1. ルワンダの涙
《ネタバレ》 ルワンダでの歴史・部族・政治の実情がピンとこない自分にとって、外国人である主人公の抱える葛藤には共感しました。心情的には難民を守ってやりたいが、自分の命の危険が発生した時に、それでも運命を共にするか或いは、逃げ出すのか。神父は人生を賭けて残るが自分の信者に殺され、教師は生涯消すことの出来ない罪悪感を抱えながら生き続けることを選ぶ。二人の行動は異なった方向性を持っているが、同じ心情であったと思います。映画の製作者はルワンダの悲劇を海外へ訴えるために、外国人からの視点で語っていますが、逃げ出した教師の偽善を告発しているようには思いえませんでした。 [DVD(字幕)] 8点(2008-12-25 02:16:58) |
2. フラガール
《ネタバレ》 舞台となったハワイアンズに遊びに行ったことがあり、なぜここでハワイ?という唐突な印象を引きづりながら、映画を鑑賞しました。頑なな炭鉱関係者にとって、それはもっと顕著で、当然の反応であったかもしれません。しかし将来性の乏しい分厚い現状から抜け出す機会を熱望している若者たちにとって、現実離れした夢想だけが、夢を託す価値があったのかもしれません。だからこそフラガールは、無謀であると感じながらも、懸命にしがみ付こうとします。その必死さときたら!内部から湧き上がる意志が周囲に浸透し、一丸となって気迫の踊りへと変貌していきます。運命を切り開く姿に、拍手すると同時に、のめり込める対象を捻り出した強さに対して、羨ましいな・・と感じたのは私だけでしょうか。 [DVD(字幕)] 7点(2007-07-27 01:53:27) |
3. 69 sixty nine
《ネタバレ》 大好きな映画!主人公は周りを巻き込んで楽しいお祭りにしてしまうと同時に、楽しいことを必然的に吸い付ける様な、魅力に溢れています。ガムシャラに自分なりの“永遠”を模索し、それが正反対の“瞬間”であったとしても、笑っているに違いないと思います。『退屈な奴らに俺らの笑い声を聞かせてやるったい!』と叫ぶシーンは印象的で、確かに彼らの笑い声が自分にはビンビン聞こえちゃいました!(苦笑) [DVD(字幕)] 10点(2007-07-27 01:11:11) |
4. 美しい夏キリシマ
《ネタバレ》 “戦争で生き残る事の悲劇”が伝わりました。身近な人々が戦死や犠牲者となった時、生き残った者は生きている事自体を罪と感じる。私が今まで観た反戦映画とは別の次元での葛藤が描かれており、考えさせられました。戦争とは、“死ぬも地獄、生きるもまた地獄”なのでしょうか。 [DVD(字幕)] 8点(2007-07-27 00:38:06) |
5. 父と暮せば
《ネタバレ》 この映画には2重の点で驚きました。一つ目は戦争を題材とした室内劇であること。2つ目は、生者と死者との対話であること。ジャンケンポンの場面は特に心を揺さぶられました。実際に広島や長崎では多くの人々が、愛する人との別離の修羅場を、現代に引きずっていることと思います。ノーモア・ヒロシマ!ナガサキ!の悲痛な叫びを身近に感じました。 [DVD(邦画)] 8点(2007-03-18 02:58:27) |
6. ドラッグストア・カウボーイ
《ネタバレ》 青年が住み慣れた世界から、硬い意思を持って別の世界に踏み出す一歩を描いた映画だと思いました。主人公はドラッグに溺れ破天荒な生活を満喫する怪物ではなく、いつか最悪な状況が見舞う事を予感しているため、根拠の無い迷信を信じて、運を逃さない努力を惜しまない。しかし遂に運に見放され窮地に陥る。主人公は仲間の誰よりも完全に参ってしまい、最後にもう一度、幸運にも死体を無事に埋めることが出来たら、今までの生活から足を洗う事を誰言わず神様と約束をする。こんなに深刻な状況ではなくても、同じ様な経験は誰にでも在るのではないでしょうか?そして修羅場を乗り越え、普通の生活を送る為、約束の一歩を踏み出すが、突然の変化に仲間・周りの不良・刑事達には理解されない。この物語の悲劇は、二歩目を踏み出す事を許されなかった点にあると思いました。 9点(2005-02-07 02:07:58) |
7. 聖なる酔っぱらいの伝説
《ネタバレ》 主人公の唯一の所持品である誇りを、神がかり的な助けに導かれながらも、しっかり堅持する様に圧倒されました。酔っ払いだが、高潔な主人公に対する温情が、至る場面ににじみ出ていると感じました。そして最後の「神よ 全ての酔っ払いに、美しい死を与え給え」のフレーズには製作者が、酔っ払いに対して慈悲だけではなく、到着点として死を用意している事に驚きました。底知れない愛情の中に、絶望を含有した稀な映画かな・・と思います。 [DVD(字幕)] 9点(2005-02-05 03:41:01) |
