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風小僧さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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コメント数 262
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自己紹介 現在の技術で作られた映画を観る目線で過去の映画を見下すようなことは邪道と思っている。できるだけ製作当時の目線で鑑賞するよう心掛けている。

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1.  裸の町(1948)
 製作当時としては画期的なオールロケ撮影の傑作。臨場感抜群で、ニューヨークの街並みをリアルに捉えたセミ・ドキュメンタリータッチが光る。  警部役B・フィッツジェラルドの安定感、若手刑事役D・テイラーのやや頼りなげな初々しさ。このコンビの捜査ぶりに加え、若手刑事の私生活も描いて映像に血を通わせており、人間味ある映像にまとめた演出はフィルム・ノワールにおける類型を確立した。ウィリアムズバーグ橋での撃ち合いに代表される縦構図等、立体感のあるカメラワークも秀逸。  「裸の町には800万通りの物語がある。これはその中のひとつだ」と語るラストのナレーションが印象深く、大都会・ニューヨークを見る視線が鋭い。
[インターネット(字幕)] 9点(2023-09-03 10:53:42)
2.  牛泥棒 《ネタバレ》 
 冤罪をもたらす群集心理の怖さを描いた西部劇。後味の悪い結末であるが問題意識をはらんだ佳作。  冒頭の、何もなくつまらない街という自虐的な意識が伏線となり、つるし首を数少ない娯楽として楽しむ集団リンチへと繋がる。  付和雷同による私刑は、多くの西部劇でひとつのエピソードとして語られるが、本作ではこの問題に焦点を当てている。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2023-06-25 16:24:40)
3.  陸軍 《ネタバレ》 
 幕末から日中戦争に至るまで、愛国的な家族が戦争と向き合う姿を描いた作品。  穏やかな役柄の似合う笠智衆と上原謙が強硬な軍国主義を語る場面など、国策映画として後援した陸軍省の要請に応じたと思われるシーンが随所にみられる。だが、戦意高揚を意識しながらも庶民の悲哀を織り込み、戦争に対する心情(あえて反戦とは言わないが)を巧みに忍ばせている。  ラストのシークエンスは、出征する兵士と田中絹代の演技を対比した長回しの撮影が光る。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2023-02-19 13:29:07)
4.  アパッチ砦 《ネタバレ》 
 カスター将軍を彷彿させる主人公の硬直ぶりが見どころ。2度目の鑑賞だがドンピシャのタイミングで、1か月あまり前に日本の政界で似たような光景があった。愚かな上司と翻弄される部下の関係は普遍的なものなんだなと実感。周囲の意見を聞かず独断でバンザイ突撃は悲惨な結果をもたらす。陰湿に人事権を振りかざす件もあり、現実と妙に符合する。  久しぶりにS・テンプルを見たくて鑑賞したが、サイドストーリー(フィラデルフィアとオロークの物語)は類型的で平凡。   現実のバンザイ突撃は、すんでのところで止める人がいたけどね。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2021-10-16 22:33:52)
5.  頭上の敵機 《ネタバレ》 
 戦争映画ではあるが、人間ドラマとして興味深い作品。指揮官と部下の関係を通じ、優れて指導者論になっている。ストーヴァルの回想で始まる構成もいいね。  成果を上げるため部下には厳しい上司、「パットン大戦車軍団」はじめよくある上司像だなと思いながら観ていたが、終盤に精神の変調をきたす展開は予想外。組織におけるリーダーとしての葛藤や苦悩が描かれており、第二次世界大戦終結からわずか4年後にこのような映画が作られたことに驚き。  いかに優れた人でも強いストレスにさらされれば弱いもので、ピンと張りつめた糸ほど切れやすい。そんな主人公の内面をG・ペックは見事に演じた。  個人的には、部下たちから信望厚く細やかな人間性(不運を嘆く弱点含め)をみせるダヴェンポート大佐や、気配り上手なストーヴァル少佐にシンパシーを感じる。サヴェージとダヴェンポートの長所を併せ持った上司が理想かもしれないが。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2021-09-01 08:18:22)
