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イニシャルKさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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101.  サード 《ネタバレ》 
少年院を舞台にしたATGの青春映画。ドキュメンタリータッチの構成で最初からけっこう淡々と展開する映画なのだが、なかなか見ごたえのあるいい映画だった。永島敏行演じる殺人罪で少年院送りとなったサードと呼ばれる主人公。彼がひたすら走る姿はなにかやり場の無い自分自身の存在を確認する行為のように思える。この時代の若者のやり場のなさはほかにも回想シーンにおいてこの町を出るために金を稼ごうというシーンにも表れている。その金のために男を騙して肉体関係を結ぶ新聞部の少女(森下愛子)のやるせなさや、本当は新聞部に恋をしていながらそれにじっと耐えるサードのやりきれなさなどがじゅうぶんに感じ取れるし、だからこそ、サードがヤクザの男(峰岸徹)を殺してしまう気持ちが理解できるような気がする。ラストの「もっとゆっくり走ってくださいよ。」という新しく入ってきた少年に対し、「走れよ、自分の速さで。」と返すシーンはマラソンじゃなくて人生を自分の速さで走れという意味に聞こえ、なんだか見ている自分が勇気づけられた気がした。全体的に見ると完成度はそれほど高くないと思うし、今見ると時代を感じてしまう部分も当然あるのだが、当時の若者たちがとてもよく描けていて、この時代だからこそ出来た青春映画の佳作だと思う。脚本は寺山修司。短歌を作っている少年が登場するあたりはこの人らしい。(「時には母のない子のように」という歌もありますというセリフには思わず笑ってしまったが。)森下愛子が初々しくて可愛い。それにしてもこの映画のサードと新聞部の図書館でのシーンのあのいやらしさは大胆でビックリしたなあ。
[DVD(邦画)] 7点(2011-01-26 20:56:10)(良:1票)
102.  君よ憤怒の河を渉れ 《ネタバレ》 
「単騎、千里を走る。」で健さんを主役に起用したチャン・イーモウ監督が健さんのファンとなったきっかけになった作品として挙げている映画。「逃亡者」を思わせるストーリーでそこそこ面白かったが、緊迫してるシーンのハズなのに妙に音楽が明るいのはかなりのミスマッチを感じるし、着ぐるみまる出しの熊はまだしも、新宿を疾走する馬はいくらなんでもやり過ぎに思う。(一瞬「トゥルーライズ」を思い出してしまった。)健さんは無実の罪を着せられた主人公をシリアスに演じているのだが、後半、薬を飲まされ、それをトイレに吐くシーンはどう見てもギャグにしか思えず、のどかで明るいBGMとも相まってつい脱力して大笑いしてしまった。それでも健さんと原田芳雄のツーショットはカッコよかったし、なんだかんだ言って突っ込み所の多いバカっぽい映画ではあるが、娯楽映画としてはそれなりに見ごたえのある映画にはなっていると思う。
[DVD(邦画)] 5点(2011-01-06 14:36:48)
103.  修羅雪姫 怨み恋歌
「修羅雪姫」シリーズ第2作。というか前回のあのラストシーンからどうやって続編につなぐのかと思ったら、前回のラストは無視しているみたい。前回は雪は復讐のためだけに生きていて、かなり気迫があり、演じる梶芽衣子からも得体の知れない凄さを感じたのだが、今回の雪は前回に比べておとなしく、凄みも感じないし、前回印象的だった主題歌が流れないのは残念(なぜだ。)だし、映像の美しさも前回のほうが勝ってた。でも今回は梶芽衣子のまわりにいる出演者が曲者ぞろいで、原田芳雄と伊丹十三の兄弟や、伊丹の妻を演じる吉行和子の濃い熱演はもちろん、悪役の岸田森がなんとも怪しい存在感で演じていて、はっきり言って雪よりまわりにいる登場人物たちのほうがインパクトがある。