1421. ユニバーサル・ソルジャー 殺戮の黙示録
《ネタバレ》 世代交代が果たされた本作。ファンの方はどう見るのでしょうか。B級アクション映画としてそれなりに有名なこのシリーズですが、アクションだけをいえばとてもクオリティは高いと思います。決して派手ではなくとも、格闘シーンやカーアクション等、とても緻密に作られている。ちゃんと「痛み」も伝わってくるし。主人公は、とにかく全編に渡って血を流しっぱなしなのですが、可哀想なのは肉体だけでなく、お話自体も相当に悲しくそして空しい。あまりに自省的なので、個人的にそれが理由で楽しめませんでした。もっとスカッとしたものを期待してたのですが、、、。やりすぎるほどのチカチカシーンが2回ほどあるので、その点ご注意。 [ブルーレイ(字幕)] 5点(2013-06-06 21:40:35) |
1422. 富士山頂(1970)
《ネタバレ》 人間関係や葛藤等、極力省いた淡白な内容なので、ストーリー的にはそれほど面白味はないのだが、富士山頂にレーダードームを設置するという前人未到の工事が行われたんだという、その出来事それ自体がドラマチックだと言えるわけです。それまで、高所に設置されれているレーダー施設はアメリカにある2600mの山頂にあるものが世界で最も高かったのだが、それを1100mも上回る高さに作り上げた、もうこれ自体が一つの冒険といってもいい。高山病、頭痛、倦怠感といったものに悩まされながら、そして期限内に工事を完了させるという時間との闘いの中、試行錯誤しながら、物資を運び上げ、建物を作り上げる。こういう地道な努力は、普段生活しているとその恩恵の中にいて忘れがちだけど、あぁ、あの建物も、この交通機関も、なにもかも先人たちの努力の積み重ねの上に成り立ってるんだなって、そういうのを思い起こさせるための映画。最近はこういうタイプの映画がまったく見当たらないので、そういう意味でも貴重な作品。 [DVD(邦画)] 7点(2013-06-01 01:34:20) |
1423. 鍵泥棒のメソッド
《ネタバレ》 序盤の段階では、両者のバックグラウンドをほとんど語ることなく、すぐさま銭湯のシーンになるので、二人の人間模様をもっと描き込まなきゃ、二人の人生が入れ替わった時のそれぞれの境遇のユーモラスさが出ないじゃないか~と不満げだったのだが、後半、便利屋だった人が自分の過去を思い出してからはその理由がわかりました。便利屋さんはあくまでも便利屋であって、殺し屋ではない。そこで二人で演技をしてワル達をまこうとする、その展開は新鮮でありました。思っていたほどの笑いはなかったけど、それなりに独創性あるコメディ映画になってたので、佳作の6点ということで。 [ブルーレイ(邦画)] 6点(2013-05-31 22:11:18) |
1424. ロンリエスト・プラネット 孤独な惑星
《ネタバレ》 あらすじだけさっと書くと、 婚約したカップルがトレッキング中に ちょっとした出来事でなんともいえない空気になり、 でもまたより戻しながらも女を長年抱いてなかった ガイドのおっちゃんに迫られ、でもそれをはねのけ おしまい、ていうそれだけのストーリーなのですが、 撮り方や編集の仕方、音楽のつけ方で けっこう印象の強い作品に仕上がってるんですよね。 だって最初からぴょんぴょん飛び跳ねる 全裸の女性ですよ(笑)。あれってなんで ジャンプしてたのかいまいちよくわからないんだけど、 とにかくインパクトはあるわけです。 トレッキング中も、突然音楽が鳴り響いたかと思うと、 次のショットでぶつ切りになったり、なんというか 実験映画っぽい雰囲気。きまずいシーンなんかは カットをわらず、かなり長回しで延々見せるから これまた印象強くなる。そのきまずくなるシーンも、 たいしたことじゃないんだけれども、 そのたいしたことじゃない出来事できまずくなるって カップルにはよくあるよな、て共感を感じる。 ガイドのおっちゃんの突然の告白も唐突で印象強い。 でもおっちゃんも長年女に触れてないし、途中 お姫様抱っこなんかして助けてるしムラムラっと きちゃったのかもしれない。てなわけで気持ちはわかる。 傑作とは言わないけど忘れがたい佳作かな、という感想。 [DVD(字幕)] 6点(2013-05-28 00:29:12) |
1425. SUSHI GIRL
《ネタバレ》 まぎれもなくB級映画なんですけど、 出てる人たちは案外豪華だったりします。 そして比較的、よく出来ている。 最初のうちは、この女体盛りの人って ストーリーと全然関係ないやん、、、と思っていたので、 終盤の展開には良い意味で予想を裏切られました。 フグを度胸試しみたいに捉えるというのも面白いですね。 [DVD(字幕)] 6点(2013-05-28 00:25:04) |
