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Yuki2Invyさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1615
性別 男性
自己紹介 基本的に3~8点を付けます。それ以外は、個人的に特別な映画です。

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1081.  ゾンビランド:ダブルタップ 《ネタバレ》 
アポカリプス状況下で数年経過しているという設定だが、妙に暢気に文明崩壊な感じが無く、時の経過を偲ばせるのは女優二人の変貌ぶりのみである(男どもは意外なまでに全く変わり映えがしない)。  「お前誰?」状態で可愛げの欠片もないアビゲイル・ブレスリンはさっさとパーティから外し(なんでこんなに太ったの?)、代わりに可愛いだけの頭空っぽ女を追加して話を進めるのは個人的には悪くないチョイス。しかし、途中でよく分からない流れでいったん離脱して復帰したり、離脱中にはまたよく分からない流れで変な連中が出て来たり、展開運びは結構取り留めが無い。全体的にコメディ要素も明らかに前作よりは弱い(個人的には、前作もそこまで好きでは無いのだけど)。むしろ、アクション要素が中盤も終盤もそれぞれ結構よく出来ている様に思う(ゾンビ映画としては相当に派手)。  他方、エマ・ストーンは前作のギャル風味から転身して大女優らしく矢鱈と凄みが増しており、タラハシーよりもよっぽど迫力アリ。しかしそれでいて絶妙にコミカルな演技はやはり相当に上質で、今や何でも出来ちゃう最強女優とでも言えるのではないか(後半はあんま目立ってないけど)。
[インターネット(字幕)] 5点(2020-11-08 03:12:08)(良:1票)
1082.  火の馬 《ネタバレ》 
調べると、舞台は19世紀のウクライナということらしいが、それよりも幾分古い時代の、というか、貧しさと同時に原初の力強さを多分に残している様な人々の生活が描かれてゆく、という作品。映画ではあるが、その部分には非常に(劇映画の範疇を超えるような)リアリティを感じるというか、諸々つくりもの感があまり感じられないトコロがまず心に響いてくる。特に二度の葬礼と中盤の婚礼のシーンは衣装・美術も色鮮やかで美しいトコロに、まずは今作、非常に綿密に組み立てられた構図からなる静止画の美しさが絶品であり、そのクオリティは同時代のタルコフスキーに優るとも劣らないレベル(火や水を画づくりのモチーフに取り入れる所なんかも似てると言えるのかも)。  更に印象に残るのが、静止画の美しさを重々醸しつつも、同時にカメラを実に大胆に動かしまくる「動きながらの」画というものがこれまた更に美しく、躍動感を溢れさせ、また幻想的でもあり、率直に非常に見事だった。映す対象・映し方の技巧・シンプルなシナリオ・長すぎない尺、どれをとってもアート系としては非常にバランスが良い。後続作品のややスピリチュアルすぎる傾向に比べれば、ダントツで一番最初に観るべきパラジャーノフ作品と言えるのではないか。傑作。
[映画館(字幕)] 8点(2020-11-08 02:04:59)
1083.  ピエロがお前を嘲笑う 《ネタバレ》 
思ったよりもだいぶ普通、というか率直に平凡な作品だった。サスペンスとしての出来が終盤のドンデン返しも含めて、さほど納得感が無いとゆーか取って付けとゆーか。サイバーものなのだが、その技術的なトリックの部分にあまりリアリティが無いから、全体的にイマイチ腑に落ちない&上滑りな感じがするのですよね。  今どき、重要なデータセンタには金属探知機通らなかったら入れませんし(電子機器の持ち込みなんてまず無理です)、登録してない記憶媒体をUSB差し込むなんてしようもんなら一発で警報が鳴り響きます。そういう場所からデータを盗み出す、というのを描くのだったら、もう少しやり方を工夫して欲しいもんですね(逆に、そこにリアルに取り組んでくれたら、それだけでも我々そっち系の人達は面白がって観ると思いますが)。
