1241. 新・夕陽のガンマン/復讐の旅
《ネタバレ》 『新』と銘打ちつつも肝心な部分、まず監督はレオーネではないですし、イーストウッドもキャストから外れています。しかし、リー・ヴァン・クリーフは続投、脚本はヴィンチェンツォーニ、そして音楽はモリコーネと、確かに『夕陽のガンマン』のネームバリューに肖りたくなる様な面々だとも言えます。内容も、特に主役2人の関係性などは前々作に近い様にも思えますが、ジョン・フィリップ・ローは腕前はともかくイーストウッドのモンコに比べればだいぶ「若輩者」で(見た目もそこまでカッコ好くはないですかね)、ここはトップクレジットに昇格したクリーフが彼を手玉に取りつつ引っ張っていく構図がより強まっているとも言えます(2人ともまた中盤はとっ捕まってボッコボコにされてたりしますけど)。かつ、今作はまた割と単純な話ではありますが、ガンアクションがまずまず豊富にちょこちょこ入り続けるのと、終盤は結構派手に撃ちまくっており(プチ『荒野の七人』ばりに)、見せ場のボリューム的には決して悪くもない様に思います。 悪者はより悪く、主人公の善玉はより強く、物語は簡潔に、総じてより単純で娯楽に徹した作品だと感じます。イーストウッドが10才若くて本作でも主役を張っていたら、もっと有名になっていた作品でしょう。加えて、モリコーネの音楽は率直に今回も非常に素晴らしいです(ややおどろおどろしいメインテーマはタランティーノが『キル・ビル』でも使ってたそうですね)。西部劇としては確実に合格点以上な作品だと思います。 [DVD(字幕)] 6点(2020-07-12 01:15:44) |
1242. ウィンチェスターハウス アメリカで最も呪われた屋敷
《ネタバレ》 かなり酷評されている作品なので観るのが遅くなったのだが、観た感想は率直にそこまで酷くもないかも?という感じ。そもそもこのネタ、ホラーになるのかかなり疑問だったのだが、いくつかの工夫(精神鑑定だの悪霊が子供に憑依するだの実はお化けな召使だの)を織り交ぜたシナリオはそこそこちゃんとしたホラーになっているし、役者の仕事も決して悪くないし、セットや小道具なんかもまずまずキッチリつくってあって、普通にB級以上と言ってよい質感に纏まっていると思う。 しかし、言うてシナリオも結局は月並、恐怖描写も単なる驚かし系の平凡、それに加え、個人的に以下の2点がかなり致命的だと思われる。 ・「銃に殺された者たちの怨霊が屋敷を呪っている」というそもそものコンセプトは偏執狂の戯言としては面白いが、これを本気で真面目なホラーに仕立てるのはちょっと勘違いなよーに思う(普通に考えて、そんなことあるワケねーじゃん、としか思えない)。 ・この話、どー考えても「屋敷」が主役のハズで、だから一番の勘所はその広大さ&異様さの演出にあるのは明白なのだが、惜しむらくその部分のつくり込みがこれまた非常に平凡で、とどのつまり少しだけ奇妙な普通の豪邸にしか見えないのだ(これは予算的な問題である気もするケド)。 前述どおり、別にホラーとしては可も無く不可も無い程度の作品にも思えるが、実話であることを含めての「コンセプト」に対しての実際につくり込めたクオリティ、と言う意味では、だいぶんやり残し・手抜かりが多い作品にも思われる。その意味では、確かにこれもまた残念作の範疇にある一品だと言えるだろう。 [DVD(字幕)] 4点(2020-07-09 22:32:02) |
1243. 続・夕陽のガンマン/地獄の決斗
《ネタバレ》 言うて全員悪党だが、トゥーコの卑劣漢(小悪党)ぶりと、今作ではかなりなチョイ悪親父(つーか極悪親父)なクリーフおじ様はどちらも秀逸(これに加えてイーストウッドも平常運転なセクシーニヒル)。話の方はかな~り長ったるい、が、一貫性は十分なストーリー運びで(レオーネとしては)観易くないとも言い切れない(ここまで来ると好みの問題だが)。単純な西部劇的決闘シーンはやや少なめにも思うが、その代わりに南北戦争シーンがあったり(ここの物量は正直ちょっとビビるレベル)、何と言ってもラストは西部劇史上屈指と言うべきスーパージックリ撮って緊迫感もモノ凄い三竦み大決闘を存分に楽しめる。個人的にはこっちも大分お気に入り。 [DVD(字幕)] 8点(2020-07-09 01:16:16) |
