1781. ミツバチのささやき
スペイン映画を代表する名監督、ビクトル・エリセ監督の瑞々しい映像と美しい物語、そしてそれに応えるかのように素晴らしい演技を見せてくれた少女アナ・トレントの表情、そのつぶらな瞳は一度観たら絶対に忘れることは出来ません。この映画が私にとってのスペイン映画初体験です。この映画を観たのがきっかけでスペイン映画の良さを知り、その他のスペイン映画も観たくなりました。 [DVD(字幕)] 9点(2005-08-15 13:53:09) |
1782. 彼岸花
「ただいま」「おかえりやす」京都の言葉、つまり京言葉っていうやつです。これが本当に何とも良いなあ!そう思わせてくれます。小津作品全てに共通して言えることの一つに言葉の大切さ、家族の有り難さをしみじみと描くその雰囲気、いかにも日本的で観ていて何だか安心出来るのです。小津監督独自の人間の撮り方、これはカメラマンの力も大きいと思います。良い映画というのはそういうものだと小津監督の作品を観ることで、観れば観るほど思う今日この頃です。 [ビデオ(字幕)] 8点(2005-08-14 21:25:27) |
1783. リバー・ランズ・スルー・イット
アメリカはモンタナの美しい風景とそして、そこに描かれている父と2人の息子、一人はエリート、そして、もう一人は全くといって良い程の無頼な弟、そんな3人の物語を壮大な大自然と美しい親子の物語として描いたこの作品、1990年代のアメリカ映画の中でも上位に入る素晴らしい作品だと思います。何しろこの作品、釣りのシーンの息を呑むほどの美しい映像、それが観たくて三回も映画館に足を運んでしまいました。とにかくその位、本当に美しい作品です。近年、やたらめまぐるしいSFXとうるさい音楽をがんがん流す作品が多いアメリカ映画に対し、かなり失望している中でのこの映画の持っている雰囲気はとても良いものがあります。監督のロバート・レッドフォードが監督として一流だということを証明した作品としても評価したいと思います。 [映画館(字幕)] 9点(2005-08-14 13:51:44)(良:1票) |
1784. 野菊の如き君なりき(1955)
「二十四の瞳」と並ぶ木下恵介監督の代表的傑作の一本で、これまた画面全体を包み込むその美しい映像、美しい風景、本当にため息が出るほどの美しさです。卵型で白く縁取った画面、いつまでも続く効果的な長回しによる撮影、構図の素晴らしさ、どれを取っても間違いなく一級品で木下恵介監督らしいその愛情たっぷりな人間ドラマとしてこれまた素晴らしくいつまでも心に残る。ヒロインを演じた有田紀子の輝き、そして脇を固める俳優陣、笠智衆に杉村春子の相変わらずの存在感といい名作の名に相応しい作品です。 [ビデオ(字幕)] 9点(2005-08-13 19:16:13)(良:1票) |
1785. 反逆児(1961)
徳川信康演じる中村錦之助の演技とクライマックスの切腹のシーン、更に美術的にも格調高い作品です。ただ、期待しすぎたのかな?期待したほどの凄い作品だとは感じませんでした。しかし、それでも観るべきところは結構あったし、現代の時代劇よりはずっと良いし、伊藤大輔て監督の他の作品はまだ観たことないので、今度は他のも観て見比べてみようと思ったりしました。 [ビデオ(字幕)] 6点(2005-08-12 23:09:23) |
1786. 私は貝になりたい(1959)
戦後の民主主義における社会について、丁寧に且つ力強く描くことによって、観ていて物凄く考えさせられたと共に観終わった後、フランキー堺の好演もあって何とも胸に迫る思いで一度観ただけでいつまでも心に残る。床屋を営む普通の人が何故?こんな酷い目にならなきゃならんのだという気持ちになりました。それにしてもフランキー堺の演技は本当に素晴らしい!好き嫌いは別として一度は観ておいて損のない作品だと思います。 [ビデオ(字幕)] 8点(2005-08-12 22:56:13) |