1426. ローマ法王の休日
《ネタバレ》 予告編を見て、あっはっは~と笑えるコメディ映画なのかなと思って鑑賞してみたら、全然想像と違ってました。淡々としているし、なにより知識が必要な内容かもしれません。バレーボールのシーンとか、演劇のシーンとか、意図しているところがよくわからずじまい。なにも知らない自分からすると、選ばれたのがそんなに嫌なら、2番目に多かった人が代わりにやればいいやん、とか思ってしまうのですが、神の意志で選ばれたからそういうわけにもいかないんでしょうか。そしてあのラスト。なんじゃこりゃ、と。おじいちゃんのだだっ子が最後まで続きました、というお話。この意外なラストもまた知識が必要なのでしょうなぁ。残念。 [DVD(字幕)] 5点(2013-05-24 00:47:47) |
1427. ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q
《ネタバレ》 これまでの焼き増しでなく新たに物語を紡いだのは評価出来るけど、、、、なにがなんやら、、、なんで皆あんなに冷たいの。ただただ傍観するのみでした。 [DVD(邦画)] 4点(2013-05-24 00:31:15) |
1428. 黄金を抱いて翔べ
《ネタバレ》 なかなか面白かったと思います。やっていることは金塊強奪ですから完全な犯罪なんですけど、でも彼らはみんな根っから悪い奴じゃなく、それどころか見ているとどんどん肩入れしてきて、いつのまにか彼らの計画が上手くいくようにと思っている自分がいるわけです。だから、後半からの計画実行の流れは目が離せず、ドキドキしながら見てました。よく考えると、銀行内で計画内容をべらべら解説してたり銃を公衆の面前で出しまくってたりと、とてもリアリティあるとは思えないアピールっぷりなんですけど、そういうシーンには必ず関西人的ユーモアが加味されていて、そのへんが井筒さんらしいなと感じました。北川は妻子がいるのになんでそんな無謀な計画をやろうと思ったのかとか、野田もなんで裏の人たちと組んでこの計画をやろうと思ったのかとか、考えだしたらきりがないんですけど、そういうのは一切省いて代わりに左翼だとかスパイとかゴロツキ集団なんかが出てきて話を持たせています。個人的には、田口トモロヲはちょっとうさんくさすぎるキャラだったかなと思うのですが、まぁよしとしましょう。一番のピークは、やはり神父さんの正体を知る幸田のシーンでしょうか。ぐっとくる良いシーンでした。 [ブルーレイ(邦画)] 7点(2013-05-21 01:06:57) |
1429. のぼうの城
《ネタバレ》 水攻めのシーンが、まんま津波そのものだったのでこれは公開延期も致し方ないなと思いました(笑)。まぁしかし、その水攻めのシーンのCGクオリティの低さはちょっと気になりましたね。今のお客さんは目が肥えてますから、あんなCGだとどうしても、ね。ただそれ以外はまずまずでした。もっと真面目な時代劇なのかと思って観始めたので、漫画的なリアクションや成田長親のあまりのアホキャラに失笑してしまったのですが、彼が村人達から慕われていて、その村民たちが一致団結して彼のために立ち上がる展開から目が離せなくなり結局最後まで楽しんでみることが出来ました。やはりこの作品のピークは「田楽踊り」のシーンでしょうか。肩の力を抜いて、コミック的に楽しむのが良いと思います。 [ブルーレイ(邦画)] 6点(2013-05-14 00:41:06) |
1430. 悪の教典
《ネタバレ》 単純にエンターテイメントとして面白かったです。リアルに考えると、銃ぶっ放してるのになんで周りに住んでる人気づかないのとか水を灯油に変えて殺すとか無理すぎだろとか思うんですけど、まぁそういうツッコミはナンセンスなんでしょう。それよりも、猟銃での殺戮シーンをご堪能ください、と。実際、銃をぶっ放したときの人の吹っ飛びようとか血の飛び散りようなんかはまさに爽快とも言えるほど。実際の目で見たら恐ろしい限りですけど、映画だと凄く楽しい。それから、地下鉄のシーンなんかは固定カメラで撮って電車の揺れの動きを見せて不気味さを出すとか、なかなか印象深かったです。そんでまた三池監督らしいユーモアのある台詞もそれなりに笑える。逆に、聖司の心の中を描くようなシーン、夢の映像とかはなんだか微妙な出来で、彼の深層部分がどういうものでなんでああいう風になったのか、いまいちよくわからなかった。まぁ、娯楽なんでそんな深く考えずに見ればいいのかもしれませんが。楽しめたので7点差し上げます。 [ブルーレイ(邦画)] 7点(2013-05-12 23:38:57) |
