1. 薔薇の名前
1300年代のイタリアという滅多に見ることのない舞台。豪壮で陰鬱なゴシック~ロマネスク美術が素晴らしく、迷路のような大図書館探索シーンなどは圧巻。個人的には夢幻美という点で「ブレードランナー」と双璧をなす映画です。邦画も「八つ墓村」辺り、こういうスケールで撮れないものかなぁ… 9点(2003-12-30 13:31:39) |
2. ブレードランナー
ディレクターズカットラストの「出口の無い不安感」も魅力的だけど、個人的には(少数派かもしれませんが)どうしてもあのエンディングは外せないです。さんざん閉塞的な風景を見せられた後での、あの解放感溢れる濃い緑の気持ち良さ!話の構造より映像の美しさに惹かれました。 9点(2003-11-20 22:23:01) |
3. スピリッツ・オブ・ジ・エア
腐熟した病的ヨーロッパ世界と開放的マッドマックス世界の邂逅。登場人物は3人のみ。 一旦世界観に慣れてしまうと、遅々として進まないお話が退屈に感じてしまうものの、 ラストの後味の良さは◎。この手の映画でこんな爽快かつ切ない気分が味わえると思いませんでした。 最後まで何なんだか判らない所も良。 [DVD(字幕)] 8点(2021-07-13 20:47:00) |
4. 風の谷のナウシカ
もくもくと湧き上がる入道雲の中での追跡劇・空中戦はとても気持ちが良い。他に類を見ない独特の近未来世界の構築も素晴らしい。 え?ここでラストで良いの?という気がしたけど、原作はこの後もお話が延々と続いていくんですね。 オババの「何という友愛の精神ぢゃ!!」に思わず噴いてしまった。一番感動しなきゃいけないシーンなのに。。 つくづく民主党の罪は重い。 [映画館(邦画)] 8点(2020-07-18 08:40:11) |
5. 太陽の帝国(1987)
《ネタバレ》 イギリス/アメリカの少年にこれだけ日本軍が憧れの対象となっていたとはビックリ。戦争となって敵味方に分かれる前ってこんなんだったんですか・・・。国内メディア等に恣意的に歪められた戦前の日本の実際を知る「目からウロコ映画」の1つかも。伊武雅刀好演。この頃は日本の軍人をキチンと演じられる俳優がまだ居たんだな…って感じ。しかしスピルバーグ監督だけあって、やはり最後の方はE.T.的風味になってしまうのは致し方のない所なのか(苦笑)。ラスト、すっかり変わり果ててしまった息子を一目で見分けられる母親の愛情にも感動しました。 [DVD(字幕)] 8点(2009-09-12 23:34:12) |
6. U2/魂の叫び
「ヨシュアツリー」から強くなってきたアメリカ色により、当時、個人的にこのバンドへの興味が薄れてた。その後ワールドミュージックブームに便乗して世界各地の民族音楽を聴いているうちに「アメリカ音楽も1つの民族音楽」という認識が出来上がり、そういった耳を持って改めて聴いてみると非常に興味深く感じられるようになったので不思議。アメリカ音楽の形成過程において非常に重要な役割を果たしたのが黒人音楽と並んでアイルランド音楽(ケルト音楽)。アメリカ音楽巡礼の旅は、同朋であるアメリカ移民の軌跡を辿る旅であり、それが他の民族文化(とりわけ黒人文化)とどのような化学反応を起こしたのかを追体験する旅であるとも言えると思います。…こうした企画モノが前半で、後半は怒涛の代表曲のライブ映像。「BAD」という曲、いかにもアイルランド的な(日本に住み「怪談」を執筆したラフカディオ・ハーン=小泉八雲にも通ずるような)感性が横溢していて好きですが、特にシングルヒットしたわけでもないのに選曲されていて嬉しいです。その他、当時の「U2がどういうバンドか」がよく解るように考えられた曲構成で良。何より既発のライブDVDとは一味違う映像のカッコ良さが素晴しいです。さすが「映画」という感じ。…これが映画でないならスコセッシ監督の名作「ラスト・ワルツ」も映画じゃなくなっちゃいますね。一緒に「Fuck Revolution(革命クソ喰らえ)!!」と叫びたい気持になりました。 [DVD(字幕)] 8点(2009-09-12 22:19:46) |
7. 女の都
《ネタバレ》 フェミニズムのパロディ映画。筋肉モリモリ女が奇声を上げてキンタマ蹴る練習をしてるのがコワかった・・・ 夢オチ映画ですが、脈絡無く変幻する話の展開とか、溢れんばかりのイメージ群とか、いかにも「夢」という感覚が心地良く素晴しいです。「81/2」冒頭シーンのノリで最後まで行ったという感じ。 実を言うと「夢」に安直な意味付けをするのはあまり好きではないんですが、この作品についてはあまり抵抗感は無かったです。この監督ならいかにも実際にこういう夢を見ていそうな感じ。 8点(2004-09-04 21:38:09) |
8. ミッドナイト・ラン
