101. 座頭市千両首
《ネタバレ》 撮影の宮川一夫は何がすごいって、予告編で名前がクレジットされるのだね。他のキャメラマンではありえないことです。ただこの作品、評価はわかれるだろうな。個人的には、やはり宮川のカメラは、監督としてクレジットしてもいいくらいの抜群の安定感を示しているし、好きなのだけど、わざわざ国定忠治を持ってきてまで(シリーズ2度目の登場)話を大袈裟にしなくてもよかったのになあ、とも思う。島田正吾と勝新の競演が見られたのはよかったけど。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2007-07-01 22:06:48) |
102. 座頭市兇状旅
《ネタバレ》 下の方も書いておられましたが、予告編には万里昌代演じるおたねさんが高田美和に、「私にも昔、あんたみたいに純粋な頃があったっけ」というようなせりふを語るシーンが確かに含まれています。そして、それが本編に含まれていたなら、絶対物語の展開がもっと自然になるはず。すごく残念。おたねさんが、あんなふうに市を裏切るというのも(本当に裏切っているのかはわからないけれど)、はじめてみたときはすごくショックだった。でも、私は、これは、おたねさんというキャラに愛着があるので贔屓目なのかもしれないけど、そんなに悪くないと思う。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2007-06-18 22:58:40) |
103. 新・座頭市物語
初期の座頭市シリーズは市の過去を掘り起こすようなエピソードが物語の中心だった。これもそのひとつ。シリーズの最初の二作の色を引きずりつつ、でも一方で後の娯楽路線の可能性とも両立させている。その分新鮮味はないけど、安心して見られますね。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2007-06-18 22:54:13) |
104. 続・座頭市物語
《ネタバレ》 昔見たときは、前作があまりに素晴らしかったので、拍子ぬけした記憶がある。そんなにつまらなくないじゃないの。というか、結構楽しんだ。 ただ、相変わらずいまいちだと思ったのは兄弟対決。大映時代の城健三郎(若山富三郎)は、ほんとにどの映画を見ても大根で、この映画も弟の勝新には歴然と差をつけられていて、痛々しい。 一作目でもヒロインだった万里昌代の役どころが少し哀しかったね。市を思いつつ、他の男に嫁いでいく。本当は、もう少し彼女を掘り下げたかったかな。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2007-06-17 14:56:51) |
105. 菊次郎の夏
《ネタバレ》 最初は、「これは外れだな」と、正直思った。たけしの映画は好きだけど、これは駄目かと。音楽よすぎて(すでに映画を離れて一人歩きしてるほどだし)映像として音楽に負けてるなと。ところが、(かなり多くの人が不快に感じてらっしゃる)後半に突入するや、一気に引きずり込まれてしまった。母を探すという目的がなくなったときに、残ったのは、ひたすら夏を消費すること。大人も子供も、同じレベルで。ああ、こういう夏、いいなあ、と心から思えてしまった。(私も夏が嫌いなんで。)エンディングが冒頭につながっているが、冒頭であざといなと思った映像なのに、そのリフレインがこんなに心地よく写るなんて。ある意味奇跡的な映画。きっと私は、何度もこの映画を見てしまうんだろうなあ。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2007-06-05 22:51:56)(良:4票) |
106. 眠狂四郎 炎情剣
江戸の町の風俗描写的な場面から小道具の使い方の一つ一つまで、ひたすら感心してしまいました。もう何度目かの鑑賞だけど、でも、見るたびに発見がある。一般に、三隅の狂四郎って言うと、『無頼剣』の屋上での天池茂との対決の場面で語られることが多いけど、この映画の冬枯れの寺の境内でのチャンチャンバラバラも、実に美しいこと。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2007-06-02 22:32:31) |
107. 眠狂四郎 勝負
《ネタバレ》 真打三隅研次監督登場。もう何度か書いた(かな?)けど、私はこの人の映像美には、ひたすら敬服するのみなのですわ。とにかくタイトルバックからして魅せる。構図もいい。美術(の使い方)もいい。 一般にこの第二作が雷蔵シリーズの狂四郎の路線を決定したと評価されているけど、まだまだこの狂四郎は第一作を引きずってるね。饒舌で、表情豊かで、全体的に「いい人」だし。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2007-05-27 09:44:43) |
