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【製作年 : 2000年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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1.  宇宙戦艦ヤマト 復活篇 《ネタバレ》 
まず、びっくりするのが絵が松本零士先生の絵ではない・・それは諸事情があるから仕方ないとしても、新しいキャラが味も無い出来損ないの日本人形のようなキャラ・・こんな古代あるかい!しかもキャラ一人残らず表情が実にぎこちなく、どんな状況でも表情があまり変らないからドラマも盛り上がらず、単調。印象に残るキャラクターが全くいない!しかもみんな基本、座ってるか立ってるだけなのも問題・・物語は動いているのにキャラが動いてないように見えるって・・・どんないい話でも乗れません。しかも途中の回想でかつての劇場版がそのまんま流れるシーンに驚いた・・だって元の松本先生のキャラと今回の絵が同一人物には全く見えないほど絵が似通ってないから全く違うアニメが開始したかと思ったよ!と思ったらヤマトの医者だった佐渡先生は松本先生風なキャラでもうメチャクチャ!ストーリーも見せ方もよく考えると変で、腑に落ちない・・とにかくつまんなかったです。結局、最後は地球が助かりますが、そのお陰で直前の佐渡先生、真田さん、無駄に長い長い動物の描写、ギリギリで逃げた最後の人類達の『さよならー地球』『ありがとう地球』がすべて『じゃあアレはなんだったの?』となっちゃうじゃん。だったら地球を守る為に最初っから古代たちヤマトが何とか奮闘する話にした方がスムーズに行くんじゃないの?最後の第三艦橋でうずくまる女の執拗に迫るシーンも意味不明(しかも他のクルー達に全く気付かれてない・・)そしてトドメは驚愕はクレジット・・ものすごいでかい文字で『プロデューサー 西崎義展』ドーン!しばらくしたらもう一回『監督 西崎義展』と死ぬほどでかい文字でドーン!『俺様』アピールは一回で済ませろよ!そして最後の最後・・驚愕のドンデン返しが待ってます。『第一部・完』『えええええええええええええええええええええええ』と心で叫びましたよ。ヤラれた・・ドンデン返しの衝撃がここで味わえるなんて・・。恐らく第二部は作られないと思いますが、もういいよ!
[DVD(邦画)] 2点(2011-01-23 15:34:27)(笑:1票)
2.  デビルマン
まさか冒頭のシーンから、この映画の絶望的ショボさがビーンと分かってしまうなんて・・とにかく全シーン、全カットがすべてショボく見えた映画は初めてです。本当にひっどいわこりゃ・・いや、もう次第に笑ってしまいましたけどね。主要キャストの超絶大根演技にはびっくり・・誰か止められなかったのか?たださえ原作を何も考えずにはしょって物語が訳が分からなくなっているのに、役者のあまりにも低い演技力のお陰で各キャラの感情表現は全く伝わらずにこの映画は『訳が分からない』を通り越し『パッパラッパー』という例えの域に達しました。明の正体が宇崎竜童のオヤジにバレる所で明が慟哭する所はたまげました『あ、あーあー』と超一本調子・・股間にピンクローターをあてがわれて、快感で思わず漏れた声にしか聞こえません。シレーヌも何?頭からつま先まで『かっこ悪い』・・つうかみんなかっこ悪いんですけどね、はぁ・・すげぇよ。あと頻繁に登場するショッピングモールに何の意味が?やめよう・・突っ込みするとキリがないです。はい、間違いなく日本映画史上に残る激ショボ大珍作である事を承認します。点を与える意味も無いですね、降参です。
[DVD(邦画)] 0点(2010-07-10 20:41:20)
3.  BALLAD 名もなき恋のうた 《ネタバレ》 
会話式レビューA君『根本的に実写化を間違えているとしかいいようがないんですけど』 B君『まぁねぇ、簾姫の願いが時空越えて現代に届きタイムスリップして出会うのが何故、あのガキになるのか全く分からない。必然性がないんだよね』 A君『原作の方はその理由が「クレヨンしんちゃんだから」で、すべて成り立つ話ですけど、しんちゃんをそのまま実写化出来ませんしね、その時点で実写化無理って気付けって話ですね』 B君『しんちゃんの世界観だからこそ成り立つご都合主義をそのままリアルに実写化したら、ただの「不自然」が際立つだけだし』 A君『失笑が止まりませんでした』 B君『あと気になったのは、又兵衛が簾姫を好きなのは、あの時代では決して周りに口にしてはいけない事だとアニメ版では触れてましたけど、この映画はあのガキが部下と又兵衛の前で簾姫との事をはやしたてるけど・・』 A君『本来なら、あの子供は又兵衛に斬られても文句は、いえませんよね』 B『微笑ましいシーンにしたかったんだろうけど呆れたよ』 A『あとクライマックスの合戦ですけど、まぁ迫力はそれなりにあったと思いますし、見れたのは見れました・・しかし主役一家が車で戦線に突入する所は・・』 B『車の速度遅っ時速15キロ以下!それで敵とかビビッてる姿が間抜けすぎる!