1. 龍が如く 劇場版
《ネタバレ》 ファミコン黎明期からのゲーマーである私(ほぼ引退)だが、「Football Manager」「龍が如く」といったSEGA作品は惰性で続けている。今回このレビューを書いたのは最新作「龍が如く7」の発売もあったので一応確認の為。なんというのか「ゲームやってる人にはわかるよね」みたいな作り方、やめていただきたい。特に龍が如くシリーズはゲーム中に挿入されるムービーシーンが配役演技、みんな完璧なのでどうしても実写にするとガッカリ感半端ない。この映画では各演者が一生懸命演技してる分(特に「嶋野の狂犬」真島吾朗兄さん=岸谷さんは素晴らしい)、脚本雰囲気がグダグダだと面白さも半減どころか駄目だこりゃ、なのであった。...たぶんもう二度と実写化という暴挙にはならないだろうがやるなんなら徹底的に、それこそ名作「龍が如く0〜誓いの場所」から桐生一馬一代記としてやってもらいたい。AmazonプライムとかNetflixで。因みに極私的「龍が如く」シナリオベスト5は「0>1>7(新作はシナリオだけなら『買い』です。RPG戦闘はかったるいけど)>4>2」です。おっさんの呟きでした。 [DVD(邦画)] 2点(2020-01-19 11:02:11) |
2. MW-ムウ-
《ネタバレ》 手塚治虫の名作によくぞ挑んだ、という感じは見受けられるし悪漢/結城美智雄(漫画では美知夫ね)を演じる玉木も頑張っていると思うがやはりこれは結城と賀来のホモセクシャルな関係が無いと成り立たないのではないか。彼らは表裏一体、心に「善と悪」を抱えている者達なのだから(漫画中結城の悪が出たきっかけは化学兵器MWと賀来に犯されるという事だからね)賀来が結城の犯罪を止めるという行為は神父である賀来の心にも潜む、「堕落した悪心」への恐れと結城というモンスターを生み出した苦悩があっての事のはず。正直裸になってチュッチュするのを観たいわけではない。陳腐かもしれないが台詞でも映像でもそういった雰囲気を生み出すことは可能だったろうし、それすら怠ってしまっている事が残念である。ホームランボールをハーフスイングで見逃してしまったような映画かな。 [映画館(邦画)] 5点(2009-07-04 20:59:05) |
3. アイアンマン
《ネタバレ》 軽い気持ちで観た方が得、という当初の意見には変わらないがこれ改めて見直してみるとそれなりに現代の情勢に合わせている点も好感を呼ぶ。ベトナム戦争を背景に進められていた原作をアフガン戦争に合わせ、国家に利益をもたらす軍需産業が逆にテロを助長している要因となっている皮肉をちゃんと表しているのだ(といってアフガン=悪、アメリカ=善で片付けられそうな単純な表現も無くはなく、なんじゃそりゃではあるが)自分が開発した製品がテロ組織に使用されている現実を知りその撲滅の為に立ち上がる天才科学者トニー。やはりこれはロバート・ダウニーJRのいい意味での妙な胡散臭さ・演技の巧さが光る。そしてアイアンマンガーのデザイン、スキンヘッドの悪役ブリッジスとこれもまた愉快。ヒーロー物好きな自分には満足でした。 [映画館(字幕なし「原語」)] 7点(2008-08-13 22:39:43) |
4. 椿三十郎(2007)
《ネタバレ》 友達が「面白い映画があるよ」と連れて行かれてこの映画とわかった時はどうしてくれようかすら思ったが単純に言って、もともとの脚本が良かったからか結構楽しめた事を告白しておく。三船と織田を比較すること自体野暮ってもんだろうし、松山や佐々木、そして豊川もそれなりに良くやっていたのではないか。ラストの殺陣、ありゃぁ無いだろうという声もあったが元々オリジナルの衝撃を超える事など不可能なのだから仕方のないところか。ただし三十郎に力のコントロール・侍としてのあるべき姿を問う殿+奥方に主水&玉緒というキャスティングの方が個人的には致命傷。愚鈍であるように見せながら実は侍のあるべき姿・本質を突く台詞を述べさせ同類であるはずの三十郎と室戸半兵衛の違いを際だたせるはずだった映画上重要なポイントにも関わらず、その効果がむちゃくちゃ薄れてしまったのではないか。これでは「危ないから気をつけてねー」位の感想しか持てずオリジナル版の馬面&化け猫コンビから得る感慨はすっかり無くなってしまった、こっちの方が主役のイメージより致命傷なのでは。「用心棒」のリメイクでは、気を付けてもらいたい。 [映画館(邦画)] 6点(2008-08-03 19:46:42) |