1431. ロックアウト(2012)
《ネタバレ》 つまらないとまでは言わないけど、一度見ればもう十分だなってのが率直な観想でした。内容は薄いですし、まぁいくつか笑えるところはあったけれど(本当に民主党なのか?という台詞等)、主人公とヒロインが終始言い争っててなんか腹立ってくるんですよね。お前ら、そんな言い合い漫才してる場合じゃないだろ、みたいな。そんでCGの出来も微妙なシーンが多くて、特に序盤のカーチェイスCGのやっつけ感が半端ない(笑)。まぁ、ひとまず5点てことにしときますか。 [ブルーレイ(字幕)] 5点(2013-05-12 23:05:23) |
1432. エージェント・マロリー
《ネタバレ》 豪華な俳優陣が揃っていて、やっぱソダーバーグは人望があるんだな~と再認識した次第ですが、中でも主役を務めたジーナ・カラーノ、凄く良かったですね。俳優陣に埋もれるどころか、自分のキャラや持ち味を存分に演技に出して輝いている。格闘技の人なのにナチュラルな演技をしていることに賛辞。そして彼女を抜擢したソダーバークもやはり凄い。相変わらず、シームレスな繋ぎの映像と小気味良い音楽で独特な映画世界を構築しておりますが、まぁストーリー自体はよくあるスパイものの典型。心を許した仲間スパイが死んでしまい、父に慰められるシーンがこの作品の一番のピークでしょうか。序盤は見事な格闘技アクションを見せてくれたのですが、相手がユアン・マクレガーだと全然冴えてなくてその落差が気になった。締め方はユーモラス的でよろしい。 [ブルーレイ(字幕)] 6点(2013-05-11 21:24:36) |
1433. シージャック(2012)
《ネタバレ》 私はハリウッド映画ばかり観てる人間ですから(笑)、 レンタル屋さんでこの作品を見かけた時、 手に汗握るサスペンス&海賊との銃撃戦みたいな そういう展開があるのかと思って観たのですが、 その予想は良い意味で裏切られました。 派手さは無いですが、とてもリアルな描写で 深く入り込んで鑑賞出来ましたね。 海賊といっても、時には釣りとかして 和気あいあいになったり、通訳の人は割と 理性的だったりして、それがまたリアルで良い。 そして社内で交渉のプロを交えながら海賊と 繰り広げる交渉劇もまた凄くリアル。 あ、現実世界で起こる海賊との交渉もこんな 感じなんだろうな~って思わせます。 普段は落ち着いた責任感ある社長さん。 それ故、激高したり、一人席を外して 考え込んだりしてる描写は人間味を感じ共感させられる。 船内にいたコックが主人公ではありますが、 船員たちを救い出そうとする社長さんもまた ある意味主人公の一人みたいなものです。 そしてあのラスト。いや~、やられました。 ズシリときましたよ。家族と出会っても、 喜びの表情一つ見せないコック。でもあの展開って、 実際にありえそうですもんね。 ハリウッドスタイルとは真逆だけど、 本作はとことんまで現実の出来事に忠実な 作りに思え、だからこそ登場人物全てに共感が出来る。 傑作だと思います。 [DVD(字幕)] 9点(2013-05-07 23:29:57) |
1434. モンスターズクラブ
《ネタバレ》 人を選ぶ作品であることは間違いなく、 残念ながら自分には合わなかったです。 アメリカで実在した爆弾魔ユナ・ボマーを 題材にしているそうですが、 主人公が朗読のように語っている内容は 要するに文明嫌悪であり、内向的で 社会になじめない自分の境遇を惨めに感じ、 それ故に社会の上の人を敵視するっていう、 そういう青臭いだけの話なんですよね。 僕自身も色々と病んでいる人間(笑)だとは思うけど、 さすがに年齢的に?こういう主人公には 若いな~と思うだけで共感を感じることは出来ない。 そこが多少なりとも共感持てるのであれば、 もう少し見方も変わったかなとは思うんですけどね。 [DVD(邦画)] 4点(2013-05-07 23:06:56) |
1435. ミロクローゼ
《ネタバレ》 コメディ作品てことにはなってますけど、 笑えるようなシーンはそれほどありません。 しいていえば 鈴木清順監督との 絡みのシーンぐらいかな、笑えたのは。 個人的にはそれよりも、内容の斬新さ、 映像の独創性を楽しんだ次第です。 軽快なダンスシーン、ところどころあるエロシーンなど 魅力的でしたが、中盤のスローモーションで 繰り広げられるチャンバラシーンが秀逸でした。 いやほんと、素晴らしい出来。 [DVD(邦画)] 7点(2013-05-07 21:11:53) |
