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1501.  タイタンの逆襲(2012)
あんな前作で、よくもまあ続編を作ろうと思って、そしてそれが現実にできてしまうものだな・・・前作はそれでも、「こんな人がこんな役をやっている」という鑑賞ポイントがぎりぎりなくはなかったのですが、中身はない(前作以上にない)ので、そりゃ作品として成立するのは無理ってものです。
[CS・衛星(字幕)] 3点(2016-12-21 01:03:37)
1502.  マラソン マン 《ネタバレ》 
導入部は思わせぶりな雰囲気だけで進んでいくのですが、兄が殺害されてからは一転して単純一直線な展開。よく見ると、そこからラストの解決までが推定24時間足らずという豪腕ぶりです。背景の説明もあるようでまったくなく、細かいところは至る場面でつじつまが合わないのですが、救出した刑事がすぐに逆戻りするとか、最後の「飲み込め!」とか、ここぞというところの演出の冴えによってサスペンスは維持しているという、不思議な作品。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2016-12-18 03:20:42)(良:1票)
1503.  インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌
正統派の伝記物でないのは別にいいし、この監督なら素直な作品にはならないだろうというのは予測できるんだけど、それならそれ以外の場所できちんと凝ってくれないと・・・ただ思いつきのようなシーンをスルスル重ねられても、何のために作りたかったのかが分からないです。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2016-12-14 23:29:40)
1504.  タイタンの戦い(2010)
いやもう、ニーソン&ファインズという「シンドラーのリスト」の映画史上に残る黄金善悪タッグに、あんなコスプレ対決を大真面目にさせている時点で、笑いが止まらないわけですよ。結局、このシーンが撮りたかっただけなんじゃないの?と思うくらい。マッツ・ミケルセンを投入しておいて、あんな無駄遣いぶりをしているのも凄いね。なお、作品としては、人智を超越した神々しさを描かないといけないはずのところに、人工物の最たるものともいうべきCGベタベタてんこ盛りで全部を塗りたくっている時点で、テーマと手法が分裂してしまっています。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2016-12-12 22:25:43)
1505.  パワー・オブ・ワン 《ネタバレ》 
紹介文からボクシング映画かと思っていたら、それはごく一部で。音楽、語学、恋愛、そして日常的なコミュニケーションに至るまで、様々なツールを的確に用いて、社会が抱える病理をあぶり出していきます。実は白人同士でも尖鋭な根深い対立があったとか、勉強になるところもあるのですが、何よりも優れているのは、「この国を良くしたい」という登場人物の祈りが、1つの筋として貫かれていること。それによって、作品が、どこかの誰かの伝記というレベルを超えて、普遍的な意義を有しています。タイトルも、きちんと内容を象徴していますね。
[DVD(字幕)] 7点(2016-12-11 01:09:49)(良:1票)
1506.  ダーク・シャドウ(2012)
最初から最後まで主人公が「ただその場にいるだけ」で、屈折感もなければ逆に躍動感もない。それどころか、いろいろ配置された周りの登場人物もみんなそう。映像はぎとっとした人工感丸出しの配色で、吸血鬼やその他もろもろが登場しそうな奥行きや底の深さがまったくない。つまり、ティム・バートンが完全に手クセだけで作ってしまったということです。
[CS・衛星(字幕)] 3点(2016-12-09 00:38:56)
1507.  血槍富士 《ネタバレ》 
終盤近くまで、いろんな人があまり前後の脈絡のないやりとりを淡々と積み重ねているだけなのですが、ラスト10分の大立ち回りで全然別の映画になってしまう。一体何がしたかったんだろう・・・。
[CS・衛星(邦画)] 3点(2016-12-09 00:21:59)
1508.  サルート・オブ・ザ・ジャガー 《ネタバレ》 
何とも不思議な作品です。ルールの説明はおろか、「リーグ」とは何ぞやとか、そもそも人々はどういう生活をしているのかとか、そういった説明は一切なし。登場人物はひたすら、殴る、蹴る、武器で闘う。試合が終われば、何かに取り憑かれたかのように次の試合へ。その迷いのなさと確信ぶりは、試合中の描写よりも、むしろその合間の移動や休憩中にこそ醸し出されています。見ているときは「え?説明それだけ?」になるのですが、そのインパクトは、見終わった後にこそ重量感をもって押し寄せてきます。あと個人的には、壁一面に並んだ貸し出しベッドがツボでした。
[DVD(字幕)] 6点(2016-12-05 00:57:21)(良:2票)
1509.  プリンス・オブ・ペルシャ/時間の砂
中身がほとんど何もないこともだけど、それ以前に、画面の色使いが全体的にギトギトしていて、役者も風景も埋もれてしまっているのが問題。これ、元はゲームらしいんだけど、映画を作りたかったんじゃなくて、実写版のゲーム画面を作りたかっただけなんじゃないの?
[CS・衛星(字幕)] 3点(2016-12-04 01:02:04)
1510.  特攻大作戦 《ネタバレ》 
いちいち全員の名前を読み上げる導入部はただならぬ迫力を感じさせますし、肝心の12人が、どこまでいってもどことなくチンタラしているというか、渋々感が漂っているのも、逆に生々しさをあぶり出しているのですが・・・それだけやった後の頂上作戦が、さして警戒しているようにも見えず、特段の装備も見当たらないお屋敷を1つ制圧するだけって、何かしょぼくないですか?5人くらいいれば可能だったのでは?
