141. 関の彌太ッぺ(1963)
「ラ・スクムーン」のジャン・ポール・ベルモントが重なるラストショットでの男気漂う中村錦之助に鳥肌。この人特有の目力と台詞回しはこれぞ千両役者。 [DVD(邦画)] 7点(2021-02-24 07:13:28) |
142. おかしなおかしなおかしな世界
口八丁手八丁な著名コメディアン軍団(ミッキー・ルーニー、ピーター・フォークしか分からず:泣)のMIPはエセル・マーマンで、目立ってナンボじゃいの心意気を感じるド迫力に釘付けに。身体に隠し持ったキーを男二人がかりで取り上げられるあられもない姿は飲んでいたコーヒーを吹いてしまった大爆笑シーンでありました。スペンサー・トレイシーはそんな喧噪の中にあって立っているだけで絵になる別格な存在感だったので逃走劇は残念な姿でした。華やかな最期を遂げる若しくは美味しいところを全てさらっていく姿を見たかったものです。特筆ものの手に汗握るカースタント&飛行スタントにスタンディングオベーション。興行的に大成功を収めたというドタバタコメディ超大作はあまり長さを感じる事無く大いに楽しませてもらえました。 バスター・キートンは何処に? やっとこさ見つけたワンシーン台詞一言68歳のお姿は哀しいものがありました。 [DVD(字幕)] 8点(2021-02-20 21:29:00)(良:1票) |
143. 続・黄金の七人/レインボー作戦
続編としてストーリー&映像をスケールアップ!との意気込みの空回り感が目につきます。不~二子チャンの寝返りとアチャーな結末への期待も空振りに終わり残念です。 [DVD(字幕)] 6点(2021-01-31 16:08:01) |
144. 黄金の七人
《ネタバレ》 初見。11PMのテーマ(違うか)に乗せてオープニングからの作戦決行模様に目が離せない。ちょいちょい訪れるピンチは手に汗握る程で無く、惚れ惚れする仕事ぶりで7トンの金の延べ棒をゲットしちゃう。そこからの裏切り裏切られ模様は血の雨どころかパンチ1発繰り出される事も無い。たどり着いたアチャー!な結末(あの場に出くわしたとして1本12㎏を持って帰れるかなぁ、気合でいけるかなぁ)。上等な小春日和の如き快作で大いに楽しめました。欲を言えば実働部隊6人のキャラ分けをして欲しかったところです。 [DVD(字幕)] 8点(2020-11-25 01:14:01) |
145. シシリアン(1969)
《ネタバレ》 念願の初鑑賞。アラン・ドロンにゾッコンだった当時とは違い、ジャン・ギャバンはもとより、リノ・ヴァンチェラと比べても格下感があり、一太刀も浴びせられなかった最期は別の意味で哀れさがありました。宝石強奪の件は無理筋過ぎて冷めてしまいますが、そこから結末まではなかなかの見応えでした。モリコーネの手による音楽は物憂げで一族の胡散臭さ(ビョヨ~ン)を感じさせる印象深いものです。 余談ながら、大盛りにも程があるパスタは先日の「他人の家」でエドワード・G・ロビンソンが同様に取り分けていて、イタリアンファミリーの日常なのかと驚きました。 [DVD(字幕)] 7点(2020-09-29 13:14:02) |
146. 人生劇場 飛車角と吉良常
仁侠の世界を舞台にした文芸作品のような本作。辰巳柳太郎が美味しいところを全て持って行ってしまったようで、お目当て鶴田浩二も霞んでいました。ただ、この人の殺陣は何時もながらの鬼気迫るヒリヒリさせられるもので、何時もながらに両手握り拳で硬直して見入ってしまいました。主体性のカケラもないおとよに虫唾が走る(野暮な事を言いますが)のがマイナスです。 [DVD(邦画)] 7点(2020-08-14 02:46:13) |
147. 引き裂かれたカーテン
《ネタバレ》 ジュリー・アンドリュースが物語に機能していないのが残念。彼女以外の女性キャラクターがそれぞれ印象的なので、尚更お飾り感が強く、脚本に問題ありです。任務が数式を盗み出すというところも気持ちが盛り上がらず。小技は効いていてもそれだけで終わってしまった作品。 [インターネット(字幕)] 5点(2020-08-14 02:22:25) |
148. ガス人間第一号
