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かっぱ堰さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1246
性別 男性
自己紹介 【名前】「くるきまき」(Kurkimäki)を10年近く使いましたが変な名前だったので捨てました。
【文章】感想文を書いています。できる限り作り手の意図をくみ取ろうとしています。また、わざわざ見るからにはなるべく面白がろうとしています。
【点数】基本的に個人的な好き嫌いで付けています。
5点が標準点で、悪くないが特にいいとも思わない、または可も不可もあって相殺しているもの、素人目にも出来がよくないがいいところのある映画の最高点、嫌悪する映画の最高点と、感情問題としては0だが外見的に角が立たないよう標準点にしたものです。6点以上は好意的、4点以下は否定的です。
また0点は、特に事情があって採点放棄したもの、あるいは憎しみや怒りなどで効用が0以下になっているものです。

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121.  ケータイ刑事 THE MOVIE バベルの塔の秘密~銭形姉妹への挑戦状 《ネタバレ》 
4人姉妹のうち長女は出ていないが、3人だけでも十分に超豪華キャストという感じである。3人並んでみると、この時点で夏帆が一番背が高いことがわかる。だから何だというわけでもないが、3人並んだことで初めて目に見える事実ということだ。 ○夏帆がひたすら可憐である。「レレレ?」の表情もいいが「Q.E.D.」の時の口つきなどは見事だった。銭形零はカメが好き、という設定があったのかどうかわからないが、「もっとおっきな空飛ぶカメが好き」という台詞があったのは、この映画の公開と同年の「小さき勇者たち/ガメラ」(2006)のPRだったものか。 ○堀北真希は何といっても「世界のダンス」が見どころである。難度としては後になるほど高いのだろうが、個人的印象では最初のアイリッシュダンスが非常に可愛らしい。これには参りました。 ○黒川芽以はそういう意味での見どころが少ないが、「謎は解けたよワトソン君」のところで可愛くアピールしているのはよかった。この頃は顔がふっくらして愛らしい。 およそ以上のような映画だった。これで5点つける。
[DVD(邦画)] 5点(2016-06-09 23:26:52)
122.  琥珀色のキラキラ 《ネタバレ》 
まずは題名が意味不明だが、たまたま主人公にとってはこの色で、この時期の記憶が色づけされて残ったのだということか。また終わり方が唐突なのも困るが、これは映画の内容がハッピーエンドとかどうとかいう小さくまとまった物語ではなく、その後も続く人生の一部を切り出しただけのものと示してみせたのかも知れない。 そういう前提でいえば、いいことばかりでもない人生の中で、いわば珠玉のように輝いている記憶をそのまま映画にしたようなものと思えばいいのだろうか。その割に最後は一言で済ませてしまっており、これは本人としてはそれなりに寂しい結果だったろうと思うが、代わりに自分が少し大人になったということかも知れない。少女の後姿は甲斐甲斐しく健気で、意外に突き抜けたような清々しい終わり方だったのはよかった。 ただし排泄物をなめてみるのが家族愛の証、ということまで主張しているとすると、さすがに自分としてはそのまま受け入れることはできない(子どもならまだしも中年男のものなど想像するのも嫌だ)。どうも観客が嫌悪を催す領域に微妙に踏み込んだ感のある映画だった。狙ってやっていたのだろうが。
[DVD(邦画)] 5点(2016-04-22 23:44:22)
123.  ブタがいた教室 《ネタバレ》 
自分が見た限り、生命の問題を考えるというより教育のあり方に関する問題提起のように感じられる。児童に自分の頭で考えさせるという目的は達していたようだが、一方で担任教員の指導方法に問題があることもしっかり描写されており、必ずしもこれが理想の教育というつもりはないらしい。また年少者にシビアな体験をさせて特定の観念をすり込もうとする洗脳まがいの手法ということでもなく、むしろ徹底的なディベートを経て何らかの結論を導こうとする、いわば民主主義の学習のように思われた。 児童の議論の中で、テーマを考えるための材料は一応出揃っていたようである。担任教員は無責任にウンウンうなずくだけで腹立たしく思われたが、それがこの場に求められる正しい態度だったらしい。