1787. 男はつらいよ 寅次郎恋歌
《ネタバレ》 男はつらいよシリーズ第8作目のこの作品、私のお気に入りの一本です。この作品が最後の作品となってしまった初代おいちゃん、森川信さんの相変わらずの上手さ、絶妙なまでの演技、全てが本当に傑作です。おいちゃんと言って真っ先に名前が挙がるのがこの作品が最後のおいちゃんとなってしまった森川信さん、寅さんファンならおいちゃんと言えば森川信とこう答えると思います。そんな森川信さんの最後のおいちゃんの雄姿を眼に焼き付けたい。森川信さんのおいちゃんはやはり最高です。寅さんと本気になって喧嘩を出来たおいちゃんは森川信さんだけだと思います。そんな森川信さんのおいちゃんの「まくら~さくらとってくれ~」や「ばかだねえ、まったく」を最後に聞くことが出来るのは後にも先にもこの作品です。あの名フレーズが今回で最後だなんて本当に寂しい。もう、しつこく言うけれど、森川信さんがもっともっと長生きしていたらこのシリーズ、より素晴らしいシリーズとなったことは間違いない訳で、もっともっと森川信さんのおいちゃんが見たかった。本当に残念であるとしか言いようがない。そして、もう一人、博のお父さんを演じている黒澤監督作品の常連で名優の志村喬さんの演技も素晴らしい!寅さんにりんどうの話をしみじみと聞かせるシーン、そして、その話を聞いた寅さんが茶の間でみんなに聞かせるシーン、その時のおいちゃんとおばちゃんの絶妙なまでの突っ込み、それを切り返す寅さんどれも本当に素晴らしいです。マドンナ役の池内淳子さんと寅さんの会話も素晴らしく日本人的な味わいたっぷりの寅さんシリーズの中でも傑作の一つとして外すことの出来ない素晴らしい作品です。 [映画館(邦画)] 9点(2005-08-11 22:21:31)(良:3票) |
1788. お早よう
小津監督による何とも微笑ましい喜劇の秀作です。この映画を観て思った。やっぱり小津監督の作る世界、描く世界は日本人ならではの面白さが画面いっぱいに伝わる。小津ファミリーとでも言うべき俳優陣、特に杉村春子の相変わらずの上手さ、頭が下がります。東京物語や晩春などといった傑作には叶わないと思うものの、これはこれでまたとても観ていて微笑ましい気持ちにしてくれる何とも味わいのある映画だ! [ビデオ(字幕)] 8点(2005-08-11 22:11:11) |
1789. 宮本武蔵(1961)
吉川英治の原作「宮本武蔵」に関する話は映画、その他テレビドラマでも幾つか作られているが、この作品が一番だと思う。何しろ役者が良い。中村錦之助に三国連太郎、2人の演技の素晴らしさ、存在感、そんな作品を重厚な作品に仕上げた内田吐夢監督の演出も見事!内田監督によるこのシリーズ、残りの四本、全部観たくなりました。 [ビデオ(字幕)] 8点(2005-08-10 22:15:46)(良:1票) |
1790. 穴(1957)
またしても面白い映画、見つけ!この映画、面白いです。タイトルは穴ですけど、穴てよりワナて感じの作品で、人が人を陥れる様子をテンポよく描いていて面白い! [ビデオ(字幕)] 8点(2005-08-08 22:52:38) |
1791. スピード(1994)
タイトル通りスピード感たっぷりで面白かったけど、どっかで見た設定なのとキアヌ・リーブスに魅力が感じられないのはマイナスです。 [映画館(字幕)] 7点(2005-08-07 21:15:34) |
1792. 近松物語