ぶつかっても打ち身程度じゃん』 A『アニメ版だとしんちゃんの父が凶暴な運転をして、そこにみんなビビッてる訳ですしね』 B『そして敵武将の決着の付け方も・・「しんちゃん」ならあの結末有りだけど、実際はあんな屈辱受けたら切腹でしょ!清々しい顔して去るなよ!』 A『最後もアニメ版ではしんちゃんと簾姫が時空を越えて同じ空の又兵衛の雲を見上げる号泣必死シーンの簾姫のセリフ「おい青空侍」が石碑の「ありがとう」って・・余韻が数十倍落ちました。』 B『あとさ主人公のガキが最後に自転車で叫んだのは何?』 A『多分、あれで彼が強くなった事を示す「成長」の雄たけびでは?』 B『そうなの?だったら冒頭でいじめていた男達に挑むシーンとか見せればいいのにな』 A『もうキリがないのでやめましょう。これを見るならアニメ版を見たほうがいいという結論にしかなりません』
[DVD(邦画)] 3点(2010-06-30 01:31:52)(良:4票)
4.  ドロップ 《ネタバレ》 
確かに初監督とは思えないアクションシーンの見せ方とかは素直に感心。時たま見せるケリとかすごくキレイで見入る瞬間もありました。役者もすごく好演してると思います。ただ・・井筒監督の『ヒーローショー』観た後だから余計に感じてしまったこの映画の最大の違和感ポイントがあります。すでに指摘がありますが金属バットや金具で頭や腹とか諸々を思いっきり殴ったら、軽い怪我じゃすまないのでは・・冒頭で水嶋ヒロが演じる達也が金属バットで相手の頭を完璧に振り切って殴打、しかし殴られた男は別のシーンではあたかも何事も無かったかのように普通に出てくるし・・。あるベテラン役者さんが『(最近の暴力を扱った映画に関して)暴力表現は中途半端に描くほうが、よっぽど罪悪~そちらの方がとても危険だ』とコメントされてましたが、まさに・・。クライマックスの集団でのケンカはほぼ全員がパイプとか武器を持ってボコスカ殴ったり、殴られたりされたのにヒロシ達は大したケガとか無い上に、ヒロシは少し痛がる程度でそのまま帰宅って・・さすがに引きました。そういう所が観る上で相当、ノイズになってしまいました。あとお笑いの所ですけど突っ込み役のヒロシに常に思った一言『ヒロシうるせぇだまれ』。いちいちお笑いの所をヒロシが説明するように突っ込みを繰り返すのはとにかく邪魔に思えました。特に緊迫した状況でそれをやられるとなぁ・・それ以前に面白くないですし、役者が演技で色々表しているんだから丁寧にそれをみんな言葉でなぞる必要なし!後は終盤で世話になっている兄貴分のヒデオの死をあれだけ劇的に目の当たりにしたヒロシがその後、達也と再びタイマン張るときに言うセリフ『人は簡単に死なないだろ?』・・あのシーンの後に言うセリフかよ!その前に身近な人が簡単に死んだろーよ!そのお陰で全くラストの余韻が台無し。結局、ヒロシは本質的には何も成長していないと感じてしまいました。まぁすべてがダメと片付けられない部分も結構、ありましたので品川監督の腕は感じますけど、上記で述べた指摘が完全に映画をダメな方向に引っ張られて残念。『人は簡単に死ぬぜ』
[DVD(邦画)] 4点(2010-06-28 03:16:32)
5.  アイガー北壁 《ネタバレ》 
まず山岳シーンは言うまでもなく素晴らしく、大スクリーンで観るとさらに栄えてそれだけで満足を得られます。過酷な登山と下山シーンは容赦なく描かれて見てる方も息が詰まるくらいに鬼気迫るものでした。特に屈強の登山男の主人公のトニーがあまりにも悲惨な状況に陥り『助けてくれ~!ボクは死にたくない!』と泣き叫ぶ所は下でどうにも出来ずにトニーを見てるしかない人間達と同じような気分に近付いたような・・世の中の声に煽られ、次々と命知らずが北壁に挑み地獄にいる最中、マスコミや富裕層は温かいホテルでのうのうと見物で好き勝手に物言う・・そのシーンの繰り返しはさらに残酷性が際立ちました。が・・不満もあります。トニーが思いを寄せている相手となるルイーゼとの描写が希薄に感じました。後半での彼女が必死に『恋人』として助けに行く所は確かにグッときますけど、それまでの彼との関係性があまり描かれていないので、もう一つ迫るものがなかったです(前半から中盤のルイーゼの感情表現が乏しく見えたのでそこも要因かとも思います。元々、二人に登頂を勧めたのはルイーゼなんだから、後半は自責の念にかられたり、諸々の葛藤表現だって出来たろうに・・仮に描いてあるとしても、あのキャラの見せた表情で伝わるのは難しい・・)。後に続いて登山するライバルのオーストリアのコンビも後半で重要な立ち位置になるなら、前半でしっかりと描写しないと『誰、お前ら?』感が強くて感情移入も難しいと思いました。後は個人的好みですけど、事故の数年後に登頂を成功したので、そこの場面とか見たかったような・・(トニー達含めた犠牲の上に成り立った厳粛で感動の登頂か、ナチの政治利用ための登頂で何とも複雑な余韻を残すかを確かめたかった・・)言いたい所はありましたが、観てる間は手に汗握り見入ってしまいました、やっぱり男達が必死で生き延びようとする姿には心が揺さぶられます。とても見応え十分の力作だと思いました!
