1161. 点と線
松本清張の原作は元々が面白いだけに期待して見ることにした。確かに話そのものはよく出来でいるし、面白いとは思う。ただ、画面に山形勲が出てきた瞬間にどう考えたところで、この映画の犯人はこいつしかいなと思ってしまう。それは山形勲だけでなく高峰三枝子にしても同じで、それにしてもこのキャスティングの何たる凄さ、誰が見たって善人は全く似合わない二人、山形勲と高峰三枝子が夫婦だなんて、普通じゃないよ。その他に眼を向けると三島雅夫も当然、悪者なんだけど、それを上回る山形勲の悪人ぶりもやはり時代劇の中での山形勲の印象が強すぎて、ここでは確かに悪人なんだけど、山形勲にしてはごく当たり前のような感じしか見えず、高峰三枝子にしても松子夫人に比べたらちっとも恐くない。そんな二人をどう逮捕するかというそれまでの話とあのラストにやや引っ掛るものが残ってしまい悪くはないが、あと、一押し物足りない。これはやはり元の原作があまりにも素晴らしいので、原作を超えることはやはり厳しいと痛感させられた。 [DVD(邦画)] 6点(2007-12-08 14:23:36) |
1162. 巨人と玩具
《ネタバレ》 何なんだ?この異常なほどのテンションの高さは?主役の川口浩と野添ひとみは勿論のこと、脇を固める俳優陣、高松英郎に山茶花究に伊藤雄之助といいその他とにかく誰もが異常なほどのテンションの高さを保っている。何と言う凄まじいテンションの高さとテンポの良さ、飛び交う会話の凄まじさ、ストーリーそのものをどこかへ置き忘れていきそうなほどのハイテンションぶりに見ていてとにかくあきれ返るほどの凄さを感じる。そんな中でも高松英郎のテンションの高さは群を抜いている。部長に対して「あなたは、今はもう、必要としていない人間なんだ」「早く退いてください。あなたは現代においては生きる屍」て凄い。今の世の中、こんな言葉を上司に真っ向から言える人間はどれだけいる?いないだろう!思っていること、全てを吐き出すパワーこそこの映画の持っているものではないだろうか!ただ、個人的好みで言うならば、同じ増村保造監督作品では若尾文子主演による幾つかの作品、例えば「妻は告白する」や「赤い天使」だったり「清作の妻」のようなものの方がこの監督らしくて好きです。それでもこの映画の持っているテンポの良さとハイテンションぶりは昨今の日本映画にはなかなかない。見られないものを感じることが出来ます。 [DVD(邦画)] 7点(2007-12-07 22:12:11) |
1163. 宮本武蔵(1954)
「宮本武蔵」の映画というと幾つか撮られているはいるけど、内田吐夢監督、中村錦之助主演のものが出来が良くて面白い。そこで、ちょっと比べてみようと思って稲垣浩監督のものを借りてきた。これって確かこの年のアカデミー外国語映画賞受賞作品だけど、う~ん?この映画が公開された1954って言えば日本映画が最も凄かった年、これよりも良いもの、面白いものは幾つもある。それなのに、何故ゆえにこれがアカデミー外国語映画賞受賞?絶対に変です。「二十四の瞳」「女の園」「七人の侍」「近松物語」「山椒大夫」という物凄い作品が公開されているのに、何故?主演の三船敏郎にしても誰が見たってこの作品の武蔵よりも「七人の侍」の菊千代の方が圧倒的に素晴らしいし、作品の完成度、面白さでも完全に「七人の侍」の圧勝!まあ、確かに三船敏郎版、宮本武蔵はけして、悪くはない。でも、中村錦之助の演じた武蔵ほどの凄さ、愛嬌も感じない。それに泣きの演技も三船敏郎には合わない。そんな中で興味深いのは中村錦之助版「宮本武蔵」の中では沢庵和尚を演じていた三國連太郎がここでも違う役で出ている。ところが、沢庵和尚に比べるとやはり見劣る。今作で沢庵和尚演じている俳優(私も三島雅夫に似ていると思った)にしても迫力不足!まあ、色々と文句はあるものの、つまらなくはない。しかし、この程度では満足出来ない。本当は5点にしたいと思うけど、お通役の八千草薫の可愛さに1点プラスしての6点!稲垣浩監督の最高傑作は絶対に「無法松の一生」です。勿論、阪妻が演じた方のですよ。 [DVD(邦画)] 6点(2007-12-02 21:31:56) |
