1. さすらいのカウボーイ
《ネタバレ》 この映画のテンポと音楽と映像美。ついつい見入ってしまった。思わぬひろいものでした。 オープニングでヒーリングにさえとれそうなBGMといっしょに靄のかかったような川で裸で水浴びする若い男のシーンは、やはりヒーリングっぽいBGMとともに女学生たちのシャワーシーンではじまるシシ―スペッーシックの「キャリー」と同じく、どんな映画になるのか引き込まれました。 ラストで奥さんと子供を置いて、友人を助けに向かったあげく銃弾をうけ友人の腕なのかで「抱いてくれ」と言いうながら死んでいくシーン、腐女子の人が喜びそうな映画だなあと思ってしまった。思わずウホッって感じです。 [地上波(字幕)] 7点(2021-05-03 22:11:08) |
2. 惑星ソラリス
《ネタバレ》 地上のシーンと宇宙船の中のシーンの切り替えが見事で気が付くと不思議な郷愁を覚えてしまいます。 ストーリーは今に至る王道中の王道。 死んでしまったはずの愛していた人の記憶と肉体を他の生命体がコピーして作り出し生きていた時と同じように目の前に現れたら、それを偽物として拒否することができるだろうか。たとえ偽物だとしてもそれが幸せならいいと思ってしまうのだろうかという宗教観さえかじられる話です。 「鉄腕アトム」で死んでしまった息子トビオそっくりにアトムを作り出した天馬博士が最初はアトムと一緒で幸せだったのに、ロボットゆえに成長しないアトムに「お前はトビオじゃない」と冷たく当たるシーンがあります。 ソラリスの生命体のように記憶を重ねて成長していくとしたら現実に戻るより、偽物世界を選んでしまうのではと思うこともあります。 [DVD(字幕)] 6点(2019-10-20 06:10:41) |
3. 家族の肖像
感情移入ができない映画でした。 ヴィスコンティの映画と相性がわるいだけかもしれないけど、彼の描く退廃には映像的にはいいかもしれなけれどストーリー的にはほとんど魅力を感じられません。 主役にバート・ランカスター、加えてドミニク・サンダ、クラウディア・カルディナーレ、シルヴァーナ・マンガーノとすごい女優を3人も起用していているのに楽しめなかったです。 [DVD(字幕)] 4点(2019-10-20 05:14:54) |
4. ハロルドとモード 少年は虹を渡る
映画には面白かったけど好きじゃ無かったり、それほど面白いと思えないのに好きだったり、人を好きになるのと似ています。 この映画は面白さもあまり感じず好きにもなれない映画でした。 カルト映画としてなかなか見ることが出来ない映画でした。動画サイトに登録してやっとみられることが出来たけど見なくてもよかった映画でした。 自分ならではの価値観のある人たちがいろいろでてきて、主人公の母親、主人公の3人目のお見合い相手など、脇役のキャラは確信犯的な楽しさがあるから、もっと見ていたいと思えるのに、主人公のふたりのわがままは苦手なわがままでした。 年齢差のある男女の心の結びつき、もっと面白く楽しく描けるのではと思ってしまいました。 最低映画と言われている「死霊の盆踊り」の方が、まだ変なもの見ちゃった的な楽しさがあるだけまし。 わき役たちの楽しさで2点。キャット・スティーブンスの曲も、この時代の彼の曲としては出来がいいとは思えなかったです。 [インターネット(字幕)] 2点(2016-12-16 09:17:22) |
5. 夜明けのマルジュ
シルヴィア・クリステルが人気絶頂期の映画ですが、ジョー・ダレッサンドロのヌードも必要以上に多かったです。ストーリーはおまけみたいな70年代のおしゃれ映画。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2008-11-16 13:03:56) |
6. アルカトラズからの脱出
何十年も前に見ましたが手に汗握るという感じではなく頑張っているなあという感想でした。その後の「ミッドナイトエクスプレス」の方が緊張感もあり、「プリズンブレイク」の方が娯楽性があります。 [映画館(字幕)] 5点(2008-08-31 22:17:58) |
7. ピンチクリフ・グランプリ
《ネタバレ》 小さい町の山の上であまり繁盛していない自転車修理をしながら2匹の動物と暮らすおじいさんなんて、最高に好きなシチュエーションです。おまけに映像がきれいで夜の山のシーンや、山の上でおじいさんがぼんやりする後ろ姿など何度も映像をとめたくなるくらい美しかったです。これだけだったら10点なのですが、ストーリーがだめで「チキチキマシーン猛レース」から面白さを抜いたような内容でした。とても残念です。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2008-05-07 00:14:57) |
