五反田?)や何の変哲もないショッピングセンターの風景とあわせて、倦怠感にまみれた雰囲気が視覚面でも印象的だった。 なおコメディ場面で笑ったのはマサハル君の退場、甘エビの食前処置と人物写真の説明だった。
[DVD(邦画)] 6点(2014-08-12 19:24:53)
1075.  仮面ライダー×仮面ライダー×仮面ライダー THE MOVIE 超・電王トリロジー EPISODE YELLOW お宝DEエンド・パイレーツ 《ネタバレ》 
最近の仮面ライダーは設定が複雑なため、突然これだけ見ても何が何だかわからないだろうと思っていたが、実際見るとお話自体はわかりやすい。劇中の嫌味な男にとっては何がお宝だったのか、というような話はベタだが嫌いでなく、映像に出る手紙の文章や文字の感じが微妙に泣けたりする。 ただし主人公がなぜか少年であり、また着ぐるみキャラ4人がバカばっかりで(全員バカでもないらしいが)ギャグを飛ばしまくるため、笑えるのはいいが対象年齢は明らかに低くなって見える。自分としてはこういうのを見るとヒロイン役について一言書かなければと思うわけだが、この映画では小学校高学年くらいに見える少女がそうだったのか。なかなか活発なお嬢ちゃんで大変結構でした。かわいいです。 そのほか大人の観点からは、母親役で出ていた人が個人的に好きな女優さんなので、こんな東映特撮などに出ていても一応ふさわしい役をやっているのは嬉しい。この人も可愛いお母さんでした。
[DVD(邦画)] 6点(2014-08-04 20:05:43)
1076.  RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語 《ネタバレ》 
まずストーリーの都合で死んだ工場長は気の毒である。また劇中の鉄道会社は、本当にこんな会社と思われていいのか、という感じの場面が多く、世の中これで通ると思っているなら困ったものである。 しかし一方、転身後の主人公が業務の習得はもとより、職場での人間関係や顧客への態度も含めて完璧な人物像に変わっていたのは見事だった。若い男の苛立たしい物言いにも、全く別次元から余裕で応対していたのはさすが年の功と思わせる。要はもともと何でもできる男なのであり、前の会社でやっていなくとも環境に合わせて変えただけのことで、どうやらこれは本当に有能な人物だったのだ、ということが主役の演技を通じて納得できた。 ただし劇的な転身を図ったこの主人公だけが特別ということでもないらしく、劇中の“変われるうちは老人ではない”という発言のように、変わるときにはいつでも変わる、といった程度の気分で構えているなら万人にも可能だろうという気がした。  ところで主人公の転身の話は前半で終わったようで、後半は周囲の人間との関係が重点になっており、特にこれまで構ってこなかった一人娘には伝えることが多かったらしい。劇中ではこの娘の立ち位置が微妙に見えており、世間知らずな甘ったれと素直ないい子の間にいて、父親に反発しながらも断絶はしておらず、次第に父親側に寄り添っていくのが自然に表現されていた。特に社会に対する責任ということを何気ない事件から学んでいく展開は巧みに思われる。また人物の外見としても、清潔感がある一方で色気もあって可愛らしいので見惚れてしまう。  そのほか、この映画では鉄道周辺の風景が非常に印象に残る。広い空、美しい雲が映像化されているかと思うと、劇中での発言通り天気が変われば印象も変わって来る。また普通の農村かと思っていると駅のすぐ向こうに宍道湖の湖面が広がっていたりして、これが出雲の景観なのだという感慨があった。
[DVD(邦画)] 7点(2014-07-29 19:51:55)(良:1票)
1077.  吉祥天女 《ネタバレ》 
誰も読まないだろうが、原作に敬意を払う必要もあるので真面目に書いておく。 まず原作が書かれた80年代前半での問題提起を、20年後にそのまま再現することが困難なのは理解できる。ジェンダーの問題や女性の身体的な不利性など、現代では一般に認識が浸透してきている内容もあり、またこれを消化した上で出て来る「人間の攻撃性」(文庫版の解説にある)の表現に関しても、娯楽映画の世界では既に日常茶飯事と思われる(女子高生がゾンビを殺しまくるなど)。本来のテーマを改めて映画の場に乗せるのは難しいものもあるだろうし、あまり真面目に描き過ぎても妙な反発を生じかねない気がする。  しかしだからといって、そういうことが骨抜きになったような映画にするのもどうかとは思う。原作では女であること自体に伴う宿命のようなものが通底していたのに対し、映画では家系に伝わるものを強調したうえ、金田一耕助役の人物まで出して土俗ミステリーの雰囲気を出している。その中で原作のテーマに通じるものも表現されていたかも知れないが印象には残らず、また最後に羽衣を散らしていたのも理屈はわからなくはないが観念的である。天女の“夫”や由似子の心境変化といった原作のオチを完全放棄した上で、この題材を使って何を描き、最後に何を残そうとしたのかはよくわからなかった。  また原作で小夜子が由似子と涼の両方に好意を持っていたのは共通の理由があったわけだが、映画ではこれも明瞭とは思われず、単なる個別の友情と個別の恋愛感情(それも唐突)にレベルダウンしていたように感じられる。由似子の方は見事に清純で可憐で可愛いので、こんな女の子に生まれたかったというのも説得力があるが、涼の方は観客が納得するだけの性質を備えた人物になっていたかどうか。原作では涼の人物像への共感がラストの感涙ポイントにつながっていたので、映画がそうでなかったのは残念だった。  以上、個人的には特別の理由(見たい女優がいるなど)がない限り、原作を読んだ上でさらに見なければならない映画とは思わなかったというのが正直なところである。 なお小夜子の外見は原作のイメージと明らかに違っており、特に背が低いのは違和感があるが、目や顔の表情などはこの映画なりの強い印象があり、それほど問題とは思わない。しかし天女の不可侵性のようなものはもう少し出してもらいたかった。