1164. やじきた道中 てれすこ
《ネタバレ》 冒頭の溝口健二監督の名作「近松物語」のパロディ、ここで溝口健二監督のファンを誘い込むことに成功している。あとは難しく考えずに楽しめば良いのである。笑えるシーンが多く中でも柄本明が笑える。笑える。歌舞伎のシーンや首吊りのシーン、中村勘三郎と小泉今日子を交えて、あれやこれやと楽しませてくれます。溝口健二監督の映画と歌舞伎、落語が好きな人は間違いなく楽しめるはずです。 [映画館(邦画)] 8点(2007-12-01 22:01:38) |
1165. にあんちゃん
「黒い雨」以降の今村昌平作品には興味も感じなければ惹かれるものがないのたが、この頃の今村昌平作品はどれも良い。これなんか、えっ?今村昌平作品なの?て疑いたくなるほど心温まる作品になっている。この監督独特のしつこさ、ねちっこさが苦手な人にもこれは安心して奨められる。ある炭鉱の話の中で見せる兄弟達の演技に、更には周りの人たちのなんと良い人たち、見終わってああ、明日も頑張ろう!なんかそういう励ましの感じられる作品です。それにしてもやっぱりこの頃の若い長門裕之は桑田圭佑にそっくりだ! [ビデオ(邦画)] 8点(2007-11-28 21:40:38) |
1166. 女猫(1958)
《ネタバレ》 女スパイに扮しているフランソワーズ・アルヌールのあの何とも悩ましい唇、タイトルにもなっているように本当に猫のような大きな瞳の中に隠されている怪しげな眼差しに話そのものよりも緊張感が漂う。フランソワーズ・アルヌールというこの女優の一番の持ち味、魅力である怪しくて影があり、それでいて、どこか一輪の花のようなあの表情にこの映画の中の男達も私と同じでクラクラしているのだろう!「女猫」と呼ばれたレジスタンスの女スパイが事もあろうにナチスの将校と恋に落ちるという考えられないお話の中で見せる二人の思いがラストに女スパイとして生きてきた者の哀しさと惨酷さが現れているように思う。これはもう、彼女以外では考えられない作品です。レジスタンスものとしては緊張感はそれほど感じないものの、フランソワーズ・アルヌールの映し方、取り調べのシーンで靴下を脱いでみせたり、スカートを半分だけ上げて歩いたりとと何だか違う意味でゾクゾクさせられる。 [ビデオ(字幕)] 7点(2007-11-27 20:54:51) |
1167. 流れる
《ネタバレ》 いや~何たる豪華な顔ぶれだ!山田五十鈴のおかみさん、その娘に高峰秀子って、何つう親子だ!他にも常に控えめな田中絹代に小津監督の作品の常連でもあり、相変わらずぶりな芸達者ぶりを披露している杉村春子にいかにも岡田茉莉子って雰囲気の岡田茉莉子、それは岡田茉莉子に限らず、山田五十鈴も高峰秀子も田中絹代も杉村春子も演技なのか?それとも本人そのものなのか?と思わせるほどの素晴らしさ、そんな素晴らしい演技を引き出す成瀬巳喜男監督の凄さ、芸者の世界に生きる女性達の時代に流されながらも逞しく生きる姿が描かれている。そんなこの映画の本当に凄い所は、芸者の話なのにお座敷のシーンを全く描かずに芸者の世界で生きることがいかに難しく、厳しいかを描いて見せている。本当に凄いことだと思います。川を流れる水の音のような静寂しきった乾いた空気、それこそこの監督の持ち味なのかもしれない。ラストにこれまた水の流れる川を映す。そして、そんな川にまるでこの映画のタイトルの「流れる」のように流れて見える船を映して終わる。終わり方もこれまた成瀬巳喜男監督は本当に余韻を残すことに成功している。やはり凄い映画だ。間違いなく傑作です。 [DVD(邦画)] 9点(2007-11-25 18:30:26) |
