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コメント数 1963
性別 男性

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1381.  五番町夕霧楼(1963)
えっ?なんで誰もコメントないの?この映画、みんな知らないのかなあ?まあ、いいや!それはともかくこれはどこをとっても日本映画ならではの美しい映画!一人の女性のはかなくも悲しい人生を描いた作品です。水上勉原作と聞くと真っ先に「飢餓海峡」が頭に浮かんできます。この原作者の話の中に描かれる女性を見ると「飢餓海峡」もそうだったし、他にも「雁の寺」もそうだったように、女性としての男には解らない女としての悲しさみたいなものがいつも描かれています。女として生まれ、女として生きて行くことの宿命、愛してはならない男を愛してしまうという女の悲しさ、切ない気持ち、そのいずれもが美しく描かれている。この作品でも主演の佐久間良子の美しさ、日本人女性としての美しさ、貧しい環境で育ちながらも純粋に生きる女を見事に演じている。監督の田坂具隆同様、女優佐久間良子の代表的作品です。
[ビデオ(邦画)] 8点(2007-08-06 20:12:10)
1382.  祭りの準備 《ネタバレ》 
南の国、四国高知を舞台に描かれる青春映画の秀作!この映画の主人公をはじめとする出演者それぞれにドラマがあり、生活感が感じられる。地方の生活の実感が生々しく描かれている。東京への憧れを抱き、町を出て行く主人公、そんな主人公を見送る原田芳雄が駅のホームからパンをかじりながら「バンザイ!バンザイ!」とエールを送る姿とそんな原田芳雄を消えていく列車の中から見ている江藤潤演じる主人公の姿に知らない都市での生活に対しても希望が感じられる終り方に万感迫るものがある。田舎町の閉鎖的な空気もあのラストがあればこそ、そこに見える希望、大人への憧れ、東京という都会への憧れ、その全てに青春の一ページを感じられずにはいられない。この映画のタイトルにある「祭り」とは主人公の人生への祭り、人生こそ正しく祭りなんだと言わんばかりの監督からの熱いメッセージみたいなものを感じることが出来た。脇を固める俳優陣、竹下景子の初々しさ、主人公の両親を演じているハナ肇と馬淵晴子の演技と存在もこの作品に大きな貢献をしていると言えよう。これまた間違いなく黒木和雄監督の代表作品の一つと言える作品です。
[DVD(邦画)] 8点(2007-08-05 15:35:13)(良:2票)
1383.  父と暮せば 《ネタバレ》 
全編のほとんどが宮沢りえと原田芳雄の二人による芝居と会話によって進行していく。広島に落とされた原爆の被害によって亡くなってしまった父が娘のそばで幽霊となって娘との淡々とした会話を見せつつも戦争の恐ろしさ、惨酷さを教える。二人の素晴らしい演技にどんどんと引き込まれていきます。宮沢りえ演じる娘の父親である原田芳雄に対する言葉使い、父親のことを「おとったん」というのを聞いて、なんて良い娘なんだ!あんな呼び方されたら男はたまりませんよ。宮沢りえは女優を続けていて本当に良かったとこの作品を観て思いました。貴乃花と一緒になどならなくて本当に良かった。心からそう思う。おかみさんになるより女優としてこれからも素晴らしい演技を見せてくれることの方がどれだけ良いか!まだまだ若いのにこれだけの演技が出来るなんて素晴らしい。二人が最後の方でジャンケンをして遊ぶシーン、私はこのシーンが最も好きです。このシーンに込められた父と娘の関係、親子愛に父と娘との深い絆を感じることが出来て良かったと思ってます。
[DVD(邦画)] 8点(2007-08-04 10:40:41)
1384.  卍(1964)
相変わらず若尾文子の可愛いこと、可愛いこと。そんでもって可愛さの中にある(見える)子悪魔的な悪女ぶりに見ている私でさえも岸田今日子やその他の出演者、船越英二をはじめとする男達と同じ気持ちになってしまう。何とも言えない怪しい雰囲気、ゾクゾク感はこれこそ増村保造監督の持ち味であると思える半面、あまりにも説明ばかりの台詞に頼っているのが観ていて、気になって仕方がない。岸田今日子の語りについては言葉による説明ではなく、違う形でもっと役者の眼の動き、表情、演技だけで表現して欲しいと思わずにはいられない。