1244. ポセイドン(2006)
《ネタバレ》 スペクタクルにして、それ以上に重厚な人間ドラマだったリメイク元に比べて、今作は極めて単純なパニック・アクションとなっているのは確かにそうだが、その意味では別に全然出来が悪い訳でも無く、ややコンパクトであることも相まってテンポ良く観終われるアトラクション映画に仕上がっていると言える。話の大枠こそリメイク元と全く同じながら、完全に別種の映画として評価すべきなのだろう。 私の好みも確実にリメイク元の方だし、あっちがあれば今作が無くても全く困らないが、別に今作があっても困る訳が無いのもまた事実である。パニックのもたらすスリル的な部分については、今作の方が部分的には優れている様にも思う(襲いかかる水だ炎だ爆風だ電撃だといったバリエーションの多彩さに加え、ダクトの中ですし詰めで水が迫ってくるシーンなどは観ているだけで息苦しくなったりと)。 [DVD(字幕)] 7点(2020-07-09 00:15:58) |
1245. キャッスル・フリーク
《ネタバレ》 スチュアート・ゴードン'sラヴクラフト第三弾は、タイトル通り「古城の異形」の物語。夫に捨てられた公爵夫人は、復讐心から自分の子でもある息子を40年に渡り監禁し虐待し抜いた。そんな彼女が急死して城を相続したのが、我らがコムズ兄さんとバーバラ姐さんの夫婦、というワケ。親指を切り落として手枷を外し自由になった異形は、溜りに溜まった肉欲を発散すべく夜陰に乗じて蠢き始めるのであった… と、かなり古典的な怪物ものと言える本作だが、前2作(『死霊のしたたり』+『フロム・ビヨンド』)と比べると前半60分が格段に地味なのが個人的には少々マイナス(この前半も、相続した家族が訳アリだったりする部分は映画として結構ちゃんとつくり込まれてるとも思えるのだけど)。あと、肝心の古城というのが、ただ古い建物を利用してる、というか、あまり雰囲気のよい場所が出てくるという訳でもない様に思われる。後半も前2作に比べればある意味「普通」だが、流石に終盤になると思ったより盛り上がるので、ここはまあまあ楽しめる。頭オカシかった前2作よりもより一般向けで、かつ往年のB級ホラーとしての質感を楽しめる作品、という感じかと。個人的には、暇潰しには十分なるかと思った。 [ブルーレイ(字幕)] 5点(2020-07-07 23:17:07) |
1246. フロム・ビヨンド
《ネタバレ》 この映画、やりたいことは分かるのですが、改めて観るとお話の方はちとメチャクチャ過ぎますね(やりたいことの方が更にメチャクチャだ、とゆーのは一旦置いといて)。ここまで来ると物語としてはちょっと訳分からんし、種々の描写も奇ッ怪過ぎて『死霊のしたたり』の様にコミカルさを目当てに観れる、というレベルに在るワケでもないかと思います。 なので本作、ただ奇ッ怪な映画が観たい!という完全なるマニア向け作品にも思います。デロデロドロドロのクリーチャーは『物体X』をどこか彷彿とさせますが、気持ち悪さと人体破壊描写のグロさ加減は彼の名作にも優るとも劣りません。個人的には、ややチープなのも逆に味が有る様にも思えます。加えて、今作にはエログロ系の要素もタップリ加味されており、バーバラ嬢の正に体当たりなお色気シーンは、ここだけは誰もが大喜びで観れるだろう大きな見所となっています(殆ど紐でケツ丸出しのボンテージ衣装には大いにゾクっとしました)。 ユズナ&ゴードン、コムズ兄さん&バーバラ嬢、加えてケン・フォリーの旦那という、往年のB級ホラーファン垂涎のキャスト・スタッフを擁することを含め、前述どおりマニアなら必見の大怪作と言えるでしょう。オススメかと言われれば普通にオススメであります。 [ブルーレイ(字幕)] 6点(2020-07-06 22:59:26) |
1247. マイレージ、マイライフ