(岸田森、やっぱりカッコイイなあ。)これはこれでいいのだが、やはり前回に比べると雪の存在感が薄くなってしまった感じでやっぱり残念。ただ映画自体は思ったより面白かったかな。藤田敏八監督の映画を見るのは2本目だが、のちに監督となった伊丹十三が藤田監督を俳優として「タンポポ」に起用しているのを思い出し、ここでは藤田監督が俳優として伊丹十三を起用していることに一種の感慨深さというか、そういうのを覚える。ところで鈴木瑞穂のナレーションを聴くとこんなはちゃめちゃな映画でも硬派な社会派ドラマのように見えてしまうから不思議。
[DVD(邦画)] 6点(2010-09-08 23:45:39)
104.  修羅雪姫(1973) 《ネタバレ》 
主演の梶芽衣子の存在感が圧倒的で、美しく、激しく、強く、そして悲しみを秘めたヒロインをクールに演じていて、文句なしにカッコイイ。(眼力鋭いところはなんか柴咲コウみたい。)今ならR15指定は免れないだろうと思われるほど血の多い映画で、おそらく万人には受けないであろう映画だと思うのだが、それでも、映像は美しく、冒頭、梶芽衣子演じる鹿島雪が雪の中で大立ち回りを繰り広げ、倒した相手の血で赤く染まっていく白い雪や、返り血で赤く染まった白い着物など、白と赤のコントラストが絶妙で思わず美しいと唸ってしまう。冒頭の牢屋のシーンで白から赤に変わる外に降っている雪なども美しく、とにかく赤と白が最初から最後まで強烈に印象に残る。主題歌である「修羅の花」もよく、冒頭で流れてきたときにあまりの歌詞のインパクトにおどろいたのだが、これが血まみれの鹿島雪が白い雪の上に倒れるラストシーンでかかるともうやられたという感じで、このラストシーンのためにこの主題歌があるようなそんな気持ちにさせられるほど、映像によく合っていて、またシーン自体も非常に美しく、主題歌の歌詞と映像の美しさが見事に調和した名シーンだと思う。
[DVD(邦画)] 7点(2010-08-31 14:18:55)(良:1票)
105.  銀河鉄道999
テレビシリーズは小学生の頃に再放送をなんとなく見てた程度(たぶんその後にある特撮ヒーロー番組の再放送が目当てでそのついでにときどき見てたんだと思う。)で、作品自体にそれほど思い入れがあるわけでないのだが、とりあえずBSでやっていた本作を見た。うーん、全体的なストーリーをよく知らないので、だいたいこんな話だというのは分かったが、話が駆け足気味に進むので、ドラマとして深みを感じられず、詰め込みすぎという印象。それに鉄郎ってテレビシリーズでは10歳くらいの子供だったのに年齢を少し引き上げているのは多分青春映画という線で本作を仕上げたかったんじゃないかな。さっき書いたようにテレビシリーズに思い入れはないのだが、はっきり言ってテレビシリーズと同じのほうが良かったような気がする。キャプテンハーロックなどの登場はファン向けのサービスかも知れないが、松本零士作品にそれほどなじみもないのでなんの感慨もない。ラストは感動的だけど、やっぱりテレビシリーズを毎回見た上で最終回のラストシーンを見たほうが感動できるだろう。そんなにつまらない映画でもなかったが、やはりテレビシリーズの方がもっと内容が濃いのだろうなあと思う。余談だが、メーテルを演じる池田昌子に加えてナレーションが城達也なので、見終わってなんだか「ローマの休日」の日本語吹き替え版が見たくなってしまった。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2010-08-14 13:27:26)(良:2票)
106.  レッド・サン 《ネタバレ》 