6.  西部の男 《ネタバレ》 
 南北戦争後のテキサスを舞台に、農民と牛飼いの争いに巻き込まれた流れ者を描く。一見、W・ブレナンの儲け役が目立ちG・クーパーが食われたように見えるがさにあらず。クーパーが男の強さだけでなく照れや戸惑い、はにかみ等のきめ細かな仕草を見せてくれる。多少クセのある善人と言う感じで、ユーモアを交えた表情は味がある。女心を解しロイ・ビーンの心情も見抜き、対立する両者に話し合いで事態を収めようとする困難な役回りに説得力を持たせた。  焼き討ちシーンからジェーンの再起への決意に至るシークエンスは「風と共に去りぬ」を彷彿させ、麦秋で締めくくるラストがいいね。ただし、男二人の奇妙な友情を強調するあまり、最後まであくどいロイ・ビーンに対して甘い展開が物足りない。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2021-08-02 21:23:15)
7.  ロープ
 殺人シーンで始まる倒叙的展開がいいね。舞台劇の映画化で場面転換に乏しいが、会話劇として観れば面白い。ワンシーン演出はあまり意識せず鑑賞。  死者の上に料理を並べる行動が二人の異常性を表わしサスペンスを生む。優生思想批判を織り込んで心理的な駆け引きもあるが、社会派心理劇と言えるほどの深みはない。フィリップ(F・グレンジャー)の終始不安そうな表情が印象的。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2021-06-06 22:07:37)
8.  カサブランカ 《ネタバレ》 
 何度か観たが1942年製作を意識し改めて評価。  戦時下に作られたメロドラマという印象だけでなく、ドイツに占領された自由の女神の故郷・フランスの人々への連帯を示すアメリカ人の心意気が強く感じられた。酒場での「ラ・マルセイエーズ」合唱は自由フランスの応援歌とも言え、彼らやアメリカ国民を鼓舞し勇気づけたことだろう。  苦虫噛み潰したような表情のリックと、陰影を含んだイルザの表情が、パリ時代との落差を引き立たせる。名曲「時の過ぎゆくままに」が運命的な再会を導き、ふたりの心を揺さぶる。  イルザへの愛情と自尊心の葛藤に、苦悩しながらも義侠心を見せるリック。男の美学が泣かせる。霧の空港で旅立つ者、残る者。仕事を口実にした強がり、通行証をもらうためイルザが愛したふり、リックが信じたふりという、心のせめぎあいが深い。  お世辞にも端正な顔立ちとは言い難いH・ボガートだが、名セリフ「君の瞳に乾杯」を4回も発すれば苦み走った二枚目になろうというもの。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2021-01-31 14:58:40)(良:1票)
9.  戦場(1949)
 かの有名な戦争ドラマ「コンバット!」のルーツ的作品。マクロな視点による派手なドンパチではなく、ミクロな視点で兵士個々の存在に焦点を当て、1小隊の地道な従軍活動を描いている。歩兵たちの心理・人間臭さを表現し、最前線での哀歓や市井の人々の細やかな人間性に重きを置く。若い兵士を捜さないし激しい戦闘シーンも少ないが、「プライベート・ライアン」と共通の空気が漂う。  よくよく調べたら、脚本担当のR・ピロッシュは後に「コンバット!」の製作・脚本を手がけたとのこと。道理で冒頭の感想になるわけだ。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-09-13 16:30:44)
10.  黄金(1948)
 欲望、モラル、信仰心、疑心暗鬼等、人間の業が良く描かれている。H・ボガートは欲得と悪意に敗れる人間の弱さを、W・ヒューストンは百戦錬磨の人生を、T・ホルトは善をギリギリ守ろうとする小市民の人生をそれぞれ体現。ボガートは「ケイン号の叛乱」や本作のようなひと癖もふた癖もある役柄がお似合いだ。  特筆すべきは人生の機微に通じた老人を演じるW・ヒューストン。人間味豊かな名演に酔う。  ラストは“面白うてやがて哀しき人生”かな。悪戦苦闘が徒労に終わり、「神の皮肉なユーモアだ」とハワードが最後に笑いとばすところは爽快感さえ覚える。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2017-09-03 16:30:16)