後半になると、当面の課題解決に向けて児童の意見が2つに集約された形だったが、その2つに限ってみれば感情問題を優先するものと、あえて理性的対処を主張するものの2派を形成していたようである。説得材料として「卒業」などという観念(笑)を創作する児童もいたりして、子どももそれなりに考えていることを示していたようだった。  ただし民主主義の学習の場として明らかに不適切なのは、最初に飼育を決定したのが実質的に担任教員だったにも関わらず、これを児童が自分らで決めたことのようにすり替えていたことである。後半になるともう児童が自分らの責任と思い込まされて泣きながら議論していたのが痛々しい。 これはわが国にあるムラ社会の全体主義であり、自由意思に基づかない集団の構成員にまとめて責任を負わせるやり方である。こういうことを今でも学校教育の中で平然とやっているとすれば非常に危険であり、いつの日か自分らの決定と思い込まされたまま戦争に駆り出されて死んでいく国民を育成しているようなものである(…ちょっと左派風に表現してみた)。この点では全く納得できない映画だった。  以上、全体としてけっこう真面目に作り込んだ印象はあるが、こういう微妙な映画に正数の点を付けてしまって点数分だけ肯定的と取られるのが嫌なため、ここは採点放棄ということで0点にしておく。 なお余談として、理性派の筆頭である松原菜野花さんの母親役で出ていた大沢逸美という人は久しぶりに見た(むかし少し好きだった)。イメージがかなり違うが、ふとした表情の変化に昔の面影が感じられると言えなくもない。
[DVD(邦画)] 0点(2016-04-22 23:44:19)
124.  最後の晩餐(2004) 《ネタバレ》 
わざわざ好んで見るものでもないが監督の名前で見た。2006年にスコットランドのホラー映画祭("Dead By Dawn” Scotland's international horror film festival)に出品したとのことで結構評判がよかったらしい。 内容としては造形物やグロ描写にリアリティがなく、その一方で料理は普通に食えそうに見える。また同情したい登場人物が誰もいないこともあって、結果的に人肉嗜食自体にはそれほど嫌悪を覚えず、かえって人を食うに至る過程に一定の説得力を持たせた映画になっている。妙な理屈をつけて正当化しながら実は残虐描写の方で客を呼ぼうとする映画などよりよほどましである。 また登場人物としては、食われ役の三輪ひとみと香港の女優はさすがの美貌だが、一方で後半に登場する初老の刑事がまた強烈な印象で、これはいわゆる怪演の部類と思われる。主人公がこの汚い男まで食ったりしなかったのは当然だが、そのことからすると逆に、食うならやはり美女だという発想そのものは間違っていない気がした。 なおストーリー的には、主人公の同僚2人に対する感情が不明瞭なため、最後に式場でしでかしたことの意味がわからない(「光る通り魔」の真似?)。せっかくなので、もう少し人の心を打つような要素があってもよかったのではと思う。 ただ映像面と音楽はそれなりの印象だったので点数は少し高目につけておく。
[DVD(邦画)] 5点(2016-03-20 18:49:50)
125.  チェスト! 《ネタバレ》 
劇中の小学校で、プールの向こうに錦江湾が広がり、さらに向こうの陸地(薩摩半島)の上に雲が立つ風景は雄大である。この小学校は実際にこういう立地だったようで羨ましい。遠方には喜入の原油備蓄基地や鹿児島市街地の南部も見えていたようである。 こういった個別の撮影地は別にして、映画の設定上は鹿児島市が舞台ということで、桜島も時々映るほか市内の名所も出ていた(ドルフィンポートにはたまたま公開同年に行ってきた)。遠泳大会の際に、どこからどこまで泳いだのか見てよくわからないのは少々つらいものがあったが、終わってみればどうやら桜島の方が出発地らしかった(実際は桜島小池町から磯海水浴場まで)。  内容としては、まず導入部の展開がけっこう可笑しい。個人的にこういう失笑ネタは嫌いでない。 テーマ的には児童の成長物語ということだろうが、特に転校生に関しては結構深刻なお話になっている。死んだ父親が息子を「太か男」にしたかったのか、それとも家族を捨てた勝手な男なのか、あるいは海に引きずり込もうとする怨霊なのかがわからなくなってしまったようだが、結局は主人公とその父親の全く違う助言を両方取り入れて、否定するものは否定した上で主体的に選び取ったということらしい。 また下痢気味の少年は極めて格好悪い存在だったが、実際は両親、特に父親の存在でかなり救われている。本人も成績は悪くないのだろうし、この辺は一面的なものの見方をひっくり返して相対化しようという意図かも知れない。 