1781. スパイダーマン(2002)
《ネタバレ》 それまで、一部にはカルト的な人気を誇っていたけれどいまいち売れていなかったサム・ライミ監督を一気にメジャーに押し上げた記念碑的大ヒット作。あのドロドログチョグチョのとても家族では観られない「死霊のはらわた」でデビューしたサム・ライミが、こんなにもビックネームになるなんてほんと感慨深い。そして内容は、もちろんそのCGを多用した迫力のアクションシーンの数々もさすがなんだけど、やはり見所はMJでしょう。あっちへふらふら、こっちへふらふら、まるでそこらの街灯へと引き寄せられる夏の夜の蛾のように、色んな男たちを渡り歩くMJ…。こんなにも世の女性の反感を買ったヒロインは初めてじゃないでしょーか。最後にそんなMJをようやくフッたスパイダーマンに、グリーンゴブリンを倒したときよりも大きな拍手を贈りたくなっちゃいます(笑)。 [DVD(字幕)] 7点(2012-09-23 16:12:03) |
1782. 死霊のはらわた(1981)
《ネタバレ》 人里離れたロッジに迷い込んだ若者たち。そこにあった伝説の魔道書に書かれてあった呪文を不用意にも唱えてしまったことから、彼らは想像を絶するホラー&スプラッタ&ギャグ描写が嵐のように巻き起こる死霊たちの宴へと引き摺り込まれてゆく――。今では大物となってしまったサム・ライミ監督の伝説のデビュー作は、いま観てもその魅力はなんら衰えていません。徹底的に怖い映画を撮ろうとして、恐らく監督自身も意識していなかったであろう〝笑い〟の要素が何故だか描出されてしまったところに若き日のサム・ライミの才気が光っています。死霊に取り憑かれ、いつゾンビと化すかも知れなくなってしまった愛する女性を電気のこぎりでバラバラにしようとするものの、長い煩悶の果てに結局出来なかった主人公が、次の瞬間には躊躇なくスコップで首チョンバしちゃうという、凡人の発想を遥かに超えた唯一無二のグログロ世界に僕たち観客を誘ってくれます。他にも、森で触手プレイされちゃうヒロインとか地下室に閉じ込められたゾンビがまるで「頑張れ~!」と仲間のゾンビを応援するかのように扉をガッチャンガッチャンするシーンだとか、その後に量産される似たようなスプラッタホラーには到底到達できないだろう、恐怖と笑いが絶妙にブレンドされた名シーンの数々にはあらためて最大級の賛辞を贈りたいと思います。うん、やっぱこれ、凄いっすよ! [DVD(字幕)] 9点(2012-09-23 15:54:59) |
1783. 5デイズ
《ネタバレ》 社会派戦争ドラマにしたいのか、それともエンタメアクション映画にしたかったのか、軸がぶれぶれではっきり言ってつまらない。実話を基にして戦場の真実を描くのであれば、ミサイルで崩壊するビルをバックに堂々と歩き続ける主人公という一昔まえのアクション映画のようなベタな画は使っちゃ駄目でしょう。それに主要登場人物がみんなちゃっかり都合よく生き残るのも、実際に戦場にいた人々からしたら噴飯ものだろうし。そして、何よりも最後実際に戦場を生き延びてきた人々のインタヴューが延々と流されるのも、なんだか批判かわしの言い訳のように思えてならない。 [DVD(字幕)] 4点(2012-09-23 15:36:35) |
1784. アリス・クリードの失踪
《ネタバレ》 主演俳優は三人のみ、舞台はずっとどこかの室内、新鋭監督がただ面白い映画を撮りたいという情熱のみを武器に低予算で撮った作品。売り文句にもあるとおり、今では大作映画を手がけている売れっ子監督もかつてはこのような作品でデビューを果たしている。確かに冒頭から始まる無駄な描写を徹底的に排除したスピード感溢れる展開には息を呑む。それに三者三様の愛憎絡み合う遣り取りには惹きつけられる。確かに面白くはあるけれど、上記の監督たちの作品(レザボアドックスやメメント、あるいはバウンドなど)と比べるとなんだか新しさに欠けるような気がしてならない。新人なんだから、もっと冒険してほしかった。 [DVD(字幕)] 6点(2012-09-20 15:12:56) |
1785. バンク・ジョブ