《ネタバレ》 正直、残り40分くらいまでは、J・クルーニー演じるライアンがあまりに人物として完成され過ぎていて、これは物語にはなっていない、と感じていたのですね(主人公がナタリーならまだ話は分かるのだけど、くらいに)。しかし、残り30分はある意味怒涛の展開で、ライアンの人生に転機が訪れ?ます。普通に考えれば、1000万マイルを達成することにも、それを達成する程に飛び回ってする人切りの仕事にだって、人生を託すに足る意味があるとは思えません。それに気づいたナタリーは、さっさと仕事を辞めて人生を変えにゆくのです。 しかし、それはナタリーが若いから意味のあることで、50絡みのライアンに可能なこととも思えません。人生の何に意味を見出すか、なんて宗教みたいなもので、万人が共有できる答えなんて無い、とも言えます。ここまで来てしまったら、もはやそこは今までのそれを貫き通してゆくしかないのだ、という様なラストは、悲喜劇的でもあり、教訓である様にも思えます(もちろん、私がライアンよりもまだ多少若いからこの話を教訓と出来る、ということだとは思いますが)。 映画としては一点、ライアンの心変わりにあまり説得力のある必然性が感じられないのが少し痛い所だと思います(まあアレックスがイイ女過ぎた、ということかも知れませんが)。ただ、ラストのほろ苦い感じと、それでいて肝心な所は人・世代によって受け止め方が変わるだろう玉虫の色合いには、中々悪くない旨味がある、とも思いましたが。 [インターネット(字幕)] 6点(2020-07-05 04:12:45) |
1248. SOULS 死魂
《ネタバレ》 あのウェス・クレイヴンがかのカルト『恐怖の足跡』をリメイクしたよ!というヤツだが、どうでもいい出来だとも聞いていた。まあタダ同然でDVDが手に入ったので観てみたのだが… 元ネタは、オチにアイデアこそあれ、全体としては雰囲気系のホラーだったと思っている。今作、オチは丸パクリしているのだけど、元ネタのその幻想的で不穏な雰囲気というのがまるで再現できていない。それはモノクロと色付きの差、とも言えるのかも知れないが、とにかく種々のパラノーマルな現象をなんの工夫も無くただ撮っただけなので、それが異世界からの超越的事象だという感じが全く無く、現世が幽世に徐々に侵蝕されていく、という点の醍醐味が皆無なのだ(逆に言えば、モノクロ映像と白塗りメイクの亡者だけでそれを表現し切っていた元ネタとゆーのが、実は中々に優秀なのだということかも知れない)。偶に写り込む白い異形なんかも、どっちかちゅうとX-ファイルのフルークマンに見えなくもないし。 もう一点だけ、DVDの煽り文句「ウェス・クレイヴンが新たに創造した恐怖の領域―!!」て。リメイクだっつーの。 [DVD(字幕)] 3点(2020-07-04 15:57:01) |
1249. ひとよ
《ネタバレ》 全く見たことの無い話だ、という訳では決して無いし、結末も予想の範囲から大きく外れるというものでもない。多少の物珍しさが在るとしたら、罪を犯した母親というのが(良くある優しい賢母とゆーよりは)いくぶんおバカでだいぶファンキーな性格だという点くらいか。内容は決して悪くないと思うが、終盤の立ち回りの派手さと、その後、佐々木蔵之介が結局どうなったのかを描かない点には、正直に言うと少しだけ不満がある。 ただ、まず本作、大勢集めた豪華俳優陣が揃いも揃って実に素晴らしい出来だったというのが非常に印象に残る。最初「このドモリは無いだろ」と思った鈴木亮平も肝心のブチ切れるシーンは凄く良かったし(そこで効かせるためのドモリだ)、一番迷ってる佐藤健も、どこか腹黒さを含ませる筒井真理子も、唐突に元極道な佐々木蔵之介も、この人たちの中では割とマトモでホッとできる韓英恵も、母親役の田中裕子もモチロン、MEGUMIもかなり本格的な演技が率直に見事だし、チョイ役の千鳥大吾と斉藤洋介でさえ、いずれも奥行きの有る非常に味わい深い演技だった。 中でも私が一番印象に残ったのは松岡茉優。本作、決してシリアスなだけではなく、確かに随所に笑えるシーンも挿し込んであまり暗くなり過ぎずに(とは言え本質的にはごくマジメに)仕上がっているが、この質感の醸成に、松岡茉優の優しさ・明るさ・コミカルさの部分が非常に効いていた様に思われる(無論、シリアス面も決して悪くなかったし)。 笑えるシーン、と言う意味では、万引きされるためだけにワザワザ「復刻」したデラべっぴんがかなりツボだった(私、ギリギリ「世代」と言えなくもない年回りなのですよね)。 [インターネット(邦画)] 8点(2020-07-03 22:12:13)(良:1票) |
1250. ライムライト
