1121. ドグマ
観る前はジョン・ランディスの作品みたいな、破壊的しっちゃかめっちゃか作品かと思ったら、意外と真面目な映画でしたね。要は、「今ある宗教の形って後世の人がいろんな解釈を付け加えたりして出来上がったものだから、一回根本的な所を問い直してみようよ」、っていうのがテーマなんじゃないですかねえ(そういえば「実はキリストは黒人だった」っていうのはマルコムXとかが言ってた気がする)。一般的なイメージの「神」は男だという無意識の思い込みがあるけど、それだってキリスト教を支えてきた社会が男社会だったから、いつのまにかそうなっちゃっただけなのかもしれないし。ま、そんな真面目なテーマしてはお下品なギャグが多すぎたし、なにゆえそれほどジョン・ヒューズを槍玉に挙げるのか分からなかったし、ストーリーの整合性という意味ではかなりぶっ壊れてはいるんですけど、観た後の感じは悪くなかったです。あ、そうそう、「あの役」をやってるアラニス・モリセットという人(元々は歌手です、ちなみに)がどういう人か分かると、その配役に「ニヤリ」とできますよ。 7点(2003-06-07 19:45:11) |
1122. 旅立ちの時
うむうむ、よい映画でした。ちょっと最後、何で急にお父さんが心変わりしたのか分からなかったけど。この映画の家族の場合、事情がちょっと特殊だけど(でも実際、こういう人はいるんだろうなあ。日本でも昔、学生運動にかかわってた人で、今でも逃亡生活してる人っているらしいから)、テーマは普遍的ですね。映画の中盤、お母さんの誕生日パーティーで家族が歌ってた「ファイアー・アンド・レイン」がエンディングで流れるところはよかったですねえ、歌詞と映画の内容がぴったりはまってて。 8点(2003-06-07 19:25:46) |
1123. セントラル・ステーション
こういう、登場人物がごくごく普通の人ばっかりっていう映画は嫌味がなくていいですね。ドーラ(ちょい美輪明宏似)の深みのある表情もよかった。ラストの、朝焼けの中ドーラの乗るバスを追って走るジョズエが切ないです。 7点(2003-06-04 18:16:34) |
1124. あなたが寝てる間に・・・
うむむ・・・。どうも僕は、こういうシカケのあるアメリカの王道ラブコメみたいなのが苦手みたいです。サンドラ・ブロックはとってもチャーミングで素敵だと思うんですけどね。それにしても「あなたが寝てる間に・・・」ってそういう意味だったのか。僕はちょっとセクスィーな物を想像してしまった。 5点(2003-06-01 22:43:47) |
1125. みんな元気(1990)
数日前、「アバウト・シュミット」を観たばかりなので、何か似てるなーと思いながら観ました。確かに主人公の老人は少しボケも入ってるみたいだし、独り善がりだけど、なんだかかわいそうで、いたたまれないなあ。同年輩の人が観たらどう思うんでしょうね。それにしても邦題の「みんな元気」っていうのは、どういう意図なんだろう?ほのぼのした作品と見せかけて、実はすごく皮肉の効いてる映画なのでしょうか・・・。 6点(2003-06-01 22:25:22) |
1126. ダンボ(1941)
さいしょダンボが、みみがおおきいからといってばかにされるところがすごくかわいそうでした。ダンボのおかあさんはダンボをまもろうとしたのにろうやみたいなとこにいれられてしまうのはひどいとおもいました。おかあさんといっしょにいられなくなったダンボをほかのぞうがいじめるところはすごくはらがたちました。ぼくはよわいものいじめをするひとがだいきらいです。だからおはなしのなかにはいってダンボをたすけたくなって、おかあさんにいったら「それは、ぎゃくさだこだね。」といわれました。でもやさしいねずみがダンボをたすけてくれたのでよかったです。あととりたちも、さいしょはいじわるだったけど、ダンボのみかたをしてとぶのをてつだってあげたのでえらいとおもいます。ダンボはほんばんでまほうのはねをなくしちゃうけどそれでもとべたのは、ダンボがさいしょからとぶちからをもっていたからです。ひととちがってても、ひとよりすごいことができるのはすごいとおもいます。とてもいいえいがだったので、みたあとおさけをいっぱいのんで、ピンクのぞうをみました。/先生のコメント:ダンボはとても可愛いですよね。でも幼稚園生がお酒を飲んではいけませんよ。 8点(2003-06-01 22:18:29)(笑:3票) |