[インターネット(字幕)] 5点(2020-11-08 00:50:10)
1084.  男と女(1966) 《ネタバレ》 
映画というよりも、むしろ詩と歌と絵、いささかミュージックビデオの方に近いとも思われる作品で、実はストーリーはあって無い様なもの、かも知れない。しかし、詩的で抒情的な愛の語らいは洒脱なフランス語で音的にも心地良く(フランス語って、愛を囁くためにある言語ですよね)、そして音楽は何と言ってもフランシス・レイの超傑作ウルトラ・スタンダード・ナンバー。なんと予算不足が原因とのことだけど、モノクロの綯交ぜになった映像面の美しさも実に味わい深く、ここに加えて、フランス的美意識のひとつの到達点とも言うべきアヌーク・エーメの芸術的な美人ぶりが正に至高、という。  愛とは甘さ、であるかの様にただ甘くて、最後に少しだけほろ苦甘く融けてゆく後味の良さも含め、あくまで雰囲気映画だが、その部類では随一、という作品。傑作かと。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2020-11-07 03:43:38)(良:2票)
1085.  ディア・ハンター 《ネタバレ》 
特に第一章のパートで、そして全体としてもかなり重いテンポで、所々確かにやや冗長に思える箇所も在るとは言えるだろう。ただシンプルに、この重苦しさをそのまま作品全体の空気感として取り込むための演出方針であるのは明白であり、それ自体は分かり易くシリアスな見応えを形成することにも成功しているし、決して悪くない選択だと思う。中盤から後半にかけては随所に心を穿つ様な威力・迫力のあるシーンも増えてゆき、この(反戦と言う)題材の映画としては間違い無く一級品&ある種の水準を示す傑作と言ってよいと感じる(やや、オーソドックス過ぎる感は無くも無いケド)。  ベトナム戦争、という大きなひとつのコンセプトに関して言えば、中世以前ならばともかく人道主義が普及した現代に至っては、人は守るべき人々の為にしか本気で戦うことなど出来ないのではないか、ということをひしひしと感じる。それが侵略されたベトナムが勝利した理由であり、既に個人主義化したアメリカが敗北して絶望的な虚無感を抱えた若者が大勢生み出された理由なのではないか、と。その意味では、種々のテロ組織を影で操っているのはCIAだ、なんてのも、あながち単なる陰謀論でもないよーにも思われてくる、というか。
[インターネット(字幕)] 8点(2020-11-07 01:46:39)
1086.  朝が来る 《ネタバレ》 
全体の構成としては、前半が永作博美の話で後半が蒔田彩珠の話、というのは明確である。もし、あくまでサスペンスに徹するのであれば、その主となる後半に比して前半をもう少しライトに済ませる、という選択肢も在った様に思う。そのひとつの理由は、この前半のヒューマンドラマとしての出来がそもそも非常に素晴らしく、こっちの話が更に展開していく訳ではないことが少し残念に感じられるというか、やや消化不良と言ってもよい様に感じられた、というか(まあ、単純に前半と後半で二度美味しい映画として味わう、で何の問題も無いとも思うケド)。  ただもう一点、少し気になると言ってしまうならば、前半の永作(+井浦)があくまで自然な台詞回しを実に慎重に言葉を選んで口にしてゆく、その部分に感じられる思慮深さと、後半の蒔田がとにかくどーにも自分が何をどう感じているのか、そしてそれをどう行動に落し込んでゆくべきなのかを全く突き詰められていないというトコロの短慮さが、この構成によって対比された時に、それがそのまま「親になる資格」の有り無しを冷徹に体現している様にも見えてしまうというか、むしろこれが本作の真のテーマなのではないかと思われるホドだ、というか(でもそれってちょっと残酷過ぎない?