[映画館(字幕)] 8点(2010-06-26 01:08:52)(良:2票)
6.  マイレージ、マイライフ 《ネタバレ》 
深刻な問題を扱っていますがテンポも良く、ユーモラスを混ぜてある上、主役のライアンの『リストラ宣告人』という憎まれ役になりがちなキャクターをジョージ・クルーニーの巧みな演技により軽妙で頼もしいキャラクターとなり映画に引き込ませてくれます。さらに見事なのは二人の女性キャラ登場でしょう。この重要な二人の女性が対照的なキャラなので演出によっては分かりづらい事になるかもしれませんが、ライアンに変化を与える過程を実にバランス良く丁寧に描いているのでどちらかが食われるという事になってなくしっかりお互い地に足が付いた魅力的なキャラに見えるのは感心しました。新入社員のナタリー役のアナ・ケンドリックの毅然とした隙のない女性に見えると思ったら、ちょっとした素振りがまだ脇の甘い新人っぽさとあどけなさが残って本当に可愛い!そしてライアンの『割り切った関係』のアレックス役のヴェラ・ファーミガはもう相変わらず素敵!まるでライアンの映し鏡のような存在な上、人生経験豊富だからこそ見に付けられる大人の女性ならではの色香。この二人の女性によってライアンの人生観が変り、合理化によって出張仕事がなくなり、ふと思うと自分にも人生を共に生きるパートーナーを欲しますが、普通の映画ならそのまま彼は、最良のパートナーを持ってハッピーエンドと、なりがちですが、本作はそうはいかせません。彼と同類だったアレックスはあくまでも割り切った関係以上に彼を求めず、変った彼を拒絶します。アレックスの家まで来たライアンに対しての困惑の表情は相当に切ないです。その上、前の目標だったマイレージポイント達成が皮肉な形で成立した時の彼の空虚感はズシンと重く響きます。トドメなのがライアン達がリストラ宣告した人達、あれほどライアンに悪態をついて絶望していたのが結果、家族の支えによって立ち直り新しい道へ踏み出したのに対し、ライアンも人生の転機を迎えるはずなのに彼の身近には『家族』がなく、手元に残ったのがバックパックだけ・・元の出張仕事に戻っても彼の気持ちは取り残され、再びマイレージを貯める日々、時刻表を見つめる何ともいえない彼の空虚の視線でズバンと本編が終わる・・ただこれを見たままの空虚なエンディングと捉えるか解釈が色々あると思いますが、彼は直前にバックパックを手から離すので、これから新たな人生を歩む決意したのではないかと私は解釈したい所です。
[映画館(字幕)] 8点(2010-05-16 17:25:39)(良:1票)
7.  運命のボタン 《ネタバレ》 
謎の男が持ってきたボタンを押せば100万ドル得られる代償に、見ず知らずの他人が死ぬという話ですけど・・主人公夫婦が経済的に困窮した状態で目の前にそのボタンを押すか押さないのかの心理的葛藤が前半のメインで、そして様々な出来事を得て止む得ずボタンを押す決断をしたら、大金を得る代わりに思わぬ代償が襲ってくるサスペンス的展開を勝手に想像していたのが悪いのかなぁ・・何か冒頭で火星やらNASAが出てきた段階で『あれ?』と思いました。そして肝心のボタンはキャメロン・ディアス奥さんが思った以上に早い段階で簡単にボタンを押して『あれ?』。とはいえ押したら押したらで諸々の異変が生じて面白くなると思いきや、遠まわしな『思わせぶり』異変を延々とダラダラダラダラ繰り返して主役の夫婦が振り回されてるだけ・・別に思わせぶりがダメではなく、ただ単に展開がつまんないんですよ!中盤以降のまさかの超常現象っぽい展開が始まった時は完全に私は映画から取り残されました。ボタンを運ぶフランク・ランジェラの正体も小出しに明かされますが私がバカなのか良く理解が出来ず『どうでもいいや』になってしまいました。ボタンを押した事で見ず知らずの誰かが死んでしまい、次第に良心の呵責に苛まれる展開こそがふさわしいんじゃないの?だって前半はまさにそこを匂わす展開だったじゃん。フタを開けたら後半はボタンを仕組んだ側の秘密とそれに振り回される人間の成り行きを俯瞰で描かれるから感情移入も何もありゃしない。主役のキャメロン・ディアスなんて後半は置いてけぼりのキャラクターに成り下がり、ラストの展開では『はいはい分かりました勝手にどうぞ』と観てる私は投槍になりました。まぁ『全くの知らない他人だから死んでも気にならない』と赤の他人の命を軽視して目先の金の為にボタンを押し続ける人間の恐ろしさを救いなく描いたと解釈出来なくもないですけど・・でも映画自体がつまんなかったのでフォローするのも虚しいです。
[映画館(字幕)] 3点(2010-05-09 15:50:11)
8.  息もできない 《ネタバレ》 
