1. 情婦
《ネタバレ》 ラストのどんでん返しやディートリヒも良いんだけど、最も感嘆すべきはチャールズ・ロートンの桁外れの演技力、これに尽きる。精巧無比。 [映画館(字幕)] 9点(2016-09-20 23:08:51) |
2. 花咲ける騎士道(1952)
『隠し砦の三悪人』にも相通ずる興奮を覚えた。極めて痛快で品の良い活劇。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2008-02-11 20:19:09) |
3. 波(1952)
ボリューム感に満ちた傑作。冒頭、見並と昂子が語り合う浜辺シーンの美しさ。そこから回想される波瀾の半生は、落ち着いたトーンの中に見並の愛と葛藤を深々と描いている。それを演ずる佐分利信も最高。彼の出演作の中でも屈指の名演に挙げたい。一方、可憐な桂木洋子の憂い顔も忘れがたい。昨年彼女の訃が小さく報じられた際、スポーツ紙の見出しは専ら本名の黛住恵(亡夫は勿論黛敏郎)で載っていたが、引退しても映画史の重要なスターなのだから、そこは桂木洋子として載せて欲しかった。 [CS・衛星(邦画)] 9点(2008-02-10 20:14:36) |
4. 孤独な場所で
卓越した心理描写。短気な主役に辟易させられるが、ボガート独特の魅力が下品たらしめていない。重厚な味わいを持つ佳作。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2007-09-30 21:01:55) |
5. 大運河/グランカナル
まぁ、アルヌールは毎度の如く美しく、さすがMJQの音楽も聴き心地が良いのだが、それ以外は大して讃えるべき点はない。展開がトロいし平板。 [ビデオ(字幕)] 5点(2007-09-22 18:11:42) |
6. 挽歌(1957)
越路吹雪の主題歌から始まり、霧の街並みも幻想的で美しく撮られている。久我美子の迫真ぶりに惹かれ、相対する森雅之、高峰三枝子も好演。みんながそれぞれ愛し、傷つける過程が繊細に描いた秀作。 [ビデオ(邦画)] 8点(2007-09-22 17:22:07) |
7. 縛り首の木
《ネタバレ》 命の恩人の医師にやたら反抗的な青年とか、異様に程度の低い住民とか、腹立たしい奴ばかりなのでストレスが堪る。好きなマリア・シェルが目当てで観たが、他作品ほどシェルの美しさを引き出せていない。それぞれ名演だし見応えあるのだが、ストーリーが苦痛なのだった。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2007-09-22 17:12:09) |
8. アフリカの女王
米国を代表する映画スター二人に、ドリフの探検コントっぽいことをさせるのが偉い。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2007-08-13 00:10:02) |
9. 女中ッ子
これほど慈悲に満ち、哀感極まる人間ドラマはない。初を慕う余りに無茶をする勝美、菩薩の如き心で勝美を守り育てる初。この愛情深さ、切なすぎるラストに胸が張り裂けそうになった。そして映画初主演を堂々こなした左幸子。不器用ながら誰よりも心優しい女中を体当たりで演じきった素晴らしさ。憎たらしくも愛くるしい子役の伊庭輝男も見事。一生忘れられない作品は数少ないだろうが、私はその中の一本であると100%確信する。 [ビデオ(邦画)] 8点(2007-08-01 00:08:48)(良:1票) |
10. サンセット大通り
《ネタバレ》 大女優の老醜を単なる見せ物とせず、常にいとおしむ視線を逸らしていない。映画界の内幕を描きながらも品位を感じさせる所以は、ひとえにその点にあると思う。ラストは見事な狂気で締めくくるが、涙を滲ませながら見つめるシュトロハイムもまたグッと心を捉えるのだった。 [CS・衛星(字幕)] 9点(2007-06-10 19:19:09) |
11. 翼よ!あれが巴里の灯だ
飛行機の中で孤軍奮闘している内容なので、どうしても話が単調にならざるを得ないと思うが、何とか面白く、頑張りを映像化しようとする努力は伝わる。記録達成時は感動的だったが、ワイルダー作品としては少々薄味。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2007-06-09 19:30:40) |
12. 突撃(1957)
凡百の反戦映画とは明らかに異なる傑作。戦場の描写も素晴らしいが、やはり将軍の欲に駆られる過程や、欺瞞に満ちた裁判などにおける卓越した心理描写は絶品。ラストも心に沁みる。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2007-01-19 16:17:09) |
13. 日本橋(1956)
強烈な映画だった。ある種ホラー映画より怖いんじゃないかな。柳永二郎の汚れようも凄まじい。山本富士子の美しさ、若尾文子の可憐さは見もの。 [ビデオ(邦画)] 6点(2007-01-18 00:57:27) |
14. 魔像(1952)
凄い。かくも粋で軽快で艶っぽい時代劇が在ったこと、そして阪妻のスケールの大きさに改めて感動。一人二役を完璧にこなし、本当に生命の宿ったキャラに仕上げている。特に「おめえ汗かいてるなァ。拭いてる間は、斬らねぇよ」ってとこなんざ痺れたのなんの。余人に模せぬ自由自在な演技。あと清楚な津島恵子と気っぷのいい山田五十鈴、二人の美も忘れがたい。 [CS・衛星(邦画)] 8点(2007-01-10 20:10:31) |
15. さすらい(1957)
寂寥感溢れる風景の空気がリアルで、普段自分が見る夢に似た部分が多い。茫漠とした世界観に心地よさと苦みを同時に痛感する。 [CS・衛星(字幕)] 9点(2007-01-02 01:30:13) |
16. 無法松の一生(1958)
あまたの映画の中でも名大関級の傑作ではありますが、さすがに双葉山・大鵬の大横綱級の阪妻版には及ばず。 [CS・衛星(邦画)] 8点(2007-01-02 00:26:50) |
17. ローマの休日
幾多の亜流を観てきた後では、正直鮮度は高く感じないけど、これほど理想的な王女像は空前にして絶後。 [映画館(字幕)] 7点(2007-01-01 23:52:38) |
18. ナイアガラ
鑑賞して10年ほど経ちますが、モンローの印象は風化しても、ジーン・ピーターズの美貌だけは記憶に褪せがありません。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2007-01-01 23:47:58) |
19. 晩菊
元芸者たちが辿ってきた様々な歴史がありありと浮かんでくる芝居に感嘆。鼻毛を抜く望月優子は可笑しかった。 [CS・衛星(邦画)] 8点(2006-12-31 22:17:08) |
20. 山椒大夫
《ネタバレ》 驚天動地の傑作。何たる濃密な映像美、芝居の深み。これを神業と云わずして何と云おう。親子の行く末を手に汗握りながら見つめ、ラストの再会は感無量となりました。 [ビデオ(邦画)] 9点(2006-12-31 21:44:34) |