《ネタバレ》 手馴れた手腕が光る、良く出来たクライム・サスペンス。実話を基にしながら、ちゃんとエンターテイメントとして肩肘張らずに最後まで楽しめる。主役を始め、いかにも英国の俳優然としたキャストも良い味出している。ただ、やはり新しさはないので面白くはあるけどあまり印象に残らないところが弱点かな。 [DVD(字幕)] 6点(2012-09-20 15:01:13) |
1786. モンスターズ/地球外生命体
《ネタバレ》 そもそもタイトルの付け方を間違った作品。「モンスターズ」なんてタイトルを付けられたら、どれだけ低予算な映画だとしても、やはりエイリアンとの逃走劇のようなものを期待してしまうのに、その内容は駄目男と我が儘女のどこにでもあるロードムービー。肝心の〝モンスター〟はほとんど出てこず、しかもそのフォルムはかなり古臭いタコ星人もどき。恋愛映画をメインにエイリアンを取り入れた映画として観ても、その出来はあまりにも酷いと言わざるを得ない。 [DVD(字幕)] 3点(2012-09-20 14:53:38) |
1787. 4デイズ
《ネタバレ》 ついレニー・ハーリンの撮った映画だと勘違いして観ていたのだけど、途中からその重厚な人間ドラマに、自分の勘違いだったとすぐに気づいた。この映画、そうとうに深く面白い。正義とはなにか? 多くの人の命を救うためなら子供を拷問にかけても良いのか? そんな深甚なテーマを客観的に扱いながら、あくまでエンターテイメントとして枠組みを外していないのは相当な技量だと思う。ずっと密室のなかだけで続く話なだけに、役者陣にも相当の演技力が必要とされるが、みんなその要求に応える素晴らしい力演だった。本当に拾い物。次作が待たれる期待の新鋭監督に出会えた。 [DVD(字幕)] 7点(2012-09-09 20:08:12) |
1788. レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで
《ネタバレ》 この監督、ずっと嫌いな監督だったんだけど、この映画は見事なくらい〝嫌な〟映画。わざと観ている人間を不愉快にさせているような演出が冒頭から最後まで徹底的に繰り返される。あの超有名な大恋愛映画で、永遠の愛を誓いながら海に沈んでいった俳優とそれを涙ながらに見送った俳優をキャストに向かえ、それを見事に引っくり返したような延々と続く夫婦の泥沼の愛憎劇。それがラース・フォン・トリアー監督みたいに、とことん突き抜けてそれが芸になっているというでもなく、「どう?シニカルで芸術的でしょ?」と言わんばかりの上から目線がとにかく不愉快。 [DVD(字幕)] 5点(2012-09-06 20:17:40) |
1789. エンジェル ウォーズ
《ネタバレ》 あの、奇才ザック・スナイダーが原点回帰して撮ったかのような、もう映画なんだからこの独自の世界観に酔いしれてください(分かる人だけ笑)と言わんばかりの〝少女の妄想力〟全開映画。良いですね、この徹底的に我が道をいく監督の姿勢、僕は好きです。残酷な義父に母と妹を殺され、挙句の果てに精神病院に入れられた主人公ベイビードール。そして、その病院は常駐する医者も訪ねてくる議員も料理場のコックも、みんな揃いも揃って酷い悪人or変態ばかり。仲間となった少女たちと共に、ベイビードールは得意のダンスと、そして中2病爆発な妄想力とを武器に、そんな世界から脱出しようと図るのだった!もしかしたらこれは大傑作になるぞっとワクワクしながら観てたのだけど、残念なのは最後の試練、さすがに息切れしたのか、予算の都合なのか、ここもちゃんとしっかり妄想で描いて欲しかった。惜しい。でも、やっぱり僕はこの監督のセンスが大好きなので甘めに9点! [DVD(字幕)] 9点(2012-09-06 20:00:19) |
1790. ガフールの伝説
《ネタバレ》 あの奇才ザック・スナイダー監督が初めて挑んだ、ファミリー向けファンタジー映画。所々にこの監督ならではの映像センスを感じるけど、ちょっとその才気が十分に活かしきれていないような印象が残った。やはり、この監督のセンスは(色々と制約のある)大衆受けするようなエンタメ作品には合わないんだって。それでも最後まで飽きずに観れるところはさすがです! [DVD(字幕)] 6点(2012-09-06 19:47:19) |
