1. 幕末
《ネタバレ》 錦之助の竜馬は今まで観てきた竜馬の中で一番眼つきが悪い。やけにカッチカチな竜馬で余裕がまったくなし。貴重と言えば貴重な竜馬像か。吉永小百合がおりょう役というのも凄い配役。眉を剃ってお歯黒をつけているのは随分リアリティに拘ったねと感心はするが、やはりおりょうの強さが全く感じられずミスキャストだろう。他にも色々配役がイメージに合わないこと多数。ことは配役にとどまらず、竜馬が襲われるシーンで竜馬が思いっきり人を斬っているのでびっくりだったり、ラスト近くのシーンで長々と竜馬が天皇制の廃止を唱えているのにはかなり違和感がある。監督の個人的思想を竜馬を通して言わせられては、さすがに堪らない。映画としてそこそこ観ていられるものの、竜馬に対して思い入れがある自分としては受け入れ難いものだった。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2010-07-24 03:29:43) |
2. 西部に来た花嫁
《ネタバレ》 ジーン・ハックマンはこういう役には持って来い。男のぎこちなさが実に愛らしい。俺のやり方を押し通そうとしながらも妻の突き上げに抗し切れなかったりと、二人の意地の張り通し合いが愛らしい。男がずっと忘れず覚えていた「友達が欲しかった」という妻の言葉。それは男の心の言葉でもあったのだろう。だからこそ忘れられない言葉になったのだ。二人のやりあいが愛らしく見えるのも、根底で互いを必要としあっていることが十分に伝わってくるからだ。一人の寂しさを知りすぎているから相手を突っ張り切れないし、相手への慈しみも生まれてくる。「判ってる。判ってる」と繰り返す男の言葉が印象的且つ、象徴的。良い映画です。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2010-07-24 02:53:01) |
3. 八甲田山
《ネタバレ》 完全版なるものの方を鑑賞。どこまで史実に基づいているのかは謎だが、単純に長いだけで面白くは無い。二人の隊長の対照的な運命はそれだけで面白くあるはずなのだが。山に入ってからが雪降ってるし帽子被ってるしで、誰が誰だか良く判らなくなる。高倉の隊の映像なのか、北大路の隊の映像なのかも時々分からなくなる。もう少し編集なり構成なりでどうにかなるはずだが、その編集自体が非常に稚拙。なんでそんなカットが入るんだ?ってことも少なくない。ばらっばら。これでは編集の技量でなんとか、などとは望むべくも無い。とにかく散漫に映像を並べてある。三時間弱もかけて、どこまで脚本通りに撮られているのだろうと疑念すら沸く内容。やけに叫びたがる演出は悲壮感を出したいが故か。メリハリなく、逆効果ですよ。氷を蝋で表そうとするのはいかにも時代ですな。撮影は大変だったろうなぁとは思うものの、作品はその労力に応えるものになっていなかった。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2008-10-20 21:10:48) |
4. ナイル殺人事件(1978)
《ネタバレ》 ストーカーよろしく付きまとう女の登場の仕方が、なんだか凄い。突然ピラミッドの上に現れ、実に気楽な感じて去っていく。危ない危ない。落ちますって。高さ考えなさいよ。さらには遺跡に風と共に現れる。演出過多というか、笑ってしまいそうになる。犯人も途中で分かってしまったので、真相にびっくりすることもなかった。大体死が妙に軽い。母親殺されてんのに、私達婚約しましたと嬉しそうに下船する女もどうかしているし、ポワロ自体も無駄な犠牲者の死に対して重く受け止めてる感じがない。もたもたやってる内に目撃者を二人も殺されて、最後は犯人の自殺も止められない。無駄な死を止められなさすぎです。エジプトでロケしているのに、ロケーションをうまいこと使えていないのも残念。もう少し観光気分も味合わせてくれてもよさそうだ。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2008-04-06 19:58:04) |