1127. レインメーカー
《ネタバレ》 最初、見始めた時「お、これはアメリカ弁護士版『ブラックジャックによろしく』かな」と思いつつ、「あなたはいつから堕落したのですか?」ってところは「言うねえ、若いの!」と喝采を送ったのですが、見終わった時にいくつか不満(疑問)が浮かんでしまいました。その1:あのDVの夫を殴った後、結局奥さんが罪を被っちゃった所。あれが後半生かされるかと思ったら、フツーに釈放されてるし。つーか正義派弁護士ならあそこで男を見せろよ。その2:悪役保険会社、弱すぎ。もっとずる賢く描いてほしかった。たぶん現実はあんなもんじゃないでしょ。その3:なんといってもラスト。ええー!?何、結局弁護士続けてたら、いつか自分も堕落するから、今のうちにやめるってか?つまり人はマニック・ストリート・プリーチャーズではなくセックス・ピストルズの様であれって事(前者はアルバム一枚作って解散すると宣言したにもかかわらず、今でも活動を続けてるイギリスのバンド、後者はアルバム一枚作って解散しちゃった、パンクの祖。ちなみに僕は、どちらもいいバンドだと思う)?それは違うぞう、君。理想通りに行かなかったり、時には自分の手を汚さざるを得ない状況になったり、それが人生というものではありませんか?個人的に一番納得のいかないラストでした。でもまあ全体としては良かったんですけどね。ある種のハードボイルドってことなのかなあ・・・。 7点(2003-06-01 22:07:43) |
1128. 1941
うむむ・・・馬鹿映画は嫌いじゃないのですが・・・。ベルーシとダン・エイクロイド(アイクロイド)以外のところは今ひとつだったような・・・。あ、ダンボを観ながら泣いてるシーンは良かったかな。そういえば「ナチにディズニーが分かるか?ミッキーマウスがフランスを襲うか?」って台詞がありましたね。うん、フランスは襲わないけど、小学校の卒業制作にイチャモンつけたりはする。 5点(2003-06-01 21:50:57)(笑:1票) |
1129. 三つ数えろ
チャンドラーの作品は何冊か読んだんですけど、含みの多い台詞とか隠喩が多くていまいちよく分からないところも多かったんですよね。でもこの作品は比較的分かりやすかったです。それにしても「三つ数えろ」とはなかなか良い邦題ですね。 6点(2003-06-01 21:44:41) |
1130. 青の炎
アイドル映画と思って馬鹿にして観ると「おお!?」と思うかもしれないけど、かといって過剰に期待しすぎるとちょっと・・・っていうのが正直なところ。これは皮肉で言うんじゃなくて、若いときに観ないと分からないタイプの青春映画なのかもしれませんね。個人的には、義理の父(ではなかったっけ?)と母親がセックスをしてるのを主人公が聞いてしまう所が痛々しかったです。 6点(2003-05-29 15:20:53) |
1131. 黄泉がえり