アンフェアじゃない?とも)。端的に、私は後半の蒔田にはあまり感情移入できなかった(正直に言えば、私が彼女に抱く感情はあのヤクザのものにも少し近いのですよね)。だからヒューマンドラマとしては、私にとって観ることにポジティブな意味があったのは圧倒的に前半だと言ってもよいのである。  とは言え本作、もっと平凡なオチかと思った肝心の後半のサスペンス的な部分のクライマックスにもかなり優れたアイデアが在るのだ(この部分を最も「キレ」好く観終わるためにも、蒔田彩珠に出来るだけ感情移入して観ていった方がよい作品だとは明言しておきたい)。こちらはこちらであまりにも残酷なこの結末からすれば、少しご都合主義にも思われ兼ねないオーラスについても、ここだけでも彼女に寄り添おうとするのは映画として決して許されないことでもないかと個人的には感じている(原作小説がどう終わるのかが少しだけ気になるトコロ)。  以上、話の内容の出来が率直にかなり優れた作品だと思っているが、例えば前述の自然でさり気なくも鋭く心を穿つ力強い台詞(脚本)のクオリティや、光、特に自然光の使い方にこだわった淡くて繊細な画づくりがもたらす美しくて心地好い空気感なども中々素晴らしかった。色々と普通に、さほど文句も無くオススメできる良作。
[映画館(邦画)] 8点(2020-11-05 00:21:46)(良:1票)
1087.  キラー・ホビー/オモチャが殺しにやって来る 《ネタバレ》 
『悪魔のサンタクロース』シリーズの最終5作目(これもクリスマスの時期の話なだけで、それ以外は特に前作までと関係は無い)。大筋は、頭のおかしいオモチャ屋がつくった殺人オモチャが人を襲う、という(結構よくある)話で、音楽の感じなんかが子供向けぽかったり、所々のつくりも率直に子供騙しだったりするのだけど、一方でショック描写の一部はかなり陰惨だし、エロシーンもがっつりあったりで、全体的に大人向けレベルとは言えないのにあまり子供向けとも言えないアンマッチな出来映えだと言える。  ただ、オモチャの襲撃シーンには(前述どおり子供騙しなのも混ざってるけど)中々ハッチャけたアイデアがあったり派手だったりで新鮮味がなくはないものもあったり、お話の方も(かなりとっ散らかってはいるが)ラスト付近にはそこそこ驚愕の展開が待ち受けていたり、コンセプトは月並だが可能な限り「今までに無かったものをつくる」という意識がひしひしと感じられる(そこに更に「センス」が溢れていればなお良い、というのは確かだとしても)。質感はかなりチープだし、決して諸手を挙げて高評価とはいかないが、個人的にはまあまあ印象の悪くないレトロ・ホラー。どーしても暇だというときには、是非。
[DVD(字幕)] 5点(2020-11-04 23:52:10)
1088.  アシク・ケリブ 《ネタバレ》 
吟遊詩人アシク・ケリブの物語だが、話の内容は率直に大したもんでもない。中東・アラブ風の映像表現も、正直言って『ざくろの色』や『スラム砦の伝説』とかで観たものとさほど変わりなく、この監督の後続作品として斬新さを備えているとまでは言えない(私が監督作を続けて鑑賞しているから気になってるだけかも知れんケド)。  むしろ、主人公が吟遊詩人だけあって全編で騒々しいまでにかき鳴らされ続けるアラビアンな音楽の洪水が、監督の他作品のようにやはり我々を何か別の映像世界に連れて行ってくれる様にも思う(よーく聴いてると何故かシューベルトの『アヴェ・マリア』のメロディが混ざってたりするんだけど)。なので別世界体験するための映画としては、ある程度「使える」クオリティかとも思う。