1168. 放浪記(1962)
ほう、これってなるほど、実在の人物の伝記ものだったんですね。こういう題材でも成瀬巳喜男という監督さんは手堅くまとめて見せていて、関心させられる反面、何か自分としてはそれほど好きにはなれない。高峰秀子の芸の上手さはお見事だし、男優陣にしても加東大介、伊藤雄之助に小林桂樹ととても良い人柄で救われる作品にはなってるし、それでも何か違うんだなあ!けして、つまらなくはないのだが、これよりももっともっと良いのがこの監督の映画にはあるはずです。放浪紳士チャーリーさんの意見に同意!成瀬巳喜男監督と高峰秀子のコンビでは個人的には「稲妻」がベストだと思ってます。因みに「流れる」はまだ見てない。いや、一緒に借りてきたからまた明日見ようとは思うけど、今の所見た中では「稲妻」が成瀬巳喜男&高峰秀子のコンビではベストワンです。 [DVD(邦画)] 6点(2007-11-24 20:01:54)(良:1票) |
1169. 紅いコーリャン
チャン・イーモウ監督の監督第1作は、最初の作品からしてその映像美、赤をモチーフにした映像に監督ならではの拘りを感じることが出来ます。この映画のコン・リーの美しさ、表情なんて、どことなく山口百恵に似ていると思うけど、私だけかなあ?そんなコン・リーの母親に対して叫ぶ子供の姿があまりにも哀しい。 [ビデオ(字幕)] 7点(2007-11-18 18:07:12) |
1170. 笑う蛙
《ネタバレ》 いや~凄い!これは正しくヒッチクック映画のようなハラハラドキドキの傑作密室劇です。大塚寧々演じる若き人妻とそんな人妻を捨て別の女を作り、更には会社の金を横領した罪で警察から追われている夫を演じている長塚京三、二人共この映画の為に生まれてきたのでは、俳優になったのではないかと思うぐらいの見事なハマリ役!一旦は妻を捨てたものの、警察から逃れる為に再び妻の元へ戻って来た夫を家の中で隠し、そんな中、毎日、毎日色んな人間が彼女の所へやってくる。ここからがこの映画の凄いところです。誰にも見つからないように隠れている夫が妻の所へやってくる人間との会話、妻の愛人との情事、夫を追ってやってくる刑事とのやりとりを隠れた部屋の中から小さな穴を開けて見ている夫、まるでその視線はヒッチコック映画のようなカメラ視線です。そして、愛人とのSEXを隠されている部屋の中から見ている夫がそれを見てたまらなくなっている場面のあのゾクゾク感は男ならきっと理解出来る筈の凄さ、愛人が帰った後、夫を隠れていた部屋から出す妻、そして、妻は今までの行為を夫に見られていたことを知る場面における妻の表情とそんな妻がその後、夫を意識しながらまたしてもやって来る人達とのやり取りを楽しんでいる凄さ、覗く側と覗かれる側の心理状態を見事に生かした上手さに、そして、何と言っても一人だけ予測の出来ない行動を取る妻、事故で死んだことにされた夫を家族や愛人達にかくまっていたことをばらすという凄まじき行動、みんなの前で夫が今までの事を全て悔い改め、やり直したいと訴えるシーンを見てる時の大塚寧々の表情に女の恐さを感じ、愛人との間に子供が出来たというとんだ大嘘まで言う始末!夫だけでなく愛人、身内と全てを騙し続けたしたたかな女の凄さに唖然とさせられた。これは本当に毒のある恐ろしくも哀しい、人間の惨酷さと矛盾さを描いている傑作です。 [ビデオ(邦画)] 9点(2007-11-18 13:01:21)(良:1票) |
1171. なごり雪