前半、亡くなった人達が黄泉がえる所がSF的観点からするとちょっとぎこちない感じがして、いまいち気持ちが乗り切れませんでした。んでも後半の物語が盛り上がるあたりでは(ちょっと無理やり感動させられてる気はしたけど)正直ぐぐっときました。愛する人の死をどう捉え、どう乗り越えていくかというテーマはある意味普遍的だし、もうちょっとなにかあれば、素晴らしい作品になった気もするんですけどねえ。ガンバレ、日本映画!<2004.1.8追記>こないだ何かで見たのですが、この作品なんと30億円のヒットを記録し、ビデオレンタル率も高いそうです。こういう事を聞くと、きっと心ある映画ファンの方々の中には「まったく・・・」と思う方もいらっしゃるでしょう。僕も(あ、別に僕は「心あるファン」ではありませんが)少し前なら 同様に感じたと思うのですが、今はこのヒットを素直に祝福したいと思います。なぜならこれで塩田明彦監督も業界での仕事がやりやすくなって次回作に期待できると思うからです。ハリウッドなどでも心ある俳優・監督が自分が本当にやりたい作品を作る為に、確実なヒット作品に関わって知名度を上げたりする事があるようですし(と、ジョン・キューザックが言ってました)、やはり映画も一つの商売である以上、自分のやりたい事だけでなく、時には悪魔に魂を売る、というと大袈裟ですが、仕事を選ぶ上でのある程度の「戦略」が必要なのではないでしょうか。そういう意味で本作は塩田明彦監督のステップアップのための「必要悪」であると解釈しています。 6点(2003-05-29 15:14:27) |
1132. ネバーエンディング・ストーリー
僕は原作読んでから映画を観たクチなんですが、途中で話がブッタ切られている上、あのラストはねえ・・・。別にファルコンが現実世界に出てきていじめっ子をやっつけんでも・・・。ファンタジーはあくまでファンタジーで、基本的に現実に対しては無力なんだと思うんですよ。現実に立ち向かうのはファンタジーに勇気づけられた人間の役目だと思う。でもリマールのテーマソングは公開当時、それなりに心地よかったかな。 4点(2003-05-29 14:42:24) |
1133. ドラえもん のび太の魔界大冒険
この映画で初めて「パラレルワールド」という言葉を知りました。藤子F不二夫って結構SFにも造詣が深かったらしいですね。 7点(2003-05-29 14:24:30) |
1134. ドラえもん のび太の大魔境
あのラストは、当時小学生の僕にはかなり新鮮で、衝撃でした。それにしてもドラえもんって本当に正しい意味での「子供映画」ですよね(子供騙しってことじゃなく)。大人になって見えてくるものもたくさんあるけど、子供だからこそビビッと感じられるものもいっぱいあったと思うな。 8点(2003-05-29 14:21:42) |
1135. ドラえもん のび太の宇宙小戦争
僕は武田鉄也ってあんまり好きじゃないんだけど、確かに「少年期」が名曲なのは認めざるを得ない。多分ドラえもんの映画を熱心に観てたのはこの作品あたりまでかなあ。 8点(2003-05-29 14:18:02) |
1136. 風の谷のナウシカ
ずいぶん後になって完結した漫画版を読んで「こ、これは凄い・・・。これに比べるとアニメ版はずいぶん中途半端だなあ」とか生意気なことを思ってたんですけど、改めて観ると、これはこれで素晴らしい作品なんですよね。そういえば昔メーヴェに乗って飛ぶナウシカのシーンについて「果たしてナウシカはノーパンなのか否や?」という、世にもくっだらない議論を友達同士でしたことを思い出しました。あの頃まだ僕ら、お猿さんだったからさ、許してやってよ。 8点(2003-05-29 14:14:17) |
1137. 恋愛小説家