1791. ウォッチメン
《ネタバレ》 これまで、徹底的にこだわり抜いた映像センス溢れる映画ばかり撮ってきたザック・スナイダー監督が、とうとう自分の本当に撮りたかった作品を創りあげたという印象だった。これまではっきり言ってストーリーに意味なんかない映画ばかりだっただけに、今回はそのイメージを覆すかのような深い世界観に素直に圧倒されました。正義と悪の境目はいったい何処にあるのだろう、と各々に苦悩する個性豊かなヒーローたち。濃縮こってりスープのような濃ゆい映像美で描き出される、唯一無比のダークな世界。さすがにちょっと付いていけないところもあったけどね(笑)。ロールシャッハの暗い闇を纏った格好良さと、フリチン黄金男の巨根がいつまでも忘れられない。 [DVD(字幕)] 8点(2012-09-06 19:37:01) |
1792. 300 <スリーハンドレッド>
《ネタバレ》 この映画、確かに中身がない。史実を基にしたと言いながら、はなからリアリティとは無縁のストーリー展開に、あり得ないような漫画みたいなアクションシーンの数々(アメコミが原作だから当然かもだが)。それでも、この超が幾つも付くぐらいのスーパーマッチョな男たちが、その煮え滾るような男汁を無尽蔵に周囲に撒き散らしながら、スクリーン狭しと暴れまくる姿を暑苦しいまでに映像化してみせた、監督のその中2病的情熱に意味を見出さずにはいられない。やっぱり、どんなくだらないことでも、信念を持ってとことんまで極めれば、もしかしたら素晴らしいものが仕上がるかもしれないという、奇跡のようなお馬鹿映画の傑作だろう、これは。 普通の映画監督が撮っていれば、目も当てられないくらい酷いものになっていたであろう。ザック・スナイダー、大した奴だ。 [DVD(字幕)] 9点(2012-09-06 19:27:25) |
1793. ドーン・オブ・ザ・デッド
《ネタバレ》 いままで数多く創られたゾンビ映画への愛に満ち溢れた良作。もうひたすら生き残った人間を物量作戦で徹底的に追い詰めていくゾンビたちの恐怖に痺れます。そんな極限状況下でショッピングモールに逃げ込んだはずなのに、主人公たちは開き直ったように屋上からゾンビハンティングで暇潰し……、この乾いたユーモアセンスが抜群です。最後の、いままでの鬱憤を晴らすかのように武装バスでゾンビたちを切り刻みながら逃げ出す主人公たちの姿は爽快でした。でも、エンドロールに流れる映像はちょっと蛇足だったかな。 [DVD(字幕)] 7点(2012-09-06 19:12:29) |
1794. アウトレイジ(2010)
《ネタバレ》 北野武の映画って、個人的に苦手だったのだけど、これはけっこう観ていられた(それでもその〝イタイ〟暴力描写は、やっぱり自分には合わなかったけれど)。どうしようもないヤクザ者たちの暴力の応酬が、次第にエスカレートしていって、最後はほとんどの登場人物たちが自滅していく姿を、独特のドライな映像で描く。なんだか花村萬月のある種の小説の世界を思い出してしまった。 [DVD(字幕)] 6点(2012-09-06 18:58:52) |
1795. カウボーイ&エイリアン
《ネタバレ》 正直、面白くなかった。西部劇の世界にエイリアン襲来という単なる一発アイデアのみで企画を進めたのか、脚本に穴だらけ。だいたい本拠地である宇宙船に登られてダイナマイトを爆発させられるまで気付かないエイリアンてどれだけ間抜けなんだ!それならそれで、とことんお馬鹿なB級映画にしてやろうというなら分かるけれど、それもなし。無駄に豪華な俳優陣が勿体なかったなぁ、という感想しか浮かんでこない。 [DVD(字幕)] 3点(2012-09-06 18:48:49) |
1796. コララインとボタンの魔女
