1. ラスト・ワルツ
溢れるリリシズム。古き良きロックの時代が幕を閉じていく哀感。錚々たる面々との夢のような競演に、ただただ感動すべし。一流の表現者には一流の理解者がいるんだということがよーく解る、極上のコンサートフィルムここにあり。 10点(2003-07-15 12:44:23)(良:1票) |
2. 都会のアリス
フテブテシく我侭なアリス、イェラ・ロットレンダーが何とも魅力的。パリテキのハンター少年くらい素晴らしい。ヴェンダースは金髪の子供に相当なこだわりがあるのでしょうね。空撮のラストの余韻に酔いました。〝天使の視点〟とはよく言ったものです 9点(2003-02-25 13:00:46) |
3. テス
亡き妻、シャロン・テートへのオマージュの言葉から始まるのが悲しい。この映画は何と言ってもナスターシャ・キンスキー扮するテスの魅力に尽きる。上映時間3時間弱とかなりの長編のため中弛みしてしまうという意見もあるようだが、極力冗長な状況説明を排し、簡潔にストーリーを紡ぐポランスキーの演出はいつもの如く冴えわたり、観るものを放さない。そしてやはり映像美だ。夕暮れの草原で村の娘たちがダンスを楽しんでいるシーンの美しさに初っ端から打たれ、ラスト、逃亡の旅の果てに辿り着く月光に照らされたストーンヘッジと、朝の淡い光の中で巨石に身を横たえるキンスキーの美しさにため息が出る。こういう女性の描き方が好きな人は多いと思うなあ。 9点(2002-07-30 13:05:13) |
4. 白い家の少女
一流のサスペンス。瞬きするのも惜しむように画面に釘付けだった理由は、その脚本の優秀さだけではない。ジョディ・フォスターとマーティン・シーンのただならぬ存在感によるところが大きい。特にジョディについては圧倒されてしまう。それにしても、この年(1976年)のジョディの出演作(タクシードライバー、ダウンタウン物語、白い家の少女)の質は素晴らしい。 8点(2002-03-19 12:52:52) |
5. カッコーの巣の上で
管理社会の権力装置の象徴として、M・フーコーにより告発された精神病院を舞台に、服従の要請、抵抗、懲罰、反抗、去勢に至る経緯を描いた作品。正しくフーコーが追求した狂気と監獄がテーマであり、多少あざとさも感じられるが、俳優陣の秀逸な演技と冴えた演出で、その通俗性を差し引いても余りある。境界線の侵犯者マクマーフィが実にパワフルで痛快。その動物的な勘で、完全なる援助と施しを行う治療者、ラチェッド婦長の中に隠蔽された欲望を精確に見破る。誇りを傷付けられ、次第に冷静さを失い正体を曝してしまう彼女の焦燥を描くあたりの演出は見事。 9点(2002-02-19 12:37:22) |
6. トラ・トラ・トラ!
壮大な戦争映画を期待して見に行き,帰り道ではそんなことよりジェリー・ゴールドスミスの音楽にすっかりハマッてしまった映画でした。 特に田村高広と三橋達也が無言で握手する場面の「プレ・フライト」は,日本人以上に日本人の気持ちを表現していた見事な曲だと思う。以来,彼のサントラを追い求め,4年前の初来日,一昨年の2度目の来日とコンサートの度にジェリーと握手できたのは本当に幸福なことでした。 7点(2002-01-06 20:58:01) |