1. 空気人形
《ネタバレ》 音楽がWorld's End Girlfriendだからってのもあり気になってましたが素晴らしかった。怖かった。 まずペ・ドゥナの可愛さが存分に発揮されている。人形を演じる点で重要な純粋さも韓国人女優ということもありマッチしている。 (関係ないけど韓国の女優さんはやたらと脱いでるのね。日本とは違って・・・) 次にストーリーの重さ。空気人形という性の対象かと思いきや実は代用品というフレーズを多用することにより各人の存在意義を必要に問うている。 そこで怖いのが性悪説にもとずく人間の在り方。人形は心を持ちまず嘘をついた。 人の部屋に入ったらまず写真を覗く。 逆説的に純粋なまでに人の言葉を信じたがためにあんな残酷なことが起こってしまったり自分をゴミ捨て場に処分したり・・・怖かった。 リンゴと空き瓶の冬の大三角形はきれいだったとは思わなかったけど あのハッピバースデイのシーンは背筋がぞくっとなった。 登場人物の少なさは◎ももうちょっと各々掘り下げてもよかったのでは? でも全体的に素晴らしい出来。もっかいみたい。いや見ます。 [映画館(邦画)] 9点(2009-10-14 21:21:52) |
2. ソウ
目が覚めたらいきなりこんな状況だったらどうするよ?何を信じていいのかわからないまま物語はスピーディーに進んでいく。そしてどんどん情報が増えていきあっとびっくりなラストがとなるんだけど、やっぱり8時間も動かなかった死体が最後にいきなり動き出すのは納得行きませんでした。けれど完全解析なるサイト(http://www.ne.jp/asahi/hoth/press/other_films/2004/saw/saw.htm)を見てこの映画がこんなに深いものだなんて思いませんでした。まさかアダムが・・・。映画のワンカット、セリフ一つにも意味が込められているということを大きく感じました。映画のテーマである「生」への感謝はなんとなく読み取れたけど、役の名前からキリスト教を持ち出したり、何気ない小道具一つにも意味があるというこのサイトにいやここまでの解析をした人にいや映画制作者にひれ伏すばかりです。 ただ大半の映画鑑賞者はそこまで見てるかは疑問で多分俺みたいに2時間の映画を2時間しか見ない人がほとんどだろうからそこら辺の人にもうちっとヒントを与えてもよかったんじゃないかな。 ともあれもう一回見たくなってしまいました。 あのお面は怖いです。あれもオマージュなんだろうな・・・。 [DVD(字幕)] 10点(2005-05-17 20:32:30)(良:1票) |
3. アザーズ
やっぱ怖いよ。こんだけ。多分昔からある古典的なホラー映画だろう。わざと暗闇を必要とする環境を作って恐怖心を煽り、家もシャイニングのように無駄に広くそして場所もロンドンなのだかわかんないけど、霧が立ち込め、すぐ先も見えずこれでセットはばっちり。ラストを見たらあーそういうことかって思うけど、やっぱ怖いよ 5点(2004-09-04 19:01:38) |
4. π(パイ)
《ネタバレ》 ジャケットからして怖そうだったんだけど見たらほんとに怖かった。全然ホラーとかじゃないんだけど、モノクロの映像や音の少なさが怖さを増幅させてる。やっぱり天才だけあって頭がおかしいのね。一般人から見ると。だからわかんなーい。なんで脳みそが出てるのかもわかんなーい。ただこのモノクロとブレイクビーツのミスマッチが最高に面白い。 4点(2004-09-04 18:58:13) |
5. Jam Films
新進気鋭の日本映画監督の短編を集めた作品。一個ずつ取り上げるのも面倒なのでよかったのだけ。「月とキャベツ」コンビの作品はテンポ良くいい感じでした。っていうか山崎まさよしは演技じゃなくてほぼ素なんだろうな。篠原涼子はもっと役者として評価されていいのに、昔の仕事が足を引っ張ってるんだろう。可哀想に・・・。行定監督のはちょっとやりすぎかな。短編ってのを意識しすぎてるみたいでした。それとは逆に岩井監督のは奥行きがあってよかったな。演者が広末一人であそこまでになるのは監督の実力なんでしょうね。短編を毛嫌いしていたけどその悪いイメージを払拭するに十分な作品集でした。 7点(2004-06-03 01:08:14) |
6. es[エス](2001)
《ネタバレ》 とてつもなく怖いホラー映画。もちろん映像的に怖いというわけではなく、自分でも誰でもそういう設定に置かれたらああいう行動をしてしまうのかもしれないという気持ちを抱かせてしまう恐怖映画。実際に30年前に行われた実験らしいけど、何を目的で行ったのかそしてほんとにあんなことが起こってしまったのか興味津々。何も接点のない人だが看守という役を与えられただけであんなに一致団結してしまうものなのか?それと世界共通に刑務所のイメージはあんななのかとちょっとびっくり。支配欲というのは人間の欲のなかで最上位に位置するものなんだろうなーと改めて思ってしまいました。 9点(2004-06-03 01:06:51) |
7. 28日後...
《ネタバレ》 トレインスポッティングの監督の作ったホラー?映画。確かCMでは5日後、10日後とどんどん日を追うごとに状況が深刻化していき盛り上がっていくと思っていたのに、最初が何の目的で動物を放したのかの詳しい説明もあまりないままに、そしてその犯人はその後現れずにいきなり28日後になってしまった。その間の人々の動きが一番みんな見たいと思うんだけどなー。政府の対応とかね。いきなり誰もいない町に一人残されてってとこから始まっちゃうもんだからもうこの地点で興ざめなわけですよ。でこのゾンビが強いかって言ったらそうでもない。だから簡単に殺せてしまいそこで主人公が葛藤するんだけど、このあたりはいいんだけど。で助けを求めについた先はしょうもない軍隊で結局人間ってしょうがない生き物なんだなーってことを言いたかったのね。エンディングが2種類あるってのは映画としていけないんじゃないのかなー。解釈は自由なんだから1個作ってどうだって見せればいいのに、2つ以上作るとは観客にも役者さんにも失礼に値するとおもうよ。完成させてないじゃん。伝えたいことがわかんないじゃん。どっちも救われない終わり方だったんだけどね。 3点(2004-06-03 01:05:05) |
8. 十二人の怒れる男(1957)
《ネタバレ》 名前も職業も知らない陪審員たちのやり取りが最高です。舞台はほぼあの一室だけ。音楽もほぼなし。たった12人の動きと言葉だけでこれほどまでの映画が作れるなんて・・・。今の陪審員制度はどうなってるかはわかんないけど、彼(陪審中は名乗らなかったので)みたいな人がたくさんいるわけではないのであんなに簡単に人が裁けてしまうのは怖いけど、検事と弁護士だけで決まってしまうよりはその陪審員が判決を背負えるならいい制度かもしれない。。頭からこうだと決め付けている人に対してあそこまで冷静で公平でいられる人がどれだけいるのかな。俺には出来ないな。Reasonable doubtという一言。この一言がいかに重要か。ある疑問があったらちゃんとその疑問が疑われたか、そういう時間、場所が与えられたか?いやー素晴らしいお話です。とにかく集中して見れる大傑作!! 10点(2004-06-03 01:02:10)(良:1票) |