ヤン・イクチュン演ずるサンフンが実に素晴らしい・・口から出る言葉は汚い罵り、すぐ殴るしょーもない奴なのに愛すべき一面を垣間見せる顔つきと態度で感情移入しまくりでした。ヒロインのヨニ役のキム・コッピは幼さが残る女の子なのに乱暴なサンフンと堂々とやり合う度胸を持ち合わせていながら、精神的脆さも見え隠れするような絶妙な見せ方に魅了されます。他のキャラクターも適役として言いようがないハマりっぷりでした。映画全体としては暴力シーンが多いのに、基本は静かで地味ともいえる感じに見えますが物語の巧みな展開とキャラクター造形で他の映画にはない独特の魅力を確立していると思います。舞台となる坂の町は平面の町にはない独特の広がりと奥行きを見せて、それだけで味わい深さを感じます。そんな町に生活するサンフンとヨニはお互いの素性や過去を知らないまま交流を続け、家族問題に苛まれるとサンフンはヨニを呼び出して、ヨニも応じ家族のシーンではお互いに見せない穏やかなひと時が淡々と映し出される所は一見、微笑ましいですがヨニの家族の問題はヨニの弟がサンフンの仕事に絡む展開になり深刻化されているので、関係を何も知らないヨニとサンフンの姿に何と言えない切なさがあります。しかし物語を経てサンフンはヨニにすがり号泣しヨニも号泣し、お互いに心を許した事でサンフンに前向きな変化を見て物語は希望的なものに収束するかと思いきや・・サンフンの今までの暴力が取り返しの付かない連鎖に巻き込まれていた事を見せるあの瞬間はすべてを打ち砕き、どうしようもない気持ちにさせられました。しかしサンフンが寝そべる姿のショットが実に美しいのが参りました。そしてそれぞれの家族が何とか悲劇を乗り越え立ち直るかに見せた瞬間のラストシーン・・ヨニは自分の忌まわしき最悪の過去を新たに目撃しその中に弟がいてヨニは呆然と見つめる・・しかもその姿にサンフンの姿が重なり、すべてを悟ってしまった、あのラストシーンは確実に何かに蝕まれ、どんよりしているのに美しさも兼ねていて『うわぁ・・どうすりゃいいのよこの光景?』と困惑してしまい、どう感じたらいいのか分からなくなるくらい衝撃でした。終わっても頭の中では勝手にラストシーンと様々な画面が繰り返され脳内再上映状態になり、しばらくこの映画から離れません。その現象が私にとって『傑作』という証拠です。
[映画館(字幕)] 10点(2010-05-02 22:09:44)(良:3票)
9.  第9地区 《ネタバレ》 
南アフリカで宇宙船が飛来しエイリアン(エビ)がスラム地区へ隔離・・そして20年後。もう粗筋を聞いただけでそそられました。そして鑑賞してみたら、もうとにかく面白かったです!観てる間、幸せでした。まず冒頭はいかにエイリアンが醜悪で野蛮で近辺の人間が多大な不快感を示しているか描かれ、観てる側もエイリアン側に対して嫌悪を示しています。そして主人公の企業の立退きの交渉も至極当然で応援すらしてしまいますが・・・主人公が黒い液体をかけられた時に事態が急変し、次第に嫌悪の対象が人間に変ってきます。ここで描かれる企業側の人間のあまりのド外道っぷりはエイリアンよりも恐ろしく戦慄。主人公はやむなく第9地区へ逃走しエイリアンに助けを請う・・そこで観客はエイリアン側にも知的な考えを持つ者もいて、企業の人間よりもよっぽど真っ当に写ってしまい、あれほどグロテスクなエイリアンに親近感さえ抱いてしまいます。 そして後半からは怒涛のアクションの洪水・・主人公は葛藤を抱えながらも、自分自身を何としても取り戻したい為に極悪な人間側に銃口を向けていく・・って何だか『アバター』だなぁ・・と感じましたが、ぶっちゃけ映画としての描き方はこちらの方が数段上でしょう!そして最後の結末の流れも十分に納得しますし、問題は何一つ解決せず、またエイリアンと人間の緊迫の関係が続く・・これほどの問題を安易に解決させなかったのも良かったです。終わったの後の複雑な余韻が残りますが、『映画』を観た満足度は非常に高く良かったです。現実にこういう事が起こったら十分、映画のように有り得ると思わせるリアリティさも秀逸。主人公なんて全然、冴えない平凡な男なのに後半からものすごいヒーローに見えてしまう見せ方もたまりません。これは面白い!傑作だと思いました。
[映画館(字幕)] 10点(2010-04-10 14:34:28)(良:4票)
10.  フローズン・リバー 《ネタバレ》 