一方で主人公から好きな女子へのアドバイスは名言だった。表面上の理屈はつながらないにしても、自分の存在価値を認識し自信を取り戻すための方策とすればなるほどと思われる。主人公はこれを先輩に聞いたと言っていたが、示現流の道場(正確には、劇中に出るのは「野太刀自顕流」)でこういう知恵が伝わって来たということか。 それぞれに違う事情を抱えた子どもらに若手の教員も含めて、みな悩みながらも前に進んでいこうとするお話は悪くなかった。というか、少々の未消化部分はあるようだがいい映画だった。原作付きのため基本がしっかりしているということか。  なお主人公の父親は、こういうキャラクターが地元では普通というわけでもないだろうが、言っていることがよくわからないというのは地元住民らしい雰囲気を出している。もしかして転校生の母親は初恋の人だったのか。
[DVD(邦画)] 7点(2016-02-11 23:18:18)
126.  遠くの空に消えた 《ネタバレ》 
評判が悪いようなので期待感なしで見たが、時間が長いのは別として一応見られる内容になっている。ただし独特のファンタジー感があり、始終突っ込みを入れたくなるのをひたすら我慢しながら見ている感覚だった。  中身に関してとりあえず見たことを書いておくと、まず冒頭の言葉がいわゆるお花畑的発想のようで呆れたが、実際は意外に現実的というか、夢想と現実の橋渡しのような映画になっている。 当然ながら少年少女は大人になるにつれて夢想の世界を失っていく。大人になってからも、例えば結婚の時点で残っていた夢想を振り捨てなければならない場面はありうるが、しかし少年少女の感性を持ったまま年齢を重ねることもできなくはない。夢想のままで消えてしまえば初めからなかったも同然だが、消えたと思っていたら帰って来た、というなら結果的に現実だったと確認できることになる。村を去った(消えた)側の少年にしてみれば、逆にこの村の記憶を夢のように思っていたかも知れないが、今回帰ってきたことで現実だったと再確認できたのだろう。 奇跡を起こすなどと大げさに言っておきながら、結局少年らが実現させたのは麦畑アートだけだったようである。これでUFOが来たなどとは誰も信じていなかったにせよ、彼らの心意気に少女が感動してくれたのは現実的な成果ともいえる。一方でこれが空港建設推進の立場にも一定の打撃を与えたような話になっていたが、しかし結局空港が完成していたからには大した影響もなかったらしい。これは公団の所長がこの場を去るための言い訳にしただけで、彼の立場なりの現実的な判断で旧友の要請に応えたということかも知れない。 空港ができたことで、遠くの空というのは去るだけのものではなく、帰って来るためにもあることが明らかになったようでもある。最後に出迎えが来たことで、全てが現実だったと証明された場面は正直感動的だった(2時間も遅れて来たことには突っ込まない)。  ちなみにこれを見たのは単に伊藤歩嬢が出ているからというだけの理由だが、今回は夢見る乙女の姿が清らかで美しい(牛糞まみれにならなかったのは幸い)。また少女役(大後寿々花)も表情がすごくいいのが印象的だった。そのほか、別のところで有名になった笹野鈴々音という人がどこに出るのか見ていたが、この映画では動くお人形さんのようなイメージだったのか、可愛らしくてなかなか面白い役なのだった。
[DVD(邦画)] 6点(2016-01-26 00:17:07)
127.  親指さがし 《ネタバレ》 
話としてはわかるが何か物足りない。中盤過ぎに、それらしい顔の初老の男がそれらしいことを語って、その程度の話で終わりなのかと思いながらそのままラストまで続いて本当に終わってしまったので拍子抜けした(同じ監督のこれ以前の映画でもそういう感じのものがあった)。またドラマの本筋と思われる部分に関しても、亡き少女を思う切ない気持はわかるものの、これだけ人を死なせておいて最後のその情けないツラは何だと突き放したくなるので全く共感できるところがない。 ただし、その初老の男が言っていたこと自体は一定の説得力がある(顔も説得力がある)。“本当に怖いのは人間”とかいう話は最近よくあるが、単に変質者が怖いというだけのことでなく、呪いや心霊現象やそのほか合理的に説明できないが存在するかのように扱われている全てのことが、実は人間の心の闇が生み出しているのだと取れなくもないということである。呪いの映画と思わせておいて実は呪いの映画だったというのも普通なので、この程度にドライなのはかえって新鮮味を感じなくもない。 なお自分としては伊藤歩嬢を見るのがそもそもの目的であり、楚々として線が細く声を張り上げたつもりでも弱々しくて響かないというような人物像は大変結構だったが、なぜか顔を大写しにする場面が多すぎる気がする。それをいえば男連中の顔などは汚すぎて見たくもないが。