108. 逃げ去る恋
《ネタバレ》 鼻をかむのに紙ではいやといってティッシュを使わないなんて(いや、確かにあちらではみなハンカチ使いますけど)フランス人って奴は。手近にティッシュがあるならそれでいいじゃないか(苦笑)。 大人に判ってもらえなかったドワネル君は、大人になって女の人たちにもあまり判ってもらえないんだねえ(さらに苦笑)。ってわけで私の中の邦題は『女は判ってくれない』(撃沈)。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2007-05-27 09:14:48) |
109. 隣の女
破滅に向かって一直線。フランス映画ってこういう展開が多いかなと思う。それはそれでとても美しい。でも、一歩間違えばただのメロメロ。でもいいじゃん。それで。美しければ。もちろん、映画での話ね。現実にこういう展開、単なる迷惑です。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2007-05-20 23:39:11) |
110. 静かな生活
《ネタバレ》 今のところ、この映画の最高得点になってしまいそうですが、正直な感想です。そんなに悪くはなかったのです。ただ、正直言えば、この映画だけだと障害者の生活を美化してしまう部分があるかなとも危惧を抱きました。そのあたりが、この映画でも(同列には並ばないけど)『レインマン』とかでも、感じてしまう。障害のある人に天才的な能力を発揮する人はいるのは事実。でも、全ての人がそうじゃない。だから、そのあたり、誤解を生んでしまうのではないかと思ったのです。でも、一方で、障害の有無を問わず、天才的な人は、いる。これはそういう、一人の天才とその家族をめぐる物語として、私にはとても面白かったのです。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2007-05-20 23:34:15)(良:1票) |
111. 突然炎のごとく(1961)
とにかく場面の切り替わりが早くて、若いころ初めて見たときには、まったくついて行けなかった。というか、生意気にもヌーベル・ヴァーグってこんなもん? なんて不届きな感想を抱いてしまったものだった。この年になって三度目の鑑賞。やっぱり、展開早いなあ、と感じた。けど、実は中盤以降の複雑な三角関係の描き方に結構唸ってしまって、そのあたり、自分も年を取ったなあと思う。ただ、若いころのトリュフォーの(いや、ゴダールも)スピードと疾走感ってのは、もちろんとても魅力的だけど、これが初めて出たときの衝撃ってのは、もはや味わえないな、というのも実感。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2007-05-16 21:48:08) |
112. テス
《ネタバレ》 まったく退屈することなく3時間。さすがポランスキー。冒頭に「シャロン・テートに捧ぐ」ってあるから、余計に凍ってしまう。ああ、ポランスキーはこの美貌の少女の不幸な生涯を、チャールズ・マンソン一味に殺害された自分の妻に重ね合わせていたのだね。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2007-05-15 23:04:35) |
113. 舞台よりすてきな生活
《ネタバレ》 点数、低いなあ、みなさん。私はそんなに悪いとは思わなかったのです。 ありきたりと言えばありきたりな展開。主役がジャック・ニコルソンあたりでこの展開、ありそうですな。あ、いや、ヒュー・グラントであったかも、似たような筋が。 (←タイトルが思い出せん!) でも、ありきたりなようで、ひねりはあるかなと。決してハッピーエンドでないのも○。 ただし、ラストはお約束すぎるかな。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2007-05-12 06:48:56) |
114. 東京マリーゴールド
《ネタバレ》 平均点数、低いなあ。市川準監督って、好き嫌い分かれるんだねえ。 わしは、ハマりました。よかったです。田中麗奈がどの場面をとってもしっかりと絵の中にはまっていて、つくづくいい表情をする女優さんだなあと感心しました。 しかし、あのCM、笑いました。あったなあ、あんなCM。しかも結構好きだった。野球小町って(笑)。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2007-05-09 23:08:33) |
115. スパイダーマン2