《ネタバレ》 うわぁ~平均点低いなあ!これははっきり言って駄目な人には全く受け入られない世界だろうけど、大林宣彦監督作品が好きな人には受け入れるだけの力を持った作品だと思う。確かに皆さん、指摘の通り、台詞回しも変だし、棒読みではある。しかし、これはそんなことをああだこうだと文句を言うような作品ではないと声に出して言いたい。甘くて切ない大人のためのファンタジー映画なのだ!大林監督らしい美しい映像、昔の日本映画にある匂いとでも言うのか?作品全体に漂う甘い雰囲気、その甘さこそ大林宣彦ワールドなのだ!そして、単なる甘いだけの作品ではない。甘さの中にある緊張感、サスペンス映画のような雰囲気と狂気が入り混じった。更には大林映画を語る上で絶対に欠かすことの出来ない少女の魅力、見ている私でさえも何だか恥ずかしくなるような少女趣味、そう、その少女趣味的、何と言うのが正しいのか?大林監督のロリコン的要素がずしりと詰まった危ない雰囲気、ここにどういう訳かいつも観ていて不思議と惹かれるものがある。この映画では主人公の昔の恋人で親友の奥さんでもある雪子の若き頃を演じている新人須藤温子という女優が素晴らしい。彼女の見せる一つ一つの仕草、笑顔に涙、この映画を支えているのは間違いなく彼女(須藤温子)である。タイトルの「なごり雪」にもある「雪」がこの映画の大きなキーワードでもあり、三浦友和演じる主人公とその友人ベンガルの少年時代の回想シーンの中で二人に雪を降らせてみせるシーンはこの映画の中でも一番の名場面!同じ伊勢正三の名曲を映画化した「22才の別れ」はいまひとつ乗れなかったけど、こちらは乗れた。やはりその最大の理由はやっぱりこの映画の中の須藤温子というこの当時の新人が素晴らしいから!こんなにも素晴らしい若手の女優さんをその後、生かしきれずにいる現在の日本映画に一言、言いたい。ただ可愛いだけじゃ駄目だと!この女優さんは可愛いだけでなくきちんとした芝居を出来る素晴らしい女優だ!そういう女優を見事に抜擢して見せた大林宣彦監督はやはり素晴らしい監督さんです。誰が何と言おうとこれも私の中では大林宣彦監督の代表作として評価したい。 [映画館(邦画)] 8点(2007-11-17 23:26:18)(良:1票) |
1172. 望郷(1937)
《ネタバレ》 う~ん?この映画、映画史に残る名作とやたら評判の映画らしいけど、そこまで凄いとは思わなかったけど、それでもジャン・ギャバンが相変わらず良い。とにかく渋くてかっこ良いのだ。あのラストシーン、愛する女、ギャッピーに対してギャッピー~と叫ぶ姿には男の哀しさ、刹那さがにじみ出ている。それまでは退屈だなあ!と感じてしまうものの、あのシーンの余韻の残し方の上手さに1点プラスしたくなる。個人的にはこれがジャン・ギャバンのベスト、最高傑作とはちっとも思わないけど、最近のハリウッド大作を見るよりはまだまだマシだと思います。それとこの「望郷」ていう邦題の付け方に関しては流石はフランス映画!本当に上手い。 [ビデオ(字幕)] 6点(2007-11-16 21:47:58) |
1173. 続・忍びの者
信長、秀吉、家康と歴史ファン、それも戦国時代の話が好きな者にはたまらない人物を描くと共にそこに忍者を入れることで更に興味深い話が前作以上のスケールで描かれていて面白いことは面白いものの、不満もなくはない。ラストが自分にはえっ?て感じの終わり方なのがマイナス!話の面白さは前作以上、俳優陣は皆、好演!でも、あの終り方はちょっと納得出来ない。それにしても相変わらず市川雷蔵は雷蔵らしく他の忍者映画に出てくる忍者よりも泥棒ぽい雰囲気で、そんな市川雷蔵に惚れる。そして、惚れられる女を演じている藤村志保も何とも不思議な影を残すよく解らない女が本当に似合う女優さんだと思う。 [DVD(邦画)] 7点(2007-11-12 21:08:25) |
1174. ワイルドバンチ
タイトルに偽りなしの本当にワイルドな男達の映画である。もう、誰が見方で誰が敵なのか?見方であっても敵みたいな常に緊張感が漂う。アクションシーンの凄さばかりに眼が行きそうになるが、その前の静けさがあればこその緊張感、とにかく緊張しっぱなしである。ストーリーそのものは特別に面白いとは感じない。熱い男達、むさ苦しい男達きりの息詰る戦いが観たい人にはこの映画を観ることを薦める。二枚目なんか出てこない。よって女性に薦める映画なんかじゃないがこれが男だ!そう思わせる男が男に痺れる映画! [映画館(字幕)] 8点(2007-11-11 21:27:19) |