[DVD(邦画)] 4点(2016-01-26 00:17:03)
128.  チェケラッチョ!! 《ネタバレ》 
若い連中がバカをやらかす映画は嫌いなので、これもその類かと思って期待度が低かったが、実際見れば男どものバカさ加減も適度で心地いい。女子が暴力的で男子が抑制気味というあたりでバランスが取れていた気もする。けっこう笑える場面も多く、自分としては教員が生徒に「恋は遊びですか」と聞かれて否定できない構図が面白かった。 全体としては若年者の成長物語の形になっていたようだが、個人的にはたまたま最近見た「ウォーターボーイズ」(2001)と同様に、努力の部分はほどほどにして根性モノの印象をなくしておいて、専らラストで盛り上げるパターンかという気もした。ただ終盤の盛り上がりもほどほどだったため、最終的にもほどほどに心地いい映画という印象にとどまっている。娯楽としての基本は押さえてあるように思ったが、TVでいいだろうと言われればそれまでである。 それより自分としては登場人物のうち、すらりとした体形のキレイなおねえさんを見るのがそもそもの目的だったため、その点で満足できればほかは実際どうでもよかったというのが本心である。また年少のヒロインは対照的な役柄で美少女的な印象はないが、劇中人物のキャラクターに即した愛嬌があって可愛らしい。
[DVD(邦画)] 5点(2016-01-26 00:17:00)
129.  キトキト! 《ネタバレ》 
終盤で母親から子へ伝えられたメッセージは、親というものに共通の心情を素直に語っていたように聞こえる。それ自体はいいのだが、劇中でそのことをどう具体化しようとしたのかわからない。 富山方言の「キトキト」というのは場所柄に関係なく突飛な行動を平気でやらかす意味なのかわからないが、とにかく母親自体が堅実路線には全く見えず、そのため娘と息子が高校卒業もしないまま東京に出て、夜の業界に入っていたのも自然な流れに思われる。そういうことなら母親が語っていたとおり、どんな仕事であっても子が自ら望んだようにできていればいいという話になりそうなものである。 しかし最後は結局、地元で安定的な暮らしをしてもらいたいという、よくある地方在住の親の本音を代弁したかのような無難な終わり方をしたのが興醒めだった。これはストーリー上の要請というよりも、地方の定住人口維持に貢献しようという志でもあったのか? それにしても劇中ではそのような展開を可能にするための好都合な偶然が多すぎて見ていられない。ハッピーエンドなのはいいことだが割り切れないものの残る映画だった。 かろうじて最後の場面で伊藤歩嬢が幸せそうな顔をしていたのはよかった。主人公が東京にいた間、このキレイなおねえさんの姿が、自分にとっては最後まで見続けるための強い動機づけになっていた。
[DVD(邦画)] 5点(2015-12-31 09:31:19)
130.  ラヴァーズ・キス 《ネタバレ》 
最初の章を見ていると、この調子では全編見るのがちょっと大変だと思っていたが、次の章は少し気が抜けた感じで助かった。題名のキスが男女間で行われたのはいいとして、もしかしてこれを同性間でもやるのかと思っていたところ、終盤に至ってついに関西弁の男がやってしまったのは見たくもなかったが、接触部分が隠れていたので最低限のところはクリアしている。宮崎あおいがやったのは可愛らしいので当然許せる。 全体としては共通場面を設けながら登場人物の関係変化を多角的に描写し、その過程で背景事実も明らかになっていく構成が面白い(原作由来だろうが)。これで結構見た甲斐があると思わされる映画ではあったが、しかし劇中で行われていること自体に共感する素地が全くないのは残念である。ちなみに話す人物の顔が近すぎるのは耐えられない。 それよりこの映画では、少女マンガ原作にふさわしい美形の男女ばかりでなく、脇役に個性的な登場人物を揃えていたのが部外者的観客にとってはありがたい。特に関西弁の男に関しては、すぐ隣にこんな可愛らしい女子がいるのに何で男の方ばかり見ているのか、馬鹿ではないか、という思いが募るのだった。こういう感じの登場人物が出るほのぼのラブストーリーを見たかったとどうしても思ってしまうわけだが、そういうことを言っているようではそもそもこの映画を見る意味がないということだろう。無理に見てもらわなくていいと言われそうだ。どうもすいませんでした。
[DVD(邦画)] 5点(2015-12-31 09:31:16)
131.  ウォーターボーイズ 《ネタバレ》 