人によっては『地味』『起伏がない』だからつまんないの一言で片付けられそうな映画だと思います。けどカナダとアメリカの国境近くの町並みを見ただけで骨身に染み渡る荒涼さが伝わり、その雰囲気だけでもこの映画の魅力を高めていると思います。何と言っても主演のレイ役メリッサ・レオの確かな演技と諸々の感情の軋みがシワに深く刻まれた、あの顔が物語のすべてを語っているようで本当に素晴らしい!相手の先住民の無表情だけど子供を義母に奪われた悲しみを一瞬、垣間見せた絶妙な演技を見せたライラ役のミスティ・アップハムも見事な存在感でした。二人がお互いを少しずつ知り、次第に関係を深めますが、そこの見せ方もあくまで淡々として静かにじんわり伝わってきます。金銭的に困窮してるからやむ得ず不法入国に加担してしまったレイですが、それによって得た大金をすっかり頼りにしてしまう脆さ・・最終的にはライラを強引に説得し最後の不法入国者の運びを続け、トラブルに巻き込まれます。ハッキリ言ってレイのあの行動や発砲行為は目先の金に焦っての軽率行為で片付けられますが・・この金を手に入れたら新しい家を得て、少なくとも今よりはマシな子供達との生活を手に入れれる上、ライラの子供を取り返して彼女もやり直せる、自分とライラの為に切迫した願望の表れが、ある意味頼もしくもあり悲しくも見えます。最後のレイの決断は自分だけでなく、ライラとの今後を考えた最良の決断に思え基本的には悲しい出来事ですが、ポジティヴにすら感じました。ただ1回観ただけではすべてを把握出来るとは思えない深みがあるのでDVDが出たら再び見て新しい発見とか解釈をして味わう映画になると思います。
[映画館(字幕)] 8点(2010-03-28 15:45:31)(良:1票)
11.  ハート・ロッカー 《ネタバレ》 
低予算だけど、全然チープさを感じさせない力のある映画とは思いました。大半の人が言うであろう爆弾処理の緊迫感、周りのイラクの人が写るたびに敵か味方か判断も付かずにそちらもハラハラします。そして最大の見所の中盤の狙撃戦は本当に素晴らしい!砂漠地帯での長い静寂のやりとりは、今までの映画の狙撃シーンでもベストに位置してもいい程と思いました。エンターテイメント映画として結構、楽しんで観たのは確かですが・・不満もあります。そもそもこの映画はどのキャラクターの視点で見ればいいのかです。冒頭は主人公のジェームスを仲間のサンボーン達のように俯瞰の視点で見るのかなと思ったら途中から物語がジェームス側の視点になり正直、戸惑いました。そこまでジェームスに対して俯瞰で見てた訳なので大して感情移入出来ない状態で(狙撃のシーンとかでの協力シーンとか、起爆装置を持っていく習性で人間性は描かれてましたけど)、ジェームスの視点で物語を見せられても・・ですから彼の行動の理解もよく分からず『ええっ?お前ってそういう奴だったの?』と思いました。後は一時、アメリカに帰って父親として普通の生活しますが結局、最後はイラクに戻り堂々と爆弾処理に向かうジェームスの姿がありますけど、そこはちゃんと対比として描くべきでは?アメリカで平和に生活しているジェームスがイラクの地獄のような戦場にいる時よりよっぽど『まともじゃない』もしくは『何かしら狂ってる』感を見せないとこの男の本質の悲劇が際立たないと思います。それを描いていればもっと最後の堂々と歩くジェームスにアメリカのイラク侵攻そのものの空虚さと絶望感が感じられたと思うんですけど・・。あとは爆弾で吹き飛ばされて肉片になった人間の惨状とか他の死体を大して見せてないのはちょっと、このテーマを描くのに抜けているのも不満です。色々不満はあるのですが、なかなかの力作であったのは認めます。しかしこれがアカデミー作品賞級かというと首を傾げてしまいます。僕個人としてはあと一歩及ばずです。
[映画館(字幕)] 7点(2010-03-27 15:10:31)
12.  20世紀少年 《ネタバレ》 
まず原作は未読ですので、映画本編のみの感想です。いやぁ前半はとにかくダルくて単調で退屈で頭が痛くなるくらいでした。役者の演技レベルというより演出の問題なのでしょうか、とにかく役者の演技が全般的に『わざとらしい』。前半の見せ方次第では『この後、どうなるんだろう?』とワクワクさせられるはずなのに役者の『わざとらしい』演技と無意味極まりない不快なタレントのカメオ出演とその場、その場でツギハギしたようなペラペラな『伏線ですよ~』的なシーンの垂れ流しのせいか、非常に観るのがキツかったです。あとケンジ始め昔の同窓生が集まって『ともだち』に繋がる記憶を辿りますが、みんな超々都合よいタイミングでバンバン『あっそういえば』『俺さ、さっき思い出したんだけど』と言って記憶が甦る所はちょっと多すぎかなぁと思ったり・・。まぁ後半からオッチョも加わり、クライマックスの事態の切迫感とか出て来て前半が非常につまらなかったお陰で、そこは観れました。それにしてもロボットが原作がどういうのか知りませんけどあんなにチープなものなのですかね?ミサイルランチャーで吹っ飛ぶんじゃない?と思いました。あとは最後の爆発・・AKIRAばりの超爆発の尋常じゃない威力・・これ近場にいた一人残らずバラバラに吹っ飛んでは即死ですよね?主要キャラが生きてるとは思えないけど・・次回予告で立派に生きていたり・・と突っ込むのは野暮ですか?・・ライブシーンは何かコントシーンに見えたり。ケンジがロックンローラとしてギター持ちますけど、それまでのシーンで全然、こいつに『ロック愛』を感じさせるものがまるで伝わらないので唐突で不自然に見えたり、思い出せば次々『何それ?』的なシーンが多くて・・2時間20分長いよなぁどう見ても。まぁ次の展開とかは気にはなりますので取り敢えず4点にしておきます(そうなるとボクは2章・3章とあと5時間近く上記で述べた感じを味わなければいけないのかもしれませんね・・・。)