5. フラガール
最後は気持ち良く鑑賞できたし、話そのものも恥ずかしながら私は映画館でオイオイ泣かせてもらった。ただラストのフラダンスに至る「這いつくばってでも生きていく」という処までの経緯にもう少し工夫、というのか良くあるパターンになってしまっていてそこがたまに疵。あ、あとダンスシーンにストップモーションはやめようよ。あのフラダンスは余計な事をしなくても充分に魅力的なんだから。 [映画館(邦画)] 6点(2008-04-19 18:35:04) |
6. ブレードランナー/ファイナル・カット
《ネタバレ》 まずは映画館のスクリーンで鑑賞できた事に感謝。酸性雨の降りしきるロサンゼルスはやはり映画館の暗闇の中でこそ生える。ヴァンゲリスの音楽も効果的。監督リドリー・スコットの望んでいた「SFのハードボイルド」は十分表現出来ている。そしてこれはデッカードではなく、レプリカント=ロイの話。まぁこの映画から影響を受けた作品が漫画やアニメ、文学に限らずどれだけ溢れていることか。ちなみに私、モノローグの入る最初のバージョンも好きです。 [映画館(字幕)] 8点(2007-11-25 21:42:31) |
7. ロッキー・ザ・ファイナル
《ネタバレ》 そこまで過去の名シーンを取り入れる事はないのでは(特に亡き妻エイドリアンの描写)とも思ってしまうが、「ロッキー」シリーズに思い入れのある私はよくあそこまで捻じ曲がってしまったシリーズの流れをまともな物に戻してくれた、と感謝の念でいっぱいである。2~4まではある意味熱い話だったが「強いアメリカ」みたいで燃える感情は無かったし、5作目はロッキーの頑張りが見えずに尻すぼみであった。が、この話はまさに1作目の「自分の進むべき道を、愚直でも突き進み困難に向かう」主人公の想いが溢れたストーリーに原点回帰しており彼の老成も加わって胸にグッと来てしまう。そしてそれが周りの人々まで(ボクサーとして行き詰まっている対戦相手の無敗のチャンプにも)生きていく希望や活力を与えてゆくという展開に泣けてしまうのだ。そして主人公の頑張りを生み出すのは亡き妻への愛。感動するではないですか!最後にこの映画はフィラデルフィア市民への感謝に溢れたお礼状であった、ともいえる。おじさん方、スクリーンへ急げ! [映画館(字幕)] 6点(2007-04-28 23:15:52) |
8. CUTIE HONEY キューティーハニー
《ネタバレ》 知り合い宅で見なけりゃ多分見る機会の無かったであろうこの映画、率直に言うと思ったよりも悪くなく特に「熱演」というくらいの出演者の頑張りがある意味この映画を支えているのかな、というところか。(佐藤江梨子も与えられた役柄を何とかこなそうとしているのはわかるし)だから肩の力を抜いて、ボーっと見てる分にはいいでしょうと。個人的にはこの映画のマイナスポイントは2点ほど。1つはアクション映画における重要な点は「いかに観客の緊張感を高めるか」にあるのに監督の演出が妙にだる~いのでメリハリを付けられずに最後まで続いてしまったこと。あとはいろんな意味で奥が深い永井豪先生の作品を「映画で表現する」という企画自体の間抜けぶり、これにつきる。(個人的には永井先生作品の映画化で最高と思うのは馬鹿馬鹿しすぎ、という意味で「けっこう仮面」と思っているくらいだからね)「ススムちゃん大ショック」なんか見てみなさい、驚くよ。あと永井先生、お願いですから御自作の価値を下げるような企画に関しては駄目だしして下さい。ゲスト出演してもらっても困っちゃいますよ。 [地上波(邦画)] 4点(2006-10-31 22:15:10) |