「雨月物語」に続くこれが溝口作品、2本目の体験です。ようやくこの美しい映画を観ることが出来ました。もっと早くに借りてきて観るべきでした。何という美しい映画だ!もう、その美しさときたらまるで水墨画でも観ているかのようなため息の出る程の美しさです。一つ一つのシーンのモノクロならではの美しさ、(この映像の美しさの前にはどんなお金をかけて、物凄いCGを駆使しようが絶対に勝てません。)そんな見事なまでの映像美とそして何とも哀愁漂う雰囲気の物語、全てが本当に美しく、これぞ正しく日本映画の良かった頃の芸術品、まるで美術品を観に美術館へでも出かけているような感覚になりました。これ程美しい映画を観たことはないです。そんな溝口監督と日本映画が誇る最高の名カメラマン、宮川一夫撮影監督の二人の強力タッグによって撮られたそんな素晴らしい映画です。何だかまた他の溝口監督の作品も観たくなりました。今度は何を借りてこようかなあ? [ビデオ(字幕)] 9点(2005-08-07 18:10:26)(良:2票) |
1793. 血槍富士
内田吐夢監督「飢餓海峡」に続くこれが2本目のチャレンジ!なんと言うのかなあ?片岡千恵蔵が予想と違った。勿論、良い意味で、何ともコミカルで痛快な時代劇なんだけど、ロードムービーぽくて、それでもってここぞという時の殺陣のシーンでの迫力、圧倒されました。ただ、物凄い面白かったかというとそうでもなく、けど、嫌いではないし、楽しむことは出来たので7点てことで、内田吐夢監督の他の作品も観てみたいと思いました。 [ビデオ(字幕)] 7点(2005-08-06 20:40:06) |
1794. 沓掛時次郎 遊侠一匹
《ネタバレ》 中村錦之助と渥美清の競演というだけで観たくて借りてきました。オープニングから笑わせてもらいました。何だか寅さん観ているような感覚になりました。渥美清演じる朝吉、寅さんにチョンマゲ付けて、侍の格好にしたようなこの人物、本当に寅さんそのまんまです。そんな渥美清演じる朝吉が中村錦之助演じる時次郎の事を兄貴!と言う姿は何だかまるで寅さんシリーズの中の佐藤蛾次郎演じる源公が寅さんの事を兄貴!て呼んでいるみたいで何とも可笑しかったです。ただ、そんな渥美清演じる朝吉があまりにも早く死んでしまい、残念でした。中村錦之助は貫禄十分で見せてくれてるものの、内容的には苦手なタイプの映画でした。それでも結構、面白かったので7点! [ビデオ(字幕)] 7点(2005-08-06 13:59:28) |
1795. クレヨンしんちゃん 電撃!ブタのヒヅメ大作戦
《ネタバレ》 これ、好き過ぎて何度も見てしまう。何故ならしんちゃん映画の中で一番大好きなぶりぶりざえもんがある意味、主役であるしんちゃんを食ってしまうぐらいの輝きを放っているからである。しんちゃんの為に、またしんちゃんの仲間達の為に自ら姿を消してしまう場面はもう涙無くして見れません。この映画に好きな理由、理屈なんかないのだ。ただただぶりぶりざえもんが大好きなだけ。愛しのぶりぶりざえもん!フォーエバー!こんな素晴らしい愛すべきキャラクターを考え出して生み出してくれたしんちゃんと全ての関係者にただただありがとうございます!という気持ちでいっぱいです。 [DVD(字幕)] 10点(2005-08-05 23:39:03) |
1796. クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲
《ネタバレ》 まず最初に言っておきたいことがある。これだけはどうしても言わずにはいられない。世の中の大人達、PTAをはじめとする大人達に子供に一番見せたくないアニメに選ばれたこのアニメ、その映画の中でも最高の作品であるこの映画を見もせずにこれは駄目だと言うのは間違っている。この映画を見ればその考えは変わるはずである。たかがアニメ、クレヨンしんちゃんだからって侮るなかれ!この映画は野原しんのすけという一人の少年、しかも、五歳児の眼を通して仲間との友情、家族との絆の大切さ、未来へ向けてのメッセージ、その全てを笑いと涙で完璧に描き切っている所が凄いところである。