[DVD(邦画)] 4点(2010-03-25 01:33:01)
13.  狼の死刑宣告 《ネタバレ》 
愛する家族の一人が理不尽に殺され、その父親がギャングどもに復讐を始める・・従来の映画なら復讐の相手をぶっ殺して何とか救われて終わりのような構図が多いように思えますが、この映画はひたすら復讐の連鎖の泥沼に入って取り返しの付かなくなる構図を容赦なく描かれます。ケビン・ベーコン演ずる息子を殺された父親の復讐にまで駆り立てる気持ちは痛いほど伝わります・・しかし後先考えず感情的に加害者のチンピラを殺してしまい、自分の家族にまで危害が及ぶ事態になった原因である父親は愚かに感じられます。劇中で父親が『実際になってみないと分からないぞ』というようなセリフがありますが、あんな事件が起きたら人はケダモノに変る事も有り得ると言っているようでゾッとしました。そして父親は最終的に自らもギャングと対等の姿になり決着を付けますが、ギャングのボスが最期に父親に対し『その姿、俺達と同じだぜ』と見事すぎるセリフを語ったときはズシーンと重く響きました。結局、復讐しても父親は失ったものは多いのに何も得たものはなかった・・個人の復讐の割の合わなさの漂う無力感が素晴らしかった。あとはアクション・シーンが見事!駐車場前後の逃走シーンのカメラワークやクライマックスの激しい銃撃戦の緊迫感は手に汗握り、重い雰囲気の映画なのに片時も目が離せずにいました。ジョン・グットマンの脂っこい拳銃のり売人のエグさも素敵・・。まぁ警察の無能っぷりや、父親が自宅でギャングに撃たれるのが腹に一発だけって・・あと2発くらい撃たなきゃ物語の流れから見ると不自然では?と色々不満も無い訳ではないですが、実に素晴らしくて実に悲しいアクション映画だと思いました。
[DVD(字幕)] 9点(2010-03-21 21:30:37)(良:1票)
14.  シャーロック・ホームズ(2009) 《ネタバレ》 
まずロバート・ダウニーJrとジュード・ロウは素晴らしかったとは書いておきます。従来のホームズ&ワトソンとは違う現代的な要素を取り入れたキャラと世界観には全く文句はありません。でも・・目まぐるしく展開が変化する手法は別にいいんですけど、この映画の場合はその手法が物語とキャラをとっ散らかしてる印象にさせてるとしか感じないんですよ。その影響かアクション・シーンの見所が詰まっているのに全体のメリハリが損なわれているので、観てて盛り上がらず退屈に感じるんです。あとは悪役のブラクウッド卿の心霊現象の諸々の謎解きですけど正直、『ショボ・・』買収して看守に演技させてたって何だよ・・トリックでも何でもないですよ。とにかく悪役が大袈裟な雰囲気出しているのにやっている中身はショボイし見せ方もショボイ・・まぁ失笑です。他にやりようがあったんじゃないのかなぁとつくづく思いました。あと一応ヒロイン的な立ち位置のアイリーンの存在の薄さはにもびっくり、観ていて『この人、必要?』と思いました。峰不二子的ポジションに置きたいのか知りませんけどキャラの書き込み不足にも程があるので(別にこのキャラの素性を全部、語れとか言いたい訳ではありません)。ただロバート・ダウニーJr.の軽妙で逞しいホームズが本当に素晴らしいので、彼の出ているシーンはちゃんと魅力的に見えてしまいます。ワトソン君の関係も面白いしなぁ・・だからこそ他の部分の不満が多いのが本当に残念!(あっエンドクレジットも良かった)これほどの素材がありながら映画全体は見掛け倒しの並みの出来になってしまったガイ・リッチーという監督の手腕に疑問を抱かざる得ません。はぁ・・ロバート・ダウニーJr.とジュード・ロウのコンビの良さにおまけの5点です。
[映画館(字幕)] 5点(2010-03-20 20:18:59)
15.  プリンセスと魔法のキス 《ネタバレ》 
1920年代のアメリカ社会の黒人が主人公というのは今までのディズニーの流れとしては異色ですね。冒頭からの主人公の家族の描写と夢を語る所、ジャズが流れ活気に満ちた街の人々の描写はディズニーアニメの華麗な動きでいきなり見入ってしまいます。 というかディズニー・アニメの人間キャラの表情とかは私は弱いんですよね・・ちょっと切ない顔とかされるとウルっとするぐらいでまぁ・・冒頭ですでにキました(内容の出来とは関係なくというのが厄介)。王子と主人公のティアナがカエル化する展開はミュージカルシーンとアクション満載で楽しいったらねぇ・・ちゃんと各キャラの物語見せ場を分かりやすく巧みに入れてあるのは流石。特にホタルのレイの叶わぬ恋物語はヤバい・・しかもラストで見せる叶わぬ恋が叶った瞬間は涙腺が緩みまくり・・上手いぜチクショウ。