外国映画における日本の描写というのは極端にデフォルメされているというイメージが強く、本作も西部劇に侍ということで見る前はかなり不安だったが、確かに昔の日本映画の時代劇に比べれば違和感があるものの、比較的まともな描写で演じる三船にも充分存在感があって不満は特にない。日米仏の三大スター共演が最大のウリだと思うが、アラン・ドロンに奪われた宝刀を奪還するために渋々行動を共にすることになった三船とチャールズ・ブロンソンの二人が徐々にお互いを認め合っていくというドラマ展開も面白く、この手のスター共演ものの中ではなかなか楽しめるし、「ラストサムライ」なんかよりこっちのほうが武士道精神を描いた外国映画としてはよく出来ていると思う。外国映画で三船を見るのは「1941」に続いて2本目だが、さっきも書いたように存在感があり、外国映画でも堂々と侍を演じていてカッコイイ。アラン・ドロン悪役なのかと思って見てたらクライマックスの展開で共通の敵を出して三船やブロンソンと共闘させる。これはやはりアラン・ドロンに気を使っているのが見えてしまい、少々強引な感じがする。でも、それを差し引いても文化のそれぞれ違う男と男のドラマとして秀逸な映画だと思うし、ラストは三船に対するブロンソンの思いのようなものが感じ取れて感動的だった。今まで見た日本人がメインで登場する外国映画(そんなに多くは見ていないが。)の中でも傑作の一本だと思う。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2010-08-10 16:13:51)(良:1票)
107.  蘇える金狼(1979)
「殺人遊戯」と「処刑遊戯」の間に作られた村川透監督、松田優作主演の角川映画。大作だけあって遊戯シリーズより金がかかっていて、全体的に派手な印象で、松田優作に加え千葉真一、岸田森、小池朝雄、そして「探偵物語」でいい味を出していた成田三樹夫とキャストも豪華。このキャスト陣を見ているだけで楽しめる映画である。中でも暗殺者を演じる岸田森が印象的だった。でも、全体的に見ると少し冗長な印象があるし、村川監督の演出も遊戯シリーズ同様にテレビドラマっぽい。ラストの空港のシーンは確かに印象に残るけど、あのシーンは別に無くてもよかったような気がしないでもない。松田優作は相変わらずカッコつけてはいるが、それがあまり鼻につくことないから不思議。(「処刑遊戯」ではカッコつけてるのが気になってしまったが、本作ではそういう事はあまり感じなかった。)でも個人的にはこの映画では共演者である成田三樹夫や岸田森、千葉真一のほうが松田優作より魅力的に思える。
[DVD(邦画)] 5点(2010-07-21 18:33:19)
108.  処刑遊戯 《ネタバレ》 
「遊戯」シリーズ第3作。今回はコミカルさを排除し、最初から最後までひたすらハードボイルドに徹している。冒頭の銃撃戦などは派手な音楽もなく、淡々と進行してなかなか凝っていてカッコイイ。しかし今回は前2作ではそれほど気にならなかった松田優作のカッコつけたきざなセリフまわしというか、そういうのがかなり気になってしまった。このシリーズは毎回脚本家が違うわけだが、今回は「探偵物語」を同時期に書いていた丸山昇一が担当。この脚本家が個人的にちょっと苦手なのかもしれない。村川透監督の演出は前2作に比べるとこだわりが見えてだいぶ頑張っていると思うものの、テレビドラマのような印象がやっぱり少し残る。敵の黒幕が前回ヤクザの親分を演じていた佐藤慶なのだが、2作連続で同じ人を同じような役に配役しているのがちょっと面白みに欠ける気がする。(まあ、先週「殺人遊戯」を見たばかりというのもあるんだが。)それにしても以前見た大島渚監督の「夏の妹」でも思ったが、ヒロイン役のりりィの独特なしゃべり方はなんか気になるなあ。
[DVD(邦画)] 5点(2010-07-13 13:10:30)