1175. 氾濫
増村保造監督で若尾文子とくれば、どうしても期待せずにはいられない。出で来る奴、特に男ども皆、欲望の塊、欲望丸出しである。そんな欲に埋もれた人間ドラマという意味では増村監督の演出はここでも凄まじさを感じる事が出来る。只、好きか?と言われると好きだとは答えられない。その、最大の理由は同じ監督の幾つもの作品で見せる若尾文子の美しくも怪しい魅力が今作品ではあまり、見る事が出来ない。今作品は若尾文子の作品ではあるけど、若尾文子というよりは佐分利信だったり、川崎敬三であったり、船越英二であり、個性的な男達が若尾文子よりも目立っていて、そういう意味で若尾文子ファンとしては物足りない。けして、つまらない作品ではないし、それなりに面白い作品ではあるものの、増村保造監督と若尾文子の黄金コンビ作品としては普通の出来です。 [DVD(邦画)] 6点(2007-11-11 14:01:02) |
1176. 鰯雲
おっと、にじばぶさん、お一人だけですか!どうも!どうも!こんばんは!二人部屋へ失礼して、ええ、これは成瀬作品としてはちょっと物足りない。また成瀬巳喜男監督作品にしてはあまり見られない。珍しく東京近郊の農村が舞台のしかも、カラー映画!カラーそのものは珍しくもないと思うけど、それが東京近郊のお話てのは成瀬映画ではあんまりないような気がするけど、いかんせん、まだわたくし、成瀬映画に関してはド素人でして、さほど大きく語ることは出来ないのたが、それでも相変わらず、映像はとても美しい。戦争で夫を失った淡島千景演じる未亡人と新聞記者の木村功の二人が並んで歩く海沿いのあのシーンの美しさ、そして、タイトルにもなっている雲!あんな美しい雲はそうは見れない。そのぐらい美しい雲!話そのものはいまいち、面白味に欠けるものの、映像の美しさは一度、見たら忘れられなくなりそうなほどです。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2007-11-09 21:18:40)(良:1票) |
1177. いま、会いにゆきます
《ネタバレ》 以前に一度だけ見た時は、無理矢理泣かせよう!としている感じがしていたが、再び見ることにしたのは竹内結子の生前の輝いてる姿をもう一度見たくて見ることにしました。竹内結子演じる澪と少年祐司のやり取り、祐司が放つ台詞「ママは僕のせいで亡くなったの?」を聞くたびに切なくなって泣けてくる。この映画の少年祐司の様に実際の竹内結子の長男が思わなければ良いなと思えば思うほど、竹内結子の死という現実が重なって来て泣けて仕方ない。竹内結子の実の長男、そして2人目の子供にも強く生きて行って欲しい。そう思う。竹内結子の白、ひまわりの花の様な輝きは一生残り続ける筈です。それと見ていて中村獅童演じる巧の高校時代を演じている浅利陽介を見ていたら私が竹内結子という女優を初めて知った朝ドラあすかが見たくなってたまらない。最近の朝ドラきりやたらレンタルコーナーで見かけるけど、あすかもレンタル屋さんに並べてほしい。あすかでも白がよく似合っていた竹内結子、この映画でも白が本当によく似合ってました。竹内結子演じる澪に高校時代もどうせなら榎園実穂さんで見たかった。それだとまんまあすかだな!それよりあのエンディング曲は何なんだ?あのエンディング曲は最悪でした。映画自体は良い映画でした。竹内結子も最高でした。間違いなく竹内結子の代表作品でしょう! 訂正2020年10月9日 [インターネット(邦画)] 8点(2007-11-08 23:17:07)(良:1票) |
1178. 楢山節考(1958)