8. おもいでの夏
《ネタバレ》 悲しい性体験は、いつまでたっても悲しいままの記憶で残ってしまいます。この映画とジョセフ・ロージーの「恋」は、いきなり子供の世界からつきおとされて大人になってしまう絶望感を感じます。賑やかにはじまるストーリーに不安な美しさをかぶせたミシェル・ルグランの音楽が秀逸です。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2008-02-29 23:01:48) |
9. ある結婚の風景
《ネタバレ》 シビアな話でした。結婚して時を重ねて、自分はどんどん年をとっていくのに、自分の結婚、人生はこれでいいのだろうかと迷うのは、ごく自然なことであり、迷わない人よりも幸せを知っている気がします。それでも現実の問題としては、年をとる前に別の人生があるかもと考えてしまう。それを倦怠期と呼ぶのかも知れませんが、ここまでリアルに見せられると圧巻として言えません。世の中、自分が一番に望んだ人としか結ばれないとしたら、結婚する人は激減するであろうし、だからこそ多くの結婚が妥協の産物です。結婚後に悩むか悩まないかは結婚をゴールに決めているか、いないかの違いであり、結婚をゴールに決めて、やっとゴールにたどりつけた人は、たとえ妥協で選んだ相手でも、愛が無くても、離婚したら次がないから、自分からは離婚しないような気がします。この映画を見ていて結婚生活に立ち向かう勇気と苦しみは、不幸なのかも知れないけれど、立ち向かえない人の不幸よりは恵まれていると思いました。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2008-01-03 03:57:33) |
10. 叫びとささやき
《ネタバレ》 最初の方でドールハウスの映像が丹念に映されますが、この三姉妹そのものがドールはウスの住人のようでした。はじまってすぐに赤のイメージと同じトーンの明るさで映画は流れていきますが、ラスト、死んだ二女の日記の回想で自然光の中の艶やかな黄色の場面で映画は終わります。何をしてどう生きて、どのように悩んだとしても、行きつくところは死だけ、そんな不思議な安らぎを感じました。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2007-12-10 07:06:29) |
11. Mr.レディMr.マダム
バードケージを先に見てしまいましたが、こちらも面白かったです。普通にすればするほど笑われてしまうという性で喜劇と悲劇は紙一重です。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2007-10-03 10:05:36) |
12. 野良猫ロック セックス・ハンター
《ネタバレ》 デビューしたばかりのゴールデンハーフがでています。もちろん5人の時代です。それだけで5点。ナオン、やったぜセニュールなど、時代の言葉のオンパレード。変な潔癖感。藤竜也がインポの童貞チンピラ。安岡力也が暗い過去を背負った混血児。すごいです。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2007-07-19 04:06:43) |
13. 野良猫ロック ワイルド・ジャンボ
《ネタバレ》 時代がひしひしと伝わって来ました。カルビーのCM、無軌道な若者、和田アキ子(^_^;) 。こういうのがかっこいいという人が多かった時代の映画です。ストーリーよりも雰囲気を楽しめます。マジで地井武男がかっこいいです。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2007-07-19 04:02:53) |
14. 大いなる勇者
《ネタバレ》 全編を通じて静謐な映画でした。町を離れ山で生きるのは自分で選んだ行き方、それとは逆に流れのままに狂った女性の子供を引き取り、インディアンの妻をめとり、木を切り、家を造り、狩りをしてくらす。70年代初頭のベトナム疲れのアメリカが強く自然回帰を願っていた時代を思い出します。やはり流されるままに促されインディアンの聖域を汚して、復讐に妻と子供を殺され、それから復讐の復讐が静かに続いていきます。最後は許すことで終わるのですが、なんとなく宗教的な感じのする映画でした。美しい自然の風景、銃を抱えたまま凍っている男、土の中に埋められて頭だけだしている男など印象的な映像も多かったです。当時、良い音楽がたくさんあったので音楽がもう少し良ければと思いました。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2006-11-28 04:30:42) |