若い連中がバカをやらかす映画は嫌いなので、なんでこの監督はこういう面白くもないおふざけをやっているのか、と醒めた目で見ながら半分以上が経過する。ときどき突発的に可笑しいところはあるがその気分があとに続かず、こんな映画に時間を使っているおれはアホではないかと思っていた。 しかし転機になったのが桜木女子の伊丹弥生さん(演・秋定里穂)の登場である。この人はもう個人的に大好きだというキャラクターで、ここから気分が一気に好意的な方向に変わる。その後は男どもの大舞台であって、満場の女子に大受けというのは男子にとって最高の見せ場といえる。男子校と女子校を分けていたのはそういう意味だったかとここで初めて納得した。最初の方では何のためにいるのかわからなかったヒロインもこの場で俄然輝きを増し、バカな主人公を全面肯定してくれる存在になるのが嬉しい(:例のパンツは、本当は前の晩に用意していたのを当日になって渡すことができた、という話だったのか? 物わかりの悪い観客ですいませんが)。 上達の過程をろくに描かないのはスウィングガールズと同じだが(製作順と逆に見た)、クライマックスは映像+音楽の面でもかなりインパクトのあるものになっており、見る者をしあわせな気分で一杯にして終えるので細かいことはもう関係なくなる。監督はこの時点で30代前半だったわけだが非常に才気ある人物という印象だった。 なお関連して、「桜木の天使たち」3人組が出るサイドストーリー(監督・脚本:矢口史靖)も好きだ。この連中の漫才は腰が抜けるほど可笑しい。
[DVD(邦画)] 7点(2015-12-31 09:31:13)(良:1票)
132.  学校の怪談 春の物の怪スペシャル〈TVM〉 《ネタバレ》 
【 】内は話数、[ ]内は評点。 【OP&ED】くだらない。[2] 【一】笑いを取ろうとしているがそれほど笑えない。ラストのオチもそれほど納得できない。[3] 【二】原作が「ほんとにあった怖い話」となっており、実話(とされているもの)を脚色したということになるか。いかにも女子中高生の体験談そのままのような微妙なお話のため素直に共感できないが、同年代の女子が見れば心に染みるものがあるかも知れない。池脇千鶴が可愛らしい。[4] 【三】年代にこだわる必然性が感じられない。恐らく制作側には、この時代でなければこういう話は作れない、という信念があったのだろうが、21世紀にもなっていつまでも昔を回顧したがる世代の感傷には付き合っていられない。[2] 【四】最もホラーらしいエピソード。自分の気持ちの整理のためだけに死者を再度呪うというのは人の心の暗黒面をさらけ出したかのようで、子どもだったなどというのは全く言い訳にならないということである。その点はいいのだが、ホラーとしてそれほど面白いものではない。[4]  もとのTVシリーズをよく知らないが、題名から受ける印象よりはまともに見られる内容になっている。制作側にそれなりのビッグネームが関わっているので軽く扱えない気がするが、しかし結果としてそれほど愛着のわくような内容にもなっていない。 全体の評点は個別の点数を時間で加重平均した数値(3.2)を四捨五入した。
[DVD(邦画)] 3点(2015-12-31 09:31:10)
133.  呪怨 ザ・グラッジ3<OV> 《ネタバレ》 
日本ではオリジナルビデオの扱いになっているが、アメリカはじめ海外では劇場公開したところが多いらしい。公開年としては邦画の「白い老女」「黒い少女」と同期する形になっていたようである。 今回は監督をはじめ基本的にアメリカ人の作った映画になっているが、それだけでなく撮影地がブルガリアというのはわけがわからない。エンドクレジットを見るとけっこう多くのスタッフが地元民らしい名前であり(-ovとか-ovaなど)、これは主に人件費の問題ということか。出演者に関しても、序盤で犠牲になった台詞のない少女(Mihaela Nankova)は現地の人だったかも知れない。  ストーリーとしては前作のあとに直接つながる形になっており、ここまで来ると邦画版から完全に枝分かれした印象がある。メイキングで監督が「解決策があるというのはアメリカ人らしい発想だ」と言っていたのはいいとして、それなら東京から来た女がちゃんと片をつけてもらいたかったが、しかし現地に身代わりを残して大元は別のところに移動していく?というのは前回のパターンを踏襲したような感じもある。ここでさらなる続編の可能性も留保していたのかも知れないが、それならせっかくなので初めから地元を舞台にしたブルガリア映画でも作れば面白かっただろう(最低限おれは見る)。それでこそ前作でいうパンデミックのイメージに近い形になるだろうが、毎回日本人を呼ばなければ映画が成り立たないらしいのが阻害要因か。 ちなみにホラーとしてはドッキリ+スプラッターが基本のようで深みがなく、白塗りの女と子どもを見せて外国人はそんなに怖がるものかどうか不明である。  以上のようなことで、いまさら特に感心するようなものでもないが、ただ今回のヒロインは個人的趣味としてもチャーミングに見え(彼氏は邪魔)、またその妹も愛嬌があって可愛らしい。これに兄を加えた感じのいい家族が、呪いのせいで壊れていくのは少し心痛むものがあったといえなくはない。