《ネタバレ》 凄い!このリアリズム、恐るべし映画です。全編歌舞伎の世界を思わせる映像美と相成って日本の伝統を感じる音楽に乗せて描かれる何とも恐るべし映画です。この映画の舞台となっている長野県姨捨山、地元なもので勿論、知ってるし、あの山にも登ったこともあるけど、あの山の雰囲気そのものをここまで見事に作り出した素晴らしいセットと映像美に木下恵介監督らしいヒューマニズムとが見事に融合した傑作になっている。まず何よりも田中絹代の演技が本当に恐ろしいほどの凄み、殺気を感じる。この映画の為に本当に歯を抜いてまで望んだというその役者魂にはこれぞ本物の映画俳優としての凄さを見せ付けられた思いでいっぱいです。そんな田中絹代の母を姨捨の山に捨て、雪の降る中、「おっか~」と叫ぶ息子の姿とそれを雪に打たれながら息子との別れをけして、悲しもうとはせずにいる田中絹代、ラスト、今でも実際にある「姨捨の駅」と走る列車を映し出すあの場面には涙が止まらない。これもまた間違いなく木下恵介監督の代表作品であり、そして、日本を代表する傑作間違いなしのとにかく凄い映画です。 [DVD(邦画)] 9点(2007-11-06 22:06:12)(良:1票) |
1179. 東京暮色
《ネタバレ》 小津監督の映画の中でも好き嫌いで最も評価が分かれる映画ではないでしょうか!小津映画の特徴であるユーモアラスな会話がここではあまり見られない。しかし、相変わらず画面を通して、見ているこちらにも何かを訴えているようなそんな語り口を感じることが出来る。小津映画史上、最も暗い。まるでホラー映画のような冷たさ、寒さを感じる。のどかな日常の中に見える家族への問い、結婚して家を出たものの、夫と上手く行ってない姉(原節子)にそして、男に騙されて妊娠してしまった妹(有馬稲子)とこの姉妹、二人の終始怒っている顔付き、不機嫌そうな態度、その一方で妻に逃げられた父(笠智衆)と父だけでなく二人の娘まで捨てて別の男と逃げた妻を演じている山田五十鈴の演技が素晴らしい。娘からはああだこうだと散々なことを言われつつ、母親としての辛さを見事に演じ、人生の辛さとは何かを訴える。又、一方では二人の娘達がいなくなった後、一人だけの生活をするこことなった父(笠智集)の背中が語る一人暮らしの生活の寂しさ、哀愁、ラストの笠智衆演じる父のあの姿は本当に人生とは何か?一人暮らしとはこれほど苦しいものなのか?という寂しさがにじみ出ていて泣けてくる。これほど暗く重苦しい小津作品は他にはないと私は思うが、これだけ暗い内容にも関わらず音楽はどこか喜劇っぽいのは、やはり小津監督という監督さんは喜劇の監督さんだとこの映画を見て感じることも出来る。好き嫌いはともかく小津監督らしい人生に対する問いかけ、家族とは何か?そういう内容にこれもまたやはりどこから見ても小津映画!私はやはりこんな暗くて重い作品でも支持致します。 [DVD(邦画)] 8点(2007-11-05 19:49:06)(良:1票) |
1180. 古都(1963)
まずは何と言っても一人二役、姉と妹を演じている主演の岩下志麻の美しさに眼を奪われます。そんな岩下志麻の互いに心の中に哀しみ、人生に対する重み、辛さ、やるせなさ、人として生まれてきた以上、誰もが持っている悩み、それを見事に表情だけで演じている所にこの映画の持っている素晴らしさを感じることが出来ます。そして、言葉使いの美しさ、京言葉の美しさ、京都という日本の伝統文化の中で生き抜く二人の互いの思いやり、ここにこそ人間本来の持つべき姿があるように感じました。美しい京都の街並みを生かしたセット、映像の美しさ、構図の美しさ、何かもが京都ならではの美しさを感じる仕上がりとなっています。また、言葉使いだけでなく、その振る舞い、立ち姿まで、何かもが本当に美しく、正しく京都の女性を思わせる何とも味わい深くて、色々と考えさられるそんな内容に、見ていてしみじみ、本当に自分が日本人で良かった。この映画を見てそう感じると共に見終わった後、私も京都に行きたくなりました。 [DVD(邦画)] 8点(2007-11-04 11:19:49) |