1. ツリー・オブ・ライフ
《ネタバレ》 非常にシンプルなスピ映画。 そのシンプルさが本当は真理を現している。 別に特別なものに真理がある訳じゃなく、日常や自然にごろごろしているという事だと。 そして、どちらが良い悪いという二元性を超えている。 息子はそれを理解した。ツリーの枝葉として。 父母はその二元性の象徴。 すべてはあるがままであるという認識だと。 スピ系映画では歴史に残るんじゃないでしょうかね。 [映画館(字幕)] 10点(2011-08-17 11:08:39) |
2. ヒロシマナガサキ
《ネタバレ》 同感ですね。これに点数は便宜上だけになります。 一番個人的に印象が強かったのはタイムズスクエアでアメリカ人がものすごい群集で戦争の勝利を喜んでいるシーンでした。そのタイムズスクエアの現在の画像を自分が見ても過去に日本が関係した歴史的な出来事でそこでそんな事があったとは今まで生きてきて思う可能性は無かった。 ここが象徴的に自分にはショックだった。知らないとはこういう事なんだと思った。 原爆を実体験してみる事は当然できない。だから、核の恐怖を人はいろんな手段でバーチャルに共感するしか手段が無い。この映画は端的にその共感を体験者の話と映像でかなり感じる事ができるものだと思います。 これは知らなきゃならない事ですね。正に全ての事には理由があり、被爆された方もおっしゃっていましたが皆さんの悲劇を体験し生き延びてこられた事には理由があると私も思います。 他の戦争の体験の映画のコメントにも『そんな事があったとは思えない』というものを見たりします。それは一概に認識合っている間違っているとういう事では無く、経験していない人にはそうだと思えない部分はしょうがないとこの映画を見て思いました。 自分だってこの映画を見るまでは今でも苦しんでいる人々の事を具体的には思い浮かんではいなかったし。 だからこそ、よりバーチャルリアルに感じる事、共感する事が重要だと思います。 歳のせいもありますが、泣かずには見られませんでした。 余談ですが、監督のスティーブン・オカザキさんは長崎の平和祈念の像に雰囲気が似てると思った。髪形を意図的に意識したのか? [CS・衛星(字幕)] 10点(2008-08-29 00:56:35) |
3. 硫黄島からの手紙
今観て来たてで書いてます。 猛烈に感動しています。 映画館に人が少なかった事を不思議に感じました。 もう何人(なにじん)とか関係無いですね。 これを作った人達に猛烈に感動と賞賛です。なのでこれは批評ではなく賛辞です。 今の日本人全員に観てもらいたい。作品はけっして商業的な狙いは無いと私は思います。なのでこれから観る人はそういう穿った心は捨てて観てもらいたいです。 もうどこがどうのこうのでは無く、今の日本人がどのような犠牲により今があるのかをこれによって感じて欲しい。無論それで戦争の全てが判るわけじゃないですが、根本はお互いを理解する。共感をする。という行為が戦争を回避させる事につながるという事がひしひしと伝わりました。先人たちの犠牲を後世が理解しないのでは何もかもが意味が無くなってしまいます。この映画を作ってくれた人の為にもその意味を理解してゆきたいと思います。ほんとうにこの映画を作ってくれてありがとうという気持ちです。 二宮君がこれを日本人は学ぶべきと言っていたのが良く判った。どこにもイーストウッド色やスピルバーグ色は無いですが、そういう色をつけずに作った彼らの心に感動しています。全編に流れるメインテーマの音楽がいい。台詞も日本人に違和感が無い。でもそういう事をどうでも良く感じさせる作品意図が全てにおいて勝ると私は思います。 今の平和がどうやって築かれたのかをこれに触れてその一端を見たような思いです。 なのでそれを知るのは後世の人の義務と思います。 [映画館(字幕)] 10点(2006-12-10 22:15:39)(良:1票) |