[DVD(邦画)] 6点(2007-08-03 22:29:16)
1385.  おとうと(1960)
これが噂に聞いていた銀残してやつですか!相変わらず市川崑監督の描く女性は美しく、また宮川一夫カメラマンの映像も素晴らしい。岸恵子の気の強い姉と川口浩のどうしようもなくだらしのない弟が繰り出すオーラ、ドラマとしての完成度も高いことは認める上で、敢えて言わせてもらうと市川崑監督の素晴らしい作品の中にあって、特別傑作だとは思えず、だからと言って悪くはない。おとうというこのタイトル、何か複雑な気持ちにならなくもないが、姉の立場から見た弟と弟の立場から見た姉、心の揺れ具合を描くことに関してさすが名監督!この二人の心の揺れに比べたらやたら好評の「ゆれる」なんてゴミみたいなものです。まあ、比べるのは間違ってるけど、いずれにしても単なる文芸作品ではない見応えのある作品であることだけは間違いないと思う。それにしてもこの映画の岸恵子の美しさときたら、今の日本映画の女優にはない何か一味も二味も違う美しさを感じます。
[ビデオ(邦画)] 7点(2007-07-29 16:34:39)
1386.  紙屋悦子の青春 《ネタバレ》 
最近、作られる戦争(反戦)映画の多くはリアルな戦闘シーン、人が撃たれ、血だらけになったり、首が吹っ飛んだり、手足は取られたりと、やたらリアルな映像ばかりで、観ていても辛い。ハリウッドがよくやるそういう惨酷なシーン満載の戦争ものの真似ばかりしている映画が最近の日本の映画にも多い気がしてならない。その点、この映画にはそういうリアルな戦闘シーンは全く出てきません。まずはその点で私はこの映画が凄く気に入りました。好感も持てます。特別に何かあるわけでもない。戦闘シーンを描くことなく、それでいて戦争反対だとやたら叫び、声に出して言うわけでもなく、ただただ静かに静かに描いている。戦争というテーマが映画の背景にあるものの、この映画では戦争映画ではあるけど、どこにでもいるような一般の家庭、庶民の日常における生活、所々入ってくるユーモア溢れる会話とやりとりが観ていて気持ちの良いそんな映画になっている。何だか観ていて小津監督の映画にある会話、フレーズの楽しさ、特に原田知世演じる悦子におはぎは好きですか?と尋ねられたのに「私は、初めて貴方とお会いした時からあなたのことが好きでした。」と、とんちんかんな事を言う永瀬正敏演じる永与少尉には笑わせてもらいました。またその他の出演者、脇を固める俳優陣にしても皆、良い。人と人の心温まるそんな素晴らしい映画です。こういう映画こそもっと多くの人に観て欲しいし、こういう映画こそ単館扱いなんかではなくて、大きな劇場で公開するべきだと声に出して言いたい。黒木和雄監督、遺作にして素晴らしい映画を撮ってくれたことに心から感謝したい。これを機に他の黒木和雄監督作品も観たいと思う。
[DVD(邦画)] 9点(2007-07-29 12:44:22)(良:2票)
1387.  わが町(1956) 《ネタバレ》 
東北は青森県生まれの川島雄三監督が大阪の世界をどんな風に描いているのか?どうしても見たくて仕方がなく現在東京では川島雄三監督の映画の特集をしてるのたが、東京まで観に行くことは出来ない。そんな訳で思い切ってDVD購入してしまった。どうしよう?もし、つまらなかったら期待外れに終わったらどうしよう?そんな思いもこの映画を見て完全に消えた。川島雄三監督と言えば奇想天外な作品ばかりで当り外れの激しい事で有名だが、この「わが町」のような心温まる人情劇もきちんと描けるということを見せてくれた。話としてはとても長い時代の物なのにそれを川島雄三監督らしいテンポの良さと時代を読み取る観察力の鋭さでこの時代の風景、雰囲気をきちんと描いている。また登場人物にしても誰一人として疎かにはせず、それでいて、僅か1時間半とい短い時間で描ききっているのも素晴らしい。 主演の辰巳柳太郎は勿論のこと、中でも一人二役の南田洋子の美しいこと。あっ!稲垣浩監督、阪妻主演のあの名作「無法松の一生」が好きな人は楽しめる筈です。この映画を観て大阪が益々好きになった。やはり大阪が舞台の映画は良いねえ!最後のあの場面、プラネタリウムのシーンでの辰巳柳太郎演じる主人公、他吉の死に顔は涙が止まらず!最後の最後まで人情深く熱い男ぶりを見せて死んでいった他吉の姿にこれぞ男の中の男を見たそんな思いでいっぱいになりました。
