1581. ソーシャル・ネットワーク
《ネタバレ》 冒頭はハーバートのエリート模様を描いてて、ふ~ん、こんなもんなんだ、と思っていた。ハーバートを描いた作品には「ペーパーチェイス」があるが、今のトップエリートは講義の課題なんか、さらさらとくぐり抜けてしまう。「ぺーパーチェイス」の頃は講義についていけずに自殺までするのに。今の学生はすごいね!学長も!いいですねぇ。親のコネで会いに来た学生に「つまらん!」と言ってのける。後半は社会に出て行く話だけど、「バトルオブシリコンバレー」を思い出させる。でもこの作品での主人公マークは、さほど金儲けしても、表面上は変わらない。「バトル~」のマックの社長は、俺は天才なんだ~って感じで弾けるのに。これがフェイスブックの魅力(らしい)の”クール”て言う事なんでしょうね。この若きエリートに周囲の大人も取り乱さない。もう若い人間が起業するってことは珍しくなくなってたからでしょうね。 [DVD(字幕)] 8点(2011-05-30 23:38:25) |
1582. ナイト&デイ
楽しかった!サービス満点のアクションラブコメ。銃撃戦の最中にラブシーンなんて有りそうで無いですよね。「アイスクリーム添えが良くないことをリンカーンは知っていたから殺された」っていうセリフで、この映画は楽しく観ればそれで良いのだ、と思った。ほんとキャメロンは歳をとってもキュートですね。ドレスにブーツの姿って可愛いと思いました。トムクルーズはカッコ良いですね。でも逆さに吊り下げられて、ぶらぶら揺れてる時に、キャメロンに「大丈夫だ」とかいう場面は滑稽でしたが・・・彼は「ミッションインポッシブル」シリーズだけでは満足しないのでしょう。ちょっとボーンシリーズに似ているな、と思いました。 [DVD(字幕)] 7点(2011-05-29 00:34:29) |
1583. ハート・ロッカー
《ネタバレ》 戦争が行われているので、軽はずみな事はいえないが、この作品は映画的なものがいっぱい詰まった作品だ。ストーリーらしきものは特になく、ただ狂気あふれる戦場にむいている男と、彼と同じチームの兵士たちの話だ。「プラトーン」のイラク戦争版といったところか。戦場のエピソードで見せるのだが、どの場面もきわめて映画的だ。主役のジェームズはどこかあの「時計じかけのオレンジ」のマルコム・マクドウェルのような目をしている、と思った。爆弾処理といえば、「ジャガーノート」を思い出すが、ここでの爆弾処理は、緻密な計算に基づいたものではなく、経験からくる勘のようなもので処理していく。アカデミー賞に外れなし、と思っているが、この作品も外れではなかった。 [DVD(字幕)] 8点(2011-05-28 21:24:34) |
1584. 第9地区
《ネタバレ》 アパルトヘイトで思うところがあったのでしょうね。もの哀しいBGMの中、人間同士の争いが展開されます。今までの映像技術の総決算って感じで、社会派なのにエンターテイメントで引っ張る。映画冒頭のエイリアンに書類を書かせるところが可笑しかった。日本だけじゃないみたいですね。役所の書類主義。いろんな人種がいるから、契約ってもんが大事になるんでしょうけど、法律は人間の考えたものだから、エイリアンに見せてもなぁ・・・子どものエイリアンが可愛かった。 [DVD(字幕)] 8点(2011-05-28 18:34:48) |
1585. さよならゲーム
西海岸と東海岸だけがアメリカじゃない。この映画に出てくるような何もないところもアメリカなのだ。こういうとこでは野球が一番の娯楽なのだろう。盛り上がることなく、淡々と毎日が過ぎていく。でもちょっと交友関係がだらしなくない?サランドンも「ぼくの美しい人だから」とか「テルマ&ルイーズ」のようにだらしない役が多いよね。「依頼人」や「デッドマンウォーキング」のようにしゃきっとした役のほうが似合うのに、と思うのだが。 [ビデオ(字幕)] 5点(2011-05-25 06:25:56) |
1586. チャイナタウン