109.  殺人遊戯 《ネタバレ》 
「遊戯」シリーズ第2作。前作「最も危険な遊戯」のエピローグはコミカルなものだったが、今回の鳴海昌平(松田優作)はどことなくコミカルで、「探偵物語」の工藤俊作の原型を見ているよう。でも、キャラクターとしては工藤のほうが好み。(「探偵物語」も十年以上前に再放送で見たきりなのだが。)むしろ後半の喋れなくなってからの鳴海はその前のおちゃらけた鳴海の姿があるので、それと対比して鳴海=松田優作のクライマックスの戦闘シーンのかっこよさが際立っている。ただ、村川透監督の演出は今回も雑で映画というよりはテレビのアクションドラマを見ている感が拭えない。それでも中島ゆたかを殺すシーンはかなり印象的だった。佐藤慶演じるヤクザの親分がなんとも渋くて主役の松田優作よりもかっこいい。今年亡くなってしまったのは本当に残念だった。その部下を演じる佐藤蛾次郎は「男はつらいよ」シリーズの源ちゃんのイメージが強すぎて本作での風貌になにか違和感を感じる。
[DVD(邦画)] 6点(2010-07-07 19:32:16)
110.  刑事コロンボ/策謀の結末<TVM>
「刑事コロンボ」シリーズは昔「金曜ロードショー」で放送していた石田太郎吹き替えによるシリーズを何本か見た記憶があるのだが、どの回を見たか全く記憶になく、NHKBSの放送も見ていないのだが、今回放送されたこの回は幻の吹き替え音源ということで見てみた。「金曜ロードショー」でどの回を見たか覚えていないこともあって初めてこのシリーズに触れるような気持ちで見た。(実際、小池朝雄吹き替えのシリーズを見るのは初めてだったが、それが最終回で、しかも幻の音源とは。)最終回だからかも知れないが、コロンボと犯人の対決だけでなく、銃の密輸船をいかに止めるかというスリリングな展開や、話にアイルランド革命が絡んでくるなどかなりスケールの大きな作品になっていてなかなか楽しめた。犯人との対決も見ごたえ充分なのだが、ただラストの決め手は少々強引かな。小池朝雄の声はコロンボ=石田太郎という認識が強くあっても違和感が全く無く、音源が途中で石田太郎版に切り替わるシーンが何度かある(以前の放送でカットされた箇所なのだろう。)のだがすごく自然な感じだった。「南極物語」を見た時に小池朝雄のナレーションを聞いて当時小池コロンボを知らないにもかかわらずコロンボを思い浮かべてしまったのだが、石田太郎はそうとう小池朝雄を意識してコロンボの吹き替えを演じているのだろう。犯人の吹き替えをやっている納谷悟朗の声もハリがあって若いなあ。
[CS・衛星(吹替)] 7点(2010-07-01 15:31:01)
111.  最も危険な遊戯
村川透監督、松田優作主演による「遊戯」シリーズ第一作。村川監督って昔見た「あぶない刑事」の劇場版でもけっこうつくりが雑に感じたが、やはり本作もかなり雑な印象で完成度は低いのだけど、とにかく松田優作がカッコよく、久々にアクション俳優としての彼の魅力を堪能できただけで満足。(アクション映画で優作を見るのは中学の頃にテレビで見た「ブラック・レイン」以来のような気が。)荒木一郎に銃を向ける姿などはどことなくターミネーターみたいだ。敵の乗った車を走って追いかけるシーンは「太陽にほえろ!」を連想させていて楽しい。(ジーパンが出てた頃の「太陽にほえろ!」見たことないのについ思い浮かべてしまう。)大野雄二の音楽が「ルパン三世」に似ているというかほとんど「ルパン三世」の劇中音楽そのまんまなような気がしてなんだか途中から本当に「ルパン三世」を見ているかのような錯覚に陥った。ところで柴田恭兵ってどこに出てたのだろう。
[DVD(邦画)] 6点(2010-06-29 13:57:38)(良:1票)
112.  天城越え(1978)<TVM> 《ネタバレ》 
