141. シルバー・サドル 新・復讐の用心棒
《ネタバレ》 78年という時期だけあって、まあ何か、いろいろ目新しい要素を入れようとしたウエスタンにはなっているんですよね。主人公の銃撃アクションが妙にいちいち細かかったりとか、敵にあれこれ多重戦略があったりとか、最後に謎解きシークエンス(!)があったりとか。そうそう、テーマソングがもろに西海岸AOR/SSWっぽいのも、一応新鮮かもしれません。ただ、それら諸要素がかみ合って作品が前に動いているかというとそうでもないし、冒頭の前提設定もあまり生きていません(敵の一族の身内を助ける、という葛藤がそれほど感じられない)。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2017-07-24 02:37:52) |
142. ガンマン大連合
《ネタバレ》 オープニング、教会から女性が走り出てくる(花嫁ベールっぽい白布付き)。必死の表情で走る、走る、走る。たどり着いた先には2人の男が拳銃を手に決闘の雰囲気。ここまで引っ張ったからには、この影に何か壮絶なドラマがあって、この勝負がクライマックスなんだろう、と思うわけですが、終わってみればそのシーンの意味のあまりの下らなさにずっこけます。と同時に、そのセンスに感動します。大体、この作品の登場人物は、この3人以外にもいろいろ出てきますが、揃いも揃ってことごとく好き勝手です。カオス状態です。その中でも、教授の奪還、パートナーの救出、国境突破など、ポイントではなかなか上質なスリルを見せつけてくれるので油断なりません。さらには、教授がもっともらしく最後の教示として残した言葉は結局全員無視しているし、ラストで押し寄せてくる政府軍はどう見ても圧倒的なんだけどそれをどうするのかさっぱり分からないし、むしろそんなことを気にする方がアホらしくなってくるのです。そしてその作用をもたらしているのが、この最高なテーマソングであることは言うまでもありません。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2017-07-17 02:19:42) |
143. ミスター・ノーボディ
《ネタバレ》 冒頭、もっともらしく登場する3人組を、一瞬で片付けるフォンダ。何とも緊迫感あふれる導入なのですが、しかしその後は、真剣に映画的に撮っている映像と、ところどころものすごく適当な展開ぶりが、なかなかのカオスな世界を見せつけている。ただ、その謎の突っ走り感も、中盤では息切れしてしまったようで、後半はダレます。そもそも、もっと尺が短くあるべき作品ではない? [CS・衛星(字幕)] 5点(2017-07-13 01:02:44) |
144. 鷲は舞いおりた
すごく壮大で困難なことに挑戦しようとしているはずなのに、国と国がぶつかり合う緊迫感もなければ、課題を解決しようとする到達感もない。つまり、各シーンがただ何となく流れているだけなのです。雰囲気が、その辺の街中のサスペンスものと変わりません。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2017-07-12 01:05:30) |
145. スローターハウス5
えーと、結局何がしたいのかほとんど理解できなかったのですが・・・。無秩序や混沌を表現したいのであれば、だからこそそこには制作者の意志としての1つの幹が必要なのです。この作品にはそれがないので、単なる発想の垂れ流しです。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2017-07-10 23:53:02) |
146. サイレント・ランニング
《ネタバレ》 70's前半ならではの暴走感。工学美術関係については、ほかとの脈絡など考えずに「とりあえず作りたいものを全部作りました」的な熱さを感じるし、一方で背景の説明なんかはほとんどばっさりカット。その状態で、物語はひたすら必然的な結末に向けて一直線で進んでいきます。だからこそ、突然叙情的な最後の取り残されたロボットのシーンが効いてきます。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2017-07-02 22:14:15)(良:1票) |
147. 続・激突!/カージャック
《ネタバレ》 人質を乗せた車の後からトロトロついていくパトカーの行列、しかもだんだんと着実に数が増えてくる(最後には一般車の集団まで)。この作品はそれだけでOKです、というか、むしろそのシーンが頭にあって、そこから逆算して作ったような感じ。まさかスピルバーグがコメディを撮っているとは思いませんでした。もっとも、時代背景か実話ベースだからか、最後は暗い方向に着地してしまって、それはそれで上手くまとまってはいるんだけど、やはり前半との違和感は禁じ得ないような。何かあると思わせて何もなかった登場人物も結構いるし、この辺の未整理ぶりは、まだ若く荒削りだったということですね。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2017-06-06 23:40:58) |
148. ギャンブラー
《ネタバレ》 華麗なギャンブルの数々が展開されるのかと思ったら、全然ない。ジュリー・クリスティが女性たちを引き連れて、雰囲気は一転して華やかに、ならない。銃撃戦になってクライマックス然とした盛り上がりが、ない。意図的に派手な空気感を全部殺しているとしか思えない作り方なのですが、それで延々と2時間超えの状態には、なかなか辛いものがありました。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2017-06-06 03:45:27) |
149. ミニー&モスコウィッツ
《ネタバレ》 出会ってから4日間の恋愛というふれこみだったので、さてはもりもりロマンチックなラブロマンスかと一瞬期待しかけたのですが、カサヴェテス&ローランズでそうなるわけはないですね。むしろ何というか、出会った時点ですでに退廃しているというか、疲れ切っているというか、そもそも何で結婚に至ったのかさっぱり分からないというか。その辺はいいとしても、いろんな人がやたら大声だったり怒鳴りっぱなしだったりするのには参りました。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2017-06-03 02:20:02) |
150. バニシングIN60”
前半、変な人たちが特に説明もなく集まってきて、当たり前のようにああだこうだやっている空気感は、いかにも70年代。ただその後が、登場人物を捌ききれなくなって、かえってだれてきている。焦点が終盤に向けて絞られてくると持ち直してはきているので、むしろ最初から1人か2人で全部やる形にした方がよかったんじゃないかな。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2017-06-03 02:15:40) |