《ネタバレ》 この映画に描かれる「愛」は、男女のどちらの側からも、通常のそれよりも少しばかり崇高で純粋なものに、ただひたすらに美しいものの様に感じられる。残酷なのは、それほどに美しい二人の愛が、必ずしも互いを幸せにしていると言えない、ということか。否、幸せにしていると言えない様に「見える」ということか、とも思う。 二人は、限りなく幸福だった筈だ。互いに与え得る全ての献身を共有し分かち合うこと以上に、人が人を幸せに出来ることなどがあるだろうか。私が観た中で、最も美しく、最も幸福な映画だ。 [CS・衛星(字幕)] 9点(2020-06-30 00:53:55)(良:1票) |
1251. ゾンビマックス!/怒りのデス・ゾンビ
《ネタバレ》 安直な便乗作品かと思いきや、公開自体はアレよりコッチの方が先。しかし、これは完全にタイトル通りの「そーいう」映画ですね(もはやオーストラリアの専売特許と化している気がしますが)。ジャギ様ばりの(見た目が)ヒャッハーな3人組に、ヒャッハーなイカした改造車、ソッチ方面のクレイジーな世界観は大好物です(何故今まで誰もこのコラボレーションをつくらなかったのか)。 内容自体は比較的オーソドックスですが、前述の他にもかなりユニークかつ飛んでる設定上のアイデアが複数盛り込まれているのと、戦闘シーンをはじめ、愛する家族・仲間に手をかけざるを得ない場面やゾンビに咬まれた手を切り落とすシーンなど、オーソドックスなシーンも総じて迫力がかなり高レベルで、とても面白く観れました。ヴァイオレンス面を重視したゾンビものとしては、かなり優秀な作品だと思います。 [インターネット(字幕)] 7点(2020-06-28 23:03:49) |
1252. もののけ姫
《ネタバレ》 確かな記憶、という意味では、私が映画館で観たことを覚えている最古の作品である(実は)。コロナ禍のジブリ・リバイバル上映を機会として、1作品だけコレ!と選んでこのたび映画館での再鑑賞に至った(最近、少しテーマの似てる『羅小黒戦記』を観て、ちょっとまた観たくなったというのもあるのだけど)。 改めて観てまず感じるのは、話の複雑さ、特に「自然の神々」に対する人間側勢力(エボシ)を取り巻く状況のそれである。ずっと「自然」対「人間」の二項対立の話だと思っていたのだが、実はこれは、人間が既に自然を凌駕してしまったあとの物語であった。エボシにとっての真の敵は人間であり、エボシが神を殺そうとするのは、そうしなければ真に勝ち抜くべき人間同士の争いに勝てない、と考えていたからである様に思える(帝に「シシ神の首」を献上することの政治的意味を含めて)。このことが、この話を単純な自然と人間、善と悪の二項対立から一段上に掬い上げていると同時に、人間もまた、強者が弱者(蹂躙される「自然」を含めた)を資源として利用しなければ誰しもが生きてゆけない「弱肉強食の理」から逃れることは、歴史上一度も実現出来ていないという意味の含蓄を作品に与えている様にも感じられる。 難解と言われる本作のラストだが、あくまで私には、この理に従って各々が争い生きることが生む絶望と、そこから脱却して生きていこうとする先に芽生える仄かな希望(のようなもの)を描いたものである様に思えた(それはまた、本作で唯一、真に自然を体現する「物言わぬ神」として描かれるシシ神の神性としての、途切れ無く流れる悠久の自然が備える「ホメオスタシス」の様なものであるか、とも感じたのだが)。 [映画館(邦画)] 9点(2020-06-27 21:19:52) |
1253. ワイルド・ローズ
《ネタバレ》 いちおう、サクセスストーリー系と言える内容ではあるが、主人公の成長物語としての側面を重視したつくりになっている。冒頭が主人公の「最悪」で、此処から成り上がるぜ!な話かと思いきや、真のどん底が訪れるのは実はラス前25分辺り、というくらいなのだが、ゆーて諸々ひっくるめてもかなりありふれたコンセプトの作品だというのは間違い無いと言える。 確かに本作、この主人公に寄り添って観ていくことが出来ないと、正直どうにもならない映画である様に思える。率直に最初の方はクズ丸出しなので、ここで脱落する人もそこそこいるかも、という気がする。私個人としては、主演女優が中々にコケティッシュ、かつ程良くムチムチと丁度がいい感じの「見た目」が好み、というややゲスい理由で比較的快適に観てゆけたのだけど。一点だけ、いつの間にか娘との関係が修復してたのには、アレ、そんなキッカケの描写あったっけ?と思いましたが。 あと、カントリーミュージックというのもあんまり馴染みが無いので正直よくは分からなかったが、主演女優は確かに歌は上手かった。常にエルヴィス・プレスリーみたいな恰好をしている女の子が居たら、カントリー歌手かも?と思えばいいのだろうか。 [映画館(字幕)] 6点(2020-06-27 19:57:53) |