4. 2001年宇宙の旅
原作も読みましたが、こんなに説明が無い設定に変貌していても、見ている者がその世界に浸ろうとするのに十分である事が良く判る作品でした。変貌する世界感が、ボーマン船長の行方が明るいものである事を僕は感じました。少し前に絶望を感じていた者が、その価値観の変化に開放されて行く感じは羨ましく見えます。 10点(2004-03-25 00:25:50) |
5. 悪魔の手毬唄(1977)
《ネタバレ》 市川崑監督を知らずに観て、虜になった作品です。 非常に美しい映像が更に殺伐とした怨念を盛り上げます。原作も読みましたが、全てにおいて大好きな作品であります。他の金田一シリーズでは犯人に同情する事はありませんでしたが、これは、泣けちゃいました。それは岸恵子と若山富三郎の演技によるところが大きいですねー。殺人を犯す動機については、僕は村と言う閉鎖的で独特の力関係で偏見に満ちた中では、秘密を守る事は死活問題であったと思います。又、自分の子供と旦那の言わば浮気相手の子供が恋仲になるのは、何にも置いても許せない事の1つであると思います。 10点(2004-02-24 00:29:52) |
6. ボウリング・フォー・コロンバイン
これはドキュメンタリーとしての新たな手法として、あっぱれ評価で満点です。もう一つ、あの時期にあの発言で自由の真価を証明しているところにも僕は評価します。身近に殺人しか用途の無い物を何故持つのか?あまりにもアメリカ=銃と言う固定概念が出来上がっていて、冷静に考えると、世界の警察と呼ばれる国があまりにもおかしな風習を持ち続けるのかと改めて考えさせられた映画です。しかし、内容はお説教じみている訳では無く、面白おかしく皮肉たっぷりに丁寧な説得という感じで、自分の意見を他人に受け入れ易いよう気遣っていると思います。ドキュメンタリーのテーマの割には最後迄疲れないで見れるところもいい。 10点(2004-02-21 00:54:06) |
7. グロリア(1980)
昼のTV映画でたまたま見て、一寸見のはずがラストまで引き込まれた思い出があります。おばさんが主人公なのにかっこいい!そう見せる女優と監督の描きたい世界がとてもマッチしていると思った。昔のニューヨークもとても味があって良い。素直に引き込まれて痛快な作品でした。 10点(2004-01-30 23:46:32) |
8. シン・レッド・ライン
ただありのままの映画を観るほど、普段なにかに意味を付けている自分があらわになる。 この映画は意味付けとは違う視点なのだと。 ごくあたりまえの感覚を表現している事が、美しい。 それを頭で理解しようとすれば、フラストレーションが溜まる。 なんの教訓でもなく、ただありのままの美しさのある戦争映画だね。 [CS・衛星(字幕)] 9点(2013-03-03 16:10:38) |
9. カラフル(2010)
《ネタバレ》 泣けたね。スピ映画とは思わずに見たので意外だった。 いろんな色があっていい。それに尽きる。 とてもシンプルでありながらわが身を振り返させるいい映画だ。これは必見だと思う。 単に投げやりに他人の人生を修行と称して始めるが、そこで触れてゆく真実。 これは完全に夢物語じゃなく、実際に自分たちが経験していることなんだと思いました。 人生をどう味わうのか? 期待しなかった分やられました。好きな映画の中に入りました。 人を裁いてばかりいた主人公が、いろんな色に気付く。まさにカラフルになってゆくのだ。 [CS・衛星(邦画)] 9点(2011-10-22 01:28:38)(良:2票) |
10. 天空の城ラピュタ