[DVD(邦画)] 4点(2015-12-12 13:55:29)
134.  呪怨 パンデミック 《ネタバレ》 
今回は邦画劇場版2の女子高生に加えてOV版1の栗山千明のエピソードなども拾っており、またOV版2の見どころだったフライパンが採用されていたのは個人的に嬉しいが、変にシリアスな場面になってしまって可笑しさを感じないのは残念だった。その代わり、劇場版1の谷津勲氏がさりげなく登場していたところは笑った。事情を知らない外国人ならいたたまれない気持ちになるだろう。 ストーリーとしては前作の続きになっており、題名の印象ほどいきなり拡散はしていないが、邦画版の試みを受け継ぐ形で今後の新たな展開を企図したようでもある。最初の家で惨劇を再現することで新たな呪いを生むのは劇場版1のラストに通じる感じで、また新人を身代わりに残し、その上で母子が外国に移住したということならちゃんと手順を踏んだように見えなくもない。けっこう細かい疑問点が残るため前回ほど整理された感じはないが、それはまあこのシリーズでは普通のことである。 一方で、今回はどうも日本古来の精神文化がこのような怪現象(というかホラー映画)を生んだことをPRしたかったようで、変な田舎に不気味な習俗があるというような話を今回独自にでっち上げていたが、このシリーズはどちらかというと都市的な怪異を扱ったホラーと個人的に思っていたので、いきなり外人が山間地まで出かけて行くのはかなり違和感があった。 以上のほか、今回は母と娘の関係でわりとまともなドラマを作っており、これはこのシリーズとしては特異に見えるが悪い印象はない。また前回でも示唆されていたようだが、今回はガガガ音の由来を初めてまともに説明したように見えたのが新鮮だった。  ところで今回の主人公は比較的かわいく見えるので結構だが、女子高生連中は明らかに可愛くない。金髪と帰国子女?(日系人?)などは早目に死んでもらっていいと思ったが、もっさりした女子高生役の女優が、映像特典のインタビューを見るとけっこう可愛い人(ただし20代初めの状態)だったのは意外だった。邦画ホラーならかわいい女優はかわいいままで出すのではないかと思うが、この辺も少し感覚の違うところか。
[DVD(邦画)] 5点(2015-12-12 13:55:24)
135.  THE JUON/呪怨 《ネタバレ》 
邦画の劇場版1を基本にしてOV版1の発端部分その他を加え、わけのわからない箇所やおふざけを除いて再構成した結果、非常に筋の通ったまともなホラー映画になっている。邦画版の特徴だった時間の前後もわかりやすく単純化されており、初めからこういう風に作ればよかっただろうが、と思わせるものがある。 真面目な映画のため、特にOV版にあったような笑いを誘う場面は目立たなくなっているが、かろうじてバスに乗っていたバカップルのようなのは存在自体が微妙に可笑しい。また細かいことだが、外国人教授が少年の額に手を当てようとしたときに、瞬時に少年が避けて無表情に睨んだのはネコの動きのようで面白かった。 ただ個人的に不満なのは女優が全般的に可愛くないことで、これは邦画版との大きな違いに思われる。邦画版と一対一で対応している人物も多いが、邦画版のあの人物がこれかと思うとあまりの可愛げのなさに呆れてしまう。その中で主役はかなりいい方で、終盤で日本人看護師と並んだところを見ても外人にしては大柄でないのが好印象だった。  ところで中盤過ぎに日本の刑事が、毎度の冒頭に出る辞書的説明をまるで日本全体の事情のように一般化して語っていたが、これはわが国に関する著しい誤解を生む恐れがある。映画全体としても日本の風景の中に外人多数を連れ込んだような違和感があることもあって、“日本にさえ来なければこんな目には遭わなかった”という教訓的な感じの映画になっている。タクシーの窓に「ようこそ日本へ」というシールが貼ってあったのは皮肉のようだがこれも笑うところなのか。 この当時はともかく現在は訪日外国人数が著しく増加しており(2004~2014の10年間で倍以上)、外国人観光客などを対象にした民泊の動きも全国的に活発になっている。