11.  トムとジェリー ピアノ・コンサート
 おやおや、こんちトム君、おめかしして何をするんでしょう。ははあ、さてはピアノ演奏かな?見事名演奏と相成りますか、さあお楽しみ。 作品全体がミュージカル調で完成度はピカイチ。格調の高さも時折顔を覗かせ、おすましの表情でクラシックを演奏するトム、鍵盤とともに動き回るジェリー、それぞれの表情が愉快。レンチで殴られた後のジェリーの時差反応、終わったと思えば何度も続く演奏から最後のオチまでがまた結構。 梅木マリのパンチある主題歌、ナレーション谷幹一の名調子、八代駿のトム、藤田淑子のジェリー・・・この日本語版は傑作!何度も観たけどアニメならではのスラップスティックが心地よい。 カートゥーンながらシリーズの1本1本が作品として登録されればその都度投稿するつもり。中でも「天国と地獄」はじめ傑作は多数あり。ディズニーもいいけど、やっぱハンナ・バーベラやテックス・エイヴリーでしょ。 【閑話:台所戦争ならぬフッ○論争の勃発】テレビ放送当時「フッ○、フッ○、フッ○フッ○」と連呼する歯磨きのCMが流れ、この発音を小学校のクラス内で「フット」派と「フッソ」派に分かれて議論。われら「フッ素」派が勝利して終結。 3本放送の真ん中作品も傑作に事欠かない。特にドルーピー(吹き替えは絶妙、玉川良一の名人芸)のおとぼけぶりが最高!彼の「呼べど叫べど」やスパイク「逃げてはみたけど」なども○点献上の用意をしておこうっと。 えっ、某政治家がドルーピーに似てるって?・・・し、しつれいな、失礼な。・・・ドルーピーに失礼な!
[地上波(吹替)] 8点(2016-08-30 10:40:57)
12.  チャップリンの独裁者 《ネタバレ》 
サイレントからトーキーへ一歩踏み出したチャップリンの問題作。ファシズム華やかなりし頃にヒトラーを戯画化した映画を製作することは、かなりの困難が伴ったものと思う。得意のボードビルでサイレントの味わいを残しつつ、トーキーの強み(音楽やスピーカー演説)をうまく活かしている。 独裁者ヒンケル似の床屋がドタバタを繰り広げ、随所にナチズムへの風刺・批判を交える展開。特に印象深いのはヒンケルが地球儀(風船)と戯れるシーン。“地球”という全世界を弄ぶかのような独裁者ぶりを表現した名場面だ(最後に割れるところがミソ)。また、ムッソリーニを彷彿させるベンツィーニとの意地の張り合いは、いかにもの面白さ。 そして最後の演説。満を持して声を出したチャップリン。自らの思いを込めた6分間の名演説は多くの人に感銘を与えたことだろう。「モダン・タイムス」から続く機械文明への懐疑も示しつつ、人類愛を謳い上げ「絶望してはいけない」「自由のために闘え」と印象的な言葉が散りばめられる。 プロローグから演説前までは傑作コメディー、ラストの演説は極めてシリアスな名スピーチ。惜しむらくは、この落差が自分の中でうまくつながらなかったこと。ギャップは承知の上でメッセージを伝えたかったと思うが。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2016-06-19 17:20:42)
13.  白熱(1949) 《ネタバレ》 
マザコンの凶悪犯、息子以上の凶悪母、隙あらば寝首を掻こうとする子分、いびきで登場するヴァンプ等、ブッとんだ悪党どもが物語を彩る。捜査側はその分抑え気味の描き方。主人公コーディの性格は、母親への偏愛ぶりに加えて「高ぶった感情をコントロールしがたい人物」として秀逸なキャラ設定。頭痛持ちの描写はやや単調な印象だが。 セミ・ドキュメンタリータッチのギャング映画として、破滅型人間の生き様をスピーディにテンポよく演出。さりげない場面にも綿密な計算が行き届いた脚本だ。 一例として・・・捜査官ファロンが囚人を装って刑務所に潜入する際、事前に「妻は金髪」という設定を要望→刑務所に茶髪の写真が送られる→コーディが彼を疑って写真を封筒から取出し飾っておく→刑務所に入ったファロンが妻(に扮した偽者)の写真と気づかない→コーディが「独房で視力が落ちたな」とかまをかける→ファロン写真に気付き咄嗟に「金髪を茶色に染めやがって」と罠をかわす→コーディ「小細工はきかないな」・・・両者の駆け引きが面白い。 他にも予防接種の緊迫感、読唇術の活用、ファロンと妻役との面会時の会話、当時のハイテクを駆使した捜査、ラストの化学工場の炎上など、ヤマ場をいくつも用意して飽きさせない。 J・キャグニーは“世界一になってやる”直情的なギャングを名演。後に「夜空の大空港」(傑作!)でクセのある犯人を演じるE・オブライエンが、本作では細心かつ大胆な潜入捜査官を見事に演じた。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2016-06-12 13:35:00)
