1. スター・ウォーズ/最後のジェダイ
《ネタバレ》 ディズニーがスカイウォーカー家から離れ、ep10以降勝手に振る舞える土台を作る為だけにでっちあげられた作品。 ライアン・ジョンソンもディズニーの意向に乗り、喜々として前7作で築かれてきたものをぶち壊している。 壊したうえで、新たな方向性を示すことが出来ていたなら問題はない。 しかし、今作はひたすら壊すのみ。ep1〜6のみならず、ep7の伏線すら無下に扱っている。 所々に挟まれた往年ファンへのサービスも免罪符のように見え、薄ら寒く感じてしまうほどだ。 致命的なのは、前作まで生き生きと登場してきたキャラ達が、今作では尽く単細胞バカになっている点にある。 スターウォーズの魅力の一つに、無鉄砲ながらも強大な敵に突進し血路を開く痛快さがあるだろう。 一方今作では、各キャラが何も考えず突っ込む→何も達成できないの繰返し。ただただ無力でバカなだけ。(突っ込んだ末に解決の兆しをみせる場面もなくはないが、その内実は死を伴った自己犠牲によるお涙頂戴もので建設的でない。) 例えばローズとフィン。彼らはカジノ(このカジノのシーンが今作中特に酷い)を経由しつつ敵船に乗り込むものの計画失敗。結局このシークエンスで物語上の進展は皆無である上に、両者のキャラクターを深掘りできているわけでもない。その末のキスシーンなど目も当てられない。 ポー・ダメロンもただ感情に任せ右往左往するのみで、ep7では確かに描かれていたキャラの芯が見受けられない。さも人間的に成長したかのような後半の演出も、彼の行動に芯がなければただ空虚である。 前作でミステリアスな性格を与えられていたスノークは思慮深さのかけらもないセリフと最期でモブキャラすれすれ状態。 マズ・カナタに至ってはちょい役&ネタキャラに堕している。 ここまで貶しまくりだが、ep6で神格化されたルークにも、やはり人間的な葛藤がある事が描かれた点は評価できる。 またヨーダとの掛け合い、レイアとのやりとりには、ぐっとくるものがあった。 ただこれらは、前作までに築き上げられたものの上にあるからこそ得られた成果物である。 先人の成したものを消費するのみで新たな伏線も張らず殆どタブラ・ラサ状態で終わったep8。 ep9がどのような展開となるのか、JJエイブラムスの手腕に、ほぼ諦めつつも期待したい。 [映画館(字幕)] 4点(2017-12-16 14:14:25)(良:1票) |
2. X-MEN:ファースト・ジェネレーション
《ネタバレ》 50年もの間シリーズの人気を牽引してきた2大カリスマが主役に据えられた作品。本作ではその2人の魅力をあますことなく堪能することが出来ます。原作が本来扱っていた人種差別の問題に立ち戻り丹念に描いているだけでなく、これまでの映画シリーズファンへのサービスや、チャールズの「ハゲるかも・・・」発言など小ネタも満載で、久々に観客のことを真摯に考えてくれている映画だなと非常に好印象でした。主役2人の俳優があまりに素晴らしく、もう1作品くらいこのキャストで見たい気もしますが、チャールズのハゲる過程を見る事になるかと思うと切なくなるのでやっぱりいいです。 [映画館(字幕)] 9点(2011-07-16 15:11:48)(笑:2票) |
3. ブラック・スワン
《ネタバレ》 久々に鑑賞後どっと疲れた映画だった。夏によくある幽霊特番の再現VTRのような驚かし方はあまり好きじゃない(この作品が再現VTRレベルという意味ではなく、驚かし方の方法として)。それも一定のリズムをかなり正確に刻みながら連発されるので、後半になるにつれビビリポイントが予見できて来てしまいかなり参ってしまった。もう少し緩急の緩があると良かったのだけど・・・。ただ俳優陣の演技はどれも素晴らしく、バレエの美しさに、また白鳥の湖に興味を持つ事ができたという点で、この映画に出会えてよかったと思う。 [映画館(字幕)] 6点(2011-06-09 02:31:17) |
4. ソーシャル・ネットワーク
面白かった。たしかに面白かった。ただ何が一番印象に残ったかと問われれば、エンドロールに流れたビートルズの「Baby You're A Rich Man」だと答えてしまうと思う。それほどにこの曲は今作を綺麗にまとめあげている。監督の選曲の上手さに舌を巻き、また本編の2時間をわずか3分の曲が食ってしまうという事にただ驚いた。 [映画館(字幕)] 7点(2011-04-16 11:42:05) |
5. SOMEWHERE
《ネタバレ》 somewhereで、someoneと共に、日々somethingしている主人公ジョニー。その顔には虚無感が伺える。離別中の妻から預かった娘クレアと過ごした平凡なひととき、そして別れを通じ、感じつつも見ぬ振りをしていた、自分もまたsomeoneであるという事に苦悩する。 そしてある決断によって全てのsomeが取り払われた瞬間、主人公の顔にはなんとも言えない晴れ晴れしさが浮かんでいた。 [映画館(字幕)] 8点(2011-04-16 11:29:30)(良:1票) |
6. アリス・イン・ワンダーランド
帽子屋の帽子をかぶったジャック・スパロウを作り上げてどうするんだよっ!!!アリス×ティム・バートンという映画ファン涎水ものの企画だったにも関わらずこの普通さ。映像の美しさを除いては想像力の乏しい素人が作った2次創作レベルでしかない。 ティム・バートン、ジョニー・デップをここまで縛り上げたのは何なのか、ねずみー王国恐ろしや・・・。 [映画館(字幕)] 5点(2010-05-28 07:44:35) |