5. ダーティハリー3
《ネタバレ》 今回の犯人は殺人を楽しんでいるという設定が1の犯人を思わせるが、あちらのような空恐ろしいリアリティはなく、ただの犯罪集団。何の深みもない。アルカトラズ刑務所に乗り込んでの対決はそれ程見るべきものもない。中盤で前振りしたバズーカで犯人を木っ端微塵にして終了。でもその前に犯人が何故か市長を手放して一人塔の一番上に上がっていくということが、撃ってくださいと言わんばかりで冷める。それにしても序盤のカフェの強盗団にといい、殺さんでいいのに殺しまくりですな。まあ普通のアクション刑事もの。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2008-03-09 19:02:40)(良:1票) |
6. ダーティハリー2
《ネタバレ》 ギリギリ前作の匂いは残しているものの、前作と比べると見劣り感は否めない。大体ハリーの位置づけが変わってしまっている点がどうも。始めのハイジャックのシーンからして無茶苦茶で、ここで既に1とは別物だということは良く判った。悪徳警官との対決も全員殺して解決だぜという西部劇的ノリ。法の枠とのジレンマというハリーシリーズのテーマは見られても、2以降はどんどん普通のエンターテイメント映画に落ちていってしまっている。3以降よりは見られるが面白いわけではない。それにしても停止スイッチのついた爆弾って、目覚ましじゃないんだから。 [DVD(字幕)] 5点(2008-03-09 18:54:45) |
7. オリエント急行殺人事件(1974)
《ネタバレ》 ポワロ役はアルバート・フィニー。化ける事で有名な彼も、今回はやややりすぎに思える。なんか鞭打ち症になった人みたいにほとんど首を動かさない(動かせない?)のはどうも。トリックもちょっとね。犯人の中には、殺人に加担するほど犯人に恨みをもっているとは思えない人物も含まれている点が強引に思える。まあそんなこと言うより、ミステリーの掟破り的斬新さを楽しむべきなんでしょう。原作を読んだのは相当前なので比較は出来ないが、映画として作りはしっかりしている。出演陣も豪華。 [DVD(字幕)] 5点(2008-03-09 17:27:16) |
8. M★A★S★H/マッシュ
《ネタバレ》 戦争や体制に対する批判が込められているブラックコメディということだが、単に下品下劣な悪質な悪ふざけが延々と続くだけ。何故これが戦争批判になるのかが判らない。戦争要素なんて舞台が野戦病院ということ程度。負傷兵は顔も見えないただの物体でしかないという扱いが暗に戦争批判をしているのだとでも言うのだろうか。実際、これが野戦病院でなく普通の病院を舞台にしてたって成立するような内容。仮に舞台が普通の病院だったら、その場合は医療批判が込められてると言い出したっておかしくは無い。言ったもん勝ちのレベル。勘弁してください。馬鹿馬鹿しい。戦争について何も言わない表現もしない、かけ離れた悪ふざけに徹してそれが批判になるなら苦労しない。きっとそのうち何か変化があると思って観続けたが結局何も無く、最後は長々とフットボールして終った。やれやれだ。やたら流れる時代錯誤調の日本語の歌謡曲。あの悪ふざけから判断すればこれも馬鹿にするために流してるってことなんだろう。あげく、訳の判らんエセ日本にまで意味もなく来やがって、なめんなよ。 [CS・衛星(字幕)] 1点(2008-03-07 19:05:07) |
9. ダーティハリー
《ネタバレ》 犯人の男が能力が頭抜けて優れていたりするような男ではなく、少しばかり悪知恵の利くだけの弱弱しいサイコ野郎というところが現実的でかえって恐ろしい。自分が狙った獲物が物陰で見えなくなった時に酷くイライラしたりするなど、リアリティを感じさせる描写に優れているため現実味の比重が高く、時折見せる娯楽性故の強引さもしらけることなく受け入れられます。 [DVD(字幕)] 8点(2008-02-21 18:23:18)(良:1票) |
10. トラ・トラ・トラ!