そういうときに、古風な日本家屋には何が憑いているかわからない、というこの映画は水を差すのではという話だが、まあそういうことも含めて外人には受けるだろうと思うべきか。劇中の家の内部も微妙に外人受けしそうな作りのようでもあり、これが日本への旅情を誘うことになるとすれば幸いである。  [2020/02/16追記] 2015年の時点では、当時のインバウンド拡大の風潮に乗って外国人観光客を無条件で歓迎するようなことを書いてしまったが、その後に民泊の弊害とかオーバーツーリズムとか(感染症のリスクとか)の問題が出て来て、今となってはあまりよろしくない書き方だった気がする(反省)。政界や経済界の思惑はともかく個人の立場としては、人数や金の問題というよりも、日本に関心があって日本のことをもっとよく知りたいお客さんに来てもらいたい。
[DVD(邦画)] 6点(2015-12-12 13:55:18)(良:1票)
136.  14才のハラワタ 《ネタバレ》 
主人公はマイペースというだけあって他人との関係づくりにほとんど主体性が感じられないが、しかし決して他人と断絶しているわけではないらしい。自分をとりまく人々を否定的に扱わず、対立するものを含めて丸ごと受容しているから見守り役にもなれるのだろう。自分の両親に関しても、母親と父親それぞれの存在をちゃんと肯定的に扱っていたようで、またそういう自分を自分で肯定しているからこそ、少々何があってもこの子は大丈夫なのだろうと思われた。 ただ少し気になったのは母親が、身も心も自分で守れ、と忠告していたことである。これはもしかすると主人公が父親似であることを心配していたのかも知れないが、しかし父親などよりはよほどまともな出来だったようで、世間の枠組みもそれなりに受け入れていたように見える。単純なお人よしなら本気で将来が心配になるが、しかし成績はよくなくても決してバカではなく、いろんなことをちゃんと見ている賢い子だろうから、心配することはないかも知れないと思ったりする。  ところで主人公の絵は悪くない。事情を知らなければどういう意図かわからないだろうが、見れば本人が描きたいものはしっかり描いてある。劇中では残念ながら注目されていなかったようで、やはりどうしても色遣いの特徴とかファンタジックな表現の方が人目を引くのだろうが、それでも誰かは見ている(おれは見ていた)ので、まずは自分の光るところを大事にして、とりあえずマイペースで進んでいってもらいたい。 そのほか余談として、主人公が青木さんの発言を聞いて紙袋を取り落した場面は笑った。子ども相手に「ほう」などと言ってみせる感性も面白い。
[DVD(邦画)] 7点(2015-11-19 21:53:30)(良:1票)
137.  ユメ十夜 《ネタバレ》 
原作の並び通りの10話オムニバスである。少しでも原作に引っかければいいとの前提で自由に作ったということらしい。 【序】女学生が可愛らしい。 【1】映像面のインパクトは別として意味はわからない。尻をまくるのと遠景の観覧車が印象的。 【2】原作+オチ、最も真面目。堅実。 【3】怖さで印象に残る原作の第三夜を丸ごと取り込んだホラー。解釈が面倒くさいが子どもらが微笑ましい。 【4】切ないお話。今度は忘れるなと言いたいところだが、この男はこれまで何回この夢を見たのか。仮に年1回のペースとすればもう死んでいる。 【5】難解。こういう意味か、と感覚的に思うところはあるが確証はない。 【6】劇団員のような人々がネットスラングをそのまま口にするのは斬新だったかも知れないが、見ている側は気恥ずかしい。 【7】絵柄もそうだがラストがいかにも現代風。若年者向け翻案ということか。 【8】最も支離滅裂。少女3人組が可愛らしい(顔が見えないが)。 【9】女の容貌には惹かれるが深い仲にはなりたくない。 【10】ドロンジョ様が豚の化身だったかのような印象。自分としては結構好きだ。 【終】女学生の生まれ変わりが可愛らしいと言いたいところだが100年前ほど可愛く見えない。 ほとんどわけがわからないが、そもそも夢であるから気にしなくていいことにする。特に心を動かすようなものはないが内容が多彩で飽きることはなく、また魅力的な女優が出ている(個人的には特に4、9、10)ので悪い点にはしない。美女ばかり見るなという第十夜の教訓は観客に向けた皮肉か。
[DVD(邦画)] 6点(2015-11-11 20:08:37)
138.  いちばんきれいな水 《ネタバレ》 