[DVD(邦画)] 9点(2007-07-17 22:43:59)(良:1票)
1388.  銀座二十四帖 《ネタバレ》 
さて、さて親戚に借りて来てもらった「風船」に引き続き勢いに乗って川島雄三監督のこの作品も鑑賞!で、個人的には「風船」より私はこっちの方が好みです。タイトルにもなっている銀座の街並み、風景、昭和三十年代の銀座とはこんな感じたったりするのかなあ?と何だか観ていてそんな雰囲気を十分に感じることが出来た。森繁久彌のナレーションと歌声、やはりこの人「喜劇・とんかつ一代」でも披露しているように歌もなかなかのものです。そんなこの映画、いかにもフランス的な何ともお洒落な雰囲気十分の見応えのある内容に私は満足です。あの名作「第三の男」のパロディも面白かった。そして、相変わらずこの監督の描く女性像、映し出す女性の魅力的なこと!川島雄三監督は女を撮らせても上手い。月丘夢路の異常なまでの美しさ、北原三枝にしても若くて元気で魅力的です。あっ!もう一人、浅丘ルリ子演じるルリ子も可愛い。大した話でもないとは思うのに、これだけ面白く見せることが出来るのは、やはりこの監督の才能の証であると言っても良いだろうし、これは川島雄三監督にしては爆発的なものは無いにせよ、私は十分、楽しむことが出来たので良いと思います。
[ビデオ(邦画)] 8点(2007-07-16 23:32:15)(良:1票)
1389.  幕末太陽傳 《ネタバレ》 
川島雄三監督の才気溢れる才能が見事に発揮され、古典落語として有名な「居残り佐平次」「芝浜」「品川心中」などのネタを取り入れどこか良き昔のアメリカ映画の喜劇を感じさせるテンポの良さとセンスの良さと主演のフランキー堺の神懸り的な演技とでも言いますか?名演あって見事なまでの作品に仕上がっています。その他脇を固める俳優陣もそれぞれが持ち味を十分に発揮して、観ていて本当に楽しい映画です。それでもってただ楽しいだけでなく哀愁漂う雰囲気いっぱいでいつまでも心に残ります。落語をネタにこれだけの完成度の高い作品を作った川島雄三監督を始め、出演者、脚本家、その他この作品に関わった関係者全員に拍手!文句無しの10点です。それにしてもこの映画の中での芦川いづみも何という可愛さだ!あんなにも可愛い芦川いづみとならわたしゃ一緒に牢屋に閉じ込められても平気でございます。
[ビデオ(字幕)] 10点(2007-07-16 19:30:14)
1390.  接吻泥棒
これまた川島雄三監督、何か得体の知れない雰囲気十分に、いきなり見せつける。団令子のはじけっぷりが凄まじい。宝田明とのバトルの中で見せる女としての素顔とでも言うべきか?この作品は団令子の凄さを観ているだけでも可笑しい!作品全体の出来としては、それほどだとは思わなかったけど、一人の女優のはじけた演技だけでも観て損のない作品だと思う。脇を固める俳優の中では新珠三千代が抜群に良い。飲み屋での草笛光子との喧嘩のシーンが良かった。このように女優陣に関しては良いのだが、それに比べてどこか男優陣は他の傑作と比べると川島雄三監督ならではのものが少し薄く思えたのが不満です。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2007-07-16 19:24:54)
1391.  風船
やっと、念願叶いました。映画好きの親戚から家の近くのレンタル屋さんには川島雄三監督の「風船」も「銀座二十四帖」もいずれもビデオあるから借りて来てやるよと言われ、借りて来てもらって、早速、観ましたが川島雄三監督作品にしては結構、暗いなあ!何か他の川島雄三監督作品の多くに観られるような軽快さ、陽気な部分がすっかり影を潜め、そんな中で一際、笑顔を振りまき、和らげようしている健気な芦川いづみの何と可愛いこと。可愛いこと。これはとにかく芦川いづみですよ。この映画の芦川いづみの笑顔があってこその作品て気がする。話としては大して面白味のある話でもなければ、いや、どちらかという暗い気分に陥るような陰気な内容である。この当時の時代背景、日本人の生活感をよく表している内容になってます。いかにも昭和の雰囲気が画面全体通して伝わってました。