《ネタバレ》 以前観た時は、まだ社会の構造をよく知らない頃で、正直よく分からなかった。でも映画の脚本術の本を読んでたら、この映画がアメリカ映画の脚本の古典の一つと書かれてあったので、集中して再見した。なるほど、このニコルソン扮する役柄が常に他人によく見られようとふるまい、自分が馬鹿に見られることを恐れている性格だと分かって観ると、こんなに粋なハードボイルドな映画も珍しいと思った。他人に何と言われようと逆境を乗り越えていく映画が好きな自分にも、これは洒落てると感じられた。また背景の社会問題は、LAに住む人間にはピンとくるのかもしれないが、異国の自分には細かいところに伏線が張り巡らされていることが一度目の鑑賞時には見落としていた。二度目の時は、こういう社会派ハードボイルドもありだよなぁと思えるようになった。アクションに頼らなくとも、主人公の性格がちょっと狡賢くとも、面白い映画は創れるのだ。 [ビデオ(字幕)] 8点(2011-05-23 20:51:45) |
1587. 犬猫
やぁ~、こういう映画好きだなぁ。女性って家ではどんななんだろう、というのがよく分かる。男の論理とは違う感覚で世界と接しているんだなぁなんてつくづく思う。出演する女性はみんな魅力的です。ヨーコもスズも。こんな感じで人生の色んな局面を乗り越えていくんだろうな、と思う。男のように気合だ!って感じで生きてない様子が新鮮。 [DVD(字幕)] 8点(2011-05-20 22:30:09) |
1588. 忍ぶ川
《ネタバレ》 こんなに幸福なラブシーンがあるだろうか。女の子がなりたいものは「お嫁さん」という気持ちもわかる。かつては、こんな幸せな映画があったのだから。今は2時間の映画の中で女性と男性が出会って、すぐラブシーンなんかあるから、何か薄っぺら~いもののように感じられて、性の解放なんて叫ばれたが、やはり人生は二人の男女が共にお互いを大事に思い、その愛の結実として、二人が抱き合う、そういうものではないか。結婚が何かつまらないことのように感じられて、少子化である今、このような映画こそ、創られるべきではないか。というより、熊井啓監督は飽きさせない展開で、この純愛を描いた。が、男女の恋愛というのは、本当飽きさせない展開で、若者は映画なんか観てるより、お互い大事に思える異性を探すべく、「旅」に出るべきだ!などと思ってしまった。社会派の熊井監督は、この男女の背景に当時の社会的状況を置いて、この映画を描いたが、本当は男女の愛とはこうあるべきだというテーマこそ描きたかったのではないか?この映画を観て、夜、レンタル屋に返しに行く町の風景が、東京から故郷へ帰る夜汽車から見えた地方の町の風景と同じように感じられた。 [DVD(邦画)] 10点(2011-05-17 23:49:12)(良:1票) |
1589. 愛する(1997)
《ネタバレ》 浦山監督の「私が棄てた女」と観比べた。この映画は2度目だが、ようやく本当の話の意味が見えてきた。女性が男の愛を磨くという点で、この話は一致している。浦山監督のは女性を踏みつけにしても何も感じない男を浅丘ルリ子がこれから対決しなければならない、と言って終わる。こちらの熊井版は、もっと愛の純度が高い。一緒になったミツからもらった贈り物を簡単に捨てる男の愛情。ところがミツがハンセン病になって、病院に行き、そこでもっと高度な愛を知る。そして男のもとより、病院に留まるという選択をする。もちろんミツは男のことでそれからも何度も泣くのだが・・そうしてドンドン愛情が純化したミツが事故死した後、男はそれを知り、泣く。つまり男の愛が純化する。この点で浦山監督の映画と同じ内容になるのだ。熊井監督のすさまじい映画人生をささえた熊井夫人との愛の交流がここまで純な愛の話を創ったものと自分は思った。 [ビデオ(邦画)] 8点(2011-05-16 11:03:17) |
1590. マイレージ、マイライフ
《ネタバレ》 自分も出張の多い部署で働いていたから分かる。出張が多い仕事は、土日は寂しい。何かものすごく寂しくなり、土日を出張先で過ごしたり、平日の残業を進んでやるようになります。その部署は独身の人が多かったなぁ。この映画の場合、仕事が(にっくき)首切り屋なので、ラストの空しさがさらりと描かれてて、お気の毒にって感じで、何か目新しい生き方みたいなのは感じられなかった。でも最後、この主人公は「再出発コンサルタント」みたいなもので仕事を始めたのでしょうか?その辺が丁寧に描かれてたらなぁ。結局、面倒くささを避けた人生って、その見返りに寂しい人生が待っているのだと思います。でもあの「大人の女」って何?ああいう女性って一番嫌!ああいうのこそ、宙ぶらりんで寂しい老後が待って然るべきだと思います。まぁでもよくある話ですよね。これからはネット新人の時代になるだろうけど、時代遅れの人間にも光をあてる、そんな映画が自分は好きだ。クルーニーがもがいて悩んで、何とかネット時代の現代に居場所をつくる、そしていつか良いこともある、そんなラストにしてほしかった。 [DVD(字幕)] 6点(2011-05-10 23:14:31)(良:1票) |