そして王子とティアナの物語の決着も一捻りあってまたしても上手い着地。 いや~めでたしめでたし・・と言いたい所ですが不満もありまして・・今回の騒動の張本人である悪役のドクター・ファシリエがどうして、あそこまで悪事に突き動かすのかの背景が見えにくい事です。ニューオリンズを我が手にしたいのか巨万の富をかすめ取りたいのでしょうが、いまいち欲望の方向が見えないのでファシリエとの決着はいまひとつ盛り上がらずさっささと回収されてしまった印象がありました。あとホタルのレイが死ぬ原因となる『踏み潰される』ですが、『えっそれで死ぬのか?』と思いました。それまで他の動物キャラクターが同等な事をされても平気でいたのに・・それなら、その前の描写でそういう目にあったらヤバイような所は見せないとマズいのでは?と諸々不満もありましたが、終始楽しく観たので満足しました。個人的にお気に入りはティアナの対比として描かれるお金持ちのシャーロットお嬢さんです。何でも欲しがる貪欲なキャラなのに実は友達想いのいいヤツというのは良かったですね。
[映画館(吹替)] 8点(2010-03-14 14:49:00)
16.  エスター 《ネタバレ》 
話的にはありがちなサイコスリラーとも言えますが、実に丁寧に細やかに演出されて行くのでジワジワと静かにエスターの異常性が出されています。それにより引き取った夫婦は徐々に人間の暗部を晒してしまい、観てる方はそのやり取りにキリキリしてきます。そして後半は次々と狂気剥き出しにエスターが危害を加えますが、一番に戦慄を覚えたのはエスターが大人の化粧と下着姿で『父親』に迫る所です。あれは子供ではなく完全に『大人』のエスター・・。そこでのエスター役、イザベル・ファーマンの演じ分けは見事しか言いようがありません。そして真実が分かった時にエスターの厚化粧が剥がれ落ち、まさに化けの皮が現す瞬間は恐しいと感じながらも一番のピークとして見入ってしまいました。観終わった後は正直、疲れますが再びあのイヤ~な感じを味わってもいいなと厄介な事に思ってしまう程、優れた映画になっていると思いました。ちなみにDVDの特典で収録されているもう一つのエンディングの方が個人的には好きです・・あの笑顔は反則だよ!
[DVD(字幕)] 8点(2010-03-12 01:58:04)(良:1票)
17.  ゴールデンスランバー(2009) 《ネタバレ》 
原作は未読です。まず堺雅人の主人公のとぼけた、人のいい役は良かったです。展開も次から次へと起こるので退屈はしませんでした。特に総理暗殺の前後の下りはなかなかで『これは期待できるぞ』と思いました。しかし釈然としないものも残りました。まず通り魔少年の行動と挙動の物語上の不自然さ・・それまではこの映画の現実社会は我々の現実社会と同じリアルさとして描かれていたと感じましたが、彼の登場で『あれ?同じじゃないの?この映画独自の特殊な現実世界?』と感じるほど違和感がありました。一種のコメディとして割り切らないと肯定出来ません。しかも、怪しい男が白昼の込み入った街中で堂々とショットガンを乱射するという異常な出来事がその後の展開で一切、触れてませんし(あっもしかして情報操作?じゃあそれも描けよ)・・その上、逃走中の主人公に数々の人が手を差し伸べて事態を切り抜けますが、その描き方が唐突で雑!柄本明の自称『裏稼業』のじいさんの遣い方は、ちょっとあまりにも都合良過ぎでしょう。そして最大のなんじゃこりゃ?はクライマックスです。主人公がテレビカメラの前で投降しますが、良く考えますと事態解決に関しては『何の意味もなかった』ですね。だってあれによって結局は陰謀が明るみにも出ませんし、別に陰謀側に一矢を報いた(長島敏行の役が死んでも痛くも痒くもないでしょう)訳でもなく主人公は疑いは何も晴れず、そのまま犯人として逃走し、身代わりが死体となって陰謀側は何らダメージは食らってません。花火のシーンの派手さと何かいい雰囲気に一瞬、ごまかされましたけど。やはり陰謀側の描写があまりに少なかったのも問題ですね、ですからサスペンスとしての緊迫感はいまひとつ希薄です。主人公周りの描写含めた『美しい過去、交友関係』と陰謀側の残酷な思惑がくっきり対比出来たら、より深みが増したのでは?と思いました。一つの例ですが長島敏行のイカれたいいキャラや通り魔少年がいるんですから、そこの異常性をクローズアップしてバイオレンスものとして針を振り切れれば、多少の違和感も吹っ飛ばせたと思うのですが・・そういう面での思いっきりもバランスも悪いので彼らのような特殊キャラがこの映画で大して成り立たず、浮いているんです。悪くはないですけど、とにかくあらゆる面での『雑』さがこの映画の足を引っ張っていると思います。もったいない、本当にもったいない。
[映画館(邦画)] 5点(2010-02-13 15:18:34)(良:2票)