のちに松竹で映画化もされた松本清張の原作をNHKがドラマ化した作品。映画も傑作だったが、このドラマ版もなかなか面白かった。演出はNHKのディレクターだった頃の和田勉なのだが、登場人物の心理描写や、風景描写がかなりしっかりとしていて臨場感たっぷりで見ごたえがあり、テレビで見せるタレントとしてのコミカルな雰囲気からは想像もつかないような素晴らしい仕事ぶりに感服。役者陣も寡黙な佐藤慶、少年を演じた子役時代の鶴見辰吾(この翌年が「3年B組金八先生」で、その次の年が「翔んだカップル」か。)、この二人のバランス感覚も絶妙で、とくに鶴見辰吾は、嫉妬が殺意に変わる少年という難役を好演していてとても印象深い。映画で大塚ハナを演じた田中裕子が素晴らしかっただけに本作の大谷直子の大塚ハナはどうなのかと思っていたが、さすがに田中裕子ほどのインパクトは感じなかったものの、それでも大谷直子もなかなか良いと思う。ラストで事件を目撃する遍路の役で松本清張自身が出ているのがちょっと驚き。ほかにもいくつかの作品でのカメオ出演があるようだ。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2010-04-06 14:35:14)
113.  喜劇 ソレが男の生きる道
戦時中に同じ部隊にいた二人の男の戦後の姿を描いた喜劇。主演は藤田まことと藤岡琢也。藤田まことの喜劇映画での主演作は初めて見たが、後年の渋い演技派のイメージとは違う軽い雰囲気でコミカルに演じている。今までクレージーキャッツの映画など何本かの喜劇映画で見かけているが、喜劇出身の俳優と言われてもピンと来なかった部分が多かった。しかし、いざこうやって喜劇に主演しているのを見るとシリアスな役柄よりもイキイキと演じているように見え、やっぱり喜劇出身なんだなあと感じた。怪しげな研究をしている藤岡琢也にどことなく川島雄三監督の映画にこんなキャラクター出ていそうな雰囲気を感じるが、原作と脚本が川島監督と親交のあった藤本義一というので納得。藤田まことが思いを寄せる女性を演じる小林千登勢は晩年しか知らなかったので、その美しさにビックリした。彼女の息子(頭師孝雄)が学生運動家という設定なのだけど、学生運動といえば60年代前半のイメージが強いのだが、まだこの頃もこういうのあったんだなあ。映画としてはそこそこよく出来たB級映画という感じで、全体的に可もなく不可もなく普通に楽しめるといった印象。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2010-04-04 15:39:20)
114.  金田一耕助の冒険 《ネタバレ》 
大林宣彦監督が初めて手がけた角川映画で、当時空前のブームを巻き起こしていた金田一耕助シリーズをはじめ、公開当時の時事ネタをこれでもかと言わんばかりに盛り込んだパロディー映画。当時をリアルタイムで知らなきゃつらい映画かと思ったが、ついていけない部分は確かにあるものの、古谷一行演じる金田一と田中邦衛演じる等々力警部のコミカルなやりとりや大林監督らしい遊び心あふれる映像は見ていて楽しいし、絶対見ていて呆れるだろうと思っていたパロディー部分も石膏の首を持った東千代之介が「柳生一族の陰謀」の錦之介のマネをしていたり、(やや芝居が真面目すぎる気もするが、同じ東映のスター俳優であった東千代之介がやっているというところが妙に笑える。)紙吹雪が舞う中で行われる「八甲田山」のしょーもないパロディー(元ネタと同じ木村大作が本作も撮影してる。)、麦藁帽子が飛んでいくシーンでかかる「人間の証明」の主題歌など自分がこの当時の映画をけっこう見てるからか面白く見ることが出来た。出演者もかなり豪華で、劇中劇のサイレント映画で金田一を演じる三船や、同じ劇中劇で等々力警部を演じる三橋達也(市川崑監督の金田一もので加藤武が演じる警部の真似をする姿が笑える。)、それに岡田茉莉子などよくこんな映画に出たなと思うような名優から、原作者である横溝正史やほかの作家、大林監督自ら演じる老人ホームの入所者や角川春樹はもちろんのこと、普段はスタッフとして映画に携わっている人まで出ているのはすごい。どう収集をつけるのかと思っていたらラストはちゃんと余韻を残す終わり方だったのは良かった。脚本を斎藤耕一監督が書いているのにはビックリするし、僕自身が古谷一行の金田一を見たのが本作が初めてなのもいいのかなと思ってしまうのだが、こういう映画は嫌いではない。