[映画館(字幕)] 6点(2020-11-04 02:01:30)
1089.  ファイナル・ガールズ 惨劇のシナリオ 《ネタバレ》 
主に『13金』あたりのスラッシャー映画のパロディ・コメディなのだが、ネタ元がスラッシャーなのにグロ&エロは全く欠片も微塵も無いという圧倒的な拍子抜け(まあ対象世代を広げるための販売戦略なのだろうが、個人的には詐欺にも近い)。そもそも、主演女優は(好みも有るだろうが)あんまり素直に可愛い!って感じでも無いし、その他女優陣もブスやらバカやら性悪だわで、むしろ80年代スラッシャーならではの良さというものを意図的にも取り払っているかの様に思える(何故だ)。  もう一点、アラフォーの母親役と20代前半の女子大生役の両方をマリン・アッカーマンが(特に特殊な手法を使うことも無く)演じ分けているが、惜しむらく個人的にはここにも大いに違和感があった。この人、極めて美形でかつ若々しく(実年齢は36,7だが)、こういった無茶をおっつけても何とかしてくれそうなレベルだというのは重々認める。しかしそれでもなお、やはり若づくりの方には違和感が大きかった。実際に十分若く見えるかどうかが問題というよりは、無理に若く見せようとしていることが設定上どうしても見透けてしまう、ということ自体が違和感になっている様に思われる。  映画自体は比較的しっかりつくられているので、ただパロディ・コメディなだけでパンチが皆無なノペっとした質感は、重ねて言うが詐欺まがいである。だいぶん残念な仕上りに思う。
[DVD(字幕)] 5点(2020-11-03 22:47:36)
1090.  水の声を聞く 《ネタバレ》 
そんなの絶対無理だとは思うけど、もし「宗教団体をつくろう!」的なシミュレーションゲームというものがあったとしたら、この映画の様な展開が多々発生するのだろうなあ、というか。(結構ド直球に)宗教団体をつくって運営していく、というお話で、主人公は当然教祖サマである(雇われだけど)。宗教といっても最初はごく簡単なセラピー的な何かであり、言っちゃあ韓流アロマくらいなもの、だった様にも見える。ただ、やってる人達は意外な程にごくマジメで、当然「本物」なワケではないけど一方で決して「詐欺」とかってワケでもない、とゆーか(あくまで信者の心の平穏を願ってる、という意味では)。  この先の道は二つあるだろう。ひとつは、あくまで「偽物」であることを自覚しつつ信者の幸福のために実利を取ってゆく道。しかし、この映画の主人公はより困難な「本物」を目指すという道を選択する(ある種、マジメすぎるのだよね)。結果、団体の内部に軋轢を生じ、なんやかんやあってラストは序盤からチラホラ彷徨いてたヤクザが全部ぶち壊して唐突にバッドエンド。お話のコンセプトの部分には率直にけっこう興味を持って面白く観れたのだけど、この終わらせ方は上手いとは言えんでしょ(どー終わらせるのが正しい話なのかよー分からん、というのも確かだけど)。  あと、宗教団体として一番肝心な「創始」と「信者勧誘」の部分が殆ど描かれないのもあって、少し「浮いた」話だというか、結局あまりリアリティのある話にもなっていない。だがその分、寓話的・比喩的な話に見えてくるというか、何か色々想像力を刺激する話だなあとも思える(ただその示唆的な部分とゆーのにも、あまり明確なアイデア・意図が感じられるワケでもない、という感じではあるのですけどね)。  もう一点、これも何故か韓国絡みの話になっているのだけど、私が観た限りではここにあまり深い意味は無いよーに思えた。要は、実際の(架空の)宗教儀式が描かれるに際して、これが日本の宗教だということになってしまうとなんか色々と面倒だった、ということなのではないだろうか(どっかの何かに似てたりすると困っちゃう、というか)。まあそれゆえにより一層「際どい」話になっちゃってるのは端的に事実だとも思うケド(フォローしとくと、実際はそんなに身構えて観るよーな話でもないと思いますよ)。