8. ワンダフルライフ
死後に人生の最高の一瞬を映像化する作業は、映画製作そのままだと思いました。皆が持ち寄る特別の感情の集まりが、この映画での大きな共感に繋がっていると思います。そして最後に自分なら何を映像に残すのだろうかと、考えさせられました。 8点(2003-10-24 23:01:04) |
9. ミッドナイト・エクスプレス(1978)
《ネタバレ》 アメリカ人である主人公はトルコ人社会を理解せず、刑務所内でも常に西洋人の同胞しか認めない。脚本がオリバーストンだけあって、単純な二元論的世界感により、お互いの世界が決して交わることは無い。しかしその手法によって、圧倒的な力で一気に映画に引き込まれた。ガールフレンドとのガラス越しの面会の場面は、余りに異常な情景で慄然としました。 9点(2003-10-24 21:47:53) |
10. トト・ザ・ヒーロー
一番好きな映画です!自分の失われた人生を、死によって取り戻す最上の喜悲劇。他人であるから愛せた姉アリスへの思いと死の責任。アリスにそっくりな女性を死に追いやらぬために、客車で泣きながら去っていく姿。あまりにべらぼうな映画 [DVD(字幕)] 10点(2003-07-06 01:41:22) |
11. ストレイト・ストーリー
真のロードムービー!!最初はトラクターで旅をする理由が分からなかったけど、徐々に旅の重みが伝わってきた。兄の死に際に間に合うのかヒヤヒヤしたけど、和解に言葉は不要なんですね~ 9点(2003-04-20 16:44:11) |
12. ゲッタウェイ(1972)
マックイーンに撃たれた悪党が、獣医の家に押し入り夫婦を誘拐した後の、奥さんのあまりの変わり様と薄情さにビックリした。マックイーンも嫉妬深く、なんとなくサッパリしない性格。(相当かっこいいけど)ペキンパーの男女観なのかな~ 8点(2003-02-15 01:43:48) |
13. 戦争のはらわた
ペキンパー映画の登場人物って、真の男以上に男らしいな~。なんだか同じ男なのが恥ずかしくなってきた。 8点(2003-02-08 15:14:18) |
14. リディキュール
面白い映画でした。エスプリって会話の中でとっても重要な要素だと思います。でも宮廷内のエスプリは、本末転倒。聞かせる内容も無いのに、単に相手を蹴落とすための言葉遊び。それではエスプリが雄弁に取って代わられても仕方が無いのかな。主人公の不本意ながら馬鹿げた宮廷ゴッコに飛び込まざろうえない状況が痛々しい。 8点(2003-01-11 21:33:31) |
15. 死への逃避行
イザベラ・アジャーニがとても美しいのですが、やたら影のあるヒロインを演じており、死ぬために生きているのではないかと考えさせられました。まさに「死への逃避行」 9点(2002-11-18 23:53:55)(良:1票) |
16. この森で、天使はバスを降りた
閉ざされた世界の先入観を誠実さで切り開いていくヒロインは、とても魅力的でした。でもその先入観の犠牲になる辺りも、皮肉。第二の天使に期待!! 8点(2002-11-17 02:05:52) |
17. グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち
一体主人公は何に悩んでいたんだ?なんかシックリこないんだよね~。 5点(2002-11-17 01:29:34) |
18. ガープの世界
唐突にショッキングな出来事の連発!!今まで考えたことの無いようなテーマに溢れていて、びっくりしました。それにしてもロビン・ウィリアムスに救われた気がしました。 8点(2002-11-17 01:15:01) |
19. 地獄の黙示録
<ネタバレあり>戦争の狂気を感じました。最初はサーフィンのために爆撃する米軍。次は敵が誰なのかを認識せずに、ただ戦闘している兵隊たち。最後は恐怖だけによって王に君臨するカリスマのマーロン・ブランド。川をさかのぼるほど、どんどんイカレてくる。戦争と言うより、殺し合いの深層心理を裏側から眺めた感じがしました。 9点(2002-11-15 01:27:52) |
20. シン・レッド・ライン
難しい!!でもテレンス・マリックは、今までの戦争映画のように、声高に戦争批判をするのではなく、人間の中には、戦争という文化があることを大前提に話を進めてる気がします。その枠組みの中で、それぞれの戦争を描いているのかな?的ハズレかもしれませんが、新しい視点をもった映画だと思いました。 9点(2002-11-15 01:14:22) |