[DVD(邦画)] 4点(2014-07-29 19:51:52)
1078.  スウィングガールズ 《ネタバレ》 
いきなり序盤の悪ふざけを見て機嫌が悪くなり、それが結構後まで尾を引く。主人公を含めた女子高生が揃いも揃って全く可愛気がないのも感心する(関口香織を除く)。自分としては主演女優が今でも好きになれないのだが、それは恐らくこの映画を見たせいだと思われる(関口香織役には好意的)。 ところで自分はこの手の方言が分布する地域の生まれではないが、近隣出身者としての感想を書かせてもらうと、劇中の方言が最もそれっぽく聞こえたのは意外にもフォークデュオの2人だった(兄役が地元出身とのこと)。このあたりからようやく機嫌を直して笑えるようになり、最後のステージ場面まで行けば制作側の意図にも素直に乗れるようになるので、最終的には挽回していたと言えなくもない。会場になだれ込んだ女子高生が鼻を赤くしていたのは何気にリアルで可笑しく、またネズミの御守りというのも悪くない。 ほかストーリーとしては、ご都合主義もいい加減なのも適当なのもそれ自体はそれほど気にならない。出演者が陰でまともに楽器の練習をして、劇中でも面白そうにやっている(関口香織役を含む)のでまあいいのではないかという気になるが、それより自分としては本仮屋ユイカという人の存在を知ったというのがこの映画最大の意義だった。
[DVD(邦画)] 5点(2014-07-29 19:51:48)(良:1票)
1079.  PIECE ~記憶の欠片~ 《ネタバレ》 
一応説明しておくと、仮面ライダー・戦隊シリーズにヒーロー役で出た役者を活かすためのプロジェクト“TOEI HERO NEXT”というシリーズの第1弾である。この映画では「仮面ライダーオーズ」の2人がダブル主役で出ており、ほか自分の知っている範囲では「仮面ライダーW」の園咲若菜役も出演している。ちなみに現時点で第4弾まで出ているようである。 内容としては、変身ヒーローがおらずアクションもほとんどない東映特撮といったものだが、子ども向けというより若干シビアな感じになっている。「オーズ」のTVシリーズは見ていないので、主役2人が当時とキャラクターを変えているかはわからないが、少なくとも「零」役は5つの人格を瞬時に演じ分けるということをやっているので、これはなかなか頑張っているのではないかと思われる。特に「綾さん」を熱演しているのは非常に面白い(惚れてしまいそうだ)。本来の鑑賞動機は元カノ役を見ることだったが、そのほかイマカノ役もなかなか愛嬌のあるキャラクターを演じており、最終的には主役を含めて主要人物の皆に愛着がわいて来る作りになっている。 なお最後は明らかに謎を残して終わるので、このままでは続編がなくては済まない状態になっているが、現時点でこれの続編は出ていないようである。別に続編を期待するわけでもないが、その後がどうなったのかは気にならなくもない。
[DVD(邦画)] 5点(2014-07-24 20:28:49)
1080.  制服サバイガール II 《ネタバレ》 
前作で「こんな何もない田舎」と言われていた場所が、今回の劇中の新聞で長野県須坂市であることがわかった。須坂市の人々は、こんなZ級映画にそんなことを言われて黙っていていいのか。 まず当方としては最大限に好意的に見ようと思っているにもかかわらず、その好意に全く応える気のなさそうなことに呆れ返る。そもそも女子高生の映画のはずなのに男が出るのは観客への裏切りだろうが、この男がとにかくバカ丸出しの足手まといでしかなく、代わりに仲村みうが暴れてくれればそれでいいとも思うわけだが、その後二人で学校のような建物に数日こもっているうちに仲村みうもデレっとしてしまってテンションダウンする一方となり、わずかに最後、取ってつけたような勇ましい場面も動機づけがアレでは気が抜ける。この人のほかは女子高生役の出演者も激減するため、全体としても灯の消えたような寂しさだったのは救いがない。  一方ストーリーに関しては、最初の方で真面目な顔をした登場人物が「地球全体が乗っ取られる」とか言って仲村みうがハッとした顔をした時点で、これは自らバカ映画たらんと志しているのだろうと個人的には確信したのだが、その後は意外にもシリアスな方向に話が展開していく。終わってみればバッドエンドを伴うバイオホラーであり、また極限状態のもとで若い男女が真実の愛を確かめ合う話にもなっていて、少なくとも形の上では極めて真面目な映画を作ろうとしたように見えなくもない。しかし実態としては、かったるい進行の上に台詞は陳腐で映画初出演の男も見るに堪えず、そのため終始“真面目に見る奴はバカ”と書かれたテロップが画面の隅で点滅し続けているような気がして非常に困惑するものがあった。これは一体どういう事情でこういうものができたのか知りたいところだが、要は低予算ということに帰着するのか。  そういうことで個人的評価としては最低レベルだが、それでも0点とかにならないのは、少なくとも仲村みうは真剣に演技しているように見えたからである(飛鳥凛も)。わずかに残した点数を、些少で恐縮だがこの人々に捧げたい。本当にお疲れさまでした。
[DVD(邦画)] 1点(2014-07-24 20:28:45)
0110.88%
1272.17%
2614.90%
3987.88%
418014.47%
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628522.91%
717814.31%
8614.90%
9171.37%
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