[DVD(邦画)] 7点(2010-03-09 14:03:05)(良:1票)
115.  友情(1975) 《ネタバレ》 
渥美清と中村勘九郎(現:中村勘三郎)主演による松竹80周年記念映画で、監督は山田洋次監督の初期の喜劇や「男はつらいよ」シリーズでも初期の何本かで共同脚本を手がけた宮崎晃。渥美清演じる源さんのキャラクターがどことなく寅さんを思わせていたり、作風も山田監督の映画のような雰囲気。主演が渥美清ということもあり、どうも「男はつらいよ 番外編」でも見ているような気持ちになるが、ラストが山田監督ならば絶対にやらないような結末なのがちょっと違うところか。渥美清という俳優を見る時にいつも意識してしまうのが寅さんで本作も途中まではさっき書いたように寅さんを意識して見ていたが、自分の家族の現在の姿を見た直後のシーンや、帰りの船の中で大泣きするシーンで寅さんとは何か違うものを感じ、「男はつらいよ」シリーズを見ていて寅さんに感情移入するのとはまた違う感覚で感情移入することができ、映画自体がとても感動できる名作だが、とくにこのクライマックスからラストシーン近くにかけての渥美清の演技には思わず泣かされた。まだ「男はつらいよ」シリーズ以外での渥美清の主演作を先週見た「白昼堂々」と本作の2本しか見ていないのだが、本作は間違いなく「男はつらいよ」シリーズ、寅さん以外での渥美清の代表作になるのではないかと思う。勘九郎と同棲している恋人を演じる松坂慶子もひたすら美しく、主役二人が彼女に看病されるシーンでは思わず羨ましくなってしまったが、それよりも渥美清の寅さんだけではない俳優としての凄さをこの映画のクライマックスの演技で改めて思い知らされ、やっぱり名優だと思った。(このクライマックスの演技で初めて寅さんを意識せずに渥美清を見られた気がする。)あまり機会がないのが残念だが、「男はつらいよ」以外の渥美清の主演作をもっと見てみたいなあ。
[DVD(邦画)] 8点(2010-03-02 17:24:20)(良:1票)
116.  おしゃれキャット
十数年前からこの映画のビデオが家にあるので一度は見たことあると思っていたが、どうやら見たのは今回が初めてのようだ。ディズニーアニメの中でもそんなに知られていないっぽいが、いかにもディズニーらしいオーソドックスな作風で家族揃って楽しめるというようなアニメである。執事の陰謀により飼われていた屋敷から追い出された猫の親子が、出会った野良猫とともに我が家を目指すというストーリーなのだが、その道中がなんとも微笑ましく見ていて楽しい気分になれる。ジャズで大騒ぎした夜のダッチェスとオマリーの会話はなんか大人っぽい感じで雰囲気がなかなかいい。それに劇中に流れるジャズもなかなかノリのいい曲。日本語吹き替えも安心して見られる出来で、とくに執事のエドガーを演じている川久保潔がとてもいい味をだしている。
[ビデオ(吹替)] 6点(2010-02-28 03:04:16)
117.  ジャッカー電撃隊VSゴレンジャー 《ネタバレ》 