もっとアメリカ寄りの一方的な映画なのかと思ったら、観てみると日本のシーンの方が寧ろアメリカよりもしっかりしていて、日本の事情説明なども丁寧に描かれてはいる。この辺は脚本に日本人が入っていることが大きいか。出演俳優も豪華なもんで、しっかり日本人が日本人を演じているため、見ていて文化的な違和感を感じるところはない。ゼロ戦が編隊を組んで飛んでいく様は、やはりCGでは出せない味があるし、迫力がある。しかしよくこれだけアメリカ軍の馬鹿っぽさが目立つ映画を撮ったものだ。日本人としてのあまり屈辱感を感じることのない稀有な太平洋戦争映画。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2008-02-21 17:57:22) |
11. 四銃士
《ネタバレ》 DVDカップリング収録だったので「三銃士」に続けて鑑賞。相変わらずどすけべダルタニアン。恋人がさらわれてという話なのに浮気しまくり、こんなんでは恋人が死んでも別に哀れともなんとも思われない。前作同様の内容で、いい加減と退屈の極み。逆に言えば前作が気に入った人なら安心して楽しめるのだろう。 [DVD(字幕)] 1点(2008-01-29 20:28:26) |
12. 三銃士(1973)
《ネタバレ》 実質ダルタニアンが主役とはいえ、三銃士がこれでもかと言うほど目立たない。活躍の場など殆どない。彼等が国の中でどういう位置づけなのかもさっぱり。庶民から食べ物を盗んだりしているし、ただのならず者集団に見える。肝心の強さもあまり際立ったものを感じさせない。戦闘も地味。ストーリーも面白くない。主役のダルタニアンも性格が悪く、妙に女好き。何でこんなに生意気なんだろう。それならそれで出来の悪い血気ばかりの若造ダルタニアンを温かく見守り導く三銃士という構図ぐらい欲しい。作りはアクションコメディという感じだが、アクションも今見ればさっぱりだし、笑いどころも笑えない。これを笑うには時代が違いすぎる。製作はイギリスだが、どこかつまらないフランスコメディを思い出してしまいます。 [DVD(字幕)] 2点(2008-01-29 20:17:38) |
13. 100万ドルの血斗
文明の利器が入ってきた西部劇は目新しく、結構楽しく観られるんだけど、やっぱりあの人間性が疑われるラストがね。これに4点以上つけると自分の人間性まで疑われそうだ。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2007-12-30 23:28:18) |
14. ファンタスティック・プラネット
アリのような存在になっている人間とそのもの虫を飼うように人間をペットにする宇宙人。ある意味、アニメ版猿の惑星とも言える。絵は独特の味わいがあるし、ストーリーもなかなか。深読みすると別の面白さもありそうだ。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2007-12-30 23:17:12) |
15. マックQ
《ネタバレ》 ジョン・ウェイン主演作にしては珍しい現代劇。しかしノリは基本的に西部劇。とにかく悪党は殺して解決です。中盤でたいした理由もなしに機関銃まで仕入れる。機関銃までも必要になるような悪党と戦う予感は全くないのにね。粗はあるけど、筋立てはなかなかよく出来ているし、中盤は砂煙を揚げ、終盤は水煙を揚げてのカーチェイスの絵面も面白い。西部劇ノリが許容出来るのであれば、結構楽しめる映画です。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2007-12-16 10:27:34) |
16. 最後の猿の惑星
シーザーの代で既に猿が皆喋るようになっているんですね。もうなんでもありですわ。内容も殆ど惰性で作られたとしか思えない程度。海外作品でこれだけ毎年作られた続編というのも珍しい。 [CS・衛星(字幕)] 1点(2007-11-29 18:34:20) |
17. 猿の惑星・征服
《ネタバレ》 謂わば前作で語られた歴史の映像化だけど、ペットにされてたった8年で猿が奴隷化してるって、早いなぁ。早すぎるよなぁ。猿、急激に知能向上しすぎだよなぁ。お馬鹿映画ですな。ここまで荒唐無稽ならその手のマニアの心はくすぐるかもね。最後のシーザーの演説は殆ど本編の内容などそっちのけで人間叩いてるだけでしたね。 [CS・衛星(字幕)] 1点(2007-11-29 18:21:37) |
18. 新・猿の惑星
前作のあのエンディングから繋げて続編を作るというのは相当な力技。冒頭からして、ややコメディ風味。細かな設定など都合よく変えられているようだし、一応話はつなげてあっても、前二作とこれ以降の三作とは別物と考えた方が良さそうだ。しかし既に猿の惑星も何もあったもんじゃない内容ですな。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2007-11-29 18:11:28) |
19. 続・猿の惑星
前作を観て、続編がこんな内容になるとはきっと誰も思い付かない。はちゃめちゃ。やりたい放題の色んな意味で凄い映画。 [CS・衛星(字幕)] 1点(2007-11-29 17:55:00) |
20. ロッキー2
《ネタバレ》 あのエンディングのその後はあまり見たい気分ではないのだが、これもまた止むを得ない。始めは若干テーストの違いに違和感があったが、徐々に慣れる。この辺、見ている内に割りきりが出来ました。昏睡状態に陥ったエイドリアンはやややりすぎの感はあるが、ロッキーシリーズは二人の愛情劇という側面も大きいのでこれはまあ許容範囲。試合は前作で負けたのだから、再戦は勝つという展開になるのは分かりきってはいるけど、それなりに高揚感はある。しかし前作にも増して防御を知らない男たち。普通の殴り合いで相変わらずボクシングを見ている感覚には程遠い。 [DVD(字幕)] 6点(2007-11-10 19:08:41) |