[CS・衛星(字幕)] 5点(2016-12-03 15:17:32)
1511.  箱入り息子の恋 《ネタバレ》 
何とこれ、ベースは完全に昭和のドラマです。それも「40年代以前」という限定付きです。いつからラブロマンスはイケメンとオモロイヤツだけのものになってしまったんだ。不細工やキモオタの純真の中にこそロマンスがある。そんな作り手の堂々とした制作態度が、脚本のご都合主義やラストのグシャグシャぶりも覆い隠すほどの力強さを見せています。吉野家の涙のシーンは、逆光の使い方や間の取り方も含めて、一般レベルで名シーンだと思う。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2016-12-02 01:24:46)
1512.  U Want Me 2 Kill Him ユー・ウォント・ミー・トゥ・キル・ヒム 《ネタバレ》 
描写としてはアンフェアな箇所が何点かないわけではないし、ウェブ上のやりとり以外の部分のウェイトが著しく少ないのは、食い足りない印象をもたらすともいえる。しかし、どうしてもこれがやりたかったんだと言わんばかりの一点集中型の作り込みは、嫌いではない。
[DVD(字幕)] 6点(2016-12-01 02:19:24)
1513.  ジャージの二人
描写の一つ一つが、いちいち作為的で観念的。登場人物が動いているのではなく、動かされているだけ。ジャージを二人に着せたところで物語は終わっていました。
[CS・衛星(邦画)] 3点(2016-12-01 02:11:29)
1514.  ポリス・ストーリー/レジェンド 《ネタバレ》 
途中でやっとこさ「えっ、これって場所限定密室劇サスペンスをやろうとしてる?」ということに気づきました。その試み自体は悪くないし、回想シーンの多重視点描写もなかなか面白いのですが、全体としては何とも方向性がチグハグで。冒頭のジャッキー現場説得シーンとか、犯人の過去の体験回想とか、何の意味もなくて、むしろどう見ても邪魔です。ポリス・ストーリーの冠を外して、徹頭徹尾建物内で地道に話を展開させたら、ジャッキーもこの御年で新機軸!ということで美しく完成したんだろうけど、やはり慣れないことはやりにくいのか、そうはならなかったね。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2016-11-28 03:37:09)
1515.  スタア誕生(1954)
いや長かった・・・全般的に薄味で引き延ばし感がミエミエで、そのまんま焦点を絞って進めれば、45分くらいで終わっているでしょう。ジュディ・ガーランドのはかない栄光の姿を焼き付けた記録映画として見れば意味はありますが、だからといって物語としての面白さがあるわけではないのです。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2016-11-25 03:35:12)
1516.  あなたへ
筋立ては悪くないはずなのに、脚本がとにかくどうしようもなくて、思ったことを全部喋らせないと気がすまないというか、しかもみんながみんな見たままを喋っているだけなのでどうにも底が浅いというか、とにかくどうしようもない。おかげで、佐藤浩市や大滝秀治ですらエンスト感満載ですし、ビートたけしのあんな凡庸な使い方なんて、よく本人が了承したものです。この監督と脚本家は、まず、登場人物に黙らせるということを覚えましょう。
[CS・衛星(邦画)] 2点(2016-11-23 00:22:43)
1517.  半落ち 《ネタバレ》 
終盤入口くらいまでは、ちょいちょい出てくる説明台詞やありえない台詞に目をつぶれば、(原作に大きく助けられてはいるものの)何とか見られるレベルなのですが・・・ラスト30分の裁判シークエンスが、とにかくグチャグチャ。そもそもこの話の肝は、(警察官や検察官や弁護人や裁判官やマスコミといった)誰がどう頑張っても、本当の真相なんてものは誰の目にもふれることなく深く潜っていき、そのまま公になることはない、という点にあったはずなのに、あんな改変をしてしまっては、それまでの90分が前フリ以下にしかならないでしょう。結果、すべての登場人物は、存在の意味を失ってしまいました。あと、それとは別に、すでに指摘されていますが、すべてのシーンにおいて、照明のセンスが最悪です。
[CS・衛星(邦画)] 3点(2016-11-16 01:25:27)
1518.  ザ・ヤクザ(1974) 《ネタバレ》 
タイトルにヤクザといっていながら、ヤクザは全然出てきませんでした。あと、最後の決戦(もどき)から後のグダグダぶりも結構ひどい。
[CS・衛星(字幕)] 2点(2016-11-15 21:58:44)
1519.  オペレーション・ワルキューレ<TVM>
トム・クルーズ版と比べるとやっぱりコンパクトというか、もっといえばダイジェスト版みたいな感じで、特に脇役にほとんど味がないのですが、それでも重要なポイントは押さえています。このように、意義ある歴史(と人物)を端的に提示した作品はもちろん価値がありますし、また何といってもドイツ語会話による再現度の高さは強みです。
[DVD(字幕)] 6点(2016-11-11 01:20:41)
1520.  リスボンに誘われて 《ネタバレ》 
たった一冊の本だけが原動力となって、授業を抜け出した教師がそのままベルンからリスボンまで行ってしまうという、何とも素敵な謎から始まる導入部。その後も、各俳優陣の的確な演技と表現によって、物語は気品を失わず、一本の糸がどこまでも紡がれ、いつしか全体としての織物を完成させていく(その間、同一場面多視点ネタもちらほら)。その過去の探求が、自らを「退屈な人間」と卑下する主人公にも、微かな、しかし確実な変化をもたらす着地点に収斂する様式美。どこまでもじっくりと味わい深い作品です。
[DVD(字幕)] 7点(2016-11-08 00:58:22)(良:2票)
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