もう腐るほど観てますが飽きない。 これにはエンターテーメントに必要な要素が詰まっているからだと思いますね。 ドーラとムスカの声を演じる両俳優の声の演技が実に良い。これは演技力ないとできないっしょって感じが、まるでアフレコしているときの憑依的な画が浮かんでしまう。 ここを声優にしなかったのは成功と思いますし、かなり主役の2人のアニメチックな子供の声の印象を引き締める役割も果たしていると思った。 あと意外に子分役の安原義人の声と台詞が良いタイミングできまってうける。そこが好き。 [地上波(邦画)] 9点(2007-06-15 23:53:24) |
11. シティ・オブ・ゴッド
《ネタバレ》 平均点の高い映画をここのレビューから掘り起こして観ていないものをピックアップしてDVDを借りたのがきっかけですが、はーっ、これを見ていなかったのかと思えるほど良い映画で見る価値のある作品だと思いました。 そこがみんなのシネマレビューの良い所ですね。感謝。感謝。 ギャング・マフィアものは数々あれど、実話から作られたこの映画の指し示すメッセージには、僕は今の時点では一番ですね。 実に愚かしくて、実に幼い。全てが。それでいて残酷で明るい。 本来、ギャング・マフィアものはその体裁はかっこをつけていても愚かしいのと、考えが幼いのが本当の姿だと僕は思っていましたが、この映画はそこをストレートに描いている。都合で決められる掟といわれる不条理な概念をいかにくだらない物かが良く判っていい。人間はその恐怖心で支配され、体裁をとりつくろった論理にのりやすい。 サッカーのワールドカップドイツ大会の前にブラジル代表のアドリアーノの特集をTVでやっていて、その生い立ちを元住んでいた地区で取材するときに、アドリアーノの親戚のおじさんにインタビューしているときにだんだん町が騒がしくなり危険な状態になりかけていて取材を途中で止めたシーンが放映されていたのを見ました。 この話はブラジルの昔の事ではなく、現実に今もある話なんだとこの映画を見てそのインタービューを思い出しました。 貧乏なんだけどドラッグと銃はあり、子供が大人を銃で平気で殺す。 映画の中で街が煉獄から地獄に変わったとありましたがまさに神様この愚かな者達をお許し下さいという気持ちにさせられます。 でも、そういう環境にさせたのは、その人達の責任だけでは無いと思います。 好きにはなれないシーンばかりですが、誰かのレビューにもあったようにこの映画を観る価値はあると思いますよ。 [DVD(字幕)] 9点(2007-01-07 02:03:19) |
12. 真夜中のカーボーイ
《ネタバレ》 真夜中にかなり眠気にやられそうだったのだが見始めたらいっきに見てしまった。 すっきり判り易く良かった。ボイドとホフマンの演技はすごく良く、ホフマンはちょっと臭い演技があんまり好きじゃないとこもあるんだけど、ボイドは地でこういう人なんじゃないの?と思わせるくらい自然だった。アンジェリーナがかなり父親似である事も判ったし(笑)。ラストは結果惨めに見えるかも知れないけど、ニルソンの歌のように何故か明るく感じる。それはラッツォがどーしようも無い人生の最後でジョーに出会い夢であったフロリダへ連れてってもらう事が幸福であると感じたのでは?と思うから。底抜けに素直なジョーを騙したラッツォが文無しになったジョーを助けたのは、過去の自分(転落の人生)を見る思いや綺麗に着飾ったジョーが次第に身なりも心も汚れてゆく事が嫌だったのだと僕は思いました。これはこの作品の随所に出てくる性的な部分が無い同性愛だと感じる。パーティーで誘われて女の住まいで役に立たなかったのは、会場を出る時にラッツォが病気のせいで階段を転げ落ちたのを気持ち的に引きずっていたせいで、女にゲイ?けしかけに反応したのも過去のトラウマとラッツォに対する気持ち的な部分の自己否定と読みます。ラストのバスのシーンでラッツォがもらしてしまったのを気にさせまいとちょっと早めのトイレ休憩しやがってとジョークを言うジョーに感動してしまった。ただ、ラッツォをフロリダに行かせる為に、ホモ親父を痛めつける(殺す?)シーンは余計だと感じた。ここまでのジョーの性格からはしないだろう?と思わせるからだ。その分-1点です。 [DVD(字幕)] 9点(2005-11-05 08:02:17) |