かなり残念な映画だった。登場人物で見る限り、妹は利発そうで愛嬌もあり、また叔母は本職の役者でないながらも独特の風格があって大変いいと思ったのだが、肝心の姉がこの顔でこの声で小学生でもやらない放埓な行動をするのは非常に苛立たしい。そのため姉が目覚めてからは一気に見るのがつらくなる。 またストーリーの面でも、「この夏は…」という唐突な発言以降は素直に納得できなくなる。それまでの妹は感性豊かで頭脳明晰で判断力もあってそれ自体何の問題もないように見えていたので、今回の事件で初めて世界が広がったという説明が取ってつけたように感じられる。また外国人の件はどういう意味だったのかわからず(ラテン系は小学生と仲良しになれる?)、手の写真も伏線回収しましたという以上のものになっていない。 ほか水の場面は映像的な見せ場なのだろうが、自分としては最近見たホラー「仄暗い水の底から」(2001)を連想して不吉感を覚えた。まあそれはこの映画のせいではないわけだが。  ところで、特典映像に収録されているサイドストーリー「夏美のなつ~いちばんきれいな夕日」(監督 武正晴、脚本 足立紳)の方は普通に面白い。当然ながら姉は出ないが妹が活発で可愛らしく、バカ少年らとのやり取りも微笑ましいほのぼのドラマである。何より妹役が女優として輝いており、本編の主役にも負けていない(勝っている)のが感動的だった。ほか「小林さん」(演・青木崇高)というのも何気にいい感じを出している。 以上のようなことで、点数は本編だけだと4点だが、サイドストーリー込みで5点にしておく。
[DVD(邦画)] 5点(2015-11-11 20:08:33)
139.  ノロイ 《ネタバレ》 
本当の話とはとても思われず、特に長野県での事件はかなり作り物っぽい。しかし初めからフェイクと割り切れば、かえって本当らしく見えるところの方を評価したくなる。表面上はあくまで本物を装う態度を見せておき、その割にシラっとおふざけを入れて来るようなのも可笑しい。 登場人物に関しては、本人役で出ている芸能人が誰も死ななかったのは最低限の真実性を担保していると思われる。エンドクレジットが出ないのでその他の出演者は名前がわからないわけだが、加奈ちゃん役は今も元気で活躍中なことが明らかであり、またその母親役で端正な顔の人物は、別映画でも見たことのある長宗我部陽子という女優だったことがあとでわかった。気づかなくてすいませんでした。 そのほか特記事項として、××××男の××××演技はあまりにくどいので閉口したが、この男のアルミ張りの部屋を見ていると、確かに何かから守られている気がして居心地がよさそうだと思ったのはおれも変だということか。またラストで映像作家が最後まで撮るのをやめなかったのは、ベトナム戦争時の戦場カメラマンに関して、写真を撮るよりまず残虐行為をやめさせろという批判があったのに対し、カメラを構えたままノーと叫ぶのが正しい、と応えたというような話を思い出した(正確でないかも知れない)。  なお余談として、劇中で映像作家の家が火事になった場面を見ていた時、自宅から少し離れた場所で本物の建物火災が発生し、消防車複数台と救急車が近くを通過していったのは少しビビった。これは洒落にならない(ぼやで終わり、人的被害なし)。
[DVD(邦画)] 6点(2015-11-07 23:31:45)
140.  ダーク・ウォーター 《ネタバレ》 
原作からの映画化というより邦画版のリメイクになっている。意味不明なでんでん太鼓とハローキティは日本起源ということを何気に示していたものか。 邦画版と同様にホラー映画らしい派手な場面はあまりなく、その分をストーリーで見せようとしているわけだが、邦画版を見てからだと筋立てがあまりに明瞭で、また簡素化したせいもあって大枠ばかりが目立つ感じになっている。その割に、途中で主人公が母親失格だなどと言い出すのが唐突で、この辺は消化しきれておらず半端な印象もある。また終盤では、問題の子どもが悪魔のように邪悪な意思をもって欲しいものを奪い取ろうとしたように見え、無心に母を恋しがる子どもの印象がなかったのも悲哀を感じさせなくなっているが、まあ外国製なので感覚が違うとすれば仕方ないかも知れない。 なお主人公がタンクの蓋を開けて覗く場面は、自分の知る限りでは2つの邦画ホラーで流用されており、これは日本の関係者にとっても印象深い場面だったようである。また娘が学校の便所で怪異に遭遇した際、個室に逃げ込んでいたのはいかにも日本風の行動で笑った。こんなところに籠っては、かえって逃げ場がなくなることをアメリカ人も思い知った方がいい。
[DVD(字幕)] 5点(2015-11-07 23:31:42)
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