前半の過去の思い出に帰ってしまっている大人達を何とかしたいと春日部防衛隊の仲間達、メンバー全員で力を合わせる姿、例のバスの運転シーンにおけるスピード感たっぷりのアクション、しんちゃんたちの頑張りに子供達は大喜びし、大人達も「頑張れ」と応援したくなる。後半の特にあの東京タワーの階段を歯を食い縛って駆け上るしんちゃん、最後にしんちゃんが「早く大人になって、お姉さんみたいな人といっぱいお付きあいしたいから」だから大人になりたいと願うその姿に涙なくして見れない。これは子供と大人のお互いの未来に向けての素晴らしいメッセージを持った感動作品である。文句なしの満点!この映画こそしんちゃんを毛嫌いしている大人達に見て欲しい。これを見れば何故、クレヨンしんちゃんがここまで愛されているのか解るはずです。 [DVD(字幕)] 10点(2005-08-05 23:31:23)(良:2票) |
1797. クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦
《ネタバレ》 「モーレツ!オトナ帝国の逆襲」と並ぶしんちゃん映画の中でも名作中の名作である。ここでもまたしんちゃんは相変わらずのギャグで笑わせ、そして、大いに泣かさせてくれる。野原一家の家族の団結力の素晴らしさと一方でしんちゃんが出逢う二人の大人の恋物語、それもやたらめったら好きだとは声に出さない大人の恋の物語としての泣かせ方の上手さ、青空侍、おまたのおじさんと簾ちゃんとの恋の刹那さ、色んなものがこの映画を単なるギャグアニメの枠に収まらない素晴らしい作品に仕上げている。しんちゃん映画の醍醐味、笑い、感動、全てがこの映画の中に見える。これもまた素晴らしい名作である。しんちゃんを馬鹿にして見ようともしない人達、特に大人に見て欲しい。そして、家族の素晴らしさを知って欲しい。しんちゃんだからってけして、馬鹿にして欲しくない。正しく見終わった後に「アッパレ!」と叫びたくなるぐらいの名作です。 [DVD(字幕)] 10点(2005-08-05 23:17:42)(良:1票) |
1798. 恋におちたシェイクスピア
シェイクスピアものの映画って、何だかあまりにも堅苦しいイメージが自分の中にあって、本来ならこの手の作品は観ないものが、何故か観てしまいました。で、もって観て良かった。そう思える不思議な映画です。前評判の高さに釣られた観たのだろうが、これはアカデミー賞受賞も納得です。けして、芸術だけの作品ではない、娯楽映画としても十分楽しめるし、それに何と言ってもグウィネス・パルトロウの魅力に尽きると思います。 [DVD(字幕)] 8点(2005-08-04 22:27:12) |
1799. ガープの世界
《ネタバレ》 一歩間違えれば、とんでもない作品になっていたと思える。そんな内容だが、そこは監督がジョージ・ロイ・ヒルていうだけあって、なかなかの作品になってます。それと、やっぱり主演のロビン・ウィリアムズの笑顔が印象的で、暗くなりがちな作品を微笑ましい作品にしている。ビートルズの音楽と共に赤ん坊が笑いながら宙を舞う、オープニングは一度観たら絶対に忘れられない程の強烈な印象を残します。 [ビデオ(字幕)] 7点(2005-08-04 22:16:31) |
1800. 顔(1999)
これ、良いです。役者が何と言っても良いです。特に藤山直美、凄い。さすがは名優、藤山寛美の娘だけのことはあると思える。本当に素晴らしい演技しています。そんな藤山直美という女優の魅力を十分に引き出した阪本順治監督の手腕もお見事です。個人的には「どついたるねん」と同じぐらい好きな作品です。この年のキネマ旬報での日本映画部門第1位も納得の出来栄え、単なるサスペンスとしてでなく、社会派の映画としても見応え十分の力作だと思います。 [DVD(字幕)] 8点(2005-08-03 22:32:14)(良:1票) |