川島雄三監督の他の作品を観ても解るようにこの監督の時代を読み取る観察力とその時代を映し出す描写、演出力はただ者でないぐらい本当に上手い。それとこの映画では芦川いづみともう一人、北原三枝の凄い迫力を感じる演技の前には三橋達也と新珠三千代の「赤信号コンビ」も霞んで見えるし、日本映画史上最も演技の上手い女優、左幸子でさえも今作では見劣りしていまいます。そんな中、男優陣では二本柳寛の嫌らしさ、傲慢ぶりが何とも観ていて腹が立つ。それでも芦川いづみの笑顔のおかげで救われる作品になっているのは単なる嫌味な人間きりの映画として描いていない所は流石です。それと森雅之の画家の名前がちょっと笑える。川島雄三監督としては傑作だとは思わないが、観て損のない作品だとは思いました。
[ビデオ(邦画)] 7点(2007-07-16 18:01:03)(良:2票)
1392.  悪名(1961)
ずっと前から観たくて、観たくて仕方なかった。皆さんのコメント通りの面白さ、既に全員が書かれているようになんてたって、勝新と田宮二郎のコンビが良い。アウトローな勝新とまたそれとは対照的にやたら勝気な田宮二郎、この二人を見ているだけでも楽しい。この映画について書かれている人を観るとやっぱりと言いいますか、予想通り、全員男!これは正に男の映画であって、女には解らん。理解出来ない世界だろうけど、こういうのに男って奴は弱いのでございます。それにしても一番、驚いたのが中村玉緒ですよ。何やねん?あの可愛さは、そりゃあ、勝新が惚れるのも解るってもんよ!この映画は一言で言えば粋な映画!つまりそういう事です。
[DVD(邦画)] 8点(2007-07-13 20:51:17)
1393.  ブラックブック 《ネタバレ》 
凄い!久しぶりに物凄い映画を観たような気がする。ナチス=悪、レジスタンス=善という図式を完全にぶち壊すことで物凄く見応えのある作品になっていて驚かされた。ナチスドイツ軍とレジスタンスという双方の人間関係の奥に見える想像を遥かに上回る人間としての哀しさ、刹那さが観ていてずしりと迫る凄い映画です。この映画は誰もが思い浮かぶ構図をひっくり返すことで、人間の持って生まれた宿命、人間の心の中に誰もが抱えている哀しい部分というものを見事に表現している。家族を殺された主人公のラヘル(エリス)が棺桶に入っている家族の写真を見つめている時の姿が何とも哀しくて、切ない上に観ていて何か女性としての愛の深さ、強さというものを感じられずにはいられない。そして、この映画、そういったずしりと心に響く内容でありつつも、サスペンス映画としてもハラハラドキドキ、最後までヒロインの家族を殺したのは誰なのか?まるで先の読めないストーリー展開、見事な脚本にまるでヒッチコックの映画でも観ているような感覚にさせられた。戦争映画としてもサスペンス映画としても間違いなく一流の今年、観た映画の中でも面白さという点ではダントツの作品です。最近、流行のやたらCGばかりにお金をかける見せかけだけの下手なハリウッドの大作を観るぐらいなら私はこの映画を観ることをオススメしたい。
[映画館(字幕)] 9点(2007-07-12 18:14:58)
1394.  ゆきゆきて、神軍 《ネタバレ》 
これはある一人の人間の物凄いドキュメンターリー映画である。奥崎謙三、このあまりにも常識外れな人間、行動、それは例えば昭和天皇が皇居参賀の日に天皇陛下に向って、パチンコ玉をぶつけようとするという普通では考えられない行動を取る。その一方で戦争によって、亡くなった戦友のお墓の前で涙を流すその姿は人間としての正しい有り方、行き方、例えどんなに他人からおかしな奴、変人扱いされても、一人の人間としての進むべき道を物凄く現実を持って知らせる。この親友の墓参りのシーンがあるからこそより一層、他の部分での奥崎謙三という一人の人間の持っている奇人変人的な一面というものが物凄い力を持って観る者に衝撃を与える。今まで観たどのドキュメンタリーよりも力の持った恐るべきこれこそ本物のドキュメンタリーだ!本当は満点にしたいぐらいのとにかく物凄い作品なのだが、奥崎謙三ということの男がどうにもこうにも私の上司の顔にそっくりなのが気になって仕方がないので、マイナス1点とするが、それでも本当にこの作品の持つパワー、恐ろしさ、奥崎謙三という一人の人間性がずしりと重くのしかかる物凄い傑作!