15. クィンテット/極寒の未来都市・死のゲーム
《ネタバレ》 近未来、地上は氷河におおわれて人類は死へのカウントダウンを迎えていた。アザラシ猟をしながら生活をしていたポールニューマンは、生き残った人々が集まっている町に来たのだが、そこは雑人ゲーム「クインテット」に生きがいを見いだす人たちが暮らす町だった・・。こんな感じのストーリーですが、わけがわからなかったです。復讐のためにポールニューマンも殺人ゲームに参加するのですが、ロバート・アルトマンというよりロバート・ワイズ向きの題材のような気がしました。期待していた分、がっかりでした。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2006-11-28 04:15:50) |
16. 三人の女
《ネタバレ》 日本では公開されるのが5年以上遅れ80年代の半ばにやっと公開されました。社会派映画にすることも、ブラックコメディにすることも出来そうな面白いストーリーですが、アルトマンはオカルトチックなBGMを全編に流してホラーのような味付けをしています。シシー・スペイセクは「キャリー」のイメージを彷彿とさせ、シェリー・デュヴァルも独得のカルトな雰囲気を醸しだしています。この2人の演技が見事です。色々な映画を見ましたが、この映画ほど内容を説明するのが困難な映画は無いと思います。アルトマンの映画は大好きですが、この映画に関しては戸惑ってしまいました。彼の映画の中でも特に重たく不思議な映画です。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2006-11-13 14:10:01) |
17. ラストタンゴ・イン・パリ
《ネタバレ》 想像していたのは、もっとスタイリッシュなイメージでした。刹那的セックスシーンよりも、普通の会話に生々しさを感じました。マリア・シュナイダーの「なにも知らないってすてき」「ふれずにいけるわ」の二つのセリフがとても好きです。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2006-10-30 20:47:39) |
18. 片腕カンフー対空とぶギロチン(93分版)
《ネタバレ》 オールナイト4本立てを見に行ったときの1本目でした。片腕を服の下の方に隠してる人と上の方に隠している人がいるのはなんでだろうとか、ムエタイとたたかうときに何故、こんな面倒なことをするんだろうとか、棺桶屋を借りたのは意味があったのだろうか、とか真面目に見てしまったのが楽しめなかった敗因でした。この後に「死霊の盆踊り」「MAY-メイ-」「八仙飯店之人肉饅頭」と続けてみたのですが、この映画を見終ったときは、4本の中でこの映画が一番あと味がいい映画だったとは思いもしなかったです。 [映画館(字幕)] 2点(2006-10-29 09:27:05) |
19. 悪魔の赤ちゃん
《ネタバレ》 赤ちゃんが怖くなかったので楽しめませんでした。あと、へその緒を食いきって生まれた途端、いきなり人を殺しすぎます。おまけに猫まで殺すし、ぜんぜん好きになれなかった。ベタになってもいいから、多少は赤ちゃんに感情移入できると良かったのに・・。警官が大勢で赤ちゃんを捜しているときに、追いつめた先に普通の赤ちゃんがきょとんとお座りしていたシーンは好きです。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2006-09-22 19:30:38) |
20. シンデレラ・リバティー/かぎりなき愛
《ネタバレ》 公開したばかりの頃に見ましたが、今でもモーリン・マクガバンの歌うYou're So Nice to Be Around と港の煙ったような雰囲気が印象的です。お尻に注射をうたれてしまうジェームズ・カーンも、自分の息子をおいたまま出て行ってしまう、どうしようもない売春婦マーシャ・メイスンも、とてもかわいいです。この時代、ダメな中年女性の自立と焦燥が入り交じった名作映画が多いと思います。グッバイ・ガールの時の女の子も、この映画の男の子も上手です。ベトナム戦争の影が残っているせいか、シングルの母親とませた子供、その母親と親密になる男性というシチュエーションが多かったけど、どの映画も面白いです。 [映画館(字幕)] 7点(2006-09-18 06:33:15) |