1. マルホランド・ドライブ
2回、3回と見てやっぱり傑作と思いました。イメージの濃密さは非常にリアルな夢、純度の高いお酒、優れたシュールレアリスムの絵画のよう。シーンのひとつひとつにリンチの迷いのないイメージが凝縮されている。迷いがないから意味なんかどうでもよくて、ストレートに入ってくるから楽しい。「泣き女」というのが葬式に来て泣く役目の女性、ということは後で知り、なるほどと思いました。 [CS・衛星(字幕)] 10点(2004-01-12 17:11:17) |
2. ゴッドファーザー
1~3とも、何回見ても発見がある。好きすぎてコメントしずらい。 10点(2004-01-12 16:44:09) |
3. コックと泥棒、その妻と愛人
美しく官能的。グリーナウェイ作品の中ではいちばん頭でっかちにならず、ひとつの完成形になっている。マイケル・ナイマンの音楽もすばらしい。ちなみにウチのダンナはこれを見た後ものすごくおなかがすいたと言った強者だったので結婚しました。 10点(2004-01-09 20:53:36)(笑:1票) |
4. ニュー・シネマ・パラダイス/3時間完全オリジナル版
劇場版はちょっとおセンチすぎ?と思ってましたが「完全版」を見て、評価が上がりました。ラストの試写室のシーンの意味が深くなった気がします。 [CS・衛星(字幕)] 10点(2003-12-24 18:34:29)(良:1票) |
5. ブッチャー・ボーイ
《ネタバレ》 ひとが「狂って」いく過程をバーチャル体験できる貴重な映画。というと乱暴かもしれませんが、だれでも、こんなふうにちょっとずつ何かがずれていったり拡大していったりするだけなのかもしれないと思う。でも全体を通してフシギなほど暗さがなく、あとあじも悪くない。おすすめです。 10点(2003-12-24 18:19:24) |
6. シェルタリング・スカイ
映画館を出てしばらくしてからじわっと涙が出てきました。感動とか悲しいとかじゃないんだけど、「人生ってっこんなもの」って感じがせつない映画。個人的に砂漠の出てくる映画って好きなんですが「砂漠モノ」のなかでもこの映画の映像はピカイチですね。はずかしながら、本作品ではじめてヴィットリオ・ストラーロの名前を知ったんですが、映像というものを前より意識して映画を見るきっかけになった映画なので10点つけました。でも映画館の映像の印象が強すぎてビデオであまり見直す勇気がないんです。 10点(2003-12-24 18:02:07) |
7. 永遠の僕たち
《ネタバレ》 世界の中心で愛を叫ばなかったのが良かった。そう、よくある難病で余命○日の女の子と恋に落ちる話なんですが。両親の死を受け入れられないイーノックと、自分に起こる死を自然の一部としてとらえようとするアナベル。そしてヒロシという幽霊が関わることで、一見ファンタジックなようですが、2人だけの個人的な世界に私たち見る側を自然に入りこませてくれます。ヒロシが正装で現れ「長い旅になるから案内するよ」というところですごくほっとしました。見終わってみて、日本語タイトルよりもオープニングのビートルズ「Two of us」そのもののほうがしっくりくる感じがしました。 余命いくばくの話にしてはちょっとやりすぎ?なくらいファッションも素敵です。 [CS・衛星(字幕)] 9点(2012-12-13 15:16:14)(良:1票) |
8. イントゥ・ザ・ワイルド
《ネタバレ》 最後のほうになって、皮肉のように主人公は作家の言葉を見つける。・・・大切なのは愛する者を持ち、家族、そして隣人を愛すること・・・幸せは、誰かと分かち合わないと現実と感じられない・・・(うろ覚えです) ふつうに言えば陳腐な言葉に重みを持たせてくれた監督に、とても感謝する。本当なら親が子供を育てて行く課程で伝えなければならない、重要なことなのかもしれない。その機会を持てなかった彼は、自分でそれを獲得した。ひとりぼっちで死にむかいながら。そして、「冒険」ということばをもう一度新鮮に感じさせてもくれた。自分は冒険しているか、リスクを冒しているか。あまり経験を積まず無謀に大自然にいどんだ愚かさは否めないが、きっちりと「冒険」した彼の行動を、所謂「自分探しの旅」とかたづけてしまうことはできない気がした。ヘラジカが腐敗するシーン以降、死の気配がしのびよってくる感じがひしひしと怖い。ベルトの穴をひとつづつつめていくところとか。ピストルをつきつけられている人を見せられるよりも死を感じるのは私だけだろか。 [CS・衛星(字幕)] 9点(2009-09-07 14:08:05)(良:2票) |
9. 浮き雲(1996)
やみつきになるような、根暗~なユーモアのあるカウリスマキマールド。またこのおばちゃんかよ!と思いつつ見ましたが、これはおすすめ! おばちゃんが仲間をあつめるところがカッコいい。見終わると元気が出てくる作品です。 9点(2004-01-20 18:08:32) |
10. ノッティングヒルの恋人
告白します。好きです、これ。甘々なんだけど。ありえない設定ですが「恋」→「愛」になっていく微妙なときめきと不安感みたいなものがよく出てるような気がします。最後に未来のふたりに子供ができて「SHE」がかかるシーンでは何回見てもうっかり涙腺がゆるんでしまう…そのたびにダンナに「おー泣いてる」ってバカにされるのがものすごくくやしいんだけど。 [CS・衛星(字幕)] 9点(2004-01-19 19:41:40) |
11. イングリッシュ・ペイシェント
飛行機のシーン、美しい。全体の構成がうまいのでこのシーンの美しさが際立っていると思います。ただしオトナのお話です。 9点(2004-01-09 21:05:16) |
12. ディナーラッシュ