1254. ランボー/ラスト・ブラッド
《ネタバレ》 ランボーとは、ただ「怒り」なのだ。怒り狂っていることのみがランボーがランボーである証しであり、その存在価値の全てである。戦いの果てに得た安らぎの場所、愛する家族すらも、彼の怒りに火を点ける為の供物でしかないし、ランボーがその長い人生をどう生きてきたのか(という、映画4本も撮ってつくり込んだハズの背景部分の設定)も、そしてスタローンが実際には何歳になっているのかすらも、そこに何らの関係も無い。ただ、ランボーは怒り続ける。そして、退かず、媚びず、省みない。実に潔い映画ではないか。 無論、何に対してでも怒ってさえ居ればよいのか、という「問題」は在るのかも知れないが、本作の論点はそこではない。単純にして明快な、見事なまでの「原点回帰」。『ロッキー・ザ・ファイナル』を彷彿とさせる、流石のスタローンだ。 [映画館(字幕)] 8点(2020-06-26 22:09:34)(良:1票) |
1255. ゾンビ・ガール
《ネタバレ》 女優さんが2人ともグッドでしたね。死してなおどこまでも一途なエヴリン(加えて超美形)も、明らかに性格が良くてもし付き合ったらとても楽しそうなオリヴィア(加えて爆乳)も、私にはどちらも魅力的に見えました。この2人+男1人の三角関係が話の軸なのですが、ある意味普遍的な話で(別にエヴリンがゾンビじゃなくてもそのまま通用する話にも思えます)、なので非常に在り来りな内容ですが逆に普通に最後まで気持ちを入れて観ていける様にも思えました(もちろん、女の子2人が魅力的だから、ということだとは思いますが)。 しかし、ラストがあまりに捻りが無いというか、途中経過も在り来りでラストもこれだと流石に…という感じというか。前述どおりエヴリンがゾンビかどうかというのは話の本質には殆ど絡んでいない訳で、じゃあそれを生かしたゾンビな小ネタがそこまで出来が良いかというと、これも個人的には微妙かと。かなりの美人がゾンビのコスプレをしまくっている、という意味での眼福は得られた様に思いますケド。 [インターネット(字幕)] 5点(2020-06-25 01:46:35)(良:2票) |
1256. インシディアス
《ネタバレ》 メイン部分はかなりオーソドックス、かつ非常にシンプルで分り易いつくりで、やや初心者・若年層向けな様にも感じられる。中盤以降は幾分ファンタジックかつ派手な展開になるのも、その感覚を強める様に思う。ただ、全体的な構成は、お話の進め方にせよ、徐々に盛り上げるホラー的展開運びにせよかなり巧みで、普通に結構面白く引き込まれて観れる。恐怖描写も、序盤の薄気味悪さにせよ、中盤以降の力技にせよこれもそこそこ上質で、それなりに怖いとも言える(ややマイルドだが)。 何と言うか、対象世代を広くとって何でもいいから万人受けするよーなホラー、とゆーのを、ある程度力の有る監督(チーム)に発注したら、こんなん出来てきました、て感じに思えるのですね。あまり作家性とか熱意とか、コレをやりたかったコンセプト、とかの「深み・旨み」は感じられないのだけれど、十分そこそこ観れる、というか。少なくとも監督の力量とホラー的「造詣」は大いに感じ取れます。個人的には別にそこまで好きな作品じゃないですけど。 [インターネット(字幕)] 6点(2020-06-24 23:30:52) |
1257. ゾンビ・サファリパーク