[DVD(字幕)] 5点(2020-11-03 03:39:13)
1091.  新 死霊のしたたり<TVM> 《ネタバレ》 
いちおう『悪魔のサンタクロース』シリーズの4作目の扱いなのだが、このシリーズ、1~3は犯人の素性的な部分で繋がりがあるのだけど、今作4は別に3までとは何の関係も無い。事件が起こるのがクリスマス辺りだからいーんだよ!という開き直りのようである(『ハロウィンⅢ』的なヤツてことかいな)。で日本では結局、監督繋がりで『死霊のしたたり』のバッタもんに仕立てられちゃってるし、だったらフツーに別作品としてやりゃいいジャン!(日米ともに)と思いますですね。  お話の方はというと、人体自然発火?→ゴキブリ?→なんかの魔術!(魔女集団)という突拍子も無い展開をしてゆくが、色々と雑で率直にだいぶん支離滅裂ぎみ。もう一点、恐怖描写のかなりの部分が結局ただのゴキブリで、汚らしいわ気持ち悪いわでかなり不愉快(特撮はスクリーミング・マッド・ジョージで、よくみるとこの部分のクオリティはそれなり)。あと、あのモード・アダムスが黒幕の魔女を演じているが、なんのオーラも感じられないただのオバハンでこれも残念。主演女優もブス(設定上は美人記者ということになってるのだけど)。かなりのポンコツホラー。
[DVD(字幕)] 3点(2020-11-03 01:17:42)
1092.  サムソン 神に選ばれし戦士 《ネタバレ》 
この話、リメイク?されてたんですね。どーもキリスト教関連映画専門の制作会社つーのがあるらしく、かつキリスト教世界ではこーいうのも一定の長期間の需要が見込めるから予算もある程度投入できるとゆーことなのか、今作もセットや衣装、古代都市の遠景のCG等は結構頑張っており、全体としても意外にチープさはほぼ感じない(→件のラストシーンへの期待は否が応にも高まる一方)。  話の内容は細かい工夫を半ば「諦め」、ほぼ聖書の内容どおりと言ってよい展開運び、そしてかなりテンポも良く進むため、悪く言えば相当に軽い。個々のシーンにも軽すぎるものも散見される(ライオンなんて一瞬で屠っちゃうし)。また、一歩踏み込んだ設定などもチャンと考えている様には見えない(例えば、サムソンがヘブライ人社会で当初どういう存在なのかとか、ヘブライ人社会とペリシテ人支配層の関係、サムソンがタレンをアッサリ娶れるのはどういう事情なのか、等)。それに加え、聖書でもイマイチよく分からなかった部分は本作中でもそのまま全く分からない(特に件の「謎かけ」とか、あと途中20年飛ぶんだけどそこの年齢の経過とかはもはや無視されてたり)。  それでも、まずテンポの良さを利点と捉え、アクションも可でも無いが不可でもないのを好しとするなら(分量はそこそこだし)、本作は決して全く見どころの無い退屈な作品ではない、のだが…  ひとつ、どーしても許せないのは本作でのデリラの在り方。かなり中途半端なキャラでサムソンを陥れる動機が完全にボヤっとしてしまっている。私はオペラ版から入っている人なので、個人的にはデリラの憎悪とサムソンの恋心の葛藤こそがこのコンテンツの最大の醍醐味(かつ、これを無理のない脚本に仕上げることこそがこの話の最大の難所であり見せ場)だと思ってるので、これを完全に「逃げている」のはハッキリ言って問題外なのである。もう一点、聖書の話どおりな展開だからこそ、サムソンの思慮の浅さが目に付く。この短慮さを是とするならば、それを乗り越えるだけのサムソンの人間的魅力を引出す工夫が必要な筈で、結局そういう意識が微塵も感じられないのも個人的には論外である。  結論、表面的には整っていなくもないが、中身をちゃんと吟味していくと完全に駄作、という感じ。あと、肝心のラストもここにはあんましカネ掛かってなくて正直イマイチでしたわ(=観た意味ないジャン!)。
