1. 青の稲妻
少しザラザラと乾いたそっけない描写、起伏のない断片の集積された物語。印象的な色使い、やはりジャ・ジャンクーの映画です。この単調さが嫌いな人も多いんだろうなとは思います。実際後半うつらうつらしてしまいました。しかし不満はない、この監督のこの眠りへの誘い方が心地よいのです。 [DVD(字幕)] 7点(2013-06-09 06:56:20) |
2. 3時10分、決断のとき
うーむ、今一中途半端だったなあ。雰囲気はマカロニウェスタン風だが、現役バリバリでマカロニ観てたから、小汚い野郎どもにもさほど驚かされないしね。反抗期の長男坊をドラマに絡ませてくるから、説教臭い説明じみた西部劇に終わってしまったのね。おまけにこのタイトル!いかにもものすごい決意があるのかと思ったぜよ。タイトル負け! [DVD(字幕)] 5点(2013-06-09 06:49:53) |
3. 歩いても 歩いても
《ネタバレ》 本当に細やかな目配りの利いた佳品である。まったく神は細部に宿りたまうだ。描かれるのは、我らが永遠のテーマ、家族関係。出演者それぞれが持ち味出して良かった。特にYOUは、暑苦しいケバいだけのおばさんとの印象があったが、ここはうまくハマった。ラストシーンの時間経過は少し冷静過ぎる感があるが、映画としては、すわりが良くなったか。 [DVD(邦画)] 9点(2011-11-01 20:43:47) |
4. かもめ食堂
山野でスケッチを描く、俳句をひねる、子犬を遊ばせる、そのようなやわらかい時間、気持ちの良いもの。そのようなもの。確実に楽しめて、確実に時間は過ぎる。おしゃれな時間つぶしとしては良い選択です。例えば、通販生活ファンのあなたにお薦め。 [DVD(邦画)] 7点(2011-11-01 20:00:21) |
5. 川の底からこんにちは
いじけたひな人形。ちゃちでうすら寒い。 [DVD(邦画)] 1点(2011-11-01 19:51:48) |
6. マレーナ
自戒をこめて、そんなもんだよなあと思いつつも、それしかないガキがうっとうしい。 [DVD(字幕)] 1点(2011-09-14 20:40:21) |
7. ブレードランナー/ファイナル・カット
《ネタバレ》 暗く湿って猥雑な近未来都市の造形が良い。多情でけだるく、時に無機質に音を刻む音楽が良い。未来や過去を持つことができないロイが限りある記憶を語るのが良い。そのメッセージを引き取ったリックが、自分の人生への覚悟を決めるかのように、さりげなく折り紙を握りつぶすラストが良い。 [DVD(字幕)] 9点(2011-07-13 22:10:21) |
8. サン・ジャックへの道
《ネタバレ》 「道まかせ」という名の聖地お遍路ツアーに参加した老若男女9人の物語。不仲の三兄妹を始めとした、我らが御一行様はあーだろ、こーだろと揉めながらも、しだいに理解を深めていく。政治も宗教も硬直してしまって話にならん、人生というのは道まかせの旅のようなもの、そこでの出会い、理解、融和こそ意味があるということか。旅のシーン、風景と人とのカメラワークが美しい。ぎこちない幻想シーンのいくつかは不要、最後の母の幻想シーンだけで良いかも。 [DVD(字幕)] 7点(2011-06-07 19:04:49) |
9. 下妻物語
人気小説原作の女の子の友情物語ということで、まあ、毒にも薬にもならんお話ではありました。全体の絵柄がポップでキッチュで、こういうのが好きな人も相当いるんでしょうねえ。とりあえず深田恭子はIQ抑え気味の可愛さで突き抜けておりました。土屋アンナは顔がヨーロピアン過ぎでしょ!もう少しアジア的根性顔?でないとね。 [DVD(邦画)] 5点(2011-05-28 18:44:28) |
10. パッチギ!
《ネタバレ》 握りこぶしであちこちゴツゴツ叩く。素朴で愚直で、後ろ向きでなく、幸福であるための覚悟がわかりやすく、魅力的でした。だいいち登場人物が生き生きと、変に屈折してないのがいいよね。映画でなければならない理由が確かにここにはあるのだが、ただ楽曲「イムジン河」へのこだわりは、シンボリックではあるが少々説得力を欠き、ストーリー展開の小道具としての印象に終わった。 [DVD(邦画)] 8点(2011-05-20 18:41:34) |
11. 麦の穂をゆらす風
《ネタバレ》 両国の緊張の歴史になじみがないので、しばらくは、牧歌的な日常での抗争に現実味が感じられなかった。だが話がのみこめるにつれ、それこそ、北の国のきついウィスキーのようにその独立運動の徹底と妥協との葛藤が胸にしみた。奴は敵だ、敵を殺せ。この単純なパトスは世界のあちこちで未だ説得力を維持し続けている。 [DVD(吹替)] 6点(2011-03-10 18:19:13)(良:1票) |
12. 長江哀歌
《ネタバレ》 やがて水底に沈む、鉄さびの匂う貧しい瓦礫の中の労働。しかし、人々の暮らしや街や河の詩情は豊かで、汽笛、クラクション、工事音、恋唄などの演出もあり、画面の印象が深まっている。男は過去に拘泥し、女は未来に舵を切る。浮かびあがれるだろうか。なで肩ランニングのオヤジどもがべちゃべちゃ食って、飲んで、タバコ吸って、信頼して、時に幻が空をよぎったり、発射したり。ものうげな遠近と近景に眠気を誘われた2時間でした。 [DVD(字幕)] 8点(2011-02-21 22:46:28) |
13. 新・仁義の墓場
オレハ チキュウニオチテキタ イセイノガキダ。スキデウマレタワケデハナイ。コウシンキョヒ。幻滅感が胸いっぱい満たされる。救いはない。欲望一直線の三白眼の餓鬼を岸谷五朗が大迫力、脇を往年のなつかしヤクザプレーヤー陣が固めた。我らの穏やかな胃は少々こたえましたね。希望も持てないし、勇気づけられもしない、趣味の悪い映画です。 [DVD(邦画)] 7点(2011-02-14 23:23:24) |
14. 花とアリス〈劇場版〉
《ネタバレ》 今どきの少女生活満載のおしゃべり映画。思い入れたっぷりのピアノBGMが少しうるさいが、映像が透明で、蒼井優の感受性が光る。出てくる大人が、やたら言い直す親父とか、ことごとくはずしていて笑えた。落ちもかわいいしね。しかし青春って言うとなぜいつも波打ち際でたわむれるかな? [DVD(邦画)] 6点(2011-02-04 19:12:02) |
15. トウキョウソナタ
スパイスの効いた、家族の崩壊と再生or新生のドラマ。中産都市生活者の意識描写がカミソリ味でクール。唐突やけくそな展開は消化不良だが、全編台無しになるほど嫌いではない。エンディングのあと、確かに1~2分ほどは幸福などこかに連れて行ってくれたからね。 [DVD(邦画)] 7点(2011-01-31 19:56:57) |
16. ホテル・ルワンダ
赤とか青とか大地とかカラフルな遠い国の民族抗争ドラマ、しかし訴求力は確実にある。地味・したたかなホテルマンの判断力に好感。金、物、名誉でのくすぐり方。やりますな。 [DVD(字幕)] 6点(2011-01-17 07:46:40) |