この作品、「恋は負けない」のDVDに入っていた予告編を見て「面白そう」と思って観たんですけど、いやー素晴らしい。僕が言うのも生意気だけど、脚本が実に良くできてるなーと思いました。人間嫌いで強迫神経症の小説家、病気の子供を抱えたシングルマザーのウェイトレス、そしてゲイの画家(「恋は負けない」でロリコンエロ教授をしてた。個人的に、ちょっと雨上がりの宮迫さんに似てると思う)の時に癒し合い、時に傷つけあう様が凄く丁寧に描かれています。やっぱり心の変化やすれ違いっていうのはドラマ作りのキモですね。ただ最後、ユドール(ジャック・ニコルソン)とキャロル(ヘレン・ハント)がくっついてしまうオチはほんの少し不満。もともとユドールがキャロルに抱いてた感情っていうのは小さい子供が母親に対して持ってる気持ちみたいなものだったと思うんですよ。ユドールの父親がかなりスパルタだったらしいことを匂わせる台詞がチラッと出てくるので、たぶん家庭もギクシャクしてて、そのせいで人間嫌いになったのかな、と思うのですが、ともあれ別に男女の恋愛にしなくても、そのまま「年老いた息子と若い母親」みたいなユニークな関係性が築けても良かったんじゃないでしょうか?恋愛の要素を入れないとウケないと製作側が判断したのかなあ。でも、全体的にはすごい満足できる作品でした。 9点(2003-05-29 14:03:48)(良:1票) |
1138. ボーイズ・ドント・クライ
アメリカの地域性に関しては、せいぜい「南部は保守的」くらいしか知らないんですけど、この映画の舞台のネブラスカっていうところも保守的(性的マイノリティーに対する偏見がきつい)な所なんでしょうかねえ。あそこに出てくる人達は、(映画を見る限りでは)犯人の男二人を含めて、そんなに悪い人達ではないと思うんですよ。それが、ただ異質で自分達が受け入れがたい存在というだけの理由であんな風に豹変してしまうなんて(ある意味「シザーハンズ」に似てると思います)、悲しいことです。これは不寛容な人々・社会に対するプロテストムービー(抗議の映画。っていうかこういう言い方が実際にあるかはよく知らない。プロテストソングって言葉はあるけどね)だと思います。 8点(2003-05-29 13:35:19) |
1139. シーズンチケット
僕は別にサッカー好きじゃないし、イギリスの社会についても詳しくないんですけど、面白かったです。イギリスの労働者階級(この階級ってやつがいまいち分からないんですけどね)の少年達のやるせなさと、それにもめげず幸せを掴み取ろうとする姿には胸打たれるものがあります。特にジュリーが幼い頃の父親とのサッカー観戦の思い出を語る所(しかもこのエピソードには裏があってそれがまた泣かせるんだ!)はグッときますねえ。欲を言えばラストがちょっと不満。もう一ひねり、何かほしかったなあ。でもいい映画です。「ブラス!」も観てみたくなりました。 8点(2003-05-29 13:01:40) |
1140. 恋人までの距離(ディスタンス)
期待せずみたら(BSで観たので)思わぬ拾い物をしたって感じです。二十歳前後の男女が生と死、個人と世界、そして男と女について語り合うところは、若干年を取ってしまった今ではちょっと青臭い感じがしないでもないけど、公開の年を考えるとほぼ同世代でもあるわけで「親の世代の頃は敵がはっきりしてたけど、今は敵が分からない(うろ覚えの台詞ですが)」なんていう意見には、うんうんとうなずいてしまいます。ラスト二人はどうなるんだろうと思ってたら、あんなだったので、ちょっとがっかりもしたんですけど、あれはあれでいいのかな。「結局二人は二度と会いませんでした。ただの旅先という非日常の中での勘違いでした」って言うオチだと、確かにそれも人生の真実かもしれないけどあまりにも寂しすぎるし、再会できたっていうオチにしても、何だか普通のラブストーリーみたいでつまんないし、「あとはご想像にお任せしますよ」っていうのが一番良かったんでしょうね。それにしても、僕は旅ってほとんどしたことないけど、こういう映画を観るとちょっとヨーロッパを旅したくなっちゃいます。別に素敵な女の子との出会いを期待するわけじゃないけど(いや、そりゃ来る物は拒まずだけどさ)、ヨーロッパの街角で、アマチュア劇団や路上詩人、ちょっと胡散臭げな占い師と出会えたりするのは、かなり素敵ですよねえ。 7点(2003-05-29 12:50:03)(良:1票) |