「ジャッカー電撃隊」の劇場用オリジナル作品で「秘密戦隊ゴレンジャー」との共演作。登場人物たちの言動からしてどうやら「ジャッカー電撃隊」の放送終了後に公開された作品ぽい。ゴレンジャーだけでなく、キカイダーや仮面ライダーV3、仮面ライダーアマゾンが写真で登場し、敵のクライム四天王に安藤三男や天本英世など石森章太郎原作の特撮ヒーロー番組で悪役を演じた俳優を起用するなどやたらと豪華なパッケージの作品。(地獄大使のような兜をかぶった死神博士=天本英世の姿が笑える。)しかし、あくまでジャッカーの劇場版にゴレンジャーがゲストで登場している状態でゴレンジャー側で変身前の姿で登場するのはモモレンジャーに変身するペギー松山だけというのはちょっと物足りない。アカレンジャーの声も過去の音源の使いまわしの声(誠直也)と、新規録音の別の声優の声とが違いすぎて違和感がある。また、悪役の四天王の配役もなんだか使い方が勿体無く思う。しかし、二大戦隊が居並ぶ様は童心に帰ってワクワクできた。戦闘員との戦闘でピンクレディーのモノマネをするモモレンジャーとハートクイーンには思わず爆笑。
[DVD(邦画)] 5点(2010-02-15 20:38:09)
118.  ジャッカー電撃隊 《ネタバレ》 
「秘密戦隊ゴレンジャー」の後番組として始まった「ジャッカー電撃隊」の劇場用ブローアップ版。このシリーズは再放送とかなかったので「ゴレンジャー」と違いあまり馴染みがないせいか今見ても特別感慨深いものはないのが残念だが、敵に人質にされる少年がやたらカーマニアだったのはちょっと笑えた。ジャッカーの基本メンバーは4人でメンバーが5人や3人のほかの戦隊と比べるとやや数が中途半端に思うがそのリーダー格である桜井五郎(スペードエース)を演じるのが丹波義隆というのはビックリ。これで司令官が丹波哲郎だったらチームの印象が違うだろうなあ。
[DVD(邦画)] 5点(2010-02-15 01:02:43)
119.  秘密戦隊ゴレンジャー 爆弾ハリケーン 《ネタバレ》 
「秘密戦隊ゴレンジャー」の劇場版で、テレビシリーズのブローアップではないオリジナル作品。それだけあって舞台である四国・松山でロケをしているなどテレビシリーズと比べて少し豪華な印象。キレンジャーが二代目だったり、火の山仮面マグマン将軍の次の幹部であるゴールデン仮面大将軍が出ていて製作時期も分かりやすいものの、今まで見たテレビシリーズのブローアップ版に比べてそれほど楽しめなかった。登場する怪人に必殺技であるゴレンジャーハリケーンがきかないという設定なんだけど、タイトルの爆弾ハリケーンの繰り出し方も普通で別にタイトルに持ってくる必然性がないように感じた。二代目キレンジャー 熊野大五郎はテレビシリーズでは初代の大岩に比べてあまり印象に残っていないキャラだが、この映画ではメンバー中でいちばん存在感が薄いように思う。好きな人には悪いんだけど、やっぱりキレンジャーは初代の大岩がいい。
[DVD(邦画)] 5点(2010-02-15 00:07:29)
120.  秘密戦隊ゴレンジャー 火の山最後の大噴火 《ネタバレ》 
黒十字軍の幹部である火の山仮面マグマン将軍とゴレンジャーとの最終決戦を描いたエピソードの劇場用ブローアップ作品。今まで声だけだった総統が顔を出しており、声を演じていた安藤三男がそのまま引き続き演じてるのだが、これに関してはこれ以前のエピソードを完全に覚えていないのでなぜこうなってるのかよく分からずちょっと違和感を感じた。ゴレンジャーが挑む黒十字軍の要塞の名前がナバローンというのは明らかに「ナバロンの要塞」のもじりで、そのまんまのような気もするけど面白かった。「そんな技は通用しない。」とゴレンジャーを追い詰めていた火の山仮面だけど、最後はあっさりしすぎな上に間抜けすぎて唖然。まあ、そんなバカバカしさが「ゴレンジャー」らしくもある。
[DVD(邦画)] 5点(2010-02-14 03:00:31)
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