ひとことで言うと、とってもしゃれた映画。なんといってもシェフ役や副シェフ役、評論家の女性など配役のセンスがGOOD!ミュージックビデオ風の映像も嫌味でない。レストラン事情や人間模様、恋愛、ミステリーなどなどが混然一体になって、おいしいひと皿になった作品です。テンポも良いので、あっという間にごちそうさまでした、って感じでした。ラストに用意されたデザートもけっこういけます。 9点(2004-01-07 13:56:10)(良:1票) |
13. しあわせ(1998)
クロード・ルルーシュ監督作品の中ではあまり知られていないようですが、おすすめ!です。誰か見てみて~。元バレリーナのヒロインを演じるのは、ホントにオペラ座かなんかのプリマドンナで(ビデオのパッケージに書いてあった記憶ですが)、ふつうの身のこなしなんかもハッとするぐらいきれい。映画の完成度が上がっていると思います。ネタばれになるので詳しく書けないけど、白くまやアイスホッケー選手なんかをビデオで撮りに行くところが、ちょっとおかしくて、同時にじわっとさせます。 原題の意味は「偶然と必然」らしい。なんで「しあわせ」なんてつけたのかな。 9点(2004-01-02 15:26:26) |
14. 橋の上の娘
官能的。フランスの女性って、こういうごつごつっとした農夫っぽい男のひと好きですよね。ワタシも大人になったのか最近うなづけるようになりました。 9点(2003-12-27 19:00:00) |
15. イル・ポスティーノ
《ネタバレ》 TVでイタリアやフランスの紀行モノ番組なんかを見ていると、ものすご~く田舎でチーズ作ったりしてるおじさんが「ウチの村が世界一。」みたいなことを誇らし気に言っていたりすることがある。きっと一生この人は海外旅行なんか行ったりしないんだろうなあと思うけれど、なんだかうらやましくなる。この映画の主人公は貧しい島に生れたことを悲観していたけれど、詩人との出合いによって、詩とともに美しい故郷を愛する気持ちというかけがえのないものを受け取ったような気がする。ラスト近く、詩人に向けて吹き込んだテープに、故郷の美しい自然がかなでる音を録音しているくだりで涙、涙。マッシモ・トロイージが、俳優じゃなくて本当に現地に住んでるしょぼいにいちゃんに見えるのもすごい。 9点(2003-12-27 18:19:24)(良:1票) |
16. マイ・プライベート・アイダホ
キアヌ・リーブスの出演作のなかで一番好き。だいぶ前に見たけれど、今でもこの役が彼にはいちばんしっくりきてると思う。「道」に象徴される自由や孤独のイメージ、とろーんとした音楽の空気感…世の中をなんでもナナメに見てしまうひねくれぎみの青春時代に、ストレートにはまりました。今見たらまた印象が違うかもしれませんが「心のベストテン」にいつもランクインされている作品です。 9点(2003-12-25 20:22:02) |
17. 記憶の扉
えっ、これがトルナトーレ?ってびっくりした。こんな映画撮ってたんですねえ。 静かだけれどテーマがきちんとしていて、潔い映画だと思います。監督作品の中で私はこれが一番好き。ノスタルジックなトルナトーレ作品がちょっと苦手っという方も、いちど見てみてください。 9点(2003-12-25 19:39:56) |
18. ブルージャスミン
自分はもっと認められるべき人間だ・・・こう見られたい・・・という焦りや幻想は、若い頃なら誰でも多少は持っているはず。そんなイタい感じを妙齢まで持ち続けているとこんなに怖い話になるのですね。自分は全くセレブとは縁遠いけれど、少しはこんな部分あるかもしれないと思わされるから怖いのかもしれない。ジャスミンと妹の元旦那、パーティーで出会った彼等・・誰がほんとうにいい人なのか悪い人なのか、ミステリーのようにわからなくなり、混乱する。混乱したジャスミンの気持ちに同化していくようでまた怖い。ジャスミンの衣装は高級ブランドものだが、お金がないからちゃんと同じ服を着回していたり、の細かいところが、演技とあいまってリアリティが凄い。見終わって、いちばん強いのは妹だなあ・・と変なところに落ち着いたのでした。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2015-04-08 12:29:14) |
19. 孤独な天使たち
《ネタバレ》 イヤホンから流れるCUREの曲、クラスメイトの流れに逆らい肩がぶつかる・・・冒頭の数分間で、言葉少なに少年の内面や状況を説明しながらもすんなり入り込めていけるのが凄い。ボウイの曲など音楽の趣味が好みに合ううえ使い方がじつにうまいのです。じつは自分は閉所恐怖症というか密室恐怖症なので、地下室が舞台ということに多少の不安をおぼえながらの鑑賞でしたが、秀逸なカメラワークのせいなのか全く息苦しさを感じませんでした。姉が作家としての成功と挫折を話すシーンもなかなか良く、姉弟としてだけでなく人間どおしとして2人がふれ合えたような・・そこでなぜか、すがすがしい気持ちになった。 [DVD(字幕)] 8点(2014-06-13 11:54:12) |
20. ヤコブへの手紙
人は、誰にも必要とされないと感じたときに真の絶望を感じるのだ・・・ということがよくわかった。だから必要とされるため仕事をしたり家族を持ったりするのだろうか。神父が手紙で相談されることに生き甲斐を感じているのは明らかで、人の悩みを解決することで救われる彼はエゴイスティックにさえ見える。レイラの姉に対する過去の出来事のほうが見返りを求めてない点で崇高なくらいである。でも誰も神父を笑えない。みんな何かに必要とされることで満たされるからなんとか生きていけるのだ。ほとんどがよぼよぼの老人と太った強面のおばさんだけの絵ですが映像的にも飽きずに見る事ができました。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2012-03-27 11:25:26) |