151. 超高層プロフェッショナル
《ネタバレ》 父を失って途方に暮れる娘が、頼れる男を捜し出し、そして昔の仲間が勢揃いして、何をやるのかと思ったら「建築中のビルを完成させること」ですよ!何と労働意欲あふれる、地道で真面目な作品なんでしょう!それだけで低い点はつけられません。ただ、途中で発生する危機が、物資の供給を絶たれるか(それも、上棟前なんで、結局は鉄骨しかない)、誰かが事故に遭うか、の繰り返しで、ちょっと単調な気はしなくもないですが、こういう作品に、ことさら飾ったようなアクシデントはいらないのです。●ところであの娘って、「おもいでの夏」のあのヒロインの人妻だったんですね!どう見ても8年後の今の方が若い、というか、当時が23歳だったということの方が驚き。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2017-06-01 02:13:03) |
152. カサンドラ・クロス
《ネタバレ》 とりあえず、まあ、テロリストを籠に移そうとするところで、「何で一旦停止して移さないのか?」と思わせてしまった時点で、アウトなのではないでしょうか・・・(乗客が逃げるかもしれないとかいうのかもしれませんが、ヘリが延々並走している方が、よっぽど不安を煽るでしょ)。ただし、駅に防護服隊員がずらっと待ち構えて、本当に窓やら何やらを閉鎖していく光景はなかなかシュールですし、その後も、大映テレビばりに脚本の破綻も気にせずに迷いなく最後まで突き進む姿勢は、嫌いではないです。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2017-06-01 01:59:53) |
153. 雲霧仁左衛門
いやー、これだけ豪華キャストを詰め込んでおいて、よくぞここまで無駄遣いできるものです。1人だけあまりにもはまりすぎて安定している加藤剛が、かえって浮いているくらい。何がいけないのか考えてみたのですが、行き着くところは、「肝心の盗みのシーンに迫力がない(あるいは、描いてない)」という点です。そこが抜けているので、いくら各登場人物が思い悩もうが、迫真性がないのです。 [DVD(邦画)] 4点(2017-05-22 02:40:04) |
154. チザム
いろいろキャラクターを詰め込んでいる割に、みんなで割とのんびり動いているだけなので、あまり機能していないと思うのですが。クライマックス部分は突然気合が入っていますが、それまでの盛り上がりがないので、空回り気味です。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2017-05-21 01:04:46) |
155. 大いなる決闘
《ネタバレ》 えーっと、全然大いなる決闘でもないし、Hard Menでもないのですが・・・コバーンのウジウジした粘着質なキャラはまあまあ面白いのですが、やってることはただ逃げてるか待ち構えてるだけであって、頭脳プレイも技術発揮も特に行っていない。ヘストンの方に至っては、情けない表情でただ追いかけているだけであって、「これで捕まってるようでは相当間抜けなのでは?」という印象しか受けない。火が起こったときはちょっとおおっと思いましたが、何とそれを何も活用していない、というかむしろ自分の方が撃ちにくそうにしている。わざと盛り上がらないようにして作ったのか、としか思えないほどでした。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2017-05-19 01:14:51) |
156. ヒッチコックの ファミリー・プロット
やっぱりヒッチコックって、変態とかオタクとか天然とか、つまりあまり格好良くない人たちを描いている方が、断然光っているし、演出が楽しそうなんだよなあ。こんなまともなサスペンスだと、逆に凡庸な出来になってしまっています。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2017-05-12 23:01:23) |
157. ワイルド・アパッチ
《ネタバレ》 結局、最初から最後までただ「追いかけているだけ」だったという気が・・・登場人物にさしたる変化が見当たらないので、とても単調に感じました。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2017-04-17 02:07:05) |
158. オープニング・ナイト
割と期待して見たのですが、「こわれゆく女」とまったく同じ感想しか出なかった・・・。演出がとっても自己満足的で、同じようなシーンの繰り返しで、結局何がどう変化したのかが定まっていないのです。尺も長すぎです。 [DVD(字幕)] 3点(2017-04-08 23:31:28) |
159. 河内のオッサンの唄
《ネタバレ》 この名曲を映画化までしてくれたというだけですでに低い点はつけられないが、逆にいうと、たった1曲でここまでのイマジネーションを膨らませられるほど、このテーマソングはとてつもない名曲だったということである。●前半はとにかくカオスな生活が描かれる。「ちょっと聞いてくれ~」というだけで近所からわらわら人が集まって、そのまま宴会の開始。博打のカタで当然のように嫁入りし、その嫁も博打のカタになり、当の嫁自身も「博打のカタはきっちりつけんとあかん」と言い残してあっさり敵地に赴く。女子高生(?)が堂々と大人を挑発したら、周囲も「やってしまったもんはしゃあない」と縁組を認める。カオス以外の何物でもない。しかし製作側にはもちろん何の迷いも作為もないわけで、やはり映画とはこのように堂々としていてほしい。●終盤、場面が東京に移動してからは、ちょっとテンションが落ちるかな・・・せめて大阪市内くらいで収められなかったのかとも思うけど、前半でさんざん東京がどうのこうのという伏線を張っているから、仕方ないか。 [DVD(邦画)] 7点(2017-03-27 01:35:15) |
160. 男の出発
《ネタバレ》 当然、主人公は途中でいろいろ体験して成長していくのかと思っていたら、何と最後までほとんどそのまんま。この逆走ぶりはある意味凄い・・・んだけど、途中ではそれなりに一般のウエスタンっぽくしているので、結局主題が見えなくなっている。せっかくならもっと徹底的に挫折したり屈折したりの連続にしたらよかったのに。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2017-01-20 00:02:32) |