13. 大空港
映画を見た後、原作も読もうと思った作品でした。 特にD・Oゲレロが奥さんに保険金を残す為に飛行機に乗り込んだと悟った奥さんの描写などがぐっとくるものがあります。それぞれの人間模様と現実に対処しようとする姿が前向きにな気持ちを呼ひ起こす作品です。 9点(2004-12-13 11:15:58) |
14. 犬神家の一族(1976)
市川崑+石坂浩二シリーズでは『悪魔の手毬唄』に継いで好きです。ホラーなんだけど映像美と独特の世界にハマリます。なんかこの頃の日本映画界っていいなーと最近感じます。 9点(2004-10-10 00:42:03)(良:1票) |
15. 愛と追憶の日々
どちらかと言うと苦手な部類に入るヒューマンドラマですが感動しました。 取り立てて特別な事が無い(失礼ですが(^_^;))のに、この人間模様に共感せずにはいられません。人生にはいろいろな波があり、それを愛情が紡いでそれぞれの人生を織り成してゆく。そのありふれた(またまた失礼ですが(^_^;))題材を、この感動作に仕上げている事に拍手です。しかし、キャストを見ればそれも頷ける結果なのかもしれません。娘(デブラ・ウィンガー)が子供に自分の死を告げる場面で、子供がその話に素直になれない態度を見て母(シャーリー・マクレーン)が怒るシーンは泣かずにはいられません。又、スーパーでレジ係と喧嘩しているデブラを助けるジョン・リスゴーや隣人の元宇宙飛行士(ジャック・ニコルソン)もいい味出してます。あとは好みの問題で満点ではないだけです。 9点(2004-06-07 14:23:39) |
16. あしたのジョー2
当時は見終わった後に数週間引きずりました。自分も真っ白になってしまった。そう考えると最近そんなに影響されるものって久しく無いなーと感じます。そういう影響力としてこの評価です。何かが終わってしまう空しさを味わいました。 9点(2004-02-23 23:47:08)(良:1票) |
17. ディア・ハンター
これは評価が難しかったです。いろんな思いを排除して、映画に感動したとういう点を重視しました。最初観た時の印象の中では、やっぱりデ・ニーロがちょっと浮いてる感が気になり、評価の点で悩んだ一因でした。それと戦争の扱われ方も気になって、評価を厳しくしようか悩みましたが、やっぱここは感動したかどうかの点だけに焦点を置くことにしてこの評価です。 9点(2004-02-23 01:12:14) |
18. ポセイドン・アドベンチャー(1972)
《ネタバレ》 なんと言ってもアーネスト・ボーグナイン。救助される時に船内を振り返って見せる表情が焼きついています。まさにパニック映画の名作ですね。恐怖感と人間模様が上手く織り交ざって、パニック映画でありながら感動を覚えます。 9点(2004-02-21 01:17:46) |
19. エイリアン
そう、幼い頃にこの映画は最初の卵が割れて飛び出すことまでしか見せて貰えなかった。なのでラストまで完全に見たのは中3ぐらいだった。それほど怖く、スリルに富んだ作品だと思います。SFホラーとしては文句無く素晴らしい映画。満点で無いのは好みの問題だけです。 9点(2004-02-18 01:49:47) |
20. マトリックス
誰しもこの世界が自分の認識を超えているかもしれないと思ったことはあるはず。 そんな、精神世界を電脳世界で現していますね。 とてもスピリチュアルな世界を紐解いた、この時代に印象深い作品と思います。 派手なアクションや映像に目が行くのですが、本質は悟りであるというメッセージ。 悟ってしまえば怖いものなの無いのだと。 とてもベーシックでありながら惹かれる作品です。 [DVD(字幕)] 9点(2004-02-17 01:11:38) |