[ビデオ(邦画)] 9点(2007-07-10 22:24:36)(良:1票)
1395.  座頭市海を渡る
シリーズ14作目の市は、これまで以上にアウトローというよりやたら優しい一面を見せてくれる。アウトローぽくて、それでいて優しい。特に困っている女性に対する優しさが勝新座頭市の魅力と言えば魅力ではあるのだが、何か物足りない。相変わらず殺陣のシーンはかっこ良くて決まってるのはいつも観ていて感心させられるけど、今作の悪人、山形勲があまりにもあっけなく斬られるのが不満です。何か今作は時代劇ではあるけど、最後の方なんて西部劇って雰囲気、それはそれで悪くはないのだが、やはり全体的に物足りない感じが残る。
[DVD(邦画)] 6点(2007-07-08 11:14:08)
1396.  廃市
大林宣彦監督作品の中では比較的、地味でいまひとつ知名度も少ない作品だと思うけど、大林宣彦監督らしく品の良さと落ち着きのある作品になっている。大林宣彦監督独自の映像美、柳川の雰囲気が上手く描かれている。いかにも日本て感じの雰囲気が作品全体を包み込む辺りは大林宣彦監督ならではです。尾道シリーズに比べると笑いが無い分、退屈に感じる部分もあるけど、けして、つまらない作品ではないし、観て損のない作品になっている。それと大林宣彦監督の優しい言葉でのナレーションも印象に残る。
[DVD(邦画)] 7点(2007-07-07 18:14:21)
1397.  東京オリンピック 《ネタバレ》 
驚いた。流石は市川崑監督だ!ちょいとそこらの記録映画とは違います。オリンピックの記録フィルムを撮るに至って、いきなり東京の街を破壊するというシーンから始まるのには驚かされる。オリンピックを成功させる為に何が必要か?それにはまずは競技会場の設置が必須条件となる。ということは何を意味するか?要するに全て壊した上で新しいものを作る。この発想、それを映像として残す。こんな始まり、誰が思い付きますか?オリンピックの映像となるとただ走ったり、投げたり、戦ったりとそういうシーンだけ映すのかと思わせて、この始まり。そして、この作品、当時のオリンピックに関わった人達の熱い思いが映像として迫ってきます。東京オリンピックを見たことのない私でさえも、当時の躍動する選手達の息使いや地元開催のオリンピックにかける精神のようなものがひしひしと伝わる。いやはや、市川崑監督が一流の監督であり、映像作家であることの証明している見応え十分の記録映画を観た思いでいっぱいになりました。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2007-07-04 23:45:42)(良:1票)
1398.  ラインの仮橋 《ネタバレ》 
いや~何かこういうの観るといかにもハリウッド的なド派手なアメリカの戦争ものとは違う落ち着きのある。それでいて、物凄く優しさに満ち溢れている何ともヒューマニズムな香のする素晴らしい戦争映画て気がしてきて、やはりフランス映画独自の香り、底に流れる人間の持っている優しさ、この映画では何と言ってもパン屋ですよ。新聞記者と一緒に農民の手伝いをしたり、いや、どちらかというと無理やりさせられていると言った方がこの場合だと正しいのたが、嫌な顔一つ見せずに働くその姿は正しく働く者の鏡そのものです。そこに生まれる戦争という一つの壁を大きく超えた交流、まるで家族のように農民に対してもドイツ軍の捕虜となった人達に対しても優しく接する姿に涙が出てきた。これは正しくフランス映画、そう、例えるならジャン・ルノワール監督の映画にある優しさのようなものが画面全体を通して伝わってきます。これまた一つ素晴らしい映画に出会えた。以前、映画好きの親戚と戦争映画について話をしていた時にジャン・ルノワール監督の「大いなる幻影」が良かったと言ったらそれじゃ、これもきっと気に入るはずだよとテレビで放送したのをDVDとビデオに録画してあるからビデオで良ければやるよと借りたまま見てなかったので、昨日の夜、見たらもうこの映画のことが頭から離れず、ちっとも眠れず、寝不足ですが、それでもこれだけ良い映画なら文句は言えない。それにしてもこれってビデオにもDVDにもなってないのかな?なんでだろ?良い映画なのになあ!