1591. 小さな命が呼ぶとき
《ネタバレ》 久々にアメリカが好きになるような映画を観た。こういう時、必ずこの人がいる。ハリソンフォード!最近の「正義のゆくえ」がちょこっとしか彼が出てなかったから、食い足りない気がしてたが、この映画で満腹になった。こういう難病もので似た話は多い。でもハッピーエンドでも最後に奇跡が起きたりして、ちょっと大人の鑑賞向けには創られてなかった。奇跡の起きなかった家族の気持ちはどうなのよ?と思うのだ。でもこの映画は事実を基にしてあるだけに、社会派としても鑑賞できる非常にクールな話だった。この映画もそうだけど、最近、企業って何?と思うときが多い。この映画では、公私混同だと言って、社員である主人公の子どもに薬を投与できないなどと言うのだ。え?何それ!?でもハリソン演じる学者が彼をクビにする提案をする。その手があった~!「大事なのは投資じゃない!」と言う主人公のセリフはいいとこ突いてる。この映画を観てて、こんな父親になりたいと思った。 [DVD(字幕)] 9点(2011-05-10 19:17:31) |
1592. 山桜
静かな映画だなぁなんて思ってましたが、ラスト、麗奈ちゃん演じる女性の気持ちの高ぶりと一緒に一青窈の音楽で盛り上がり、実に爽やかな映画でした。淡々と描かれてますが、内容はかなり閉塞感ある話。どんなラストになるだろうと思っていたら、富司純子の登場で画面に、一気に光が指します。この二人の男女の恋の行方ははっきり描かれてませんが、とても幸福な映画です。藤沢周平さんは良いですねぇ。彼の映画化された作品の中では有名な「蝉しぐれ」がちょっとマンガちっくで、自分的には「隠し剣」が好きなんですが、この作品も小品ながら、中々の佳作。麗奈ちゃんがとても綺麗でした。 [DVD(邦画)] 8点(2011-05-10 16:44:51)(良:1票) |
1593. トワイライトゾーン/超次元の体験
《ネタバレ》 この3話目ですよねぇ、おもちゃのような映画をもっと観たいって感性が生まれた瞬間って。丁度、高校生の頃ですよ。後はこんな人形特撮を求めて、映画を観まくるんですね。「スキャナーズ」とか「グレムリン」とか「スターウォーズ③」とか。今でも最近のCG特撮より好きです。ただこの映画、レンタル屋に置いてある様で置いてない。この街だけですかねぇ。図書館にありましたけどね。2話目は、面白くするのが難しいので、あえて総監督のスピルバーグが引き受けたんじゃないですか?自分にはそう思えて仕方ない。ここで出来なかったことを別の監督に「コクーン」を撮らせたんじゃないですか?友だちと話すと、この映画の中で評判が良いのが4話目。みんな面白いって言ってました。これ以降、ジョンリスゴーが次から次へと出演し始めるんですよね。良い役、悪役、ニューハーフ役。色々演じるんですよ。この映画の演技も良いですね。 [ビデオ(字幕)] 7点(2011-05-10 01:43:21) |
1594. 麦秋(1951)
《ネタバレ》 「晩春」と設定(鎌倉が舞台とか、出てくる俳優さんが同じとか)がそっくりで観始めた時は、あれぇなんて思いましたが、いやいや、実に味わい深い映画でした。当時の映画では普通だったのかもしれませんが、今、これを観ると、歯切れの良い会話の面白さ、子どもの仕草の面白さ(ズボンをしゃくりあげるとこや大人が話してる時ぐるぐる回ったり)、実に良い!この頃に戻りたい!と思うくらいの人々の情感の豊かさ。「晩春」でもそうでしたけど、結婚してる人たちの、結婚してない人への無神経さは実によく描かれてます。小津さんは結婚前の女性を描くのが巧いですね。原節子さん、素敵だわぁ。特に秋田弁を友だちと話すとこなんか、うわぁこりゃ素敵過ぎる、と思いました。でも現代の女性にもいると思います、こういう人。今は知的な晩婚の女性も多いし、何で今の映画はこういうの描かないんだろう?と思ったくらいです。 [ビデオ(邦画)] 8点(2011-05-08 15:44:42) |