18.  インビクタス/負けざる者たち
もう終始、安心して観ていられる信頼のイーストウッド印。 マンデラ大統領の一時期のみに焦点を絞り描くだけでも十分に人柄が伝わってきます。 モーガン・フリーマンは漲る風格でマンデラを演じ見事な存在感で映画を引き締め、 マット・デイモンも負けずにラガーマンを好演・・隙ねぇ・・ ただ一つ思ったのは前半で国の恥とまで罵られたチームがワールドカップまでにグンっと強くなります。 そのあたりがやや唐突に感じ、強くなる過程はもう少しちゃんと描いて欲しかったかなと思いました。 後は演出が『ベタ』ともいえる手法をいくつかのシーンで見られ、最初は首を傾げましたが後で思うと、素直にあの当時の熱量を観客に体感させる、てっとり早い演出だったのかなぁと思いました。 マンデラ大統領退任後の現在の南アフリカはマンデラが映画の中で掲げられた理想とは程遠い事になっているのでややもの哀しさも感じますが、ラストで流れる若者がラクビーをするシーン(撮影クルーが実際の南アフリカの街で見かけて、偶然に撮れたシーン)を見ると、『あれから受け継がれているものは確かにあった』『あの時の団結を思い出して欲しい』と語っているようでした。
[映画館(字幕)] 8点(2010-02-07 15:07:21)(良:3票)
19.  パラノーマル・アクティビティ
こういうフェイク・ドキュメンタリーものはいかに日常的リアル感を出すかに掛っているのですが、どうにも場面、場面で『都合のいい』露骨なカットが入っているので肝となるリアル感は損なわれて入り込めません。そして夜の睡眠シーンの異変前には何をどう思ったか作り手は『ゴゴゴゴ』という兆候の効果音なんて出してしまうので舌打ち・・こういうのは何気ない生活音だけでも恐さを出せるし、突然の異変を見せてビックリさせられるのに事前の不穏の効果音なんて流したら、もう間もなく何かが起こるって分かり恐怖に備える準備も出来て効果が薄まると思うんです。リアル感の不気味さに関しては正直、『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』の方がありました(でも、あれは仲間内の口論が多くてウザい上、作品としても凡作)。ただ夜中に女が長時間、呆然と立っていたり、粉を撒いた後の足跡とか暗闇の開いたドアの気味悪さ(閉めろよ!)異変の見せ方がゾクッとさせられた所もあるので最後まで飽きはしませんでした。でもトータルで観ると単なる一過性映画で記憶に残る映画では全くありません。また、この亜流が増えるのだろうか・・
[映画館(字幕)] 5点(2010-01-31 20:13:01)(良:1票)
20.  アバター(2009) 《ネタバレ》 
もう予告で殆どの物語展開が語られていましたので『まぁそうなるんだろうな』とオチも予測できました。物語の展開自体に新鮮味はありません。だからといって『先の展開が読める』というのを悪いとは思いません。だってそれを補って余りある圧倒的ビジュアルの世界とあのナヴィのキャラター造形の素晴らしさを大スクリーンで十分に堪能出来ただけでもかなり満足で2時間40分という長尺にも関わらず楽しみました。ただ込み入ったアクションシーンでの3Dはもうゴチャゴチャし過ぎ、視覚が混乱して訳が分からなくなる事もたまにありました(私の座ったポジションに問題があるやもしれませんが)もちろん上空のシーンでの3Dはまさに『体感』してる感覚があり良かったです。ただ観終わった後に残る印象はこれだけのボリュームがあるにも関わらずグンっとあっさりしているのは気にはなりました。とにかく今、大スクリーンで体感しないと絶対、損する映画ではある事は間違いないと思います。  (12/26追加)やっぱり気になるから書きます。主人公が人類を裏切ってナヴィ側に付いてかつて味方側だった兵士をぶっ殺している姿がどうも引っかがるんです。だって確かに軍隊側のナヴィ側から見たら悪党ではありますけど映画ではそんなに悪党してないような気がするんですよ。これが『アポカリプト』ばりにナヴィを虐殺したり非道の限りを尽くしていたら『人類側コラァ、お前ら殺されて当然だよ』となりますけど、そこまで克明に描ききれてないので主人公が軍隊を迷いもなくバシバシ殺す説得力がないんです。人類を裏切ってナヴィとして人類と戦って殺す訳ですから何かしらの葛藤ぐらいはあってもいいのではないかと・・そしてエンディングもめでたしめでたしなのでしょうが結局、人類とナヴィの間は何ら解決の糸口の無いまま終わってしまい主人公が人類を捨てナヴィとして目覚めて終わりって・・うーん何か足りないような・・色々後から考えてしまう映画でしたね。
[映画館(字幕)] 7点(2009-12-23 16:58:23)
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