[CS・衛星(字幕)] 9点(2007-07-03 18:47:31)(良:1票)
1399.  時をかける少女(1983)
大好きな大林宣彦監督による最初の尾道三部作の真ん中、二作目として撮られたこの映画、十何年ぶりに観ました。以前、見た時は、なんだ!いまひとつだなあ!という風にしか感じなかったのに、何てことだ!やたら面白くて、それでいて、どこか懐かしい。大林宣彦監督の描く世界はいつも懐かしさを感じる。尾道には高校時代に修学旅行で一度しか行ったことがないのに、どういう訳かこの映画、見ていると他の大林宣彦監督の映画同様、もう何年もその場所で自分が生活をしているような感覚になるから不思議だ!大林宣彦監督の故郷、尾道の狭い階段も海が見える丘もその他、学校も何もかもが遠い昔の記憶の中にある懐かしくて、懐かしくて、やたら温かい風情というものを感じてしまい、何かもうそれだけで泣けてきそうだ!主演の原田知世の演技は確かにどう考えても上手くない。いや、むしろ下手くそだが、それが良い具合に作品の雰囲気に合っている。日常の生活の中にふっと起こる非現実的なエピソードがこれまた見事に描かれているのには参った。それにしても、大林宣彦監督はヒロインを美しく描くのが本当に上手い。ずっと前に見た時よりもずっとずっと面白く感じることが出来た。所々映される桜の花やピアノの音、更にはバイオリン、幻想的な映像美、甘いと言えば甘いのたが、その甘さこそ大林宣彦監督の一番の魅力だと思う。そんな甘くて、どこかほろ苦いこの物語とあのラストシーン、私も随分と歳を取ったもんだ!欠点だらけの作品だと思うのに、どういう訳か素直に楽しめたし、また感動してしまったぞ!それしにしてもこの作品の評価が「転校生」や「さびしんぼう」に比べると低すぎる気がしてならない。私は例え甘いと言われようがこの作品も支持します。
[DVD(邦画)] 9点(2007-06-29 22:57:06)(良:3票)
1400.  転校生-さよならあなた- 《ネタバレ》 
現役の日本の映画監督の中で最も好きな監督、大林宣彦監督作品にハマるきっかけとなったのが今から25年前に尾道を舞台に撮られた尾道シリーズ最初の作品「転校生」です。そんな「転校生」が再びスクリーンに甦る。しかも、それが私の知っている。いや、知ってるも何も住んでいる所が舞台となって撮られる。そう聞いた瞬間から不安よりも期待のが大きかったし、実際に撮影してる所も友達と見たりした。やっと見れる。期待に胸躍らせ観てきました。期待していた通りの素晴らしい出来に涙が止まらなかった。最初に尾道から長野へと引っ越して来た一夫と母との二人が電車乗ってるシーンからもうたまらない。あの電車、利用した事もあるし、一夫と一美の二人が歩く場所も二人の家もお蕎麦屋さんも勿論、知ってるし、利用した事もある。そんな馴染みの場所が次から次へと出てくる。しかも、大林監督らしい美しい映像を見せてくれる。長野県民として、長野市内にいながら今まで気が付かなかった新たな一面も見せてくれる。こんな所もあったのか!と驚くばかり、それだけでもこの映画、観ていて楽しい。そして、ただ楽しいだけでなく、後半の意表を付く展開にこれはリメイクとは言ってはいるものの、単なるリメイクではない。新しい形の「転校生」だ!全く同じ設定にしてはいないので観れば解ります。一夫と身体の入れ替わった一美が家族の前で蕎麦打ちをするシーンが出てくるのだが、そのシーンを最後の方で病気により亡くなった一美の真似をして蕎麦打ちをする一夫、あそこで一気に涙が出てきました。市民病院から抜け出す二人が途中出会う旅芸人とのちょっとした触れ合いも良い。単なるお涙頂戴にしてない演出の素晴らしさと相成って本当に美しい長野の風景、CGなんかじゃなくて、本当にある美しい信州のそびえ立つ山の見事なこと、同じ長野の人間としてあの美しい風景は自慢出来るぐらい美しい。一美のお墓参りを済ませて去っていく一夫、その後に流れる一美の歌声と美しくてため息の出る素晴らしい映像美に思い切り感動させられ、そして、大林宣彦監督の温かさを見せてもらって感謝しています。こんなにも素晴らしい感動を与えてくれた監督をはじめとする関係者皆に「ありがとう!」と声を出して言いたい。そして、見た後、また善光寺周辺を歩きたくなって、歩いてしまった。文句なし今年のベストワンです。
[映画館(邦画)] 10点(2007-06-28 21:40:03)(良:1票)
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