14.  荒野の決闘
静かな西部劇だ。邦題は「いとしのクレメンタイン」とした方が主人公の心情を表しており、作品の内容に相応しい。主題曲はアープの心境にピッタリ。 フォード西部劇にしては珍しく先住民敵視でないと思ったら、酒場で泥酔した先住民をアープが取り押さえるシーンが。そこまではいいのだが、ダメ押しで足蹴にしたな。白鳳並みだ。 モニュメント・バレーはアメリカ開拓史を語るには絶好の舞台で、いい画ではあるが、ラストシーンを含め絵ハガキのような画面作りは「征服者のアングル」と思えてならない。広大な土地を白人が先住民から奪ったんだなと皮肉な感想を持ってしまう。ストーリ-としては、バージルが殺されてから復讐に向かう展開があっさりして物足りない。 アープ役H・フォンダは細かな仕草(ロッキング・チェアでの寛ぎ、スイカズラの香、ダンス等)がなかなか良く、純情で片思いを秘めた静かな男を好演。対するD・ホリデイ役V・マチュアは偉丈夫で、結核に苦しむ医師の姿は似合わない。また、ひげ面とはいえ目が優しい善人顔W・ブレナンの悪役も合わない。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2016-05-15 23:00:07)
15.  素晴らしき哉、人生!(1946)
キリスト教的価値観を謳った映画だが、アメリカ映画における一服の清涼剤と受け止めたい。初見後、主人公の人生は暗転してからの後半部分が長いと感じていた。再見すると、大金を紛失する(隠される)前の方が少し長かった。一方に偏っていない時間配分で、良い時もあれば悪い時もある人生を考えるとバランスのとれた編集だ。J・スチュアートは適役適演。 冒頭の天上における神様と天使の語らいシーンは作品に寓意が込められており、オッサンの2級天使という発想もユーモラスでいいアイデアだ。 会社の金を失い絶望した主人公に対して、天使は彼が生まれなかった世界を見せる。その殺伐たる世界を見せつけられ、彼はいかに有意義な人生を送ってきたかに気づく。「ベタな展開」といえばそれまでだがヒューマニズムに溢れており、人生における普遍的なものをファンタジーに包んで描いた映画だと思う。 “クサい”といわれるようなことを正面切って表現する・・・いいね。
[CS・衛星(字幕)] 10点(2016-03-06 22:07:19)
16.  市民ケーン
「バラのつぼみ」という言葉の意味を探るニュース記者、その過程で暴かれるケーンの生涯。ラストシーンで明かされる真実。O・ウエルズの評価がやたら高いが、「市民ケーンの真実」を観ると、脚本家H・マンキウィッツの功績が大きいようだ。いかに裕福で成功した(と思われる)人生を送ろうとも、主人公には満たされないものがあったはず。両親と離れることも知らず、夢中でソリ遊びをしていたのだろうか?その後の寂しさ、喪失感は察するに余りある。音楽(B・ハーマン)は合わないなあ。少年時代に大切なものを失った体験・・・。それぞれの「バラのつぼみ」を抱えて生きている人は多いのではないか。他人にはどうでもよいことが、本人にとって重大なことって結構あるんですよ。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2015-09-13 13:11:04)
17.  第三の男
カメラワークが素晴らしい。光と影、角度を変えた画面構成、ラストの絵画的なシーンの印象深さ等々。最初はサスペンス映画と思って観たが、人生を深く考えさせられる社会派の映画という感じだった。いつの世も戦争後のどさくさに紛れて大儲けする奴はいるもんだ。終盤、追い詰められたハリー・ライムが下水溝から手を伸ばし、地上に這い上がろうとするが果たせず、その姿が彼の人生を象徴していたように思う。
[CS・衛星(字幕)] 10点(2013-01-03 13:24:55)
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