《ネタバレ》 トンデモな題名に興味そそられての鑑賞。オープニングから「これは当たりかも」寄せた期待を裏切られる事無く最後まで一気に見終えました。破滅に向かって突き進む八千草薫と土屋嘉男の恋模様を黙って見守り最期まで付き従う左卜全、3人共々忘れ難い名演です。変身の件は添え物に見えて別にガス人間で無くてもいいような気がしますが、模倣犯が続出する事に対して警察が抹殺決断に至る展開は見事で、やはり必要なキャラクターだったのだと思います。時間が経って湧いてくるツッコミどころも鑑賞中には八千草薫の凛とした女性像の前にはカケラも浮かびませんでした。題名とのギャップが激しい名作です。 [インターネット(邦画)] 8点(2020-07-05 01:57:51)(良:2票) |
149. 復讐無頼・狼たちの荒野
メキシコ革命の物語。盛り上がる事が無くコックリ・コックリで行きつ戻りつやっとの思いで完走。期待を寄せたオーソン・ウェルズは見た目悪代官・遠藤太津朗のようなインパクトがあるものの、浅いキャラクターで今一つ。残念な一品。 [DVD(字幕)] 4点(2020-06-26 04:35:12) |
150. 眠狂四郎 無頼剣
子供時分だったか市川雷蔵の円月殺法に「綺麗、でも何で相手は黙って見てるのだろう」と不思議に思ったのが唯一の記憶。 市川雷蔵のジェームズ・メイソンと似通う艶のある声での台詞回しに惚れ惚れ。「わしはまともな人間ではない」と言いながらテロリスト愛染を糾弾する姿はいたって真っ当で何かしら虚無感に欠ける物足りなさがありました。もう一人のお目当て天知茂は何時もながらの目力で貫禄充分な姿に見惚れますが、どこか小悪党感が垣間見えてこちらも物足りなさを感じました。掟破りの二人しての円月殺法に雷蔵を始めとしてクレームが出なかったのでしょうか、見所であるシーンに苦笑してしまったのが何ともはや。 「まともな人間ではない」というのをこの目で確かめてみたくなった(本作が最高作というのに迷うところがありますが)良作です。 [DVD(邦画)] 7点(2020-06-15 12:14:53) |
151. 続・夕陽のガンマン/地獄の決斗
前作からの落差の激しさにガックリ、ダラダラした展開での長すぎる上映時間にグッタリ。イーライ・ウォラック頑張っていたけれども魅力は感じず。リー・ヴァン・クリーフ素敵ではあったものの、私の血圧・脈拍は変化無し。嗚呼もどかしい。 [DVD(字幕)] 5点(2020-06-13 02:10:23) |
152. 夕陽のガンマン
《ネタバレ》 音楽はマカロニ・ウエスタンの最高傑作且つ私的勝負曲でありこれまで度々お世話になりました。本作はクリント・イーストウッドのマカロニ・ウエスタンという何となくの理由でスルーしてきました。リー・ヴァン・クリーフ、クラウス・キンスキー、ジャン・マリア・ヴォロンテ出演というのを知りこの歳での初見。「男は黙ってリー・ヴァン・クリーフ」 胸熱激熱激痺れ。彼が主役です。クラウス・キンスキーとの二度の対峙はお宝映像。共に息をするのも憚られるもんの凄い緊張感。ジャン・マリア・ヴォロンテとのラストの対決も忘れ難い。過去の因縁に於ける死者を悼む二人の思いが一言も語られることなく溢れ出る鳥肌ものの演技。若きクリント・イーストウッドは二人の引き立て役としてなかなかの味わいでした。永遠の曲であると共に永遠のマカロニ・ウエスタンとの遅ればせながらの出会いに感激です。 [DVD(字幕)] 10点(2020-06-12 13:26:19)(良:1票) |
153. 西部悪人伝
リー・ヴァン・クリーフのPVとしてならギリギリ観るに耐えるけれど、ハナシにならない安易なストーリーの中では何一つとして響いてこないばかりか、無敵ぶりが嫌みに感じてしまった残念至極な作品。 [DVD(字幕)] 3点(2020-06-11 15:57:20) |
154. 天国と地獄