1436. ぱいかじ南海作戦
《ネタバレ》 失業と離婚が同時に訪れた男性が 西表島でサバイバル生活を送るという内容。 南の島でのびのび自由に過ごしたいという 気持ちはよくわかるし、男なら、ああいう サバイバル生活に一度は憧れるというもの。 だから最後の台詞にも共感出来る。 最初は黒々とした4人のおっさんが登場し、 その後若い男性がやってくる。 そして女子2人組の登場。うむ、やはり南の島に 女子は必要だなと再認識。 主人公の男性に突然希ちゃんが好意を 伝えたりするのだが、主人公の恋愛描写は ほとんどと無いようなもので、その点が不満。 終盤、ドタドタと仕事仲間や元嫁さんが出てくる 展開は唐突である。 いくつか笑えるシーンもあるが、 滑ってる箇所も多々有り、全体としては 佳作かなという印象。 [DVD(邦画)] 5点(2013-05-07 21:09:40) |
1437. 96時間 リベンジ
《ネタバレ》 う~ん、まぁ暇つぶし程度にはちょうどいいと思いますが、前作は「なぜ妻が自分のことを知らないんだ?」ていう謎解きサスペンスみたいな要素があったのに対し本作は復讐心を募らすおっさんとの闘いというだけで言わばアクションオンリーなわけですね。だからストーリー的にはそんな面白いものではない。強いて言えば、娘に手榴弾を投げさせて位置を把握する超人的能力のシーンが良かったぐらいかな。カーアクションのシーンはスピード感あって悪くはないけれど、肉弾戦のショットなどは若干ジャンプカットが多いように思う。ごまかしでなく、もう少し落ち着いてアクションを堪能したい。 [ブルーレイ(字幕)] 5点(2013-05-07 19:51:44) |
1438. 人生の特等席
《ネタバレ》 クリントも娘役の女性も、とてもいい演技してましたね。クリントイーストウッドが出演している作品はどれも、頭でひねくり回して構成の巧妙さを披露するような映画とは対極にある、とっても素直で地に足のついた人間ドラマだなぁと感じます。だからすんなり共感出来るし、話に入っていける。イーストウッドは、頑固ですぐカッとなる、それでいてある種現実から常に背を向け続けるそういう弱さを持つ老人の役。このキャラクターがまた凄くシンパシー感じるんですよね~。そういう人いるよな~、いや、男ならある意味、こういう要素って誰にでもあるよな~、とか。そして娘もまた父親譲りの頑固というのが良い。等身大の親子の物語であると同時に、ラブストーリーでもある。あぁ、やっぱり恋愛っていいよな、て思わせてくれる、そんな描写。終盤の、たまたま見つけた子が偉ぶった高校生&いけ好かないスカウトを打ち負かす展開は月並みだけど、親子と恋愛の二本柱がもれなく共感出来たので7点献上。 [ブルーレイ(吹替)] 7点(2013-05-01 23:14:52) |
1439. ホビット/思いがけない冒険
《ネタバレ》 確かに、「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズと比較するとスケール感には乏しいとは思うのですが、ピータージャクソンの真骨頂である躍動感溢れるカメラの動きが久々に観れて楽しかったです。ドワーフの宮殿とか、岩の巨人の闘いとか。それから、相変わらず「美しいシーン」はほんと美しい。個人的にはホビットの家の作りとかインテリアなんかがよく出来てるな~と思い、食い入るように観てました。バギンズを仲間として受け入れること、その友情のシーンも良い。あとはゴラムとなぞなぞを出し合うシーンがこの作品の一番面白いシーンだったかも(笑)。ゴラムの顔芸にいちいち笑ってしまった。新たなる三部作の最初の作品ということで、まぁこんなもんだろうと。ひとまず6点。 [ブルーレイ(吹替)] 6点(2013-04-30 21:46:27) |
1440. 最終目的地
《ネタバレ》 真田広之が好きで借りてみてみたのですが、 まさかアンソニー・ホプキンスと真田さんが チュッチュし合う映像を見るとは思いませんでした(笑)。 亡き作家の家で暮らす家族は、複雑な関係ではありますが いわゆるブルジョア風な隠居生活をおくっている。 特にアーデンは、寂しさを感じながら生きていたはず。 そんなところに、若いイケメンが現れる。 家族が水面で、主人公の彼はそこに落とされた一滴の水滴。 彼が落とした波紋が、それぞれの生きる道を問い直していく。 主人公の最終目的地はやはりそこだったのですね。 静かで、けれども飽きさせずに興味深く拝見出来ました。 [DVD(字幕)] 6点(2013-04-28 22:29:52) |