1595. 晩春
《ネタバレ》 潔癖症の乙女の映画かと思いきや、実はハードボイルドな父親の深い愛の映画だった。会話が実に練れてて楽しい。熊太郎には笑った。また結婚した人たちの鈍感なところを実に杉村春子が嫌味なく演じている。最期の説教の場面を観てたら、少子化で娘がお嫁に行かない家の親御さんはこの映画を見せたらいいのでは、などと思った。 [ビデオ(邦画)] 9点(2011-05-07 19:47:40) |
1596. 運命の逆転
《ネタバレ》 死姦?その言葉で一気に退きました。後はもうこのおっさんは変態やな、と。もう感情移入は出来ないので、裁判の行方はどうでも良かったです。あとは演技合戦ですね。それにしてもグレンクローズの演技達者ぶりは凄みが増してきましたね。彼女自身、そんなに幸せではないんじゃないか?と思ったくらいです。だって回って来る役がこんなんばっかじゃないですか?「ガープの世界」「危険な情事」と女性として幸福な役って少ないですもんね。それにしても、この話。彼女の演じるこの奥さん、こんな気持ちの悪い男とはさっさと別れれば良いのに・・・。なぜ今でも結婚したままなのか、逆に不自然です。 [DVD(字幕)] 7点(2011-05-03 23:32:12) |
1597. レボリューション6
《ネタバレ》 ドイツの娯楽作って好きです。「バンディッツ」や「ランローララン」とか。この作品も良いですよね。青春モノの苦いスパイスも効いてて、刑務所からの強奪というテーマもさらりと描いて、満足いく作品です。もっと欧州から娯楽作品、配給したらどうかなんて思いますけどね。ハリウッドの娯楽作品は飽きました。自分的には苦い青春モンとして、音楽の使い方が巧いなぁと思いました。全員集合で一仕事して、またみんなと仲良くやろうよとモヒカンが言うのに、それがままならない時の彼の悲しさの表現。ショーウインドウを割って、のた打ち回る時のBGMの使い方の巧さ。知らない俳優でごっつい顔だけど、なんか同姓ですけど可愛いなんて思っちゃいました。なんで彼には、警察犬も言う事聞いたんでしょうかね? [ビデオ(字幕)] 8点(2011-05-03 19:22:24) |
1598. 13F
《ネタバレ》 面白い!1800年代と近未来を舞台にしているため、観終わっても面白いドンデン返しだったという感想がもてて、スッキリした感じになって良い。これがもしきわめてリアルな現代が二重構造の舞台だったら、鑑賞後、どういう感じになっただろうか?哲学的な映画になったろうと思う。 [DVD(字幕)] 8点(2011-05-03 16:57:17) |
1599. 再会の街/ブライトライツ・ビッグシティ
《ネタバレ》 主人公の廃人ぶりにほとんど感情移入できなかった。ただ作家志望の青年が堕ちていく過程が描かれているだけで、一体何が言いたいんだろうと思っていて、観てて辛かった。大体、朝6時までディスコで酒飲んだりしてたら、仕事はクビになるよ!しかもドラッグ漬けだし。最後、フィービー演じる冷たいモデルの一言で、つまんない女だって気づくのだ。そこでやっと立ち直る兆しがあって、ドラマは終わる。都会の朝って気持ちいいんだよね。ラストのBGMでやっとドラマに入っていけたら、これでジ・エンド。う~ん、もうちょっと描き様があったのでは?それにしてもサザーランドは親父そっくりの顔だね。マイケルは、最後のほうは何かゲーリーオールドマンみたいな表情になるし。案外、悪役に向いてる役者だったのかもしれない。 [ビデオ(字幕)] 6点(2011-05-01 08:53:24) |
1600. (500)日のサマー
《ネタバレ》 これは中々しょっぱい現実を描いた映画ではないでしょうか?よく分かります。二人の育った環境が違いますもん。こうなるでしょうよ。また建築から逃げてる、煮えきれぬ彼を見ていた彼女も、こういう選択をしたのは間違いではないと思います。映画って人生のどこを切り取ったかというもんだから、こういう映画があっても不思議じゃないですよね。で、優しいことに次の彼女をつかんだトコで映画は終り。う~ん、なんとも素敵な映画に仕上がってます。自分的には好きです、こういう映画。 [DVD(字幕)] 7点(2011-04-29 23:58:47) |