《ネタバレ》 学生時分に観ているものの内容を全て忘れています。会社権力争いものではなく営利目的未成年者略取ものだったとは。毛色が変わっているのが攫われたのが運転手の子だった点。葛藤の末に身代金3000万円(昭和38年時の!)を払い、無事だったしんいちに全速力で駆け寄り抱きしめる後姿は私も泣けてしまう。竹内にたどり着くまでの警察ワンチームの使命感溢れる理詰めな捜査模様は鑑賞歴中最上で頭が下がる思い。なので、監督の主張であったとしてもその後身柄確保に至るまでのやり口に無理筋を感じるところ。ラストの面会は圧巻。どん底に落ちても前を向く権藤と拗ねるだけの竹内のそもそも器の違いをまざまざと見せつける二人の名演が忘れ難い。 [DVD(邦画)] 7点(2020-06-11 01:52:40)(良:1票) |
155. バルジ大作戦
初見。ヘンリー・フォンダは想定内としても、お目当てダナ・アンドリュース、ロバート・ライアンまでがモッサリして平板な人物像であるのにガッカリもいいところ。この戦闘史実に無知な私でも雪景色の直後のシーンに雪が残っていないのに???。昼と夜が突然入れ替わる某作品を思い出してしまう。ヘスラー大佐が居なかったらリタイア確実。この戦争マニアの軍人魂にもうメロメロ。私のアニメ界のヒーローの一人デスラー総統が重なる絶品ロバート・ショウに点数の全てを。 [DVD(字幕)] 8点(2020-06-05 02:07:49) |
156. 砦の29人
アパッチ対騎兵隊ものの異色作。アパッチの妻を殺されたジェームズ・ガーナー、アパッチにさらわれ酋長の息子の子を産んだビビ・アンデショーンと彼女の夫デニス・ウィーバー、準主役扱いの元伍長シドニー・ポワチエ。奥が深そうでさにあらずといった脚本で、結局のところは何時もながらの描写での残忍なアパッチとの対決模様がメインの物足りない作品。大昔に観て殆ど覚えていない「ソルジャー・ブルー」を観たくなりました。 [DVD(字幕)] 6点(2020-05-31 18:39:46) |
157. 群盗荒野を裂く
《ネタバレ》 切符売り場での割り込み行為に、この男は小狡く立ち回り系なキャラなのだろうとの予感は当たっておりました。 ジャン・マリア・ヴォロンテ、お目当てクラウス・キンスキー、共にパッとせず、最後まで惹かれるものが無い「何時終わるのかなぁ、長いなぁ」退屈極まりない作品でした。 [DVD(字幕)] 3点(2020-05-10 19:11:25) |
158. 北京の55日
初見。豪華キャストの中で唯一不要に思えたエヴァ・ガードナー、衰えた容姿での覇気のない演技、彼女パートでの深み無い脚本。まるごとカットでよかったかと。鑑賞後に知った製作時での絶え間ないいがみ合いも頷ける、かけたお金に見合わない薄っぺらい娯楽作。 [DVD(字幕)] 5点(2020-05-07 14:59:26) |
159. ミネソタ無頼
《ネタバレ》 冒頭、無実の罪で18年収監されているミネソタ・クレイの脱獄シーンの適当感に「駄目だハズレだこりゃ」と思ったのですが。意外や意外!!!掘り出し物で忘れじのマカロニ・ウエスタンでありました。視力が失われてゆく中で身の潔白を証明する為の闘いに挑むミネソタ、頭悪そうな小悪党オルティス(フェルナンド・サンチョ はまり過ぎ)、狡猾な大悪党フォックス、三人の男の間を立ち回る蓮っ葉エステラ、父は死んだと聞かされている娘ナンシー、それぞれキャラが立っていて展開が実に見応えあるものでした。エステラを始末するシーンで監督らしからぬ見せない演出が印象的。そして私的にウエスタン屈指の名場面であったクライマックスの暗闇での決闘模様は息を詰めて見入るもので、妻の敵でもあった汚いにも程があるフォックスのやり口を粉砕したナンシーのブレスレットに痺れました。 私が観たのはハッピーエンド版で味わい深いものの面食らったところもありました。 ナンシーに父であることを告げて力尽きる版もあると言うことです。これはありきたりなので観たいとは思えません。 [DVD(字幕)] 8点(2020-04-27 02:29:59) |
160. 夕陽の用心棒
ジュリアーノ・ジェンマはアラン・ドロンと共に小学生時代の憧れのスター。当時に観ていれば感激したのでしょう。肩の力が抜けすぎたキャラで対する悪方は野蛮なだけで間抜けの極み。おが屑に火を点けたかのような重みのかけらもない会話が繰り広げられる薄っぺらい起承転結は明日になれば忘れてしまうでしょう。残念な凡作です。 [DVD(字幕)] 4点(2020-03-15 10:19:51) |