《ネタバレ》 ティム・バートンが大好きな自分としては、この映画かなりツボです。夢見がちな少女が迷い込む、悪夢のようなそれでいてどこか懐かしいメルヘン描写が素晴らしい。実際、これ子供が観たらトラウマになりそうな描写がてんこ盛りだけど、それでも目がボタンになった両親の、現実とは違ってすごく優しいのになぜかぞくぞくするような不気味さがあるところなど、良い意味で僕の感覚を刺激してくれました。またいつか観てみたい。あと、太った双子のおばさんのブサ可愛いところもなかなか魅力的。 [DVD(字幕)] 9点(2012-08-27 20:25:10) |
1797. 誰も知らない(2004)
《ネタバレ》 確かに、子供たちの(日本の本当に下手な子役が多いなか)自然な演技は素晴らしいし、悲惨な話なのに、その優れた映像感覚で最後までちゃんと観ていられるところも評価したいのだけど、それでも個人的にはちょっとずるい映画だと思わざるを得ない。後で調べたところによると、実際の事件の少年はこんなに優しい人間では毛頭なかった。ここまで事実を曲げて描くのであれば、やはり冒頭に「この映画は実際にあった事件をモチーフにしている」というのは、ちょっと言い訳がましく聞こえてしまう。監督は完全フィクションとして勝負すべきだったと、映画の内容が良かっただけに残念に思ってしまった。 [DVD(字幕)] 5点(2012-08-27 20:02:27) |
1798. パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド
《ネタバレ》 さすがに三部作として、話を大きくしてしまい過ぎたのか、ストーリーの色んなところが破綻しております。でも、個人的にこの監督の明るい映像感覚と、乾いたユーモアセンスが好きなので、ちょっと甘めかもとも思うけどこの点数。船が大爆発する、いかにもお金がかかってますという最後のほうのシーンと、エンドロールが終わった後に始まる「もう何年も我慢しとって、めちゃ溜まってるんじゃぁ」という、オーランド・ブルームの表情が好き。 [DVD(字幕)] 7点(2012-08-27 19:49:48) |
1799. ニコラス・ケイジの ウェザーマン
《ネタバレ》 けっこうな閉塞状況にいると(個人的は)思える主人公なのに、その独特なユーモア感覚で最後まで明るく観れるというこの監督らしい作品だった。どうしようもない状況に陥った駄目男が、この状況を打ち破るためにアーチェリーの矢を構えるところはもっと悲惨な描写になっても良いはずなのに、そうはならず、最後まで軽妙な作風を維持するところが観ていて楽しい。最近、借金まみれで駄作にばかり出ているニコラス・ケイジに、スポンジボブがいつだって見守っていてくれているよって(余計なお世話だろうけど)言ってあげたい。 [DVD(字幕)] 6点(2012-08-27 19:41:05) |
1800. パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち
《ネタバレ》 子供から大人まで、わくわくドキドキ出来る冒険活劇を作ろうというスタッフたちの熱意が見事に結実したエンタメ作品。一直線な正義感と情熱を持った王道をいくハンサムな主人公と、男勝りでお転婆なヒロイン、そして月光を浴びると恐ろしいグロテスクな骸骨と化してしまう呪われた海賊たち。ともすれば、あまりにも王道過ぎて平板な作品になりそうなものなのに、そんな作品世界にいちいち茶々を入れるように現れるジャック・スパロウ(ジョニー・デップの相変わらずの怪演が良い感じ)の存在が作品に良いアクセントを加えている。そして、海賊たちのあと一歩で不快感の方が勝りそうになるグロテスクな造形(個人的には、勝っていても好きだけど)が、ぎりぎりのところでコメディタッチに収まっているその絶妙のバランス感覚も見事だわ。これがこの監督のセンスなんだろうね。そしていかにもお金かかってますよって感じで盛り上がっていくクライマックスに否応なくテンションが上がる躍動感溢れる音楽。いやー、やっぱり良いよ、これ。僕の中で「エンタメ映画はこうでなくっちゃ」という見本のような作品っす。まあ、子供向けに過ぎるってトコもあるけれど、そこはご愛嬌で。 [DVD(字幕)] 8点(2012-08-27 19:31:50)(良:1票) |