[インターネット(字幕)] 4点(2020-11-01 06:34:17)(良:1票)
1093.  キックボクサー リジェネレーション 《ネタバレ》 
全っ然悪くはないですよ。少なくともリメイク元に比べれば、軽く30年分は確実に進歩してます。話は元ネタと全く同じですが、別にそれが悪い訳ではないでしょうし、肝心のアクションも分量がまず豊富、登場人物の格闘技的な動きの質も思ったより高度、かつ「スポーツ」的で、アクションとしてもスポーツとしても両面で「観れる」クオリティだと言えます。肩肘張らずに楽しめる格闘アクションとしては、十二分に使い道のある作品だと言えるでしょう。  ただし…その水準を更に超えてゆくような突き抜けて良い部分があったかと言われると、少し微妙かとも思います。何と言うか、総じて何もかもが75点くらいのまろやかなクオリティだ、という感じなのですよね。例えば主演男優なんかも、前述どおりアクションも体格もルックスも全てまったく悪くはないのですが、いざ点数を付けるなら結局どの要素も75点、というか。元ネタだと、これが抜群のイケメンで躰もバッキバキだったヴァン・ダムなのですから、そこは正直に少ーし見劣りがするな、と。  更にその意味で言うと、師匠役で登場するヴァン・ダム本人も動きのキレや筋肉は到底全盛期とは言えず、ちょっと期待からは外れ気味と言う感じでこれも残念です。このように、総じて平均的な本作で唯一平均点以上と言えるのは、ラスボスのバウティスタの存在感ですかね(やはりスッゴいガタイですね)。とは言え重ねて、決して中々悪くはない作品です。
[インターネット(字幕)] 6点(2020-10-30 01:24:00)
1094.  ドリアン・グレイ(2009) 《ネタバレ》 
原作とは(表面的な筋書きも、また本質の部分も)だいぶ異なる作品になってしまっていますが、それでも特に後半はかなり面白く観れたのですよね。ひとつ、主演のベン・バーンズが見栄えも演技もそこそこ以上に優れていた、というのは確実な要因だと思います。なので評価値としてはこう為らざるを得ない。為らざるを得ない、と言いたいのは、それでも随所に猛烈に突っ込みたくなる部分が散りばめられていたからだ、とゆーか。  まずはシビルのエピソードの薄さ。コレがあまりに呆気無さすぎて、彼女を失ったのをキッカケにドリアンの精神の均衡が崩れてゆく、という流れが全く繋がりません。そしてヘンリー卿ことコリン・ファース。彼は端的に「悪魔」でなければならない筈です。ファースは確かにニヒルでアイロニックではありますが、そういった悪徳だとか狂気だとかを滲ませるにはそもそも如何にも真っ当すぎますし、実際に後半ではごくフツーの善良な父親になってしまっています(彼に娘が居るというコト自体が、そもそもチャンチャラおかしいだろうと)。もう一点、ちょこちょこ挿入される若干ホラーでチープな怪奇演出は、これも個人的には受け入れ難い(そーいうトコロの「恐怖」を描くのが目的の作品では決してない筈だろうと)。  とは言え前述どおり、まあまあ面白かったのも事実。こーいうアレンジも可能性としてはアリ、と受け止めるしかないということなのかな…
[DVD(字幕)] 6点(2020-10-30 01:06:27)
1095.  モンスター・トーナメント 世界最強怪物決定戦 《ネタバレ》 