《ネタバレ》 スパイダーマンが、自分のやってることが誰にも認められないし、私生活でも好きな人からも「あなたのことがよくわからない」なんて感じのことを言われてしまってスパイダーマンになるのが嫌になってしまうという展開。どこかで聞いたような……あ、バーマンだ! マスクを放置してしまって世の中の犯罪から目をそらそうとするところまで似てる。これは、剽窃か???? いやあ、ジャングル大帝とライオンキングのケースはかなり怪しかったと思うけど、これは……偶然なんだろうなあ。 [地上波(吹替)] 7点(2007-05-09 07:25:53) |
116. 次郎長三国志 第九部 荒神山
《ネタバレ》 第九部まで来たら、レビュワーが一人になってしまった…さびしい… それはさておき、それはナイだろうっていう映画だね、これは。いや、つまらないからってことじゃなくて。シリーズ物を第九作まで作っておいて、それで未完に終わるって、いったい…考えられないよ。 他の複数の映画検索サイトでは、脚本は橋本忍になっていて、出演に岡田茉莉子もクレジットされているのだけれど、実際本編のクレジットでは脚本はマキノ自身で、岡田も登場していない。どうも、それは、制作が途中で断念された完結編のことのようだ。 それにしても不可解なのは、他のサイトでは、その作られることなく終わった完結編のストーリーがこと細かに書かれている点。いや、原作があるわけだからそれは不思議でもなんでもないのだけれど、どうもこの第九部と第十部が混同されている節もある。何でそんな現象が起きたのだろう。 で、映画本編の話ですが、石松死後の次郎長一家の面々の、ひたすら耐える姿を描いていて、それがちょっと痛々しいです。その忍耐が報われることなく終わってしまったのは、やっぱり何とも惜しいなあ。 【気づかないうちにお仲間が上に増えていて嬉しい! 点数は違えど基本的にこの作品に対するスタンスが皆さん私と同じで、なお嬉しいです。ぐるぐるさん。フォローありがとうございました。青観さん、第八部まで、実はずいぶん先導してもらいました。感謝。2007.9.追記】 [CS・衛星(邦画)] 7点(2007-05-01 00:23:27) |
117. 次郎長三国志 第七部 初祝い清水港
《ネタバレ》 そんなに悪くないとは思いますよ。下のお二方ほど違和感は感じませんでしたよ。喜代三は、確かにちょっとうざかったけど(笑)。でも、あれが長門裕之だった、ってのは、ちょっとおどろき。大石蔵之助をぱくった展開も○。 コメディータッチが少し戻ってきたのも、好印象。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2007-04-17 23:40:55) |
118. 次郎長三国志 第五部 殴込み甲州路
本当は盛り上がる展開なんだけど、自分的にはイマイチ。次の第六部のインパクトに負けてしまったのかも。いや、もちろん、それなりに面白いよ。それに問題作(?)の第六部のためには、これは欠かせないと思うし。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2007-04-17 23:34:22) |
119. ゴースト・ドッグ
《ネタバレ》 下の方のレビューの方々の間でも問題視されていたけれど、主人公が正確に武士道を理解していたかどうか、って問題。いや、これは、ズレてますよ。誤解してます。でも狙ってるズレだと思う。いちいち挿入される「葉隠」の引用、これが、どうも物語ともずれてるし。で、このズレが、違和感となってしまったらこの映画は楽しめないんだろうな。私にはツボにハマってしまった。ばかばかしくて面白かった。ディテールのこだわりもたまらんです。イヌの表情、アニメばかり見ている敵役たち、いいところで飛んでくる鳥。思い出すとくくっと笑ってしまう。主人公と少女が語る、『羅生門』というアンソロジーの中では「藪の中」が一番よかったわ、という会話。さりげなく黒澤へのオマージュ、入ってません? 武士道ときたら黒澤ってことかしら。それもまた誤解のような気もするんだけど。そこまで狙ってる? [CS・衛星(字幕)] 7点(2007-04-13 23:18:02)(笑:1票) |
120. 次郎長富士
そんなに悪くない、と思うんだ。エピソード的になってしまっていて、全体的な統一がなくて、散漫な印象ってのはぬぐえないのだけど、でもそれなりに押さえるところは押さえている気がする。勝新の森の石松も、それなりにはまっている気がする。 とりあえずレビューページがアップされていないので暫定的にここに書くけど、続編の方は石松に主に焦点が当たっていて、全体にコメディータッチで、ずっとまとまりがある。続編の方が面白いんだ。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2007-04-11 23:24:21) |