《ネタバレ》 恐らく『ジュラシック・パーク』に近い内容であることを強調するための邦題で、結果として少しおちゃらけた感じにも思えるが、内容の方はシリアス全開の至って本格派なゾンビものである。本物のゾンビを利用して「狩り」を楽しむというリゾートで発生するアウトブレイクを描いているが、登場人物たちは序盤から(遊びに来てるにも関わらず)全く楽しそうにも見えず(まあこんなもんを楽しめるつーのはちょっと頭のネジが飛んでいる、とも思うケド)、コメディタッチに振れるというシーンもほぼ無い。一方であまりテンポが良いとも言えず描写もごくごく平凡であるため(ちょっとマジメ過ぎるのよね)、個人的には少し退屈にも感じられた。 しかし『ジュラシック・パーク』とゾンビのイイ所取りな優れた状況設定に加え、映画自体の質はそこそこ高く、全く観るに堪えない、などということも無いごく悪くないクオリティだとも言える。咬まれて発病してすぐのゾンビは走るのが速い、という設定(からの、ノロノロゾンビと高速ゾンビが混在する状況)は中々面白いと思った(ノロいゾンビを撃ってたら、横から全速力のが突っ込んでくる、というのはかなり恐怖だわな)。暇潰しには十二分。 [インターネット(字幕)] 5点(2020-06-24 21:09:28) |
1258. ポゼッション(2012)
《ネタバレ》 なんか変な箱を買ってきたら、それに悪魔が…という悪魔祓い系のホラー。メイン展開には全くなんの捻りも無いのと、やや盛り上げ下手というか、徐々に徐々に現象がエスカレートする、という部分の演出が稚拙で、正直あまり怖くなってゆかない(全体としても少し色々マイルドめ、という印象)。あと、音楽がこれもなんか単純であまり好い雰囲気を出せているとは言えない。 ただ、オーソドックスなのはそこに普遍的な価値・怖さがあるからで、本作も決して全く使い道が無い、という訳でも無い。この点数を付けておいてなんだが、これは個人的にはホラーとしてはギリ合格点である。 一点、あの箱ってなんですか、民俗学的、宗教的にリアルな奴なんですかね?何の変哲も無いというか、もっと全然それっぽい小道具にできたと思うんですけど。欧米人的にはあれでも十分ゴシックで気味悪いということなのかしら。 [インターネット(字幕)] 5点(2020-06-22 21:51:47) |
1259. ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!
《ネタバレ》 12軒のパブをハシゴするという部分と、途中から展開されるSFスリラー的な話と、主な筋が2本あるのだが、正直どちらもややよく分からないオチを迎えるというか、ラストまで観ての達成感があまり無い。じゃあ途中笑いに笑えたかというと、これもそーでもない(個人的にこの監督とはあまりコメディセンスのフィーリングが合わないってのも大いにあるケド)。面白かったのは率直にブランクとの格闘シーン(喧嘩において「質量は正義」と言わんばかりにデブのアンディが無双してるサマはある意味爽快だった)。 私も酒飲みとしては、酒絡みの無茶を昔取った杵柄でもう一度、という部分には大いにノスタルジィを感じるので、その部分に何か痛快なラストが観れたらそれだけでも良かったのになあ、という思いが強い(SFとかどーでもいいから)。UKパイントは568mlなので、12杯で約7リットル、生中14杯分である。昔なら一晩くれれば余裕だが、今では絶対に無理だ。 [DVD(字幕)] 4点(2020-06-21 23:24:27) |
1260. エジソンズ・ゲーム
《ネタバレ》 所謂「電流戦争」を描いた本作だが、結果を抜きに当時の状況として、直流と交流のどっちが真にプラットフォームとして優れていたのかというのは、現在の我々が考える以上に微妙な問題だったのではないかと感じた(種々の関連技術の開発の進展の先も見えていない状況な訳だし)。 しかし同時にこの戦い、その新ビジネスの主導権争いとか技術的優位性の実際とかといった本質的で理性的なものと言うより、本作ではひたすらに、ただエジソンとウェイスティングハウスの「意地の張り合い」である様にも見える(怒り狂って形振り構わないエジソンと、バカに付き合ったら負けだと思ってるウェイスティングハウス)。そうなるとこれは男の面子の問題なので、特にエジソンは全くと言ってよい程に冷静さを欠いており、結果として理性的とは言い難い極めて醜悪な争いを繰り広げる、というワケだが、イザ勝負がついてしまえば(冷静に戻ったのか)ラストはお互い実にアッサリしたものであった(ここの描写がホントなのかどーかは知らないが)。 映画としては少しエピソード(話の内容)が不足気味なよーにも思えるが、娯楽作としてはそこそこ。 [映画館(字幕)] 6点(2020-06-21 16:46:57) |