基本的に関係者は(肝心のモンスターの演者も含めて)だいたいプロレスラー・プロレス関係者のよーで、要はコスプレプロレス、とゆーのが最も的確な表現だと思う。実際の格闘技のテレビ中継よろしく、出場選手の紹介(この場面で若干のホラー演出もみられるが、如何せんかなり適当だったり)→本チャンの試合という流れで5試合を進めていく。  しかも、サイクロプスが眼からビーム出したりスワンプガットが毒霧噴いたりもするが、基本的には試合はほぼ肉弾戦で、この意味でもホラーよりもプロレスの方に寄りまくっている。しかし、モンスターがそんなに高度なプロレス技を極め出したらそれこそ99%のプロレスになってしまうので、繰り出される技はボディプレス・エルボードロップ・四の字固め程度であとは単純な打撃技(これもガチではない感じ)。その意味では普通のプロレスよりも格闘技的には面白さは確実に劣る、というか。  要するに、ちょっと中途半端なのだよね。普通のプロレスでは絶対観られない激しい人体破壊だとか(関節へし折ったり腕が千切れたり目玉飛び出たりハラワタ引き摺りながらも闘い続ける、とか)が観れるワケでもないし、だったらそれこそ一流のプロレスラーで本気のプロレスを(コスプレして)やってやれば何か違う世界への扉が開かれる…という方面にも突き抜け切れてはいないし。そもそも、プロレスラーとしても大したことない連中でやってないですかコレ?とりあえずサイズが規格外なフランケンはともかく、残り全員束になってもゾンビのセコンドのケビン・ナッシュに指先ひとつで捻り潰されそーな気がするんですけど。
[インターネット(字幕)] 3点(2020-10-29 02:19:06)
1096.  アリア(1987) 《ネタバレ》 
オペラ歌曲の映像化というコンセプトの短編集。ただ、その映像は美術面で本気で(金掛けて)つくられている訳ではなかったり、アヴァンギャルドさもそこそこ止まりだったりで、やや中途半端な感じ。もっと美しさをマジになって追及したり、幻想的な映像にするんだったらCGとか多用したりすれば、更に面白くなりそう。オペラファンとしては、ぜひもう一回同じコンセプトでやって欲しい企画である。  印象に残ったのはまず、ゴダールの『アルミードとルノー』。歌われるアリアは抜粋。バロック・オペラを背景に、黙々と筋トレするマッチョと陰毛全開の全裸女が戯れるという正真正銘のアヴァンギャルド謎映像(「飛び」具合としてはこいつだけは中々)。流石のゴダール(誉めてない)。  あとはフランク・ロッダムの『トリスタンとイゾルデ』。アリアはもちろん『愛の死』。この短編集の中でも一押しの名曲に添えられるのは、意外にも相当にハイレベルな「濡れ場」。だが、ありそうでなかったこの取り合せは(と言うかオペラじゃ無理だし)、率直にかなり面白く観れた。
[DVD(字幕)] 5点(2020-10-29 01:16:19)
1097.  シェルブールの雨傘 《ネタバレ》 
ミシェル・ルグランの音楽があまりにも素晴らしい。であるからして「100%歌」というかなり攻めてる形式も、この作品に関しては成功だとしか言い様が無い。特に、ラストの感傷の素晴らしさたるや(個人的には映画でこんなに泣いたことは他に無いってレベルで号泣しましたですよ)。恋愛映画では圧倒的に一番好きですし、あと今作のドヌーブがワタシ的には「映画史上最高の美人」でありますね。  私はまた、純・恋愛映画とゆーのには構成要素は3つしかないと思っている。「愛し合う美女とイケメン」+「悲しい別れ」+「ムーディな名曲」ただこれだけだ、と(もちろん、ハッピーエンドな恋愛映画もあるだろ!というツッコミは百も承知ですが)。だから、特にルグランの力ゆえに、今作は恋愛映画の白眉のひとつたりえるのであろう、と。
[DVD(字幕)] 9点(2020-10-26 03:36:17)(良:1票)
1098.  死霊館 《ネタバレ》 