この映画見てロードムービーが好きになりました。渓谷のシーンは大画面ならではの迫力。ラストのアッサリとしたほろ苦い味わいもなんとも言えないです。 8点(2004-05-29 23:37:39) |
9. 英国式庭園殺人事件
《ネタバレ》 ある意味「アマデウス」より宮廷世界のどろどろが描けていて面白かった。1シーン1シーンが印象派頃の名画みたいで良。(雲の影の使い方がイイ。) 話は…主人を殺して屋敷を乗っ取ろうとした若旦那一味と、彼らとは血の繋がっていない子を宿して対抗しようとした母娘…という構図でいいのかな? 全てを見ていながら証言できない銅像役の人が、イギリス的貴族-奴隷文化を象徴してるようで面白かったです。この皮肉な笑いもいかにもイギリス的って感じ。 8点(2004-05-11 23:55:23) |
10. ナチュラル
淡々とした主人公とドカベン岩鬼のようなド派手なホームランシーンのコントラストがイイ。草葉の匂いが漂ってきそうな雰囲気も好きです。ベースボールファンタジーの秀作。 8点(2004-04-29 03:11:40) |
11. レッドブル
「48時間」と並ぶ刑事コンビ物の傑作。アクション、パワフルで見応えありました。「USビデオがソ連でも見られている…」と話題になっていた頃の製作で、あちらの聴衆の目を意識したと思われる「持ち上げ&脅し」も結構面白いです。 8点(2004-03-28 10:28:29) |
12. 楢山節考(1983)
まさかこれで泣くとは思いませんでした。カンヌ受賞も「こういう感覚は普遍的なものなんだ…」という事を実感できるようでよろしいです。このラストの普遍性を言いたいが為、貧しい寒村のげんなりとするエピソードを延々と積み重ねてきたという感じ。見事だと思います。 8点(2004-03-14 23:11:33) |
13. ニューヨーク1997
「ブレードランナー」「マッドマックス2」同様、多くの追従者を生み出した近未来SFの古典。音楽イイ。 8点(2004-03-09 20:40:33) |
14. シャイニング(1980)
今見るとエレベーターから血が噴出すシーンなどはコケオドシのように見えますが、全体の骨格がしっかりしてるのであまり気にならなかったです。立体感のある映像が素晴しい。 8点(2004-02-04 22:19:42) |
15. エイリアン2
前出ですが、1と全く違う発想で且つここまで完成度の高いものに仕立てた技は見事。面白かったです。ただ1と比べて何回か見てると何故か飽きがくる。昆虫の生態系と一緒なのはエイリアンの「得体の知れなさ」が後退したようでちょっと残念。 8点(2004-01-05 00:44:20) |
16. ターミネーター
ひたすら逃げて逃げまくるという、アイデア一発もの的な所が好き。後半、トラックが爆発して「これで骨だけになって追いかけてきたら怖いよな~」と思っていたら、本当にそうだったので嬉しくなってしまいました。 8点(2003-12-23 19:48:22) |
17. 48時間
カントリー/ソウルも駆使してこれでもかと言わんばかりに白黒の違いをはっきりさせてるのがイイ。ヒル流ダンディズムと軽妙さが結びついた快作。 8点(2003-11-30 01:05:26) |
18. ダイ・ハード
《ネタバレ》 素直に楽しめるアクション映画。舞台が高層ビルオンリーというのもイイ。「CUBE」のような閉じた世界で話が展開するものは何か好きだ。敵がテロリストをパロった単なる銀行強盗というのがある種痛快なんだけど、当時のアメリカは一時の平和だったんだなぁ…としみじみ。 8点(2003-11-24 22:49:41) |
19. いまを生きる
《ネタバレ》 多くの方が指摘されていますが、ラストよく見ると相当数の生徒が机に座ったままなんですね。 自殺した少年があのまま演劇の世界に行くのと、それまでの志を変えないのと、数10年後を見てどちらがより充実した人生を送れていたのかは非常に難しい。 そういう意味で立つ方立たない方両方の気持ちがよく解る。 数少ない泣けた映画でした。 8点(2003-11-21 00:01:18) |
20. 殺しのドレス
《ネタバレ》 キャリーを見た後だったので、この監督、冒頭のサービスシーンとラストの無茶なビックリを入れないと気が済まんのか…と笑ってしまった。今でこそ二重人格オチは珍しくありませんが、見せ方、語り口の上手さで、最後まで面白く鑑賞できました。刹那的な幸福から一気に惨めになる心理描写に子供を使っての演出が心憎い。駅で黒人に絡まれるシーンは今じゃNG?こういう点でも、この時代ならではのもので興味深かったです。 [DVD(字幕)] 7点(2009-01-11 09:06:39) |