内容は極めてオーソドックスな悪魔祓いものなのだが、幾つかの映画として優れたポイントがあり、そこの積み重ねが平凡なホラーになりがちな題材をワンランク上の作品に引き上げている。  ①基礎的な部分として、展開運びも巧くてテンポ良く楽しめるし、ホラー演出・怖がらせ方もかなり巧い方(流石のホラー監督としての手腕) ②悪霊の暴れぶりは思ったより強烈でややマイルド系のホラーにしては新鮮味がある ③見るからに非常に善人で、かつ人間的な弱さも有るオシドリ心霊夫婦のキャラ設定がとてもグッド ④最後に家族の愛が勝つというホッとできる良いラスト  コンセプトが平凡でも、細かい部分を色々とコツコツ丁寧につくり込むことで、十分に良い作品はつくれるのだと改めて実感する。まあ、誰しもがそういう精密な仕事が出来るかと言うと言うよりよっぽど難しいんだけど(特にホラー監督は志の低い人が多いから…)
[インターネット(字幕)] 7点(2020-10-25 05:52:50)(良:2票)
1099.  新ゾンビ 《ネタバレ》 
我らがオラフ・イッテンバッハの初劇場公開作品は、死者を蘇らせる力を持つ邪神プレムトスの物語(という体の、殆ど無内容で虚無なシナリオ)である。歴史上の様々な場面においてプレムトスがもたらした災厄(という体の、死人がデロデロ蘇っての単調極まるチープなグロ描写)を、現代において邪悪なプレムトスの書を偶然手に入れた主人公の話に(前述の場面が主人公の頭に唐突にフラッシュバックしまくるという無茶苦茶な方法で)巧みに織り交ぜて進行していく。掴みのショックシーン15分は初っ端からかなりカッ飛ばしており、素晴らしい見所となっている(この後1時間近くに渡って大した見所が無いのだから、ここをボーっと見逃すわけにはいかない)。中盤の主人公の日常生活パートにも(自身初の劇場公開作品にも関わらず、この監督グロ以外には映画に描けるようなモノの入った引き出しが本当に何も無いんだな、という意味で)監督の映画センスが炸裂しており、大変に興味深く観れる。  そして遂に、本作のハイライトたるラスト20分がやって来る。  (ちゃんと観てると正確には残り40分の時点でゾンビが出現してクライマックスに入ってるのだが、そこから20分がまた全然盛り上がらないのだ) (全編通してグロ描写の挿入のみに腐心し、それにどうメリハリを効かせるかというのに全く気が回ってなく、とにかくダラダラしてるのですよ) (ただ、ラスト20分前からは音楽も変わってやっと本気でゾンビと闘い始め、そこからの10分だけは少しテンションも上がるかなあと) (お待ちかねの戦車シーン、ゾンビを大砲で粉微塵にする描写にだけは流石に観る価値がある。何故なら他では絶対ここまでやらないだろうから)  世紀の問題作と言える今作、ホラー好きなら必見と言えるだろう(本当にラスト15分だけ、ここだけ観る、で十分だと思う)。
[ビデオ(字幕)] 5点(2020-10-25 05:32:12)
1100.  ティファニーで朝食を 《ネタバレ》 
主筋はかなり繊細ながら、洒脱な演出でオシャレに軽妙に語られるのはかなり心地良いしそこそこ面白いし。また、ホリーの奔放さの演出にも巧さが在るし、オードリーの絶対的な魅力とも相まって主人公の印象も悪くない様に仕上がっているし。  ただ、この映画には以下の2つの難がある。 ・オードリーに「配慮」し過ぎてホリーが娼婦だという点がボヤかされ過ぎて、描写が不自然であるだけでなく主人公のキャラに深みが出ていない ・ユニオシに代表される唐突で奇怪でセンス0なギャグが、全体の淡い雰囲気をただ損なっているだけな様に感じられる  まあオードリー大好き人間の私としては、本作は天真爛漫さ炸裂なオードリーの出来だけで大満足な作品ではあるのだが(音楽も最高だし)。
[DVD(字幕)] 6点(2020-10-24 09:54:01)
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2191.18%
3905.57%
420312.57%
528017.34%
637423.16%
732320.00%
823314.43%
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